呪いのふたなり少女 第七話

第7話

由里の母親は、自分の娘を含めた四人の少女に目から放った光線をかけて苦しみ悶えさせていた。少女たちは、ほとんど同時にバタバタとその場で倒れていた。

由里の母「ふふふふ、さあ、みんな起き上がるのよ。」

由里の母親が両手をあげて少女たちに向けると、少女たちはみなうつろな表情で起き上がっていた。

由里の母「ふふふふ。今度は由里にも。」

ふろ場では、気絶したままの由里の身体を、圭織に乗り移っている男が盛んになめまわしていたが、由里の母親がまた目から光線を由里の顔に放つと、由里の目が見開いて不気味に光りだし、起き上がって圭織の身体の、脇腹のあたりを蹴飛ばしはじめたのだった。

圭織「うう、う…。」
由里の母「ふふふふ。もういいわね。今度は由里たちがおまえに仕返しをする番よ。さっそくみんなでこの男をやりなさい。」

蹴飛ばされて、ふろ場の床に圭織に乗り移っていた男も悶えていた。そこをまた少女たちが足蹴にきたのであった。

圭織「いったい、みんなどうしたの?」
由里の母「おほほほ。よくお聞き、わたしはこのふたなりを支配している妖怪の世界の女王。このおかあさんの身体も借りている。ちなみに、由里に未練があるというおまえの魂を圭織に乗り移らせるようにはからったのもこのわたし。この子たちには人殺しをしたという罪で復讐を受けさせた。しかし、もうこれだけやれば復讐はじゅうぶんだろう。今度は男が復讐される番だ。さあ、みんな一斉に。」
圭織「あっ、ああ。」
由里の母「うふふふ。」

由里も加わって、長姉の尋美、由里のもと同級生である悦子、香代、野梨子の五人が男の性器を圭織の身体に向けると一斉に放尿をはじめたのである。

圭織「や、やめて、きゃあーっ。」
由里「ひひひひ。こんなに立ち小便が気持ちいいとはね。」
悦子「ほんと、ほんと。」
香代「たまらないわ。」
野梨子「いやな男に向けてやっていると思うと、特にね。」
尋美「ほんとうにこうして一度やってみたかったわ。」

そして、圭織の顔に由里が自分の男の性器をまたつきつけはじめた。

由里「あんたがあたしをこんな身体にしたんだろ。」
圭織「わたしは圭織よ。実の姉に向かってなにするの。」
由里「ふん。もう、圭織ねえさんのふりをしてもだめよ。」
圭織「きゃあ、いたい。」

由里は、圭織の三つ編みにしている二本の長い髪の毛をそれぞれ両手でわしづかみにして引っぱり始めていた。そして、由里の男の性器にその髪の毛を左右から巻きつけたのである。

由里「ふふふふ、あんたにも女が男のためにどんな苦しみを味わっていたか、そんなに女に乗り移っていたいのならわからせてやる。」
圭織「やめて、わたしの髪の毛を。」
由里「ほうら、だんだん興奮してきたわ。」
尋美「由里も、最後にこうしてあんたを死なせたんだからね。」

由里の興奮した精液がとうとう圭織の巻きつけられた髪の毛を覆ってしまった。圭織のヘアラインを分けた後頭部もまた精液で汚されてしまった。

由里「ほら、口に入れてみな。」
圭織「きゃあ。」

悲鳴をあげた瞬間にずぼっと由里の性器を、自分の髪の毛を巻きつけたまま口の中に入れられてしまった圭織だった。

由里「あたしの精液を飲むんだよ。」
圭織「う、うう…。」

そのときまた妙なことが起こった。ふたなりの性器をこうして入れられれば相手もふたなりになるのだが、すでにふたなりになっている圭織の身体は…男の精液に異変が起きたのである。

圭織「い、いたいわ、ああ…。」

圭織の股にはえていた男の性器が、逆になくなってしまったのであった。

尋美「まあ、圭織が完全に女のからだに戻ったわ。」

由里の男の性器を加えていた圭織は、性器をはずされまた巻きつけていた三つ編みの髪もはずして自分の股を見てまた驚くのであった。

圭織「わたし、ほんとうに女の子になったんだわ。それにしても、髪の毛がべとべとするわ。」
尋美「あっ、圭織の顔があの男の顔に…。」
由里の母「まだ、圭織には男が乗り移ったままよ。みんな、一斉に蹴飛ばすのよ。」
由里「よーし、もう、圭織ねえさんと思わないで、心ゆくまでいじめてやるわ。」

とうとう、由里を含めた五人の少女は、圭織の身体をかわるがわる蹴飛ばし、踏んでのっかったりしたり、また用意したろうそくのろうを垂らして熱がらせたり、むちをうちつけたりしてもはや集団リンチであった。

圭織「いたい。」
尋美「この、このっ、よくも由里に。」
香代「おまえは男の風上におけない、世界で最低の男。」
悦子「うれしいだろ、本物の女になれて。」
野梨子「女でもきもいわね。」
由里「圭織ねえさんは美人だったけれど、おまえはブスの女よ。」

こうして、ふたなりの少女たちに盛んに痛めつけられている、圭織にのりうつっている男である。そして、ふたなりをつかさどっているという女王らしき由里の母親に乗り移っている者は、傍らで見ながら言った。

由里の母「うふふふ。こうしておまえさんは、天国から地獄への気分をしばらく味わうのよ。このくらいしないと、由里がおまえさんに追いかけられてどんないやな思いをしていたか、思い知るがいい。」
圭織「うっ、うう…。」

男が涙を流し始めて許しを乞うと思ってももちろんだめであった。由里の恨みによる襲撃はとどまることを知らなかった。

由里「そうだわ、ほんとうは殺す以前にこうしていじめてやればよかったのよ。」
由里の母「ふふふふ。くれぐれもやりすぎないように、あくまで身体は圭織よ。圭織を殺さない程度にしなければだめよ。」
由里「わかった。」

時間がどれぐらいたったかわからないが、胸や股も何度もかわるがわる蹴られたりして、ついに圭織もぐったりとなっていた。

由里の母「そろそろみんないいかしら。」
由里「この男を、こんどこそわたしたちの前に二度と現われないようにしてほしい。圭織ねえさんに乗り移っていやらしいことをするなんて、もうあきれるばかりよ。」
由里の母「ふふふふ。圭織が気絶したからちょうど圭織から男の魂をはずせるようにするわ。そうだわ、追い出すから窓をあけて。」
尋美「はい。」

由里の母親に乗り移っている女王が手を振りかざすと、圭織の身体から人魂らしい光が現われ、揺れ動いたかと思うと尋美の開いた窓から一瞬のうちに出ていってしまったのであった。みんな、一斉に驚きの声をあげていた。

由里の母「あなたたちも人殺しをしたのですから、ほんとうはその罪を背負わせるために一生ふたなりのままにしようと思ったのですが、この男のみにくさがわたしもよくわかりました。これからあなたたちがもとの女の身体に戻れるように方法を教えます。ふたりずつになって。」

由里が香代と、悦子が野梨子と、尋美が由里の母と各々組んだ。

由里の母「たがいにはだかになっているから、まず横に寝ながら向き合いなさい。あ、たがいに頭と足が反対の方向になるように。すると、自分の顔のところに相手の男の性器がちょうどくるから、それを互いに加えなさい。そして、あいている両手でおっぱいをもむなどして興奮しなさい。精液が出て来て飲みこめば、自分の身体から男の性器は消えます。」
尋美「ああ、ああん…。」
野梨子「あ、ああ…。」
悦子「うう、うう…。」
香代「ああ、ああ…。」
由里「うう、ああ…。」

あえぎ声が部屋じゅうにひびきわたったのであった。そしてしばらくすると…。

尋美「あ、おちんちんがなくなってる。」
香代「ほんとだわ。」
野梨子「わたしも、もとの女に戻れたんだわ。」
悦子「わたしもよ。」
由里「男なんて、こりごりね。」

少女たちのあえぎがみな笑い声に変わっていた。

由里の母「じゃあ、いい?わたしもこのおかあさんから抜けるから、もうあの男もこの世からいなくなったままであなたたちがつかまることはないし、人殺しをしたけれどこれで罪も償えたはずだから、これからの人生を堂々と楽しく生きてらっしゃい。なるべく悪夢だと思って忘れることね。」
由里「はい。」

こうして、由里の母親からも男の性器は消えて、つたった光によって女王の魂は去っていった。

佐矢子「あん、あん…。」
雅菜「ああん、ん…。」
佐矢子「どうしたの?」
雅菜「なんか、股のところがいたい、ああ…。」
佐矢子「そういえば、わたしも、あっ…。」

ラブホテルの一室をとって、性行為にたわむれていた谷辻佐矢子と宮野雅菜も、たがいの性器を口に加えて精液を飲み込んでしまったようで、股から男の性器が消えてしまったのであった。

雅菜「ここはどこ?わたしたち、こんなところでなにをやってたのかしら。」
佐矢子「えーっ?あなただーれ?」

そういえば、学年が違って同じ学校でも面識はなかったふたりである。

雅菜「やだー。女どうしで変なことやってたなんて。」

こうして、ふたなりは地上から姿を消した…かに見えていたが。

素子「きゃっ!」
体育教師「なんや、どうしたんや。」

学校の体育の授業で、ツインテールの超長い三つ編みの髪を大きく振り回して倉石素子が倒れた。近くにいたやはりポニーテールの髪を二本の三つ編みに束ねていた若林佳奈子が、素子の腕を引いて起こしていた。

佳奈子「素子、つらそうやな。」
素子「そうやわ、保健室つれてって。」

教師にことわり、素子は佳奈子に連れられていった。

素子「おねがい、このへん痛い、ちょっとみて。」
佳奈子「みるゆうて、まさか、ここって。」
素子「そうやの。おろしてな。」

言われたように、佳奈子が素子のはいていたブルマを下着とまとめておろしてみると、なかから男の性器が現われていたのである。

佳奈子「きゃあ、あっ!」

叫んだ瞬間に、佳奈子の口に素子の股にはえていた男の性器がずぼっと入れられてしまい、素子は佳奈子のポニーテールの三つ編み髪をわしづかみにして興奮しだし、精液を出したのである。気絶した佳奈子の下半身も異常が起き、素子が佳奈子のブルマをぬがすと、やはり男の性器が…。

素子「くくくく、こんどはこの女の身体のなかに…。」

保健室にあった鏡を見て、三つ編みの長い髪の毛をつまみながら不気味に笑っていた。
高田橋圭織の身体に乗り移っていた男の霊魂は、とうとう大阪まで来て別の少女に乗り移っていたのである。

というわけで、はい、最初に出ていた犬です。

もう、自分の年がいつのまにか半年も過ぎているんですね。

それはそうと、やっぱり、人を殺さないのが作者の方針ですから、どこかでこうして生かしていたということになるんですね。

さあ、もう東京とは限らなくなった舞台、今度はあなたの身の回りにも、こんなことが起こるかもしれませんよ。

< 終わり >

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