子猫ちゃんの養成法 子猫ちゃんのダイアリー

~ 子猫ちゃんのダイアリー ~

「ただいま、美亜」

 離れの中の一室を開けると、俺は机に向かっている美亜に声をかけた。

「あ、おかえりなさ~い、ご主人様」

 振り向いて俺を見つけた彼女は、嬉しそうに俺にかけよると勢いよく飛びついてきた。

 小柄な美亜だから大した事はないが、それでもなかなかの衝撃だ。

「今日は約束どおり早かったね」

「こら、美亜。行儀が悪いぞ」

「ごめんなさ~い。だって嬉しかったんだもん。えへっ」

 少しバツが悪そうにペロリと舌を出す。まったく、こいつときたらガキなんだから。

 そう思って美亜の様子を見る。今日はぶかぶかのトレーナーに、なぜか下はブルマだ。

「なんだ? その格好は」

「えへへ~。今日は午前中、母屋の方まで掃除してたの。動きやすい格好って、体操着が一番でしょ? 学校でも大掃除の時はそうしてたし。上は汚れちゃったから、お昼を作る前に着替えたけどね」

 そう言って、屈託ない笑顔を向けてくる。無邪気なヤツだ。

「汚れたって、何したんだ?」

「ちょっと花瓶倒しそうになってぇ、慌てて押さえたけど水が体操服にかかっちゃった」

「そうか。まあ、お前が大丈夫ならいい。昼飯があるんなら食べるかな」

「うん、いいよ。今日のは自信作だよ」

 そうして二人連れ立って母屋の方に向かった。

 先に離れに戻って待っていると、美亜が後片付けを終えて戻ってきた。

「まあまあうまかったな」

「えへへっ、そうでしょ? ご主人様のために、これからもっと上手になるよ」

「おお、頑張れよ」

 そう言って、頭を撫でてやる。

「うん。ご主人様、ありがとう」

 嬉しそうに俺にしがみついてくる美亜。わずかに汗と甘ったるいミルクのような匂いがする。

「まったく、ガキなんだから」

「ガキじゃないよぉ。ちゃんとご主人様に悦んでもらう練習も毎日やってるもん」

「そうか。なら今度ちゃんと見せてもらうかな」

「うん、いいよ。今からする?」

「ばぁか。飯食ってすぐはまずいだろうが」

「んもう、ここに来た日だけじゃない。あれからまだ一度もシテくれないんだからぁ」

「みんな順番なんだから我慢しろ。それよりさっきは何してたんだ?」

「え? えへへ~、日記書いてたの」

「そっか、どれ、見せてみろ」

「うん。これだよ」

 美亜は日記を手にとって俺に差し出した。

 小さいながらもごつい装丁に、それに見合ったしっかりした鍵まで付いている。

「はい、これ。ご主人様の分だよ」

 鍵も差し出してくる。どうやらスペアキーのようだ。

 鍵を受け取り、日記を開こうとした時に、表紙に書いてあるタイトルが読めた。

 “美亜の日記”その横には、ご丁寧にも赤くきっぱりと“絶対見ちゃダメ!”と書いてある。しかし、さらにその下には“ご主人様ならいいよ♪”と書き加えてある。

 思わずそれをなぞってから美亜に尋ねてみた。

「なんだ、こりゃ」

「えっ。だって、ご主人様には私のこと全部知っててほしいから」

「まあ、そうか。じゃあ開けるぞ」

「うん」

 にこにこと笑顔で答える美亜。それを確認してからおもむろに表紙を開く。

 中に綴ってあるのは幼い丸文字だった。まったくこいつときたら、こんなところまでガキっぽいんだから。

 苦笑をこらえつつ、俺は適当にページをめくってみることにした。

×月25日

 私の専用パソコン到着! やったね!

 中古だって、いいもんね。すっごくパワーアップしてあるって言ってたし。

 これで安心してメールとかインターネットとかできるよね。

 がんばろうっと。

×月26日

 しーちゃんとメール開通のお祝いに、いっぱいメールしちゃった!

 おかあさんたら、電話より安いのならそっちにしなさい、だって。

 でも、いつもは電話でずっと話をしてるから、なんか変な感じ。

×月27日

 なんだか急に切なくなっちゃった。

 田中クン、私のことどう思っているのかなぁ。

 この前は、ちょっといい雰囲気かなって感じだったし。

 もしかしたら両思いかも。

 思い切ってコクろうかな?

 でも、いやって言われたらどうしよう。

 ううん、考えてるだけなんて、私らしくない!

 当たって砕けろ、よ(砕けたくないけど)

 来月の彼の誕生日が狙い目ね。

 何かインパクトのある方法を今から考えなくっちゃ。

×月28日

 インターネットの検索っておもしろーい。

 思ってたのと全然違うホームページとかも見つかるし。

 ホントは彼の気に入りそうな物が何かないかと探し始めたのにね。

 途中から思いっ切りより道しちゃったみたい。

 今日はいっぱい色んなところを見てきたなぁ。

 少しパソコン初心者脱出かな?

○月1日

 今日はすてきなホームページ発見。

 かわいい子猫ちゃんの写真とかがいっぱい!

 前に検索したときはなかったから、新しいところかな。

 ムービーもかわいくって、感動しちゃった。

 おもわず感想をメールしたけど、届いたかなぁ。

○月3日

 今日は絶好調!

 本を読んでもすっごくよく分かるし、何をしてもしっかりできた。

 料理も手順がすぐ覚えられたし、できあがりもばっちり!

 こんなにうまくできたのなんてはじめて。

 おかあさんにもほめられちゃった。

 これで田中クンもいちころ! って、なったらいいなぁ。

 こんなに調子がいいのは、午前中ずっと猫ちゃんの画面を見てから後よね。

 とっても頭がすっきりしている感じ。

 こんなに効果があるのなら、毎日眺めちゃおうかな?

 そういえば、見ている間もとっても幸せな気持ちだったなぁ。

 なにはともあれ、料理の大成功よね!

 あ~ん、誰かにこのうれしさ伝えた~い!

○月4日

 私、超能力者? 超能力者かも。

 昨日からとっても頭がさえてる感じだし。

 知らない人にメール送ったら、実は知ってる人のだったなんて。

 でもスプーンは曲がらなかった。

 う~ん、何してるんだろ? まあいっかぁ。

○月5日

 今日はますます絶好調!

 もう今までの私じゃないもん。

 何をやってもうまくいったし、最っ高の一日。

 なんだか幸せい~っぱい!

 あの画面をずーっと見てたからかなぁ。

○月7日

 やっぱり私、超能力者?

 それとも運命なのかなぁ。

 あの猫ちゃんのホームページの管理人さんのメールアドレスを2回も当てちゃった。

 でも、やっぱりスプーンは曲がらないよぉ。

○月8日

 か、ん、ぺ、き!

 管理人さんの出題なんか、いっぱつ回答よ!

 スプーンが曲がらなくたって、気にしない、気にしない。

 きっと私には何かがある。もう確信しちゃった。

 でも、ダウンロードしたファイルがうまく動かないのはなぜ?

 いっぱつ回答しても、これじゃぁ意味ないよ~。

 管理人さん、ヘルプミー。

○月10日

 きっとあの電話、管理人さんだったんだよね。

 すてきな声で「美亜さん、いらっしゃいますか?」だって。きゃ~!

 「赤坂美亜さんですか?」だなんて間違い電話のフリをしてもピンときたよ。

 管理人さん、私のこと信じてくれたかなぁ。

 信じてもらえなかったらどうしよう。あ~ん、不安だよ~。

 それはそうと、田中クンったら、どういうつもりなのかしら。

 突然「つきあってくれ」だなんて。びっくりしちゃった。

 私が今いちばん気になってる人は、管理人さんなんだからね。

 きっと私の、運命の人よ。絶対に!

○月11日

 私って、エッチだったんだ。恥ずかしい~。

 でも、あんな画像だったなんて知らなかったんだもん。

 女の子の、ひとりエッチ(きゃ~)

 あんなの見たら、変な気分になってもしかたないよね。

 ねえ、管理人さん、そうでしょ。

 管理人さんったらぁ。

○月12日

 やっぱりこの前の電話は管理人さんだったんだ。

 あのときとおんなじ、すてきな声。

 私って、けっこう大胆なのかも。公衆電話であんなこと(ひとりムニャムニャよ)するなんて。

 はじめてだったけど、管理人さんの言うとおりにしたら、すっごく気持ちよかった。

 管理人さん、私のことどう思ったかなぁ。

 でも、あの雰囲気だと私のこと気に入ってくれてるみたい。

 そうだといいなぁ。

○月13日

 管理人さん、私の運命の人。

 やっとわかったの、管理人さんが私の飼主なんだって。ご主人様なんだって。

 会いたい、会いたい、会いたいよ~。

○月15日

 管理人さん、とうとう明日会えるね。うれしいよぉ。

 どんな人なんだろ? でも、優しい飼主になってくれそう。

 明日は早起きだし、もう全部準備終わってるよね?

 迷子の私を今まで育ててくれたみんな、ホントにありがとう。

 明日からはご主人様のところで飼い猫に戻れます。

 管理人さん、明日からよろしくお願いしますね。

○月18日

 今日はご主人様が早帰りの日。

 朝から気合を入れて掃除しちゃった。

 さすがに母屋はちょっと広くて大変だったけど、喜んでもらえたらうれしいな。

 お昼ご飯もけっこううまくできたと思うし。

 それに、ご主人様を喜ばせる勉強だってちゃんとやってるもん。

 ディルドォってのでお口の練習もしたし、昨日からはアナルベルトってやつでプラグを入れて広げる訓練もしてるよ。

 ご主人様、早く私の練習の成果を見て。

 もう、待ちきれないよぉ。

 待ちきれなくて昼間から日記を書いてる美亜でした。

 こうして見ると、俺のサブリミナルプログラムの威力がよくわかるな。とはいえそんなことを言える筈もないから、別の方から話題を振ってみるか。

「お前なぁ、何だこのちまちまして独り善がりの日記は?」

「えぇ~? だって、日記なんて後で自分さえ分かればいいじゃない」

「まあそうだけど。今度からはお前の解説付きでないとだめだな、こりゃ」

「ぶぅ~。わかった、そうするから。でも、ホントに読んでも分からなかった?」

「嘘だよ、わかるさ。なんたって俺はお前をちゃんと我が家に連れ戻した男だぞ」

「なら問題な~し。そうでしょ?」

「そうだな」

「でも、ホントあのソフトって凄いよね。ちゃんと迷子の私を見つけてくれたんだから」

「そうだろ、俺の自信作さ。『家出猫覚醒帰還プログラム』は、な」

「うわ~、ダサダサ。な~に、その名前は」

「なに言ってる。そのものズバリじゃないか」

「そうだけど~、う~んと、ねぇ、『帰って来いよ、子猫ちゃん』なんてどう?」

「却下だ」

「ぶぅ」

「ところで、ホントに今もしてるのか?」

 そう言って、ブルマに包まれた小さなお尻を撫で回してみる。確かにベルトのような物が腰周りからお尻の間に通っているようだ。アヌスのあたりには、ちょっと出っ張っている部分もある。

「嘘じゃないでしょ? ご主人様、見たい?」

「ああ」

「んじゃぁ、はいっ」

 そう言って、さっさとトレーナーとブルマを脱ぐ美亜。ブルマの下からは、確かに貞操帯のようなものが現れた。ただし、前の方は隠れていないが。

 さっそく後ろに回って小振りなお尻を撫で回し、そのプラグも触ってみる。なかなかしっかり装着されているようだ。

「痛いか?」

「ん、だいぶ慣れたよ。気をつけて座れば痛くないし。あしたからはもう一回り大きいので頑張るの」

「そうか。だけど、あんまり急にやるとつらいから、もっとゆっくり慣らしていったほうがいいぞ」

「だめだよぉ。早くみんなみたいに、こっちもご主人様に使ってもらえるようにならなくっちゃ」

「そうか、わかった。やっぱりお前はかわいいヤツだな」

「えへっ、ありがとう、ご主人様」

 そう言って、心底嬉しそうに微笑む美亜。我にもなく愛おしさが込み上げて、思わず抱きしめてキスをする。小柄な体を精一杯背伸びさせて応えてくる美亜。ブラをしていなかったのか、アナルベルトだけを身に纏った姿はかなりエロチックで、俺のやる気をかきたてる。

「今からするぞ」

「うん」

 そうして備え付けのベッドの方へ向かった。

 全裸になってベッドに腰掛けた俺は、その場で待っていた美亜に指示を出す。

「よし。練習の成果を見せてもらおうか」

「はい、ご主人様。ご奉仕します」

 俺の股の間に跪き、股間に手を伸ばしてくる美亜。恐る恐るといった感じで俺の一物をさすりだす。

「あったかぁい。それに、なんだかぷりぷりしてる。こっちはくにゅくにゅしてるし」

「おいおい、感想はいいから。そこは急所だから、気をつけてやれよ」

「は~い。でもアレにはこんなの付いてなかったから」

「おしゃべりじゃなくて、練習の成果を見せるんじゃなかったのか?」

「あっ、そうだった。ごめんなさい。はじめてだからうまくできないかもしれないけど、ご主人様が気持ちよくなれるようにがんばるからね」

 そう言って、舌を伸ばしてぺろぺろと舐め始めた。しばらくそうして唾液をまぶしつつ、時折横咥えにして唇で刺激を与えてくる。裏筋に舌を這わされると、ぞくぞくした感覚が背中を走る。

「うぉっ、いいぞ。よく練習してるな」

「えへへ、そう? じゃぁ、もっとがんばるね」

 それから、小さな口を精一杯大きく開いて一物を飲み込もうとする。歯を立てないように注意しているのだろう、ゆっくりと中ほどまで口の中に収めていく。そんな体勢から上目遣いで俺を見上げてくる。

「いいぞ。そのまま上下にスライドさせるんだ」

「ん~、ん~」

 言われたとおりにはじめはゆっくりと、そのうちだんだん早く、一所懸命頭を上下させる美亜。更に舌使いなどを指示して、たどたどしいながらも誠意のこもった初めてのフェラを楽しんでいく。

 さすがに練習していただけあって、最初の戸惑いを除けば随分スムーズになってきた。これが初めてのフェラチオとは思えない。腰の奥では解放を求めて熱気が渦を巻いている。そろそろ限界か。

「いくぞ、美亜。ちゃんと全部飲み干せよ」

「ん~」

 初めての口内射精を受け止める美亜。涙目になりながらも必死でそれを飲み込んでいく。最後まで飲み干してから、ようやくゆっくりと口を離して息をついた。

「ぷは~、すっごくいっぱい出るんだね。びっくりしちゃった」

「おう、気持ちよかったからな。よく頑張ったぞ、美亜。どうだ、うまいか?」

「ん~、なんかちょっと変な味かな? それよりご主人様が悦んでくれてうれしかったぁ」

「なあに、今度からはとってもうまいと感じるさ」

「え? ホント?」

「そりゃそうさ。なんてったって、大事なご主人様の精液だろ?」

「あっ、そうだね。えへへっ、次が楽しみだね」

「さっそく味わえるさ。ほら、これを後始末すれば」

「あっ、ほんとだ。じゃあ綺麗にするね」

「ああ、まかせたぞ」

「うん」

 そうしてストローを吸うように、丹念に残りを吸い取っていく。竿の回りもきれいに舐めあげてくる。その健気な奉仕ぶりを見ているうちに、またしても力が回復するのを感じた。

「どうだ。うまかっただろう?」

「うん、ほんとにおいしかったぁ。ご主人様、ありがとう」

「お前の奉仕もよかったぞ。ホントに可愛いヤツだな」

「えへっ、ありがとう。でも、もっと気持ちよくなってね、ご主人様」

 そう言って笑顔を向けてくる美亜。なんとなく愛しくなって、体を引き寄せて頭をなでてやる。

「えへへ~。ご主人様、だ~い好き」

 俺の腰に腕を回して頭を胸に預けてくる美亜。しばらくは、その軽い圧迫感を感じつつ、彼女の頭を撫でながら余韻に浸っていた。

 とりあえず落ち着いたところで、いよいよ美亜の体を楽しむことにした。一回放出した後といっても、さっきの美亜の心をこめた後始末により、俺の一物は既に臨戦体制だ。

「美亜、ベルトをはずすぞ。プラグを抜くから、ベッドに上がれ」

「は~い」

 そう答えながらベッドに上がる美亜。ちらりと目に入ったあそこは、もう蜜で濡れていた。

「なんだ、お前も興奮してたんだな」

「だって、ご主人様が気持ちよくなってくれたのを感じたら、ものすご~く嬉しくて、体中熱くなったんだもん」

「そうか、よしよし。今度はおまえも一緒に気持ちよくなる番だな」

「ありがとう、ご主人様」

「その前に、もっとしっかり見せてくれないか?」

「えぇ~、またぁ? 恥ずかしいのにぃ」

 そう言いつつも仰向けになり、おとなしく足をM字に大きく開く美亜。その間に体を入れて、まだ一回しか男を受け入れたことの無いあそこを眺める。相変わらず綺麗なものだ。

 そこが愛液に濡れているのもそそられるが、それ以上にそそるのはアナルベルトでプラグをしっかりくわえ込まされている部分だろう。

「ご主人様、恥ずかしいよぉ」

 そう言って身悶えする美亜。しかし、あそこからは新たな蜜が流れ出てくる。

「もう少しだ。じっとしていろよ」

 じらしながら、もうしばらく眺めてみる。

 プラグはまだまだ小振りな方だが、慣れないうちは大変なはずだ。それを嫌がりもせず、むしろ俺のために積極的に受け入れている美亜。褒美に、いずれはここでも素晴らしい快感を与えてやろう。

「それじゃぁ、プラグを外すぞ」

「うん」

 そうして腰のベルトを緩め、ゆっくりと慎重にプラグを抜きだした。なかなかしっかりはまっていて、急に引き抜くのをためらわれたからだ。

 全てを抜き出すと、美亜はほっとしたように大きな息をついた。やはり相当な緊張をしていたんだろう。

「美亜。気持ちは嬉しいが、やっぱりいきなり大きいのに変えるのは難しそうだぞ。みんなと相談しながら、少しずつ慣らしていけよ」

「そう? あ~ん、残念。でもがんばるから、それまで待っててね、ご主人様」

「ああ、わかっているさ。その時はこっちでも気持ちよくしてやるからな」

そう言って手を伸ばし、アヌスの周りを優しくクルクルとなぞってやる。

「えへっ、ご主人様ありがとう」

 期待に頬を染めながら答えてくる美亜。かわいいヤツだ。

「これだけ濡れていれば、もう準備は必要ないな。いくぞ、美亜」

「うん」

 そうして、ゆっくりと2度目の挿入を果たす。途中でまたも引っ掛かりを感じたものの、躊躇いもなく一気に奥まで占拠した。ふと結合部を見ると、前回よりは少量ながら、またしても出血したようだ。

「痛いか、美亜」

「ううん。途中でちょっとピリッときたけど、後は大丈夫」

「そうか。なら動かしても大丈夫だな?」

「うん」

 その言葉を合図に、ゆっくりと抜き差しをはじめる。美亜の様子はというと、切なそうな息をはきながら首を左右に振っている。黄色いリボンで結ばれた髪が、一緒に左右に揺れている。

「気持ちいいか?」

「あっ、うん、気持ちいいよ。だってご主人様にシテもらってるんだし。それだけでも私、どうにかなっちゃいそう、んんっ」

 そう答えながらも、おずおずと腰をせり出してくる。ゆっくりした刺激が我慢できないんだろう。

 しばらくそうしていたが、そのうち俺のほうも我慢できなくなってきた。激情のおもむくままに大きく激しく突き上げていく。それに翻弄されるかのように、小柄な体で、しかし必死に応えてくる美亜。

「んんっ、あんっ、はあっ、ごしゅじん、さまっ、きもち、いい?」

「ああっ、いいぞっ、気持ちいいぞっ、美亜」

「あんっ、うれしい、いっぱい、きもち、よく、なって。わたしでっ、きもち、よくっ、なってぇっ」

「おおっ、いいぞっ、おまえも、気持ちよくなって、いいぞ。イキそうか? イっていいぞ。イけ、そらっ、俺も、一緒に、イってやるから」

「ホントっ、うれしい、イって、わたしでっ、イってっ。わたしもっ、イイっ、イキそうっ、あっ、イクっ、ああん、イクっ、イっちゃうぅっ」

「おおおぉぉっ」

「ああぁぁんっ」

 稲妻が走ったような衝撃とともに、ありったけの激情を美亜に注ぎ込む。その瞬間、長く尾を引く悲鳴をあげて大きく体をしならせた美亜は、そのままぐったりとなってしまった。

 荒い息を吐きながら、俺は美亜の隣に横たわっていた。今回も美亜に悦びを極めさせてやった充足感が満ちてくる。そのまましばらく余韻を楽しんでいると、ようやく美亜が身じろぎした。一息ついた頃に声をかけてやる。

「どうだった、美亜」

「あ、ご主人様」

「気持ちよかったか?」

「うん、とっても。こないだより、もっと凄かったぁ」

「そうか。よかったな」

「えへへ、ありがとう、ご主人様」

「これからも、何度でも気持ちよくさせてやるからな」

「え~っ、ダメだよ、ご主人様。嬉しいけど、私がご主人様を気持ちよくさせてあげたいもん」

「そうだな。それじゃあ一緒に気持ちよくなることにしよう」

「うん」

 幸せそうに笑いかけてくる美亜。それから急に体を起こすと、俺の一物の後始末をはじめた。

「おお、気が利くな」

「だって、ご主人様が嬉しいと、私も嬉しいもん。それに、とってもおいしいから」

 そう言って、躊躇いもなく咥えるとしゃぶり出す。そんな健気な様子を見ていると、下半身への刺激もあいまって、あっという間に回復してきた。

「えへっ、元気になったね」

 嬉しそうな笑顔を見て、俺はもう一戦の決意を固めた。

 夕食当番を忘れた美亜が、みんなに謝りまくることになったのは言うまでもない。

< 終 >

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