ニャルフェス 第3話 ニャルフェスの誤算(了)

第三話 ニャルフェスの誤算(了)

「なにごとかニャ、これは?」
 お散歩から帰って来たニャルフェスが、部屋の中を見て言った第一声がそれだった。
 6畳しかない小さな部屋の中には、7人もの男女が全裸でからみあっている。
「やは、おかえりなさひ。ニャルフェスさま」
 気の抜けきった声でかびたが言った。
 その左足にはおっきなへビさんのヌメヌメボディーがからんでいたし、右足には鮮やかな美形のねぇちゃんがおもいっきしカいっぱいしがみついてる。
 かびたの左腕にしがみついているのは、きつめの感じのするおねぇさん。
 右腕にはこれはよく見知ってる、さやかがしがみついてた。
 股間をたんとうしてるのは犬さん。ペロペロとおいしそうに肉棒をなめまわしている。
 さいごの一人はかびたの頭の上にまたがって、かびたの顔を淫らしいお汁でべしょべしょにぬらしてる。
 小がらな身体はふかふかのお毛々に包まれてて、頭の上にはさんかくのお耳がピコンとつき出している。さらに背中には白くちっちゃなお羽根がぱたぱた動いてた。
 その姿はどこかのお猫様の、美少女版っていった感じだった。
「ニャーニャのお部屋で、いったい何をやってるのかニャ?」
 なんだか妙にやさしげな声でニャルフェスがたずねる。
 いつからかびたの部屋がニャルフェスさまのお部屋になったのか、とかいう疑問はきっぱりと封印してかびたはとりあえずの説明を試みる。
「えーっと。あれがあーなってね、これがこーなってね、そんでこんなになっちゃったんだ……。わかる?」
 かびたが言うと。
「わからないニャ」
 ニャルフェスがきっぱりと言い切った。
「あーとかこーとか言っても、わかるやつはいないのニャ」
 ニャルフェスの声が、ちょっとふるえてたりなんかする。
「いや……ニャルフェスさまなら、もしかしてわかるかなーって……」
 かびたがうすら笑いなんか浮かべて、そんなこと言ってみたりするけど……。
「ニャにかあったニャ?」
 ギクッ。
「かびたは、ニャーニャにないしょにしときたいのニャ?」
 ギク、ギクッ。
「わかったニャ。そういうことなら何があったか、ニャーニャがきっちり調らベてやるのニャ!」
 あう~。
 墓穴を掘ってしまうかびた。
「ごめんなはひい~」
 かびたは泣き声になってる。
「もうおそいのニャ。今から、じっくりと見てやるのニャ!」
 そういうニャルフェスのおててには、いつの間にかかびたの使っていた真名帖がしっかりと握られていたりなんかする。
「うぃ~~~っ」
 かびたは、頭をかかえていた。
 でも、
「あんっ! あうん! はんっ!」
 使徒、氷川玲子。
「いっいっいっいっいっっっ」
 使徒、高島由利亜。
「ひぃん、ひぃぃぃっん」
 性奴、源さやか。
「しゃーっ、しゃーっ、しゃーっ」
 ヘビさん、島崎美香。
「クウンッ、クウンッ、クウンッ」
 犬さん、御厨亜里沙。
「ミャン、ミァーッ、ミァーッン」
 ????、鈴森花梨。
 みんな、とっても気持ちよそうだった。

……………………

 かびたが死んだ。
 それは、衝撃以上のものだった。
 由利亜は目の前がブラックアウトして、何にも見えなくなってしまった。
 玲子は、そのまま美しい彫像となり固まってしまった。
 美香は、ただひたすらかびたの名を呼んでいた。
 世界が終りそうな気がした……。
 などという、良く使われる表現。
 でも、今の三人にとってそれはたんなる比喩には聞こえないだろう。
 彼女達にとって、まさに今世界は終わりをつげたのだ。
 ……かびたの死によって。
 だから、涙なんて出なかった。
 出るはずがなかった。
 怒りも。
 なげきも。
 哀しみも。
 当然感じるはずのすべての感情がわいてこない。
 もはや彼女達の内にはなにもなかったのだから。
 もし、彼女達が自分を取り戻すことができるとするなら、たった一つの奇跡を起こさなければならないだろう。
 死者をよみがえらせる、という。
 でもそれは……それこそは神のなす技。
 神ならざる身にとって、それは望むことすら罪悪。
 ましてやそれをなしたものなど、歴史の中にすらいないはず。
 ……ただ、ナザレに生まれゴルゴダの丘で命をおとした男のみがその奇跡をなしたとされるが……。
 いずれにしても、それはありえない、ということと同義語だろう。
 ただし、これがかびた以外だったなら。
 すでにもう奇跡は起きていたのだから。

 校内のかたすみにある体育用具室。
 そこで、一つの変化がおとずれる。
 最初ひとすじの光に過ぎなかったそれはすぐにその数を増し、体育用具室全体が光につつまれてしまう。
 それからどのくらいの時がたったのだろう。
 数分かも知れないし、ほんの一瞬かもしれない。
 ただ、その光が失せたとき、体育用具室もそのものも消えていた。
 そこに存在をゆるされたものは、まっさらな土地と……。
「ミャ~~~ッ」
 ふかふかのお毛々とさんかくのお耳をもった少女だけだった。
「ボク、間に合ったのミャ」
 少女がそういったとたん、その背中からとってもおっきな翼がひろがった。
 たった一度はばたいただけで、少女の体は宙高く舞い上がる。
 2度目のはばたきで吹き飛んで跡形もなくなった、校舎3階にあるトイレの前にいた。
 つばさをたたみ、中へととびこむ。
「かびたさまを、ボクにわたしてミャ」
 かびたの遺体に胴体をしっかりとまきつけたまま、かびたの名をくりかえし呼びつづけている美香に言った。
 でも美香はその声が聞こえなかったのか、ふり向くことすらしない。
 だから少女は……。
「ボクにかびたさまをわたすんだミャ」
 意志を示した。
 圧倒的な意志。
 力を使ったわけではない。
 ただ示すだけでいい。
 そうすれば、物事のほうが彼女の意志に従う。
 美香がまきつけていた自分の身体をほどき、かびたの遺体を少女に向けて差し出す。
「かびたさまミャ!」
 少女が小さくて細い腕の中に、かびただったものを大切にかかえ込む。
 そして、意志を込めた。
 それと、想いと……。
 かびたの身体がひかりにつつまれる。
 あわいひかり。
 やさしいひかり。
 けれど、つよいひかり。
 かびたの身体に起きたこと、それは奇跡。
 神の御技のみがなせる、この世で最高の奇跡。
「やは、おはやう、かりんちゃん。そのおみみかわいいね」
 かびたが持ち前のぽけぽけをはっきして、おまぬけなことを言った。
 でも、
「うん! ボク、とっても気に入っるんミャ!」
 奇跡を起こした少女……鈴架花梨は本当にうれしそうに答える。
 たぶん、一番の宝物を手にした人はこんな笑顔をみせるのだろう。
 そして、それは花梨だけに起きたことではなかった。
 氷川玲子はその美しい顔を両手の中に埋めて、静かに涙を流した。
 高島由利亜はその場にうずくまったまま、声を上げて派手に泣き始めた。
 島崎美香は自分で巻いたとぐろに抱きついてかびたの名前を呼んだ。でも、それはさっきまでとは違ってはっきりと感情がこもっている。
「あや? み、みかちゃん……。それにかりんちゃんも身体が……。もしかして、ぼくのせい?」
 やっと気づいたかびた。
 もしかしなくても、きっぱりとかびたのせいだった。
「あっ! だいじょうぶ! かびたさま、ぜんぜん気にしなくていいミャ!」
 花梨が元気よくいった。
「ほら、ボクならすぐにもどれるんだ」
 そういった花梨の姿は元に戻っていた。
 まったく以前の花梨と変わらない姿に。
 ただ、すっぽんぽんだったけど……。
「よかった。でも、みかちゃんを元にもどさないと……」
 やっぱり心配そうにかびたがいう。
 だけど、かびたは戻し方を知ってるはずだった。
 こまったもんだ。
「かびたさまは、気にする必要ないミャ! ボクがかびたさまのかわりになんだってしてあげるんだミャ!」
 またすぐにお猫さんにもどってしまってる花梨。
 それにしても、花梨はとことんかびたに甘かった。
 ほんとに、こまったもんである。
「ミァ~~~ッ!」
 花梨が鳴いた。
 一声。
 たったそれだけで戻った。
 吹き飛んでしまった壁が。
 ぐずぐずに砕けた床が。
 無残に砕け散ったトイレのドアと仕切りが。
 そして、美香の姿が。
 けど……。
「みぃっ? ボク、ちょっと失敗しちゃったミャ」
 ドアが一枚だけ外れてバタンと倒れてしまった。
 花梨が、みゃっとテレ笑いなんかしてる。
 むっちゃ可愛かった。
「す、すごいや……。 すごいやかりんちゃん! 一体どうしたの!?」
 かびたは本気で驚いてるみたいだった。
「ボク、かみさまになったんミャ! かびたさまのためだけのかみさまミャ! だから、かびたさまのお願い、いっぱい、い~っぱい叶えてあげるんミャ!」
 とってもうれしそうに花梨が言った。
 その時、
 ぱたぱたぱた。
 二つの影が飛び込んでくる。
「かびたさまぁ!」
「ヲンッ!」
 二つの影はそのままかびたに飛びついてくる。
 正確には、かりんにだっこされたかびたに……だけど。
「うぁ! どうしたの?」
 それは、源さやかと御厨亜里沙犬だった。
 今ので由利亜のかけた結界が解けた。それで入ってこれるようになった。
 さやかは、かりんにだっこされたかびたの頭をしっかりと抱いて、ごめんなさいを連呼しながら泣き始めた。
 亜里沙犬はぶらさがっているかびたの足をぺろぺろと一生懸命なめていた。
「なに? なんなの? なにがあったのさ?」
 おまえが死んだんだ、かびた。
 まったく……、なんと表現していいかわからないくらいおおぼけやろーである。
 でも世の中には上には上がいるものである。
 いや、この場合下には下か……。
「かいちょー」
 声が聞こえる。
 何かとなつかしい声が。
「斎木久美……」
 由利亜がつぶやくように言った。
 それとともに、
「あ~っ、こんなとこにいたぁ! さがしましたぁ、かいちょ~」
 トイレに駆け込んでくるなりその娘(こ)がいった。
 この場に漂っている、厳粛な空気を完璧なまでに無視して。
 いや、この娘(こ)場合無視なんかではなくて、まったく気づいていないのだろう。
 天然である。
「あれぇ~?」
 由利亜の方に近づきながら、彼女が首をかしげる。
「かいちょー、もしかしてとんでもないことがあったんですか?」
 ようやく気づいたのか? この場の空気を。
「……まぁ、そのようなものですわ」
 ようやく、冷静さを取り戻した由利亜が答える。
 くわしく話す気はないようだけど、でもごまかすつもりもないらしい。
 もちろん、かびたが否といわなければの話だけど。
「やっぱし……。よっぽど……」
 由利亜の部下はゆっくりと由利亜に近づきながら、なにやら一人でなっとくしたようにうんうんとうなずいてる。
「いいたいことがあるのなら、はっきりとお言いなさい。斎木さん」
 なんか、また由利亜の声がとげとげしくなってきてる。
 それを覗き込むようにして……。
「あのぅ? おこりません?」
 おそるおそるって感じでたずねると。
「いいからおいいなさい。怒るかどうかはそれから決めることにいたします」
 きっぱりと、由利亜が宣言する。
 かなり一方的だった。
「う~っ。わかりましたぁ~」
 由利亜の部下の斎木さんは、生まれて初めて口は禍いの元ということばを思い知ったかもしれない。
「よっぽどがまんしてたんだなぁ~って……。でもでも、するときはちゃんと閉めたほうがいいとおもいますですぅ……」
 どうやら、花梨の直しそこなったドアを見てそう思ったらしい。
 この場の雰囲気に気づいたわけでは、だんじてなかった。
 でも、それだけならまだしも、由利亜の雰囲気にもまるで気づいてなかった。
 気づいてたら、そっこーで逃げ出してただろう。
 主であるかびたですら、逃げたくなったのだから。
「だって、ほら……」
 なのにまだ続きがあるらしい。
「ふっといのやぁ、ぴりびりなのをいっぱいだしちゃったらぁ、臭いがおトイレいっぱいに広がっちゃいますぅ。そうなったら、たいへんなんですぅ」
 いや……その前に、たいへんはずかしいと思うのだが。
「……もう、いいですわ。そんなことよりあなた、お花畑みたくないですこと?」
 みょ~にやさしい声で由利亜がたずねる。
「えっ? お花畑ですかぁ?」
 不思議そうに、部下の斎木が聞き返すと。
「そう……お花畑ですわ。白いのやら黄色いのやら赤いのやら、い~っぱい咲いてるそうですわ。それにあなたのお婆さまもいらっしゃるそうですわ」
 まるで天使の声のように甘く由利亜の声がひびく。
「あはは! 冗談きついですぅ、かいちょー。あたしのお婆ちゃん、とうに死んでるですぅ。かいちょー知ってるはず……ってまさか?」
 由利亜は肯定も否定もせずに、ただ黙って微笑んだ。
 そして部下の斎木は、お花畑へと旅立っていったのである。
 あ~めん。
 ……と、いうことで。
「じゃあ、みんなでかびたさまにご奉仕するミャ!」
 もちろんそのみんなの中に斎木が含まれていないのは、いうまでもない。
「わたくしはぜったいにいやですわ! こんな女など、かびたさまに絶対近づけたくはありませんわ!」
 まっさきに意義を唱えたのは由利亜だった。
 もちろんこんな女とは、美香のことだ。
 玲子は無表情だったけど、黙ったままうなずいた。
 亜里沙犬は“くう~ん”と一声ないて同意を示した。
 さやかは、
「あたしも、そう思います!」
 ときっぱりと言い切った。
 美香はただうつむいているだけだった。
 何も言い返さないのは、自分のしたことの罪の深さを思い知っているから。
「だめだミャ! かびたさまは、そんなこと望んでないミャ! だったらボクが、みんなを仲良くさせるミャ!」
 花梨が元気よくいった。
 そこには一点の迷いも躊躇もない。
 あるのはかびたの望むとおりに物事を動かす、という意思。
 それだけだった。
「美香、正体を現すのミャ」
 花梨がいったとたん、美香はその姿を下半身が大蛇のそれへと変貌する。
「あっ?」
 おどろく美香。
「……い、いや」
 だったらしい。
 さっきはそれよりもはるかにショックな出来事があったために、気にしてられなかったのだろう。
「ヘ、ヘビになんて……なりたくない……」
 そういう声も、独特のシャーッという音に混じって聞き取りづらい。
「気にしないでいいミャ。その姿でするほうが何倍も気持ちよくなれるのミャ!」
 それをやった張本人は、なんにも気にしてなかった。
「次ミャ。 由利亜だミャ。 美香を見るミャ」
 花梨の言葉に。
「ふん、なんだってそのような不快なものをこのあたくしが見なければなりませんこと? まったく不愉快ですわ」
 そういいながらも、花梨の言葉にしたがってしまう。
「そうだミャ。そしたら、どんどん欲望がふくれあがってくるミャ。美香を抱きたくなってくるんだミャ!」
 花梨がいったとんたん、由利亜はそれがほんとのことであるということに気づいた。
 あのぬらぬらした、蛇皮をねぶってみたい。
 あの表面だけは美しい顔を、快楽で歪ませてやりたい。
「次だミャ。玲子センセだミャ。美香を見るミャ」
 玲子は、無表情で抵抗を試みるが……。
「玲子もおんなじミャ! 美香を犯したくなるんだミャ!」
 あっさりと、花梨のいうとおりになってしまう。
 美香のことを見つめる目付きが違っている。
「今度は犬さんだミャ! ヘビさんの身体をたっくさん舐めてみたくなミャ!」
 いわれたとたんかびたの足をペロペロ舐めてた亜里沙犬は、美香のほうへとびかかっていった。
「最後はさやかせんぱいだミャ!」
 それを聞いたさやかは、明らかにおびえの表情をみせている。
「や、やめて……。かりんちゃん、おねがい……」
 さやかがうったえるけど。
「ダメなんだミャ! かびたさまはみんなに仲良くなってほしいのミャ。 かびたさまの望みは絶対なんだミャ!」
 花梨は、まったく聞く耳なんてもってない。
「さやかせんぱいも、美香をみるミャ。美香と、い~っぱい淫らしいことするんだミャ。もう、したくてしたくてたまらなくなるミャ!」
 花梨がいったとたん、さやかの中から怯えはきれいさっぱり消えていた。
 今のさやかの頭の中には、美香といっぱい淫らしいことをすることしかなかった。
「かびたさまは、ボクとしばらく見学するミャ!」
 もちろん、かびたに異論があるはずがなかった。
 っていうか、さっきから視線はくぎ付け状態になってる。
「うんっ、じゅる……。うううっ……じゅるるる、じゅる!」
 由利亜が美香の頭のほうについて、思いっきり濃厚なキスをしてた。
 二人の舌が口の奥のほうまで絡ませて、唾液をぐちゃぐちゃになるまで送りあう。
 ちゅぱちゅぱちゅぱ、もにゅもにゅもにゅ。
 玲子が左の乳首に吸い付きながら、乳房をやわやわともんでいる。
 ちゅっちゅっちゅっ、ぢゅ~~~っ。
 右の乳首はさやか、派手に音をたてながらおもいっきり吸っていた。
 べろべろべろん、じゅくじゅくじゅく。
 ヘビの下半身のにある、一番淫らしいとこには亜里沙犬が張り付いてる。
 人間のそれと同じ形をしたあそこに顔をうずめて、とってもおいしそうに舌を奥のほうまで突っ込んで舐めまわしていた。
 三人と一匹に責められてる美香。
「ううううぃぃぃんっ! ううううっ」
 長く太い胴体をうねうねくねらせながら、とんでもない快楽にのたうっていた。
 口を濃厚なキスでふさがれてるから、大きな声はでないけどけんめいに声を上げている。
 由利亜が最初に動いた。
 自分が着ている服を脱ぎ始める。
 玲子とさやかもそれに続いて全裸になった。
 でも、亜里沙犬だけはどうもうまく脱ぐことができない。
 それを見た玲子とさやかが、二人がかりであっと言うまに服を脱がしてあげる。
 すっぽんぽんになった女達は、自分の身体をもう誰ともなくからませはじめる。
 ぬめぬめとしたヘビさんの体に、さやかのがおっぱいをむにむにとおしつけている。
 由利亜は美香に自分のあそこを舐めてもらいながら、玲子のあそこを舐めている。
 玲子は玲子でお尻を持ち上げて由利亜にあそこを舐めてもらいながら、自分の乳首と美香の乳首をしゅりしゅりとこすりあわせていた。
 で、亜里沙犬はみんなの周りをあっちこっち歩き回りながら、お尻に顔を突っ込んでは穴のなかに舌を突っ込んでべろべろと舐めまわしている。
 まさに、これこそ女同士の快楽の花園って感じだった。
「うん! いい感じだミャ!」
 花梨が満足そうにいった。
「おみょみょぉっ!」
 かびたが、わけのわからない声をあげた。
 かびたのいちもつはびんびんに硬くなって、かなり力(りき)がはいってる。
「かびたさまも、準備OKみたいだミャ! ボクもあそこから、いっぱい恥ずかしいお汁が流れてるミャ!」
 花梨の言ったとうり、お股のふわふわのお毛々はびしょびしょになっている。
 これもまた、気合十分って感じだった。
 でも、
「ねぇ、かりんちゃん。場所変えたほうがよくない?」
 かびたが提案する。
 というのも、洗面所の入口のところで何人かの女生徒が凍りついたように立ち尽くしていたから。
 まぁ、こんな光景をみせつけられたら無理ないけど……。
「やぁ……」
 かびたは愛想笑いなんか浮かべて、ひらひらと手を振ってみせるが女生徒達は凍りついたままだ。
「ボク、ぜんっぜんかまわないけど……。でも、かびたさまがそうおっしゃるんなら別だミャ! すぐに場所を変えるミャ! どこにいくミャ?」
 ほんっきで花梨はかびたの望むこと意外のことなんて、どーでもいいって思ってるらしい。
 聞かれたかびたは……。
「ぼくの部屋にいこう」
 なんにも考えずに即答してのけた。
 この瞬間、かびたの悲劇は決定したのだけど、ぽけぽけのかびたはぜ~んぜん気付いてなかった。
 学習能力ってものが根本的に欠如しているとしか思えない。
「わかったミャ! それじゃ、いくんだミャ!」
 花梨がいった瞬間だった。
 四人と二匹と一柱の姿は、洗面所の中から跡形なく消えうせる。
「な、なに? 一体なんだったのよ、いまの……」
 凍り付いていた少女達は口々にそんなことを言っていた。
 ただ、トイレの床の上で気持ちよさそうにお休みになっている女の子を見て、この娘(こ)のことはそっとしておこうと暗黙の了解ってやつが決められたりなんかしていた。
 ちなみに斉木は、翌朝すっきりと目をさましたという。
 もっともさわやかに、とはいいかねたが……。

 で、かびたのお部屋に姿をあらわした四人と二匹と一柱。
「ミャ~ッ!」
 花梨が一声鳴いたのと同時に、体位の再編成が始まった。
 それまで美香を中心にしてからんでたのが、かびたが中心になるように変わったのだ。
 それまでは、どれほどかびたを求めても、花梨の意思によって美香への欲望へとすり替えられていた。
 その封印がとけたのだから、当然のなりゆきだった。
 みんなでよってたかって、かびたの着ている服をむしりとる。
 すっぽんぽんになったかびたに、女達はおもいおもいに身体をからませる。
 一番最初にかびたのいちもつをご奉仕する栄誉にうけたのは、やっぱり花梨だった。
 ちっちゃいおくちいっぱいに、かびたの……そこだけはでっかいいちもつをほうばって、ちょっとザラザラした舌でれろれろなめる。
 かびたが立ったまま、花梨の三角のお耳を掴んで腰をへこへこ動かす。
 すると花梨は涙をながしながら、よろこびはじめた。
 どうやら、花梨の場合お口でも感じるらしい。
「みぃ~~~っ!!!」
 かびたがいく前に、がまんしきれなくなってしまった花梨が、全身をのけぞらせてイッてしまった。
 その直後、一瞬の間もおかずにかびたのいちもつにむしゃぶりついたのは由利亜だった。
 高貴で美しいお顔には、ただ必死の形相がうかんでるだけ。
 いつもの高貴で誇り高く、けだかい美貌はそのどこにもなかった。
 っていうより、かびたにだけはそんなものを見せる必要性をまるで感じてないのだろう。
 由利亜のおしゃぶりは、むちゃくちゃはげしかった。
 かびたのものを躊躇することなく、のどの奥まで飲み込んで口全体を使って吸いたてる。
 その間、舌も休むことなく蠢いてて肉棒全体を刺激してく。
 かびたが腰を一回動かす間に、由利亜の頭は4,5回は動いていたろう。
 でもそれでも、由利亜もかびたを最後まで導くことはできなかった。
 ていうのも、いつの間にか由利亜の下に美香がはいりこみ、由利亜のおまたにちろちろと蠢く舌を突っ込んでねぶりまわしていた。
 それで、かびたより先に由利亜の方ががんしきれなくなって、いってしまったのである。
 次のチャレンジャーは氷川玲子だった。
 由利亜とはまったく対照的な咥え方だった。
 だっぷりと肉棒に唾液をまぶし、ゆっくりと肉棒全体を包み込むようにして刺激する。
 左手でかびたのふくろもみもみしながら、右手でかびたのおしりの穴をいじってる。
 なんともおとなの“てくにっく”っていうやつだった。
 でも、その玲子にからんできたのが亜里沙犬とさやか。
 亜里沙犬が玲子のお尻の穴をぺろぺろしてる最中に、さやかが玲子の割れ目のびらびらを口にふくんではなめなめしてる。
 つーぷらとん攻撃である。
 ちょっちこれはたまらなかった。
 で、結局玲子もかびたを頂上にまで導くことができないまま、あえなくダウン。
 次にぱくんといっちゃったのが亜里沙犬。
 でも亜里沙犬は舌の動きはなかなかのものがあるけど、両手は使えないしお口の動きも今ひとつ。
 結局たいしたことはできないまま、さやかによって絶頂に導かれてしまい、なんなく戦列離脱。
 最後に残ったのがさやかだった。
「かびたさまぁ!」
 泣きながら、さやかがかびたの体にとりすがる。
 でももちろん、自分の全身の使える部分すべてを使ってかびたの感じる部分をきっちり刺激してる。
 なにせ、かびたにとってさやかは一番付き合いがながかったし、一番多くやっている。
 かびたの感じる部分を最もよく知っているのはさやかだった。
「う~~~っ」
 思わずかびたがうなってしまった。
 でも、かびたはすぐに反撃に転じる。
 なにせ、さやかが一番かびたのことを知ってるように、かびたもまたさやかの体のことを一番よくしっていたのだから。
「ふぁんっ!」
 かびたの両手が踊るようにさやかの体にふれてゆく。
「うぅぅぅぅ、あぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
 さやかは、一瞬のうちにいかされてしまった。
 かびたのHは明らかに以前のかびたから、格段の進化をとげていた。
 そう、かびたMkⅡとかすーぱーかびたっていっていいくらいに……。
 あんまし意味ないけど……。
 で、あっさりさやかをいかせてしまったかびた。
 あること気づく。
 いったいかびたは誰がいかせてくれるんだ?
 おまぬけだった。
 まぁひとりでしこしこやってるのもかびたらしい。
 でも6人ものとびっきりきれいな女達に囲まれてそんなことやってたりしたら、きんぐオブまぬけの称号はかびたのものになるだろう。
 結論からいえばかびたは、きんぐオブまぬけとなることはできなかった。
 その前に、花梨が復活したからだ。
「あぇ? ボク、イッちゃってたミャ……。み、みんなもイッちゃってるミャ……。か、かびたさまごめんなさいミャ!」
 花梨はそういいながら、なんども頭をさげる。
 でも、かびたの回りの悪い頭は花梨がなんで頭を下げてるのか理解できない。
 自分のいちもつを右手で握り締めて、ほけーっとしてる姿はそれなりにまぬけだった。
 かびたの頭が答えをみつける前に、花梨が行動を起こす。
「ミャ~ッ! みんなふっかつだミャ!」
 その声とともに、床の上で気持ちよくひっくり返っていたみなさんが一斉に起きだした。
「ふ、ふかくでしたわ……。 もうしわけないですわ、かびたさま!」
 と、いってかびたの背後から抱きついたのは由利亜。
「ヲン、ヲン、ヲン」
 といって、かびたのつま先をぺろぺろし始めたのは亜里沙犬。
 玲子は無言のまま深々と頭を下げた後、かびたの左腕をとって絶え間なくキスを始める。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいいいっ!」
 そうひたすら繰り返してあやまり続けるのはさやか。
 でも、彼女のからだはしっかり動いて、じぶんのあそこにかびたのいちもつを迎え入れた。
「ボク、かびたさまのモノだミャ! みんなも、かびたさまのモノだミャ! だからみんなでかびたさまのためにご奉仕するんだミャ!」
 花梨はそういって、かびたの首に両手をからめてもう、めいっぱいのうこうなキスをする。
 それから四人と二匹と一柱は、お互いにだれが誰だかわからなくなるくらい、ぐちゃぐちゃでどろどろでべちょべちょになりながら、終わりのない快楽の世界になだれこんでいったのである。

……………………

「ぐえっ!」
 かびたが、踏み潰されたかえるのようにないた。
「ぐえっ! ぐえっ! ぐえっ!」
 立て続けにないた。
 ニャルフェスのぷにぷにした足に、お腹を力いっぱいふみふみされたのだ。
 すると、それまでかびたにただからんでいただけだった女達が、一瞬でそれぞれに攻撃態勢にはいる。
「おまえら、うっとうしいのニャ」
 ニャルフェスは歯牙にもとめてない。
「とっとと帰るのニャ!」
 そういうと、花梨だけを残してみんな姿を消してしまった。
「なにするのミャ!」
 花梨の瞳には、あからさまな敵意が浮かんでいる。
 めらめらと炎なんて燃え上がりそうだ。
「ニャーニャは教育的指導をしてやってるのニャ。おこちゃまはよけいな口をきくんじゃないニャ」
 ニャルフェスは馬鹿にしたようにそういって。
「ぐえっ!」
 これみよがしにかびたを踏みつける。
「ああっ! またやったミャ! ボク、ゆるさないミャ!」
 花梨が怒った。
 けど、
「ぐえっ、ぐえっ、ぐえ~~~っ!」
 ニャルフェスは、これみよがしにかびたをふみふみしてみせる。
 ちょっとおとなげない。
「おまえなんか、どっかいっちゃえミャ~~~ッ!」
 花梨がきれた。
 花梨の意思が働いた。
 ……そして、花梨の姿も消えうせた。
「ふん、ばかだニャ。そんなのニャーニャに通用するはずがないニャ。もう戻ってこれないように、結界もつくっておいたニャ」
 腕組みして、足元のかびたを見下ろしながらニャルフェスがいった。
 もうだれも助けてくれないってことを言いたいらしい。
「なんでこんなふうになるんだニャ?」
 ニャルフェスがたずねる。
 もちろん、そんなことかびたにわかるわけがない。
 だから、だまってると。
「ぐぇっ!」
 ふみふみされた。
「きりきり答えるニャ!」
 ニャルフェスはマジで怒ってるらしい。
「わ、わかりません~!」
 はんべそかいてかびたが言うと。
「……わかったニャ。おばかなかびたのために、ニャーニャが教えてやるニャ」
「ぐぇっ!」
 寛大にニャルフェスがいった。
 もちろん、ちゃんとふみふみは忘れなかったけど。
「真名帖の使い方を、根本的に間違ってるのニャ」
 それを聞いたかびたの頭に、?マークがいっぱい浮かんでくる。
「???わ、わかりません~、ニャル……ぐぇ!」
「話はまだ終ってないニャ。最後まできちんと聞くニャ」
 そして、ふみふみ。
「ぐぇ!」
 かびたは、なみだを流しながらうなずいた。
「なんで、真名帖でお願いしたりするのかニャ? なんで、心理療法なんてほどこすんニャ? 真名帖は人を自由に操るためにあるんだニャ。 絶対にお医者さんの道具じゃないニャ!」
 言いながら、ニャルフェスはどんどんエキサイトしてくる。
 いやな予感……。
「あまつさえ、ニャーニャになんのことわりもなく死んでしまったとは、一体どういうことだニャ? ……たわけだニャ! かびたは、究極の大たわけものだニャ!!!」
 ついにニャルフェスがきれた。
「ぐぇ! ぐぇ! ぐぇ! ぐぇ! ぐぇ! ぐぇ! ぐぇ! ぐぇ! ぐぇ!」
 怒涛の九連ふみふみだった。
 そして、10回目。
「にゃおぅぅぅぅぅぅ!」
「ぐっえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
 ニャルフェスが“ぶるーすりー”みたいにふみふみのあとにぐにぐにを決めると、かびたは大きな声をあげておちてしまった。

「ニャルフェス、きみも素直じゃないよね」
 いつの間にか、ニャルフェスの背後にはカオルの姿があった。
「ふん、よけいなお世話だニャ」
 後ろも見ずにニャルフェスが返事をかえす。
「おやおや、あいかわらず怖いねぇ。でも、うれしいときくらい、かびたくんにやさしくしてあげたら?」
 あいかわらず、ひとあたりの良いやさしげな笑顔を、その美しい顔に浮かべてカオルが言った。
「誰がうれしいのかニャ?」
「だって、予想外だったんだろ? 今度のことさ? まさかここまでとはねぇ? 二千年前だって使徒は生み出せたけど、神を生み出すことはできなかった。だから、本人を神にするしかなかったんだ……。だけど、彼は……かびたくんはやってのけたんだよ? うれしくないはずがないじゃない?」
「本人が死んだらなんにもならないニャ!」
「……きみって、かびたくんの復活のとき、さりげなく手を貸してただろ? 誰にもきづかれないようにさ」
 楽しそうにカオルがいうと。
「ふん!」
 とだけニャルフェスは答えた。
「しかし、思わない誤算だったね。かびたくんが、ああいった行動にでるってさ。ぼくにとっても、ね」
「誤算は誤算だニャ! 結果がどうあれかびたが一回死んだことにはかわらないんだニャ!」
 というニャルフェスの言葉にカオルは……。
「なるほど、きみは自分自身に腹をたててたんだ……」
 したり顔して頷いた。
「ふん、そんなことより自分の方はいいのかニャ? ゲートがどうとか言ってたみたいニャけど?」
 ニヤルフェスは、今の話題を強引にうちきった。
 案外照れてるのかもしれない……。
「そうだね、今ごろ彼はがんばってると思うよ。ゲートを開くために、ね。……ただ、あと千年は会えそうもないから、ちょっとさみしい気もするなぁ」
 カオルがどこか遠くの方をみながらそういった。
「????????」
 ニャルフェスにはなんのことだかさっぱりわからなかったけど、あえて聞こうとはおもわなかった。
 ど~せ、ろくでもないことをしたに違がいないのだから……。

……………………

 砂漠のど真ん中。
「はぁっ! いゃっ! とぉっ!」
 裂ぱくの気合の込められた声が、命の気配のない砂漠にひびきわたっていた。
 声の主は十二の翼を持つ美しきもの。
 大気を振るわせる強烈な気迫をみなぎらせて戦っている相手は……。
 直径5ミリほどのちいさな封印だった。
 10階建てのビルくらいもある巨大な門の表面を、とんでもんない速度で逃げ回っている。
 それでもどうにか追いかけていられるのは、彼がただものではないことを如実にものがたっている。
 それでも、その封印をとらえることは至難のわざだった。
 むろん彼の力をもってすれば、離れたところから一瞬で消し去ることもできるだろう。
 でも、門も一瞬で消え去ってしまう……。
 だから、こうするしかないのだ。
 すでに何度も日が昇り沈んでいった。
 普通なら、気が遠くなりそうなものだが……。
 あいにくと、彼は普通じゃなかった。
 いろんな意味で……。
 むなしい努力がいつまでも続くと思われたのだが、ついにむくわれるときは来た!
「とうぁ!!!!!」
 今、彼の手のひらの下には封印が閉じ込められていた!
「うせろ!」
 彼が力を発動したときちっぽけな封印は、なすすべもなく消え去った。
「ふん、たあいもない」
 誰も聞いてなんかいないのに、彼はそんなセリフをはき捨てる。
 基本的にかっこつけなのだろう。
「はっ、やぁっ、たぁ」
 全部で五つあったうちの一つの封印をつぶした。
 残るはあと四つ。
 彼は休むことなく次の封印との格闘を再会した。
 ……でも、彼は知らない。
 門の裏側が、封印によってびっちりと埋め尽くされていることを……。
 ナム~~~~~~。

……………………

「ところで、なんでかびたの神様はねこさんだったのかニャ?」
 ニャフェスが聞いた。
「きみがねこさんだからだろ? かびたくんにとっての神様は、ねこさんなのさ。 ……あいされてるねぇ、ニャルフェス」
 カオルの言葉に、ニャルフェスはそっぽを向いた。
 たぶんニャルフェスが人間だったなら、顔中を真っ赤にしてたにちがいなかった。

< つづく >

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