催眠術師 鋭次02 (1)(2)

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 この話は、『第1章 美人銀行員 梨華』の続きとなっております。
 ストーリーや催眠誘導方法など、第1章のものを用いている場合がありますので、ぜひ、第1章をご覧になってから、お読み下さい。

第1話 プロローグ、一郎との出会い

 ここは、K大学の教室の一室。鋭次と、連れの 山田一郎が、校庭を見下ろしていた。
 山田一郎は、K大学に入ってからの連れである。鋭次と同期の彼は、都会育ちの体育会系で、色黒の身体に白い歯、そして、180センチの身長で、スマートな体格をしている。
 高校の時、バスケをしていたので、このようないい体格をしている。そして、顔の方も、鋭次に劣らず、引き締まった醤油顔で、昔の少年隊の一人のようにカッコイイ顔をしている。
 こんな彼に、声を掛けられたら、たいがいの女性は落ちてしまうだろう。
 しかし、彼は今のところ、フリーであった。何度か、女遊びはしているが、特に彼女を決めているわけでもなかった。
 今、鋭次と一郎の並んでいる姿は、彼女ら女子大生にとっては、たまらないツーショットであった。
 どちらでもいいから、つき合って欲しいと言わんばかりの視線や声があった。
 しかし、そんなバカな女には、目もくれず、鋭次と一郎は、校庭を見下ろしていた。

 鋭次と一郎の出会いは、一年の時であった。”新入生歓迎パーティ”という名のサークル部員集めの飲み会であったが、とりあえず、鋭次は、”マルチメディア倶楽部”と書かれた、コンピューター関係と思われるサークルのパーティに参加した。
 コンピューターと言っても、ゲームをやりまくるとか、インターネットでホームページを見まくるとか、最近は名ばかりの所が多い。
 鋭次は、あまり期待はしていなかったが、とりあえず、どんなものかパーティに参加してみて、考えることにした。つまらなければ、入らなければよい。
 やはりサークルは、鋭次の予想していた感じの所であった。会話もほとんどゲームやアニメの話であり、部員も暗い感じのやつ、太ったやつ、眼鏡をかけているやつ、不潔なやつと鋭次にとっては実に不愉快な連中であった。
 その中で一人、目を引く人物がいた。それが、一郎であった。部員やその同類の新入生とは、全く違う感じが見て取れた。彼もまた、鋭次と同じような考えで、このパーティに参加していたのだった。
 鋭次は、彼に話しかけると、彼もまた、鋭次にしか興味はないようであった。いろいろと話しているうちに、彼の人格や性格がだんだんと分かってきた。彼はなかなか危険なやつのようだ・・・

 高校の時は、その立派な体格を生かして、好き放題しているみたいであった。
 彼の父は、大手のS電器の課長をしており、今は単身赴任している。小遣いもまあまあの額をもらっており、バイトもしていたので、金には困らなかったらしい。母は一緒に住んでいたが、心配をかけないようにしていた。その辺は、考えているみたいだ。
 また、バイトに行くということで、夜も自由に出かけることが出来た。
 また、アイドル顔負けの引き締まった顔の彼には、女子生徒からの告白がたくさんあった。
 ブスな女や性格が悪いと思える女は、すぐに振った。しかし、後腐れのないように、彼女らの気持ちを踏まえて、振ってやった。
 しかし、時には、一郎にも可愛いと思える女やプロモーションの良い女からの告白もあった。そういう時は、とりあえず、一郎が味見をする。
 たっぷりと可愛がったあげく、飽きたら、連れに回すということを繰り返していた。
 一郎は飽きるのが早く、長くて一ヶ月、短い時は一週間で、連れに回していた。
(そんな事が出来るのか?)
 連れに回すと言っても、彼女達がそんな事を聞く訳がない。それに、つき合っているのも知られているのではないか?
 いくつかの疑問がありながらも、鋭次は、黙って聞いていたが、一郎の続きの話を聞いて納得がいった。

 まず、彼女には、”一ヶ月間、つき合っている事を秘密にして欲しい。”と、頼む。
 これによって、ほとんどの女は、言うとおりにしてくれる。また、『どうしてなの』とか、『友達にならいいでしょ?』 と、言われても、”一ヶ月後には、みんなの前で、二人の仲を発表するから、それまで待ってくれ。”と、言えば、残りの女も従ってくれた。
 また、彼女の友達の前や登下校などは、一緒に歩いたりせず、つき合っているという事は、誰にも知られなかった。
 では、なぜ、連れに回されても、何も言えないのか?
 彼女達は、一郎とつき合いたくて告白したわけで、彼の連れに可愛がられるつもりはないはずである。
 それは、ビデオや写真を撮られていたからである。それも、一郎と一緒の場面ではなく、彼女が一人で写っているものである。オナニーのシーン、バイブを入れているシーン、誰か分からないが、後ろから、男にオッパイを揉みまくられているシーン、また、全裸の写真、大事な所を大開きにしている写真、一枚一枚、制服を脱いでいっている写真。
 どれもこれもが、彼女ら女子学生にとっては、恥ずかしくて耐えられないものであった。
 そして、これが、一郎からではなく、一郎の連れから、「見てもらいたいものが、あるんだ」と言って、彼女達に見せられるのである。
 そして、暴力団関係や裏ビデオ業界、そして、『学校内にバラまくぞ!!』と脅かされる。彼女達は、泣く泣く彼らの言いなりになるしかなかった。一郎は、陰からその時の表情を見るのが、趣味でもあった。
「次の一回で、ビデオと写真を返してくれるんですね?」
 彼女達が、いつも言う言葉である。しかし、そんな約束は、毎回、破られるに決まっている。それどころか、新たにビデオや写真を撮られて、尚更、逃げられなくなっていく。
 こうして、連れのものになった彼女は、一郎に問い詰められて、訳を話すか、何も言えずに一郎と別れるのか、どちらかであった。訳を話された場合、
「そんな事になっていたとは・・・暴力団か・・・俺には、助ける事が出来ないよ」
 と言って、渋々別れるフリをするのであった。

 一番、鋭次がショッキングであったのは、女教師もが、その毒牙にかかっていることであった。
 一郎が3年生の時であった。大学卒の23才の新人美人教師が、英語の担当となった。美人で、素晴らしいプロモーションであったので、男子生徒からは、絶大な人気があった。
 一郎は、自分の体格と引き締まった顔を武器に、その新人教師に何度もデートの誘いをかけた。最初のうちは、「ダメよ」と、断っていたが、カッコイイ一郎の、何度ものアタックに、新人女教師も、まんざらでもなく、何回かのアタックの後、新人女教師は、”一回だけよ。”と言って、デートをOKしてくれた。
 それが、破滅への道とも知らずに・・・

 イタリア村の道路に面したオープンカフェで、白いテーブルに置かれたカプチーノを飲みながら、一郎は嬉しそうなフリをしながら、街の様子を見ていた。新人教師が、よそ見をしたのを見計らって、小瓶の中の液体をカップに入れた。それは、即効性の睡眠薬であった。
 それを飲んだ美人教師は、崩れるようにテーブルに、もたれかかった。支払いは、先に済んでいるので、まもなくやって来た、連れの乗用車に美人教師と一郎が乗り込んだ。
 目が覚めたのは、ホテルのベッドに、両手両足を縛られて、何人もの男に囲まれているのに気付いた時であった。洋服、スカート、ブラ、そして、パンティと、一枚一枚ナイフで切り裂かれて、脱がされていった。
 その度に、フラッシュが焚かれる。また、別の方向からは、ジジジと、ビデオ撮影の音がする。絶望的な状況・・・
 たった一度のデートがとんでもない事になってしまったことに気付いたが、もう遅かった。
 身に着けているものを全て脱がされた美人女教師は、やめてもらうように懇願したが、
「先生が、”一回だけよ。”と、言ってくれたからね・・・」
 と言って、一郎は美人教師と結合した。
 その後は、他の女子高生と同じであった。ビデオと写真を盾にとり、好きな時に新人女教師を呼び付け、凌辱の限りを尽くすのであった。

 つまらないパーティから抜け出して、品のいい居酒屋で、話を聞いていた鋭次は、一郎が自分と同じようなことをしているのに、共感を持った。他にも参考になる話を持っているかも知れない。
 鋭次は、暇な大学生活を楽しむためにも、とりあえず、一人目の友人?を作ることにした。
 一郎も、鋭次に好意を持ち、友人になってもいいと思うよう気持ちになった。
 そして、自分の行ってきた卑劣な行為を初対面の鋭次に話していた。何故か、鋭次になら、そんな話をしても構わないという気持ちになっていた。知らない間に、鋭次とは長年の友人のような気になっていた。
 一郎とは、それからのつき合いである。

第2話 プロローグ、理恵との出会い

 一郎の視線は、校庭を歩く一人の女子大生を追っていた。いや、一郎でなくても、そうしていただろう。
 何しろ、彼女は目立つ。彼女の周りには、いつも何人かの友達がいた。
 彼女の名前は、”杉本理恵”。今年入った新入生で、ベスト3には、入るのではないかと言われるくらいの人気の美少女である。
 理恵は、どちらかと言えば、お嬢様っぽい感じの可愛さがある。清純系のアイドルを思わせる、おとなしめの性格であるが、くりくりっとした目がとても愛らしい。髪の毛は、肩の少し下の所まで揃えてあり、綺麗な黒色の艶が光り、見る者に溜め息をつかせる。
 身長は、そんなに高めではない。155センチで、小柄であり、胸の方もまだ、これから熟成するところである。女と見るよりは、まだ、女子学生というべきであろう。
 理恵の高校は、田舎の女子校だったので、彼氏もいなかった。また、おとなしく見えるが、意外と活動的で、スポーツも大好きであった。肌の色も色白ではなく、健康的に、少し焼けている感じであった。
 そんな感じの理恵が、今日は、白色のブラウスに、ピンクのドレススカートというアイドルのような可愛い服装で歩いている。
 そんな彼女のおこぼれをもらおうというのか、それとも、ただ単に友達になりたいのか、周りの女友達の真意は、分からないが、彼女の周りには何人かの友達がいた。
 彼女には、人を惹きつける力があった。一郎は、何とかして理恵を誘おうとしたが、周りに友達がいるせいか、なかなか理恵に手を出せないでいた。
 理恵を目で追いながら、一郎が言った。
「杉本理恵か・・・いいよなぁ・・・」
「ああ、そうだな」
 鋭次が、興味なさそうに返事する。それは、既に鋭次は理恵に飽きていたからである。
 そして、釘付けになっている一郎に対して、言う。
「そうだ、今度の土曜日、俺の家に来るか? 杉本理恵の事で、面白いものを見せてやるよ!!」
「なんだ? 隠し撮りの写真でも持っているってか?」
「ちょっと、違うんだけどなぁ」
「なんだ? 洋服やパンティでも盗んだのか?」
「ちょっと、違うんだけどなぁ」
「なんだ? 期待、持たせやがって!!」
「それは、来てからのお楽しみ。って事でどうだ!?」
「そうか。じゃあ、今度の土曜日に」
 一郎は、そう深くは考えずに、とりあえずは、何か楽しめるようだと思う程度であった。

 その週の土曜日。朝の10時に待ち合わせをして、最高級の一戸建て住宅に着いた一郎は、いつもながら鋭次の立派な住宅を見て溜息をつく。
「面白いものって、何だ?」
 理恵の事で面白いものがあるというので、少し期待していた。
「俺の家に入れば分かる」
 そう言って、一郎を家に招き入れた。
「おかえりなさいませ。鋭次様」
 玄関に入ると、召し使いらしい女性が、三つ指をついて出迎えた。聞き覚えのある声の可愛いメイド姿の女性だ。
 その女性は、杉本理恵であった。

< つづく >

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