友達以上、兄弟未満 マッサージ・恋人編

マッサージ・恋人編

「ふー。終わったぁ」

 今日のノルマ、受験テキストが終わった。晃と同じ志望校の受験、最初は結構無理してるって言われてたけど、最近は安全圏だって言われている。でも過信は禁物。まだまだ、晃の学力には及ばない。

 晃は、学校の成績が人間の価値決めるんじゃないって言うけど、やっぱり恋人と同等の能力持ちたいって思うよね。

「肩、凝っちゃった」

 根を詰めていたので、肩や痛いと言うのか重いと言うのか。

「(晃にマッサージ、お願いしちゃおかな)」

 今日は、晃のお父さんが出張なの。だから、うちのお母さんと口裏合わせて、晃のトコにお泊まり。

 うちのお父さんには、親友のトッコの家に泊まってる事になってるの。ごめんね、お父さん。

「晃。わ・た・し、マッサージして欲しいなぁ」

 いつになく、甘えた声を出してしまう。最近、晃に甘えてないからかなぁ。もちろん、ラブラブしてるけど、甘えるのと少し違うのよ。

 夜遅いから、もうお風呂も済ませてるし、お互いにパジャマ姿。もちろん、ペアルックよ。えへ。

「良いよ。いつもので良い?」

「うん。い・つ・も・の」

 晃のマッサージは特別な物。晃以外にできないし、仮に出来たとしてもお願いしない。

「じゃあ、茜ちゃん、ここに座って」

「うん」

 晃がベットに座りなおし、その横に私を座るように促す。

「軽く目を閉じて、ゆっくり深呼吸・・・。ゆっくり、ゆっくり・・・」

「すーー、はーーー、すーー、はーーー」

「深呼吸すれば、だんだん気分が落ち着いてくる。リラックスしてくる・・・」

「すーー、はーーー、すーー、はーーー」

 晃にしてもらうのは、催眠術を使ったマッサージ。だから、晃にしか出来ない。

 晃は中学に入った頃から、催眠術を学び出した。催眠術は、魔法や超能力のように受け止められている事もあるけど、そんなのウソ。ある程度の素養はいるとは思うけど、書道や柔道のように努力すれば、誰にでもマスターできる。

 それとマスターできても、誰にでもかけれると言うものじゃなく、相手と信頼関係が結べないと無理。だから、マンガのように街ですれ違っただけの人にかけて、イタズラするなんて到底無理。私が晃の催眠術にかかりやすいのは、この信頼関係があるから。

「ゆっくり目を開けて、僕の目を見て・・・。目をそらしちゃダメだよ。目を瞑るのもダメ」

「・・・」

 目を開けると、晃の優しい顔が目の前にある。言われるまま晃の澄んだ瞳を見詰める。

「僕の目を見詰めていると、瞳に吸いこまれそうな感じがしてくる。だんだん、吸いこまれる」

「・・・」

 瞳を見詰める「凝視法」は大好き。だって晃の目を見詰める事ができるから。

「どんどん、僕の瞳に吸いこまれる。ほら、目を開けているのが辛くなってきた。目を開けているのが辛い。まぶたが重くなって、もう目を開けていられない」

「・・・」

 瞼が閉じる。瞼「を」閉じるでなく、瞼「が」閉じる。同時に意識がすーっと遠くなる。

「もう、茜ちゃんは、深~い深~い催眠状態になった。と~っても気持ち良いだろ」

「・・・」

「ほら、こうしてるとどんどん催眠が深くなる。気持ちが安らぐ・・・」

「・・・」

 体がゆっくり、そして優しく揺すられる。意識がどんどん遠くなる。晃相手だから、全然不安にならない。ゆったりした、良い気持ちになってくる。

「茜ちゃん、ゆっくり目を開けて。目を開けても、催眠は解けてないよ。深~い深~い催眠状態のまま」

「・・・」

 目を開けるといつの間にか、後ろから抱きかかえられていた。パジャマ越しに晃の体温を背中に感じる。

「パジャマ脱がすよ」

「・・・」

 後ろから手を回され、ゆっくりパジャマの前ボタンを外される。おっぱいを丸出しにされる。パジャマの袖を腕から抜かれる。

「僕の手を見て。薄っすら光ってくる。淡い銀色の光に包まれてくる・・・。ほら、光ってるの見える」

「(こくん)」

 晃の両方の手のひらが、銀色に光出した。いつ見ても不思議な光景。

「これで、僕の手は魔法の手になった。だから、こうやって肩に手を置くと、皮膚を通り越して神経を直接、触れるよ」

「あっ」

 晃の手が肩に触れたかと思うと、皮膚を通り越して筋肉に、そして神経を直接触れているのが分かる。

「触っているところが、だんだん温かくなる。触っているところだけじゃなく、回りも温かくなってくる・・・ほら、温かいだろ?」

「(こくん)」

 手のひらの当たっているところを中心にして、肩全体が温かくなってくる。

「こうして揉んでいると、あっと言う間に凝りがほぐれる。肩が軽くなる」

「んっ、ん」

 晃は手のひらで肩全体を揉んでくれる。神経を直接触って、凝りをほぐしてくれる。肩全体が軽くなる。

「肩だけじゃない。首も腕も僕が触るところ全部、凝りがほぐれて体が軽くなる」

「ふん、ん、あ」

 優しく首筋や腕を揉まれる。心地よさに声が漏れる。

「女の子は、おっぱいの重みで肩が凝るんだ。だから、おっぱいも揉んであげるね」

「あっ、あん」

 今漏れた声には心地よさ以外の物が含まれている。

「気持ち良い?」

「・・・うん・・・」

 やわやわと、おっぱいを揉みしだかれる。気持ち良い・・・。

「僕の手を見て・・・だんだんと茜ちゃんの胸にめり込んでいくよ。皮膚の中にめり込む。肉の中にめり込む」

「あ、あ、あ」

 晃の手を見ると、だんだんとおっぱいの中へ中へとめり込んでいく。

「もうすぐ、心臓に触れる・・・。ほら、心臓を掴んだ」

「・・・んっ・・・」

 心臓を手で掴まれた。びくっと体が跳ねる。

「僕に心臓を掴まれても、苦しくない。心臓を揉まれるのは気持ち良い。心臓を揉まれるのは快感」

「・・・あっ、あ、あ・・・」

 ゆっくりと心臓を揉まれる。

「心臓を揉まれると、セックスしているみたいに気持ち良い。僕の手が茜ちゃんの心臓とセックスしているよ。セックスみたいに気持ち良い。セックスみたいに感じる」

「・・・んっ、あ、あん、あっ・・・」

 晃が手のひら全体を使って、私の心臓を愛してくれる。私の体は艶かしく揺らぐ。

「気持ち良い?」

「・・・あぅん、あ、うん、あん・・・」

 本当のセックスじゃないのに、気持ち良い。晃とセックスして感じている。

「今から五つ数えると、茜ちゃんは逝くよ。心臓でセックスして逝く・・・一つ・・・二つ・・・三つ・・・四つ・・・五つ。はい!」

「・・・あ、あん、あっ、あぁ、あーー!!」

 数が増えるたび、強く心臓を揉まれて逝かされた。体がぴくぴく痙攣している。晃の手はまだ私の体の中で、優しく心臓をマッサージし続ける。

「茜ちゃん、心臓でセックスして逝ったね。これで、茜ちゃんの心臓は強くなった。これから一生、心臓の病気にかからないくらい強くなった」

「・・・」

 逝っちゃったあとの心地よい気だるさの中、晃の言葉が聞こえる。晃は後ろから私を抱えながら、体全体を愛撫してくれる。

「全部脱いじゃおうか」

「(こくん)」

 晃が優しくパジャマのズボンと下着を脱がしてくれる。私も腰を上げて、脱ぎやすくする。

「茜ちゃん、子宮もマッサージしてあげるね」

「(こくん)」

 晃の手が私のお臍の下辺りを撫で出す。

「僕の手が、茜ちゃんのおなかにめり込んでいくよ。ほら、指先がめり込みだした・・・もう、指全体がめり込んだ・・・手のひら全体もめり込んでいくよ」

「・・・あ、ひゃ、ふぁ・・・」

 晃の手がおなかを擦るたび、だんだんと体の中にめり込んでいく。

「おなかの中、直接マッサージされるの気持ち良いだろ。これが茜ちゃんの子宮。分かる?」

「・・・あん、ひゃん・・・」

 子宮を強く掴まれた。小さな山だけど、また逝かされた。

「茜ちゃん、また逝ったね。女の子って何度でも逝けるんだよ。何度でも、気持ち良くなれるんだ」

「・・・ふぁ、やっ、ん・・・」

 逝った直後なのに休ませてくれない。優しく子宮を撫で続けられる。

「今度、子宮の中から愛してあげる」

「・・・んっ、あ、あん・・・」

 優しく体を持ち上げられる。そして晃が胡座(あぐら)をかいた脚の間に下ろされる。晃のおちんちんが私のアソコに挿し込まれる。ゆっくり抜き差しされる。

「抜き差しするたびに、僕のおちんちんが伸びていく。おちんちんが茜ちゃんの奥へ伸びていく。もうすぐ、子宮の入り口に届く。ほら、入り口に届いた」

「・・・あ、ひゃ、ふぁ・・・」

「もっと奥まで伸びるよ。おちんちんが子宮の入り口を通り抜けた。子宮の内側から、壁を擦ってるよ。すごい快感。子宮の中から愛されるのは気持ち良い。もう、普通のセックスじゃ満足できないほど気持ち良い」

「・・・ふぁ、ひゃ、んっ、あ、あっ、あーー!」

 子宮の中を愛されて逝かされた。普通のセックス以上の快感だった。体中が痙攣してる。口からは涎が流れているのが分かる。

「これで茜ちゃんは、一生僕から離れられない。僕なしの生活なんて考えられない」

「(こくん)」

 体を優しく愛撫される。晃が触れるたび、触れた個所がぴくぴく小さく痙攣する。晃の言葉通り、もう晃なしでは生きていけない。

「その代わり、僕に甘えれば、いつでも今日みたいな快感を味わう事が出来る。だから、茜ちゃんは幸せ。茜ちゃんが幸せなら、僕も幸せ」

「・・・」

 晃のやさしい声が、心の隅々にまで染み渡る。晃に抱きかかえられて、至福の時を過ごす。

★★★★★★★★★★★★

「今から10数えると、茜ちゃんは、催眠から覚める。催眠から気持ち良く目覚める。一つ・・・二つ・・・三つ・・・意識が少しハッキリしてきた・・・四つ・・・五つ・・・徐々に手足に力が戻ってきた・・・六つ・・・七つ・・・意識はもうハッキリしてるよ・・・八つ・・・手足に力が行き渡っている・・・九つ・・・次で完全に催眠が解ける、気持ち良く目覚める・・・十。はい(パン)。催眠から覚めた」

 手を叩いた大きな音で、私は催眠から覚めた。

「・・・こ、晃・・・」

「なに?」

 私の強張った声に反して、晃はまどろんだ声で応える。

 私のコメカミの血管が、ピキピキ音が鳴ってる気がする。俗に言う『怒りマーク』が、浮かんでいる。

「だっ、誰がエッチまでして良いって言ったのよ!」

「・・・えっ!? エッチしようって誘ったんじゃなかったの・・・?」

 誰も『誘って』なんていないわよ!

「『いつも』のマッサージは、肩を揉むだけでしょ!」

「だって、パジャマでするの初めてだったし、茜ちゃんの目も潤んでたからてっきり誘ってくれてるんだと・・・」

 違う、違う、違~う。今日は、甘えたかったの。甘えるのと、ラブラブ・エッチするのは違うのよ~!

 何が「心臓でセックスして逝ったね」よ、何が「子宮をマッサージしてあげるね」よ!

 また、お風呂入って、体洗わなきゃいけないじゃない。今日は、もうちょっとだけ予習してから、眠るつもりだったのよ~。

・・・もう、二度と晃にマッサージなんか頼まないから~!!

◆◇◆ 後 書 き ◆◇◆

 図に乗って「マッサージ・兄妹編」を、晃がしたらどうなるか書いてみました。晃がすると、最後には茜ちゃんが怒ってしまうのですねぇ。不思議です(笑)。

< つづく >

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