マリオネット 第7話

第7話

 砕かれた葵の青いベールが、まるでダイヤモンドダストのように宙を舞う。
 それは、光りを撒き散らす、青い輝きの透き通ったスクリーンとなった。
 俺の目の前に広がる、幻想的な青い光のスクリーン、それは儚さをまとい、とてもこの世のものとは思えない美しいものだった。
 そしてそのスクリーンに映し出されるもの。
 それは怯えたように頭を抱えうずくまっている葵の姿。
 もはや葵を守るものは何もなかった。
 その葵の無防備な姿には、はっきりと見ることができる。
 赤い壁越しからでも確認できる、葵の額に浮かび上がる、俺の紫の糸を打ち込むべきポイントが―――
 俺はゆっくりと右手、中指をかざす。
 それを見た瞬間葵の顔が引きつった。
「いやっ、やめてえっ」
 葵が慌てて自分の額を両手で隠す。
 だがもう遅い、俺の糸は茜のすべての物質を通過する能力を取り込んでいる、一度糸を打ち込むポイントさえ見つけてしまえば、その後にどのような障害物を作ろうともそれはまったくの無意味だ。
 俺は指先から糸を打ち出す。
 糸は、音もなく赤い壁を通り、青いスクリーンをすり抜ける。
 そして、額を隠す葵の両手を通過し、葵の額へと突き刺さった。
「あっ」
 葵が身体を震えさせる。
 葵はそのまま後ろによろけ、ゴツッと後頭部をピアノにぶつけた。
「い……いやあっ、いやあっ」
 葵はまだその目に見えているであろう俺の糸を必死に振りほどこうとする。
 だがいくらそんなそんな事をしようとも結果は同じだ、決して触れることのできない俺の糸を振りほどく事などできない。
 俺は葵にイメージを送る。
 俺が一番最初にやるべきこと、それは葵の持つ糸の能力を奪うこと。
 とにかく……こいつの能力は……
―――危険すぎる!
 俺は、茜の糸を取り出すときと同じように、葵に葵が糸を取り込んだ時の事を鮮明に思い出させる。
「あ……やだ」
 そして一気にそれを逆再生させた。
 大きく葵の身体が震える。
「やめてぇっ」
 葵が大きく自分の身体を両腕で抱え込む。
 まるで糸がその身体から出て行くのを防ぐかのように。
「嘘になっちゃう……嘘になっちゃうの、この力がなくなったら、私のしてきた事がみんな嘘になっちゃうの!」
 葵は怯えるように、その両の目からボロボロと涙をこぼしている。
 俺はそんな葵の姿を見て、ふんと鼻で笑う。
 ウソもホントもない、これからお前の身に起きる真実はひとつだけだ
 俺の糸がひときわ強く光を放つ。
 そしてそれに呼応するように。
 葵の身体全体が、強い青い光を放った。
「――――っ!」
 葵の身体がビクンと震える。
 葵が何か叫ぼうとした、だがその瞬間。
 葵の全身から流星群のような、数え切れないほどの強い光を放つ青い糸が飛び出した。
 何十、何百という青い糸が所狭しと音楽室を跳ね回る。
 壁にぶつかっては反射し、床にぶつかっては反射し、天井にぶつかっては反射し、その繰り返し。
 音楽室全体が、青い光の海と化した。
「ああ……」
 すべての糸を出し切った葵は、ピアノの足にもたれかかり、緊張の糸が切れたようにそのままずるずると身体をずり落とさせていった。
 俺はその光のショウに見とれることもなく、そのうなだれた葵から糸を引き抜く。
 そして、そのまま音楽室の中央まで歩いていくと、俺の糸を、数え切れないほどの青い糸が舞う宙に向かって放り投げた。
 天井に向かってまっすぐに伸びていく俺の糸、俺はその糸に力を送る。
 精神干渉とか感覚干渉とか、そう言った細かい種類の力ではなく、漠然とした糸そのものの力。
 俺の糸が、宙を舞う青い糸に負けないぐらいの光を放った。
 その瞬間、無秩序に跳ね回っていた青い糸達が一斉にその方向を変える、すべての糸が俺の糸に向かって飛び掛ってきた。
 初めの糸が俺の糸に触れる。
 その青い糸は俺の糸と絡み合うと、まるでお互いが溶け合うようにひとつの糸になっていった。
 それを皮切りに、次々と青い糸が俺の糸に絡まってくる。
 そして、その糸のひとつひとつが俺に取り込まれるたびに、まるでパズルのピースがはまっていくように、俺の脳裏にこの青い糸の使い方が組みあがっていった。
……なるほど…この青い糸の能力を使う事に限っては、身体のどこに糸を打ち込んでもいいのか……
 更に俺は、この糸の能力は自分自身の身体にも使える事を知る、やはりこの青い糸は俺や茜の糸とはだいぶ違う特色を持っているようだ。
 やがて、最後の糸が俺に取り込まれる。
 俺は、全身を焼かれるような感覚を覚え、その身をよろけさせた。
 そして、その身体を支えるように、近くにあった机に左手をつける。
 その瞬間、俺の手から痛みが走った、葵の操る男に折られた小指から。
 俺は両足を踏ん張り、身体を真っ直ぐに立たせると、その左手を上げ、目の前に持ってくる。
 本来なら曲がらない方向に曲がっている俺の小指、その根元は元の3倍ほどに腫れ上がり、更にその指先にはあるはずの爪がない。
……肉体干渉の力を自らの身体に使えるんなら……
 俺は、その左手に意識を集中する、まるで青い糸を体内に這わせ、そこまで到達させるように―――
 次の瞬間、ガクンと指が俺の意思とは何の関係もなく動いた。
 そして、それは細かく左右に動くと、そのまま更にガクンともう1回大きく揺れ、元の正しい指の角度へと戻っていった。
 どす黒く腫れていた間接部分も、どんどんとその腫れが引いていく。
 更にはその指先の爪も、信じられないほどの速度で生え直り、俺の指は、まったく異常のない元の状態へと戻った。
 その直った左手を俺は軽く振ってみる、痛みのかけらすら感じるようなことはない。
 俺はその力を確認すると、景子に切りつけられた脇の下、そして椅子を蹴り上げるときに負傷した足の指までも元通りに直す。
 そして、五体満足、その身体にすべての異常がなくなった状態で、今だ床にへたり込み、ピアノの足に寄りかかって呆然としている葵にゆっくりと身体の向きを変えた。
 俺の視線を感じ取った葵が、はっと正気に戻る。
「い…いや……」
 葵は俺から逃げようとする、だが葵の足腰はまるで立たなくなっているようだ、俺からはその場でじたばたしているようにしか見えない。
 俺は一歩葵に近づく。
 すると、何を思ったか、葵は自分が履いていた上履きを脱ぎ捨てる。
 そしてそれを手にとると俺に向かって投げつけてきた。
 よけるまでもない、葵が投げた上履きはまるで見当違いの明後日の方向に飛んでいってしまった。
「いやあっ、こないで」
 葵はそう叫ぶと、もう片方の上履きも脱ぎ、それを投げつける。
 今度は狙い通りに投げられたようだ、葵の投げた上履きが俺の胸にあたる。
 だがこんなもの、先ほどまでの葵の攻撃に比べたら、蚊に刺された以下だ。
 上履きは、ポスッという音を立てて、そのまま床に落ちた。
 俺は、それを足の内側でパシッと蹴り、横にどかす。
「気が済んだか?」
 俺は更に1歩、葵に近づく。
「いやあっ」
 葵は頭を抱え込み、騒ぎ立てる。
 その葵を見て、俺は眉をひそめる。
……まったくさっきからギャーギャー相変わらずガキみたいに
 この音楽室でいくら叫んだところで外に響く事はないだろうが、この葵の子供のようなわめき声を聞きつづけるのはいいかげんうんざりしてくる。
 だがそこで俺はあることを思いついた。
……待てよ…ガキか……
 俺の顔に卑下た笑いが浮かんでくる。
 そして俺は、あるイタズラを思いついた。
 この、葵から奪った能力を使った、葵どころか茜すら巻き込むような意地の悪いイタズラを……
 俺は、その笑い顔を浮かべたまま右手をかざす。
 葵が反射的に額を隠した。
 だが、元々それは通じない上に、今、俺が使おうとしているのは葵の肉体干渉の力だ、これだけを使うならわざわざ額に打ち込むことはない。
 俺は糸を打ち出す、糸の力を失った葵は俺のこの糸を見ることはできない、俺の紫の糸は額を隠す葵をあざ笑うかのように、その喉元に突き刺さった。
「あっ」
 葵が身体を震えさせる。
 そしてそのまま、脱力したように額を隠していた両腕をだらりと下げてしまった。
 そんな状態の葵を見下ろしながら、俺は葵に話しかける。
「まったく騒がしいやつだな、そんなに騒ぎたければその騒ぎ方が似合うような格好にしてやるよ」
 俺は紫の糸を通し、青い糸の力を操る。
 葵に打ち込んだ糸が、体内に入ったあと細かく分裂し、それが葵の身体の隅々まで届いていることが実感できた。
 俺の糸が紫の光を放つ。
 紫の光を放つのは糸同士が完全に融合している証拠だ、赤い糸の力を使う時同様、青い糸の能力を使う時も、俺の糸は紫のままだった。
「えっ?……あああっ」
 突然葵の身体から、ピシッピシッと乾いたような音が響いた。
「なにっ……これえっ」
 葵は苦しそうにうめき、身体を曲げる。
 その葵が一番最初に感じたのは、その首周りに巻かれているスカーフが緩くなった事か、それともスカートの締め付けが無くなった事だろうか。
「やだあっ」
 葵の腕が、制服の袖からどんどんと中にすぼまっていく。
 そう、俺は葵の肉体干渉の力を使い、葵の身体を縮めたのだ。
 いや、幼児化させたと言った方が正しいだろう。
「どうしてこんな事するのっ」
 だぶだぶになった制服の中でもがく葵、その姿は情けないを通り過ぎてこっけいにすら見える。
 俺はそのまま葵に近づく。
 葵は起き上がり俺から逃げようとするが、だぶついた制服が身体に絡まり、そのままべちゃっと床にうつぶせるように倒れてしまった。
 俺は葵のすぐそばにくると、身体をかがめ葵の制服の襟首をつかむ。
 そしてそのまま葵を立たせようとしたのだが、あまりにも制服が緩くなりすぎていたため、そのまま葵の身体からブレザーどころか、シャツまでがスポンと脱げてしまった。
「あっ……いやあっ」
 顔を真っ赤にして、もはや肩からぶら下がっているだけで、何の意味もなさないブラごと、そのなにもない胸を両手で隠す葵。
 俺はその脱がした葵の服を放り投げると、今度は胸を隠すことで両手を使ってしまい、そのガードが緩くなった葵のスカートに手をかける。
「あっ、そっちはやめてぇっ」
 そして俺はそんな葵の言葉を無視し、スカートの端を握り締めると、それもためらいなく剥ぎ取ってしまった。
 やはり脱がす際に抵抗はまったくない、スルリとスカートは脱げてしまった。
 白いパンティーが現れる。
 パンティー自体は伸縮性があるので、多少だぶついているもののしっかりとその腰を覆っていた。
 俺は、葵をその状態までさせると、一度立ち上がり、2、3歩後退して葵を見下ろす。
 葵はそのまま、下着を押さえつけるように身体を縮めこんで、元は白いであろうその肌を真っ赤にさせて俺を睨みあげていた。
 子供の身体つきなどよくわからないが、今の葵の身体年齢は10歳をちょっと越えたあたりに相当するといったところか。
 確かに葵からは、それを見るものすべてを魅了するような美しさは無くなってしまった。
 だが、今のそのスレンダーな身体つきからは、それとはまったく別次元の、どこか倒錯的なものさえ感じるような美しさが、以前の葵と変わりないぐらいその身に表れていた。
 俺はそんな葵を見下ろしながら言う。
「なんでこんな事するかだと?」
 俺は眉をひそめる。
「決まってるじゃねーか、ガキっぽい思考でとんでもねー事やらかしたお前に俺がオシオキしてやるためさ」
 俺は再び葵ににじり寄る。
 葵がビクッと身体を震えさせ座り込んだまま後ずさりする。
「ふん、不満がありそうだな、だったらお前に教えてやるよ」
 俺はそう言うと、葵に手を伸ばし、その喉笛を片手で鷲づかみにした。
「あ…っく」
 顔を歪める葵、その葵を俺はそのまま無理やり立たせた。
 そう、先ほどの景子のように。
 ただ違うところといえば、対象となる葵の頭が俺の胸より下にあるといったところか。
「お前が納得いくように、至極公平にな」
 葵が苦しさに負け俺の腕を両手で掴む。
「お前は俺の身体を、指を含め散々破壊したわけだが……とりあえずこれは不問にしておいてやる、何せ俺はお前と戦った張本人だからな」
 だが…と俺は続ける。
「お前、お前があいつらにしでかした事、どう始末つけるつもりだ?」
 そう言って、俺は空いている方の手の親指を後方に向け、うずくまって山積みになっている男6人と、俺が突き飛ばした際に気を失い倒れている景子を指差した。
 特にその頭脳を破壊され、身体も原型がわからないぐらいに変形させられた6人。
「あ………」
 葵のその幼い顔が青ざめていくのがわかる。
 そんな葵の様子を見て、俺は心の中で笑った。
……ふん、思ったとおりだ
 先ほどまでの葵なら、俺のこんな口先だけの精神的攻撃になんてびくともしなかっただろう。
 だが、葵は俺に負け、青い糸の力を失った。
 青い糸の力、それは葵が狂ってしまったきっかけでもあったが、なによりもそれ以後の葵の精神的柱だったに違いない。
 気が狂わんばかりに糸の力が奪われることを拒絶したあの葵の態度が何よりの証拠だろう。
 今の葵の精神は、ヒビの入ったガラス細工よりも脆い。
 怯えきった小動物のような目で、俺の目と、うずくまっている6人を交互に見つづける葵。
「どうやらわかったようだな、お前がしでかした事の重大さが」
 俺は葵の喉から手を放す。
 ケホッと葵が咳き込んだ。
 実際俺にとっては、後ろの人間の事などどうでも良かった、ただ少し面倒な事になるかな、ぐらいにしか思っていなかった。
 だが、それをしでかした葵本人にとっては、重大な事だったらしい、目に見えて葵の抵抗がなくなっていった。
……もう少し苦労するかと思ってたけどな
 俺は手を伸ばすと、片手で葵の両手首を掴かみ、持ち上げた。
「あ…やだ……」
 身体を隠せなくなった葵は、恥ずかしそうにその幼くなった身体をくねらす。
 俺はそんな葵を見て、笑いながら言った。
「納得したか?それじゃあいよいよそのお仕置きタイムだ」
 俺は、吊り上げられて身動きできなくなっている葵の、そのただ肩からぶら下がっているだけのブラを、空いているもう片方の手で掴んだ。
「あっ……やっ」
 葵が抵抗するようにその身体をよじらせる。
 だが、俺はそんな事お構いなしにその握り締める手に力をこめると、それを強引にむしり取った。
「いっ」
 葵がブラを引きちぎる際の痛みで顔を歪める。
 だが俺は、そんな葵などお構いなしに、今だその葵の体温の残っている、剥ぎ取ったブラを後ろに放り投げた。
 そして、その葵の身体を俺は見下ろす。
 そこには、きめの細かい白磁器の板の上に、赤い木の芽を載せただけのような葵の胸が現れた。
「ああ……」
 葵がこれ以上ないぐらいの恥ずかしそうな顔をする。
 だがこれくらいで参られちゃ困る、こんなものまだ序の口だ。
 俺は今度は葵の両手首を持ったまま身体をかがめる。
 葵は、その体勢に余裕ができたため、少しでも俺からその身体を隠そうと身体をくの字に曲げる。
 そして俺は、そんな葵のパンティーを、真正面から掴んだ。
 葵がビクンと身体を震えさせる。
「先輩だめえっ、そこだけはゆるしてっ」
 葵は内股を閉じ、パンティーを下ろされないように必死に抵抗する。
 だが、今の葵の筋力でそんな事をやっても、抵抗にすらならない。
 俺は、わざと葵を辱めるように、ゆっくりとそのパンティーをずりおろしていった。
「いやぁっ」
 ずりおろすパンティーが小さい尻のふくらみを越える。
 俺の目の前に、穢れなき無毛の、幼さの象徴とも言える葵のワレメが現れた。
 俺はそこまでやると、後は一気に葵のパンティーを足首のところまで下げた。
「ああ……」
 葵は顔を真っ赤にして、身体をよじらせながら俺を見下ろしている。
 俺は、そんな一糸まとわぬ姿になった葵を、つま先から頭のてっぺんまで、まじまじと眺める。
「いやぁ……こんな姿、先輩に見られたくない……」
 葵は、ついにはその羞恥で涙まで流し、蚊の鳴くような声でつぶやいた。
 もともと葵の体系は、姉と同じスレンダータイプだったが、それでも出るところは出ていた、ややグラマラスな方だった。
 それだけに、なおさら今のまったくと言っていいほどくびれのない真っ平らな身体を見られるのは、普通に裸体を見られる事より恥ずかしいのだろう。
 俺は、ふんとつぶやくと立ち上がる、先ほどのように葵の両手首を掴んだまま吊り上げるようにして。
「あっ」
 俺は、その掴んだ葵の両手首をぐいと引っ張り歩き始める。
 葵は引きずられるように俺についてくる。
 そして俺はそのまま葵をピアノのそばまで連れて行くと、葵をむこう向きにさせ、その両手首を先ほどまで葵が寄りかかっていたピアノの足に押し付け、葵に命令した。
「そのままそのピアノの足を両手で握れ」
 え?と葵が俺のほうを振り向く。
「いいから握るんだ」
 俺がきつくそう言うと、葵は恐る恐るピアノの足を両手で握る。
 葵がそこまでするのを確認すると、俺は自分が締めていたネクタイを外す、そしてそのピアノの足を握っている葵の手を、ネクタイを使って縛り付けてしまった。
「あっ、痛い……」
 葵は顔を歪める。
 そしてぺたんとその場に座り込んでしまった。
 だが、俺はそれを許さない、俺は葵の尻を両手で抱えると、そのまま立ち上がらせた。
 葵の手は、高さ70センチぐらいの低い場所に縛り付けてある。
 その状態で強引に立たせられた葵は、前かがみの状態で尻をこちらに突き出すような形になった。
「やだっ、先輩恥ずかしいっ」
 葵は再び膝を折って、しゃがみ込もうとする、だが俺はすばやく葵の股間に左手を滑り込ませると、親指と人差し指の間で、葵の恥骨を支えるようにして受け止め、再び立ち上がらせた。
「ひっ」
 俺は力をこめて葵の腰を引き上げる、葵は前かがみのまま、爪先立ちで立っているような状態になった。
 無理な体勢を強いられている葵の足が震えている。
 俺は膝を床に立てて身体をかがめる、ちょうど俺の目の高さに葵の股間がくるように。
 そして俺は、その親指を当てたまま、ぐいと葵の秘部を開いた。
「あっ」
 俺の目の前に、成熟さのかけらもない、俺の小指すら通らなそうな性器と、小さくすぼまったアナルがあらわになった。
「先輩……やだ…許して……」
 全身を赤く染めて葵が小さくつぶやく。
 葵の声のトーン……というより口調そのものが、気が強いものからおとなしいものへと変わってきている。
 後ろ向きに俺を見る目も、まるで心細く主人を見つめる子犬のようだ。
 おそらく……これが本当の葵。
 俺が葵に与える羞恥が、結果として葵を正気に戻らしているようだ。
 俺は笑う。
 そっちのほうが面白い、気の強い女を糸の能力でもてあそび、散々嬲るというパターンはもう茜で十分楽しませてもらった。
 茜とも、景子とも違う反応をしてくれるなら大歓迎だ。
 俺は、そう思うと空いている右腕を前に出す、そして葵の喉元に刺さっている糸の能力を使い、葵の身体を変化させた。
 ボウと糸が紫の色を放つ。
「えっ?」
 葵がピクンと身体を震えさせる。
 それと同時に、俺の目の前で開かれていた葵のヴァギナが細かく痙攣しはじめ、全体的に赤みを帯びてきた。
「あっ、先輩……」
 葵の息が荒くなってくる。
 そう、俺は葵の性器を強引に充血させ、無理やり発情状態にさせたのだ。
 この方法は、紫の糸や赤い糸を使って、景子や茜を発情させた方法などに比べれば効力は弱い、通常の行為でも到達できるレベルのものだ。
 だが、今の葵の幼い身体にはこれくらいがちょうどいいだろう。
 トロリと、その幼いヴァギナから不相応な、大量の愛液が流れ出てきた。
 俺は、その愛液ごと小さなヴァギナを覆うように、左手の親指を葵のそこに押し付けた。
「あっ」
 葵が大きく身体を震わせる。
 俺は、その愛液を塗るようにして葵のヴァギナ全体の表面を、親指の腹でなでていく。
「せ…先輩……」
 葵がこちらに顔を向けて、熱っぽい目で俺を見る。
 そんな葵の行為を見て、俺はふんと笑う。
「なんだ葵、俺にこういう事をされて嬉しいのか?」
 俺がそう言うと、葵は顔を赤らめて俺から顔をそむけた。
「そ…そういうわけじゃ……」
 葵は、どう聞いても肯定としか思えないような口調で否定する。
 だが、俺にはそんな事どうでもよかった。
 俺は手の動きを強くする、今度はどうあがいてもその先端すら出てこないようなクリトリスを、その包皮の上から転がすように嬲った。
「あっ…はあ……っ」
 葵が必死にその幼い身体をくねらせる。
 ヴァギナから分泌される愛液の量がさらに多くなった。
 だんだんと、俺の与える刺激に素直にその身体を任せるようになってきた葵。
 そんな葵を見て俺は冷たい笑いを浮かべる。
……ずいぶんと気持ちよさそうだが葵、忘れるなよ、これは―――
『オシオキ』
 だってことを。
 俺は、葵から見えないように、空いている右腕を振り上げる。
 そしてその手のひらを開くと、それを葵の尻に向かって振り下ろした。
『バシン』
 少し…いや、今の葵にとってはかなりキツイであろう強さで俺は葵の右側の尻をはたいた。
「きゃああっ」
 葵がその衝撃でへたり込もうとする。
 だが、俺の左手は相変わらず葵の股間を下から支えるような形で持ち上げている、それを実行する事はできない。
「せ、先輩……」
 葵が両目に涙を浮かべて俺のほうを振り返る。
 だが、その表情が凍りついた、おそらくその目には、俺が再度手のひらを広げて、右手を振りかぶっている姿が写っている事だろう。
「や―――」
『バシン』
 先ほどと変わらぬ、ほとんど手加減なしの強さで、俺は今度は葵の尻の左側を平手で叩いた。
「や、やめて……ゆるして先輩」
 葵が苦痛の表情を浮かべ、必死に身体をねじらせる。
 そんな葵を見て、俺は笑いながら言った。
「残念ながら、やめる事も許す事もできないな、なんて言ったってこれは『オシオキ』だからな」
 葵の左右の尻に、俺の手形が赤く、はっきりと浮かび上がってくる。
 俺は、その浮かび上がった手形から、ほんの少しずらすようにして、さらに2回ずつその葵の尻を叩いた。
「い…やぁ……」
 葵の尻が真っ赤に腫れあがる。
 葵はもうほんの少しの抵抗すら見せようとはしなくなった、ただ縛り付けられた手でピアノの足をぎゅっと握り締め、身体を震えさせ痛みに耐えているだけだ。
 俺はその腫れあがった部分をそっとなでる。
 片手だけでその半分が覆えそうな小さなその尻がピクッと震えた。
 赤くなった部分はかなりの熱を持っている。
「痛かったか?」
 葵は両目に涙をためた顔でこちらを振り向くと、そのままなにも言わずにコクリとうなずいた。
 その姿は、まるで本当にお仕置で尻叩きを受けている子供のようだ。
「ふん……でもまあ指を折られたり生爪はがされたりする痛みにくらべれば蚊に刺されたようなもんだろう」
 俺は、パシパシと、軽く刺激を与える程度に葵の尻を叩く。
「あ……」
 俺がそう言うと、葵は目を閉じて、きゅっと唇をかみ締めた。
「…ごめ……なさい……」
 葵の蚊の鳴くような声が聞こえる。
……ふん、葵、まだまだ反省されちゃ困る、オシオキはこれからなんだから
 そんな葵に、俺は命令をするような口調できつく言った。
「いいか葵、俺は今からこの手を離す、だからおまえは自分自身で立つんだ」
 ぐいと、俺は1回、葵の股間にあてて葵の身体を支えている手に力をこめ、葵の腰を浮かせる。
「わかり……ました……」
 葵はそう言うと、ピアノの足を握りしめている手に力をこめ、そこで体重を支えた。
 爪先立ちになっているその足にも力が入る、俺の左手に葵の体重が感じられなくなった。
 俺は、すっとその手を離す。
「葵、これから俺がどんな事をしてもその体勢を崩すなよ、もし、勝手にしゃがんだりしたらまた尻を叩くぞ、さっきよりも強くな」
 ぶるっと葵の足から尻にかけた部分が震え、緊張が走った。
「はい……」
 葵は観念したように、目をつぶり前のほうを向く。
 俺は、その葵の姿を確認すると、今まで葵の小さな尻を撫で回していた右手を真ん中のほうに持っていく。
 そして、人差し指を立てるようにして、その指を葵の尾てい骨が浮き出ている場所に押し付けた。
「ん……」
 葵が小さく身じろぎする。
 俺は、そんな葵の尻の谷間をなぞるようにして、そのあてた指を、ゆっくりとおろし始めた。
「あ……」
 葵の尻が細かく震えだす。
 俺はゆっくりと指をおろし続ける、そしてその指が、最初の秘所、葵のアナルにへと触れた。
「んんっ」
 葵の身体がピクンと震え、反射的に今までうつぶせていた頭を上げる。
 俺はそのまま、ただ触れるだけというレベルの圧力で指を葵のアナルに押し付けたまま、ゆっくりとそのしわをなぞるようにして、指先で愛撫した。
「……あぁ」
 葵が、その幼い身体を切なげにもじらせる。
 拒絶しているのか、それとも更なる刺激を求めているのか。
 どちらにしても葵も姉同様、ここの感度は悪くないようだ。
……そのうち、景子と同じように前でも後ろでも同じレベルで感じれる身体にしてやるよ
 俺はそう心の中でつぶやくと、そこの部分への愛撫を切り上げ、指をさらに下へと向かいおろし始めた。
 はあっ、と葵の口からため息が漏れる。
 そして、俺の指は、先ほど俺が手を加え、真っ赤に充血し発情状態になった葵のヴァギナに近づいた。
「あ…先輩……」
 葵が不安げな表情で俺を見つめる。
 だが俺はそんな葵を無視して、小さい葵のヴァギナに、人差し指の、ほんの爪の先だけを埋め込ませた。
 実際穴の小ささからしてそこまでしか指は入らない。
「ひっ」
 葵の足から尻にかけてがブルッと震える。
 そして俺はその状態から、そのほんの少しだけ入った指先で穴の中をくすぐるように愛撫した。
「やっ……先輩ぃ……」
 葵の膝がガクガクと震える。
 指を動かすたびに、その隙間から愛液が溢れ出す。
 だがそうして葵の穴の感覚を確かめた後、俺は一度その指を離してしまった。
「あ……」
 葵が切なげな声をあげる、そして熱っぽい視線で俺を見た。
 しかし俺はそんな葵と目を合わせることもなく、今度は左手の親指を葵のヴァギナの脇に当て、その指でぐいと広げるように穴を横に引っ張った。
 トロッと葵の愛液が流れ出す。
「んん……」
 俺はそうして俺は葵の穴のサイズを確かめる。
 やはりそこは、これほどまでに愛液でぬれた状態でも人差し指どころか、小指すら通りそうもないほどに小さい。
 そう、確かに『このまま』では。
 俺はにやりと笑うと、左親指でその穴を広げたまま、先ほどと同じように、右人差し指の指先だけを葵のヴァギナに押し込む。
 そして、ぐっとその指先に力をこめた。
「あっ…痛……っ」
 葵がかすかなうめき声を上げる。
 俺の指すら通らないような小さい葵のヴァギナの穴。
 しかし……通らないというなら……
 葵の喉元に刺さっている糸が光を放つ。
 通るサイズまで広げてしまえばいい。
 俺は肉体干渉の力を使う。
 葵の穴をぎりぎり人差し指が通るくらいの広さに広げた。
 その瞬間、まるで肉の壁にでも押し付けていたような指先に突然その抵抗がなくなる。
 つぷっ、と音を立てて俺の人差し指が葵のヴァギナに埋まった。
「ひあっ!」
 葵が喉から搾り出すような声を出す。
 俺の指は第一関節までの半分ぐらいが埋まったところで、葵の処女膜にあたり止まった。
 そして、そこで葵の限界がきたようだ、葵は俺の与える刺激に耐え切れずにがくんと膝を折り、床に座り込んでしまった。
 激しく肩で息をする葵。
 俺はそんな葵を見ながら、薄ら笑いを浮かべると、左手で葵の腰を持ち上げ、糸を引くほどに指に付着した葵の愛液をその尻になすり付ける。
 そして、それを手のひらで広げるように、尻全体をなでながら、俺はさもうれしそうというような声で葵に言った。
「葵、言ったよな、さっきの体勢を崩したらもう一度尻叩きだって」
 ビクッ、と葵の身体が震える。
 葵がその表情を青ざめさせてこちらを振り向く。
「ああっ、ごめんなさい、お願い先輩許してえっ」
 だが、俺は問答無用で手のひらをかざす
「さっきより強く、って約束でな」
 そしてその手を葵の尻に向けて振り下ろした、もちろん手加減なしで。
『バシン』
「あぐぅっ」
 葵が苦悶の表情を浮かべる。
「ほら葵、さっきの体勢をしないといつまでも俺は叩きつづけるぞ」
 そう言って俺はさらにもう一撃を振り下ろす。
 その音楽室の用途にふさわしいほどの大きな音が教室に響いた。
「ああ…やめてぇ、わかりました、すぐ立ちますから先輩、止めてください」
 葵は両目に涙を浮かべ、俺にそう懇願すると、よろよろと立ちあがり、先ほどと同じように、俺にむけてその小さな尻を突き出すような体勢を取った。
「ふん、倒れたらまた今みたいに叩き続けるぞ、わかったな」
 俺がそう言うと、葵はうなだれたようにして、ピアノの足を握っている手をきゅっと握り、答えた。
「はい…わかりました、先輩……」
 俺はその葵の言葉を聞くと、再び葵のヴァギナを嬲りはじめる。
 先ほどと同じように、人差し指を、処女膜にあたるまで埋め込んだ。
「ああっ」
 葵が身体をよじらせる、その長い黒髪が身体の動きに合わせて揺れた。
 そして俺はそのまま、指をねじったりピストンしたりして葵のヴァギナを嬲りつづける。
「あっ……はあっ」
 葵は膝をガクガク震えさせながらも、今度は倒れないようにと必死に足を踏ん張っている。
 そんな葵に俺は笑いながら言う。
「葵、気持ちいいのか?」
 くりっと俺は指の腹を壁に当てるようにしてそのまま1周まわす。
「ひゃっ………そ、そんなこと……」
 葵は俺のほうを向き、顔を真っ赤にしながら口篭もる。
「素直になれよ、俺はそう言う事を素直に言う女のほうが好きだぜ」
 俺はそう言って、人差し指の動きに合わせるように、親指をクリトリスの包皮に押し当てるとグリグリと動かした。
「ああっ……そ、そうなんですか……?」
 そして、今度は、埋め込んだ人差し指と押し付けている親指で、その間にあるクリトリスも含んだ肉をつまむようにしてコリコリと嬲った。
 溢れ出した葵の愛液が太ももを伝う。
「あっ、ああっ………いいです、気持ちいいですっ、先輩っ」
 葵の口から、その幼い身体つき不相応の甘い喘ぎ声が漏れた。
「そうか、そんなに気持ちいいのか」
 俺がからかうように葵に言う。
 葵は返事だと言わんばかりに、俺の指の動きに合わせてその細い腰をくねらせる。
 そうか、気持ちいいのか、だったら―――
「オシオキにならないからこれはここまでだな」
 俺はそう言って、葵のヴァギナから指を離してしまった。
 つうと俺の指と葵のヴァギナの間で糸が引いた。
「あっ」
 葵がどうしてといわんばかりに俺を見つめてくる。
 俺はそんな葵と目を合わせながら立ちあがった。
 そして俺は葵を見下ろしながら冷たく笑う。
「葵、忘れるなよ、おまえはオシオキを受けなきゃいけない立場の人間だって事を」
 俺がそう言うと、葵は、あ…、とつぶやいた。
「というわけでそろそろ、オシオキの本番というか」
 俺はそう言って、自分のズボンのファスナーに手をかける。
「えっ」
 そして、俺は怒張したペニスを取り出した。
 葵の顔が恐怖に引きつる。
「せ、先輩……」
 俺は、葵に恐怖感を与えるように、わざと冷たい笑いを浮かべて葵を見下ろす。
「オシオキの締めにはちょうどいいだろ?」
 俺はペニスの先端に、先ほど俺の指にべったりとついた葵の愛液を塗りつける。
「む、無理です、そんなに大きいの入るわけありません」
 葵は逃げるようにしてその場に座り込んでしまう。
「無理にやるからオシオキなんだよ、もちろん今の状態からさらに穴を広げるなんて事もしないぞ」
 さあっと葵の表情から血の気が失せていくのがわかる。
「安心しろ、おまえのそこがメチャクチャになっても俺の力で元通りに戻せるから、それとも処女膜までちゃんと元通りに戻してやろうか?毎回破瓜の痛みが味わえるように」
 葵は座りながら逃げるように、後ずさっていく。
 だが葵の手はピアノの足に縛り付けられているのだ、逃げる事なんてできない。
「いや…怖い……」
 俺は葵に歩み寄る。
「あ……」
 そしてその手で葵の細い肩を掴んだ。
 ビクンと葵の身体が震える。
「ま、待ってください、先輩、せ、せめて――――」
 葵は身体をじたばたさせて抵抗する。
 俺は葵が何を言い出すのかと思って動きを止めた。
「せ、せめて……私の身体を元通りにしてください……」
 そして、今まで青ざめていた顔を真っ赤にさせ、うつむき、こんな近くの俺にでも聞こえるか聞こえないかの小さい声でつぶやいた。
「そ……そうすれば…私はよろこんで…先輩にされますから……」
 葵は、今度はうつむいたまま、その身体全体を赤く高潮させ、もじつかせた。
 だが俺は、そんな葵を見てふんと心の中でつぶやく。
……なかなか殊勝な事を言ってくれるが、わかってないな
……だから、そういう『よろこんで』とか言う事になるとオシオキにならないんだよ
 俺は掴んだ肩を引っ張り、葵の身体を起こさせると葵の身体を反対向きにし、先ほどと同じような、前かがみで尻を俺のほうに突き出させるような体勢にする。
「ああっ、先輩ゆるしてえっ」
 そして、俺は両手で葵の腰を抱え、ヴァギナが俺のペニスの位置までくるように持ち上げた、葵の足は完全に床から離れる形になる。
 俺はペニスを葵のヴァギナに押し付ける、チュプッと先ほどの名残の愛液があふれ出た。
「んんっ」
 葵が身じろぎをする。
 俺はがっと強く葵の腰を掴む。
「先輩……やだ、怖い……」
 葵がおびえきった目で俺を見つめる。
 だが、俺はそれを冷たい笑い顔で跳ね返し葵に言う。
「葵、いいかげんに覚悟を決めろ」
 そして、俺は力をこめて、ゆっくりと腰を突き出し始めた。
 あわせるように両手で掴んだ葵の腰も、引き寄せる。
 人差し指1本分しか入らないような小さな葵のヴァギナ、そこに無理やり俺のペニスをねじ込もうとするのだからその抵抗は並大抵ではない。
 俺のペニスのほうが抵抗に負けてよじれそうになる。
 しかしそれでも、ねじ込むようにゆっくり力を加えていくと、先ほどまでに大量に流れ出た葵の愛液のすべりをかりて、じわり、じわりとその先端が埋まり始めた。
「ああっ、先輩っ、痛いっ、痛いぃっ」
 俺は力を緩めない、気を抜いたら一気にはじき返されそうな感じだ。
 葵は涙を流しながら握り締めたピアノの足に爪を立てている。
 やがて、ズッと俺の亀頭が葵の中に埋没する、そしてその瞬間、先端がそこに存在していた葵の内部の物をブチッ破壊する。
 そう、俺が葵の純潔を奪いとった瞬間だ。
「あっ、あああああっ」
 葵が絶望的な声をあげる。
 葵の中に埋没した俺の亀頭は、今まで味わった事のないぐらいのキツさで締め上げられている、抜く事ができるのかが不安になるぐらいだ。
 俺は一度葵の腰から手を離すと再びその幼い腰を掴み直す。
 そして、今度は左右にずれることを心配する必要がないので、先ほどよりも更に強い力で腰を押し込み、葵の身体を引き寄せた。 
「先輩、許してぇ、痛いの、痛いのっ」
 メリメリと俺のペニスが埋まっていく。
 そして、それにあわせるようにその脇から一筋の血が流れた。
 俺が突き破った葵の処女膜から流れ出た血。
 この血量からして、処女膜が破れただけで、葵の膣自体が裂けた、というようなところまではいっていないようだ。
 やがて、俺のペニスの1/3ほどが埋まったあたりで、その先が行き止まりとなる。
 どうやら葵の子宮口に到達してしまったようだ。
 俺のペニスの侵入が一時止まり、葵は大きく息を吐く。
 その身体は襲ってくる痛みに耐えるように細かく震えている。
 俺は再び葵の腰を掴み直し、その状態から、ピストンを始めようとした。
 だが、極限の強さでペニスを締め付けられているその状態でそれをするのは無理というものだった。
 俺が腰を引けば、その分葵の腰が引っ張られるようについて来て、押し込もうとしてももうその先は行き止まりなのでこれ以上奥まで行くことができない。
 ただ単に葵が痛がるだけだ。
……オシオキもここまでか
 俺はそう思うとパンと1回葵の尻を叩く。
 そして葵を呼んだ。
「葵、こっちを向け」
 俺がそう言うと、ほとんど宙に浮かされているような体勢のまま、葵が顔だけこちらに向ける。
「え…?」
 その顔は涙でくしゃくしゃだ。
「オシオキするのもこのへんでやめておいてやるよ」
 俺はゆっくりと、葵の腰を掴んでいた右手を離す。
「それって………」
 そして、葵の喉元に刺さっている糸を1度外すと、その標的を額へと変える、そう、俺のもつ能力をすべて使えるように。
「ああ……これからはおまえに普通じゃ体験できないような天にも昇るほどの快楽を味あわせてやる」
 葵の額に糸を打ち込むポイントが浮かび上がる。
 俺はそこをめがけて、新たに葵に糸を打ち込んだ。
「あっ」
 葵の身体がビクンと震える。
 その衝撃で一瞬俺のペニスが更に締め付けられる、痛みを感じるほどに。
 俺がまず使う能力、それは他人の感覚を干渉できる赤い糸の能力。
 俺はその力を使い、しばらくの間、葵がその幼いヴァギナから感じるであろう痛覚、そのすべてを遮断するようにした。
「えっ」
 葵が不思議そうな顔をして俺を見上げた。
 明らかにその身体の緊張感が緩んだ事がわかる。
「どんな感じになった」
 俺は、葵に人差し指を向けたまま、尋ねる。
「い、痛くなくなりました………それと……」
 葵が急に顔を赤くして、身体をもじつかせる。
「せ…先輩のが私の中に入ってるのがはっきりとわかります……」
 そして葵はそう言うと、顔を真っ赤にしたままうつぶせてしまった。
 まあそうだろう、俺が葵に感じなくしたのは痛覚だけだ、触覚などはそのままにしてある、痛みがない分その他の感覚を敏感に感じ取っているのかもしれない。
 俺はにやりと笑う。
 さあ、葵、殊勝なことを言った褒美だ、今から気が狂うほどの快感をおまえに与えてやる。
 俺が次に使うのは肉体に干渉できる青い糸の能力。
 俺のペニスを身動きが取れないぐらいに締め付けている葵のヴァギナ、それを適度な締め付けが残るレベルまで広げた。
「あっ」
 その瞬間がくんと葵の身体が下がる。
 実際葵に糸を打ち込んでからは、俺は葵の身体を左手だけで持ち上げていて、残りは抜こうとしても抜けないぐらいの状態だったペニスで支えていた。
 それが急に緩んだのだから俺のペニスから抜け落ちるように葵の身体が下がったのだ。
 だがそれは同時に葵の膣の壁が俺のペニスによってこすられたという事なる。
「ふあっ」
 葵が甘ったるい声をあげた。
 今の葵はヴァギナからは痛みを感じる事はない、つまりはどんなに激しく嬲ったとしても葵にとっては性器の敏感な粘膜部分をこすられているようにしか感じないのだ。
 それはたとえ葵の身体がどんなに幼くなろうとも、確実な性的快楽として葵の脳に伝わる。
「せ、先輩………」
 葵が、熱っぽい、甘えるような目で俺を見上げる。
 その自由に動かせない幼い細い腰を切なげにくねらせながら。
「どうだ葵、気持ちよくなったか?」
 葵は顔を真っ赤にしてうなずく。
 それを見て、そうか、と俺はつぶやく。
 そして俺はみたび糸の力を使おうと、右手をかざす。
 だがな、葵、それはまだまだ普通の快楽なんだ。
 言っただろ、俺はおまえに普通じゃ体験できないほどの快楽を与えてやるって。
 俺は最後に紫の糸の力を使い、葵の精神に干渉をして葵の性欲を爆発的に高める。
 そう、景子や茜をとことんまで狂わせたのと同じように。
「ああっ」
 その瞬間葵が全身をビクンと震わせのけぞる。
 そしてそれと同時に俺がペニスを埋め込んでいるヴァギナの隙間から、どぷっと愛液が溢れ出してきた。
「先輩、先輩ぃ……」
 葵が両目に涙を浮かべて俺を見上げる。
 だが、その涙は先ほどまでに流していた痛みによる涙とは、まったく異質のものだった。
「どうした葵」
 俺は葵の額に向けていた右手を再び葵の腰に戻し、葵の身体を支える。
 葵はたまらないといった感じで、俺に掴まれて満足に動かせない腰を、それでもできる限り必死に動かせくねらせる。
「先輩、お願い、動いて、動いてください」
 俺は笑う。
 自分がそうさせたとはいえ、これだけ幼い身体になった葵が腰を振って俺のペニスを求めてくる姿を見ると、倒錯的な興奮を隠しきれない。
「こうか?」
 俺はそう言うと、抜けかけたペニスを、葵の子宮口に叩きつけるように突き下ろした。
「ひああっ」
 ビクンビクンと葵は身体を震わせる。
 その瞬間、俺のペニスが、先ほどの葵の締め付けをゆるくする前に匹敵するほどキツく締め上げられる。
 どうやらこのたった一突きだけで、葵は達してしまったらしい。
 ガクンと葵の身体から力が抜ける。
 おそらく葵は、景子はもとより茜に比べても性的体験、この場合は自慰だろうが、それが圧倒的に少ないんだろう。
 俺の与える絶対的な性的快楽に抵抗する術がないのだ、そのため刺激与えれば与えるほどそれを素直に感じ、あっという間に到達してしまう。
 俺は、これは面白い、と思いペニスをぎりぎり抜けそうになるぐらい引っ張り出すと、再び一気に奥まで挿入した。
「ああっ、だめ先輩そんな事されたら、まっ、また私っ」
 うなだれていた葵の身体に緊張が走る。
 そして葵はまたその一突きで絶頂を迎えてしまった。
 ビクビクと葵の身体が痙攣する。
 だが今度は休みを与えない。
 俺は再び葵の腰をしっかりと持ち上げるように掴み直すと、高速で葵を突きまわした。
「ああっ、だめえっ、こんなに気持ちよすぎる事されたら、私狂っちゃう」
 俺が後ろから突くたびに、完全に床から浮いている葵の足がプラプラと前後にゆれる。
「ふん、どうせ1回狂ったんだ、また狂ったってどうってことないだろう」
 俺は容赦なく腰を動かしつづける。
 葵はその長い髪を振り乱しながら悶えつづけた。
「ああっ、先輩、止まらないのっ、イクのが止まらないのぉっ」
 ビクンビクンと身体を引きつらせつづける葵。
 その葵の姿を見ながら俺は笑って葵に言う。
「そうか、そんなにイクのがつらいんなら別の刺激を与えてやるよ」
 だが葵はそんな俺の言葉など耳に入る状態ではないようだ。
 しかし、俺はそんな事を気にせずに葵の腰を掴んでいる腰から右手を離し、それを振りかぶる。
 そして、手を開き、先ほどと同じように、葵の小さな尻にその平手を振り下ろした。
『バシン』
 大きな打撃音が響く、葵の身体を通して、俺のペニスにも衝撃が伝わってきた。
 だが、もはや今の葵の身体は、どんな刺激も性的快感として受け取ってしまうような状態になっているらしい。
「ひゃううっ」 
 葵は俺が尻を叩くのと同時に、身体を震わせまた果ててしまった。
 ぽたぽたと俺の足元に葵からあふれ出た愛液が垂れ落ちる。
「なんだ葵、おまえは尻を叩かれてイッちまったのか?」
 俺は腰の動きを止めずに、からかうような口調で葵に言う。
「せ、先輩、わからないの、私もう自分の身体がどんなになってるかわからないのっ」
 葵はそう言って、自分から求めるように腰をくねらせ始めた。
 葵の言っている事を考えると、もう自分の意識とは関係なく、そうしているのかもしれない。
「ははっ、葵、こうやってイクたびに尻を叩いてやったら、そのうち尻叩きだけでイケる身体になっちまうかもな」
 そう言って俺はまた平手を葵の尻に振り下ろした。
 バシンという音が響き、葵の身体がまた絶頂で震える。
 そんな葵を見下ろしながら、内心それも面白いかな、などと思いつつ、俺はその行為を繰り返した。
 そして、それを10数回ぐらい繰り返したころだろうか、やっと俺の股間にもこみ上げてくるものがきた。
 いくら締め付けが強いとはいえ、ピストンのストロークは俺のペニス全体の1/3ぐらいしかないのだ、その分時間がかかった。
 葵の方は、もはや自分に襲ってくる快楽にその身をまかせっきりにして、ただ俺の事を呼びつづけている状態だ。
「ああ……先輩、先輩ぃ………」
 俺はそんな葵を見て、これが最後と手を振り上げる。
「葵、これが最後だ、最後ぐらいおまえのほうからお願いしてみろ」
 俺がそう言うと、葵はうつろな目をして振り返り、俺を見上げる。
 そしてためらいなく、俺に向かっていた。
「先輩お願いします、私のお尻をもっと強く叩いて、もっと強くオシオキしてぇっ」
 ぎゅっと葵のヴァギナが締まる、俺のペニスがビクンと振るえた。
 そしてそれにあわせるように、俺は今までで一番強い力で平手を葵の尻に叩き落す。
『バチンッ』
 今でにない甲高い打撃音が響く。
「あっあああっ」
 葵が2度3度と身体を大きく痙攣させる。
 そして俺はそんな葵の中に、大量の精を放った。
 ビンと葵の身体が伸びきった後、ガクンとその身体から力が抜ける。
 ズルリ、俺はペニスを抜き、葵を支えていた手を離した。
 どさっと葵が、縛られた腕だけを上に向けたままうつぶせに床に倒れる。
 俺は葵の中に収まらなかった精をそのまま葵の尻や背中にぶちまけた。
 だが、葵は気を失っているのか、もうピクリともその身体を動かさなかった。
 ドロリと葵のヴァギナから俺の精が流れ出てくる。
 そこにはもう、大量の愛液で流れきったのか、破瓜の血は一筋も見えなかった……

 手首を縛り付けていたネクタイを外してやり、楽な格好をさせて休ませてから30分くらいたったころだろうか、葵は床に座ったまま涙をぽろぽろと流しながら泣き始めた。
 最初は俺が葵にしたことを責めての事だと思った、だが葵の口から出た言葉は、俺が思っていた事とはまったくの反対のものだった。
「…ごめん……なさい……先輩………」
 葵は両の手でぐしぐしと流れつづける涙を拭きつづける。
 俺は、床に座って背を壁に預けたまま、少し間を置いてそっけなく言った。
「なにがだ?」
 葵は嗚咽しながら答える。
「私……先輩に…酷い事しました……」
 ボロボロと流れる葵の涙。
 ふんと俺は笑う。
「だからオシオキしてやったんだろう」
 もっともオシオキなどとは俺が葵を嬲るための演出に過ぎなかったのだが。
 だが、それでも葵は両手で顔を覆い、うーっと声をこらえるようにして泣き続ける。
 その泣き方が、今の幼い葵の体格と妙にマッチしている。
 おそらく葵が今思っているのは、俺に対する申し訳ないという気持ちだけではない、なによりも、ここに至るまでの自分自身が許せないという気持ちだろう。
 狂っていたとはいえ、葵がしでかした事は、俺がやってきた事に匹敵、いやそれ以上にたちの悪い事なのだから。
「お願いします……あの人たちを元に戻してあげて………」
 俺は葵のその言葉を聞いて山積みになっている6人の男とその脇の1人の女を見る。
 今だにピクリとも動かない、積みあがっている肉の塊達、ひょっとしたらこのまま手を加えなかったらあいつらは2度と目を覚まさないんじゃないかとすら思ってしまう。
 その脇で気を失っている景子、まあ景子の肉体には手を加えていないという葵の言葉を信用するなら、景子に関しては特に心配はいらないだろう。
 俺は壁に寄りかかりながらくしゃっと髪の毛をかきあげる。
……6人か……確かにこのままほっときゃ面倒な事になるだろうし…
 事の騒ぎが大きくなる、と言うのは俺が一番嫌う事だ。
 ちっと口を鳴らして俺は立ち上がる。
 そしてまず、俺は葵の前に立ちふさがった。
「葵、顔をあげろ」
 俺がそういうと葵は言われたとおりに顔をあげる。
 両の目が真っ赤に腫れ上がっていた。
 そんな葵を見下ろし俺は言う。
「おまえの願いを聞いてやってもいい、だがその代わりにおまえは俺のおもちゃになってもらう」
 葵は俺の言葉を聞くと、膝を抱え込み、その上に顔をふせる。
「私はもう……どうなってもいいですから」
 ふんと俺は笑う。
「あんまり自暴自棄になるな、これから俺がおまえにせめてもの慈悲を与えてやるよ」
 え、と葵が顔をあげる。
 その顔に向けて、俺は右手をかざした。
「全部忘れさせてやる……」
 指先から紫の糸がゆらりと現れる。
「お前が俺にした事も、景子にした事も、あいつらにした事も………」
 葵はまっすぐに俺のことを見上げている。
「そして……本当だったらお前が一番隠しておきたかった、自分自身で気付きたくなかった、茜に対する後ろめたい気持ちも……全部忘れさせてやる」
 葵が身体を前に乗り出させる、そして手を伸ばし、俺の葵の額に向けてかざしている右手をそっと包み込むように手にとった。
「最後に……ひとつだけお願いしてもいいですか?」
……まったくお願いばっかりのやつだな
「なんだ、言ってみろ」
 俺の手をとる葵の手から、子供ならではの高い体温が伝わってくる。
「私……先輩のモノになるんですよね」
 俺は黙ってうなずく。
 ポロリと葵の瞳から涙がこぼれた。
「だったら……私にも……私の事が大事って言ってくれませんか……?」
 どこか、吹っ切れたような顔で俺にそう言ってくる葵。
 なんだ、そんな事か、と俺は思う。
 確かにそんな事を葵と戦っている際に言ったかもしれない。
……あんなものその場の勢いで口走っただけなんだがな
 俺は笑って葵に言ってやる。
「ああ、お前も大事だぜ、大事な大事な『俺のモノ』だ」
 葵の顔が、その俺の言葉を聞いてほころぶ。
「ありがとう……ございます」
 初めて見る葵の澄み切った笑顔。
 そう―――確かに初めてだ。
 今までの葵の笑顔はどこか歪んでいた、濁っていた。
 だが、今の笑顔は―――
……この顔が見れなくなるのは、ちょっと惜しいかもしれないがな
 俺はそう心の中でつぶやくと、葵の額に向かって照準を絞る。
 葵がゆっくりと目を閉じていく。
 そんな葵に向かい、俺は糸を打ち出した。
 
 
 葵が糸の切れた操り人形のように床に倒れていく。
 俺は糸を抜くと、その手を掴み、それを静止させた。
 そしてゆっくりと葵を床に寝かせてやった。
……ふん、哀れなやつだな
 俺はそう思ってその手を離そうとする。
……ん?
 だが、俺はその手を止めた、その握っている葵の手に面白いものを見つけたのだ。
 俺は再び葵の手を持ち上げ、目の前に持ってくる。
 その葵の手にあったものは―――
……へえ、これは茜を更に貶めるのに使えるかもしれないな
 俺はそんな事を画策して、葵の手を離す。
 そして、立ち上がると自分の着ていた上着を葵にかけてやり、そのまま山積みになっている6人の男達のところへ行く。
 俺は右手をかざし、その指先から糸を出す。
 糸はふわりと舞い上がるとそこから6つに分裂した。
……6人の破壊された脳を修復か…この力を試すって言うのには少々きつすぎる課題だな
 俺は腕を振り下ろす、6つに分裂した糸が、男達の身体に突き刺さった。
 まあいい、とりあえずやるだけはやってやる、どうせできなくったって俺の知った事じゃない。
 そして俺は笑う、この後のことを考えて。
 俺は葵の体型を元に戻すつもりはない、そのまま俺の家に連れ込むつもりだ。

―――さて、あの姿の葵を見たら茜はどんな反応をするかな

< 続く >

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