世界を握れ 第三章 その1

第三章

「・・・やっちまったぁ」
 サイモン・スティーブは、自暴自棄にぼやきながら、手の中の鈍く輝く金属製の道具を見つめた。

 サイモンがやってしまったと言うのは、性犯罪だ。ここ、合衆国マイアミではある年齢以下の女性とセックスをした場合、無条件で無期懲役になる。しかもサイモンは相手に合意を求めなかった。つまり強姦だ。仮釈放と言う希望も何も無く、残りの一生を塀の中で過ごすことになるだろう。

 そして手の中の道具は、サイモンが使い慣れた道具・・・抜き身のナイフだ。もちろん、裏路地のチンピラ如きが振り回すような、ちゃちな物ではない。軍用のアーミーナイフ、殺人のための兵器だ。

「畜生・・・」
 サイモンはほんの一時間前の自分を、罵った。たった一度の行為で、自分は終身刑だ。この単細胞の変態野郎め。妄想で満足していれば、こんなことにはならなかったのに・・・。

 サイモンが強姦したのは、路上生活者の少女だ。昨夜、酒の入っていた彼は、少女を見かけると有無を言わせず車のトランクに放り込み、自宅に連れ込み強姦した。泣き叫ぶ幼い少女をガムテープで縛りつけ、服を破り捨てあらわになった幼い肉穴を、欲望のままに貪り・・・そこで意識を失った。どうやら、興奮でアルコールの回りがいつもより速くなったらしい。

 だが、自分がやったことははっきりと覚えている。何しろ、今も隣の寝室ではサイモンにレイプされた少女が、ガムテープで拘束されたまま転がっているのだから、忘れようも無い。

「・・・これで晴れて俺は重罪人だ」
 犯罪者に貴賎は無いが、刑務所で他の囚人に差別される条件と言うのはある。その代表的な条件が、性犯罪・・・特に未成年に対する性犯罪だ。

 サイモンが実戦経験豊かな傭兵だろうが、それに代わりはないだろう。
「一生屈辱にまみれて生きるくらいなら・・・」
「いっそ、そのナイフで一思いにか? サイモン」
 聞き覚えの無い声に、サイモンは無気力に視線を投げかけた。自暴自棄が、彼の兵士の本能を鈍らせていた。

 サイモンの目に映った侵入者は、東洋人のガキ。もしかしたら成人かもしれないが、サイモンからすれば東洋人は皆若く見え、そこまで推測することは出来ない。
「しかし、自殺に銃じゃなくてナイフを選ぶところに、お前のポリシーを感じるな。
 幾つもの戦地を渡り歩き、生き残ってきた傭兵。そのスキルは高く広い。アクション映画の主役級だ。
 特に、ナイフを使用した戦闘術は抜きん出ていて、他の追随を許さないとか」

「・・・なんだあんた? 警察じゃないことはたしかだろうが」
「もちろん、警察じゃないさ。スカウトマンだよ。あんたのスキルと経験、そして人脈を買いたい」
 スカウトマン? こんな東洋人のガキが? 何かの冗談のようだ。

「スキルはともかく、人脈って何だよ? 女でも紹介して欲しいのか?」
「いや、紹介して欲しいのは傭兵や、その道のプロフェッショナルだ。もちろん、超一流の」
 それまで薄笑いを浮かべていた東洋人が、急に凄みを増した。

「銃器の扱い、狙撃、前線医療、戦闘機の操縦の腕。・・・なんだっていい。その道の天才的なスキルと経験を持った連中の情報が欲しい。国籍、人種、前歴、一切構わない」
「・・・報酬は何だ?」

 思わず、ごくりと渇いた喉に唾を送り込み、サイモンは質問する。
「・・・そうだな。まず、今日のところはあんたの懸案事項を消してやった。これはアポ無しであんたに会う代償。無料サービスだ。
 基本報酬は歩合制。金と・・・あんたの趣味を満足させてやろう。これから5人人紹介するごとに1人、あんたが欲しいものをくれてやる」

 そういいながら東洋人が取り出したのは、名刺大の白紙のカード。それを掲げるようにして、サイモンに向ける。
「とりあえずは、寝室にいるのをあんたの物にしてやろう。後、金はあんたの口座に振り込んでおく」
 その言葉を聞いた直後、サイモンは意識を失った。

 そして、すぐにサイモンは目を覚ました。デスクの上に、一枚の紙が置いてあった。メールアドレスと携帯の番号が書いてある。あの東洋人のものだろう。
「・・・夢じゃないのか?」
 そう呟きながら、サイモンは寝室に向かった。あの東洋人が、自分の妄想の産物ではなく現実なら、あの少女は彼の物になっているはずだ。

 少女は、今もガムテープで拘束され、ベッドの上に仰向けに転がっていた。そして、相変わらず泣いていた。
 何も代わっていないじゃないかと、彼が失望するより速く少女がサイモンに気がついた。彼女はサイモンを目にすると・・・瞳を輝かせた。

「おじさんっ、お願い、またあたしにおじさんのディック(男根)を突っ込んでっ!」
 そう言いながら、自由の利かない身体で必死にサイモンを誘おうとする。腰を浮かせて、まだ処女だった証とサイモンの精液がこびりついている性器を、見せようと必死だ。
「プッシーじゃなくて、お尻でも口でも良いから、お願いっ! どこでもいいからっ!」

 一時間前に泣き叫んでいた少女とは、まるで別人のようだ。・・・いや、別人にしたんだろう。あの東洋人が。
「・・・報酬、たしかに受け取ったぜ」
 サイモンはそう呟きながら、ベッドへ向かった。その頭の中からは、すでに自殺しようだなんて考えは、欠片すら残っていなかった。

「我尽さん、僕が仕事をしている間に、我尽さんは何をやっていたんですか?」
 司令室でデジカメを構えた世良がそう質問すると、我尽は一枚のカードを取り出した。名刺大の大きさで、ローマ字でサイモン・スティーブと言う名前らしき物だけが書かれたカードだ。

「このカードを作ってた」
「・・・それだけですか?」
 世良の目には、我尽の持つカードはただの紙片にしか見えなかった。

「疑問そうだな? まあ見てろ。すぐにこのカードの重要性が解る」
 そう良いながら、我尽はドアに向かい直った。横のデスクには、抜き身のアーミーナイフとりんごが一個。
「・・・何をやるつもりなんです?」
 世良が半眼で我尽を見ていると、自動ドアが開いて、京子が入ってきた。

「我尽さまっ、あたしだけに用って・・・」
 頬を赤く染め、期待に胸を膨らませて入ってきた彼女に、我尽は世良に見せたカードを向けた。
「京子にサイモン・スティーブの経験とスキルを『転写』・・・」

 その瞬間、カードが淡く輝いたように、世良には見えた。そして、京子はその輝きを見つめたままの姿勢で、硬直してしまっている。
 しかし、それは刹那の事だった。すぐにカードから輝きは消え、京子は何も無かったように瞬きした。

 何をしたのかと、世良が我尽に訊く前に我尽が動いた。抜き身のアーミーナイフを京子に向かって放り投げ、それに少し送れてりんごも投げた。
「ええっ!?」
 当然の我尽の行動に、世良が度肝を抜かれる。しかし、この程度はまだ序の口だった。

 京子が・・・フルーツパフェでも幼さと可愛さで売っていた彼女が、空中でアーミーナイフの柄を器用に掴み取ると、それでりんごを鮮やかに一刀両断したのだ。

「我尽さまっ、あたしだけに用って、何ですか?」
 そして、床に転がるりんごを一刀両断した当人は、何事もなかったようにごついナイフを手でカチャカチャと持て遊びながら、途中だった質問を言い終えた。

「お前たちのスケジュールを確認しておきたくてな。たしか、ラストシングルの録音とか衣装合わせとか、色々あるんだろ?」
「それだけですかぁ? 種付けとかじゃなくて?」
 不満そうに言う京子に、分かったと我尽は頷く。

「教えてくれたら次はお前から付けてやるから、そう不満そうにするな」
「はぁいっ。
 我尽さま、あたしたちのスケジュールは・・・」

 その後、京子は我尽にスケジュールを話した後、部屋から退出した。
「・・・今のナイフ捌きが『転写』ですか?」
 その頃には、デジカメの映像を何度も確認していた世良も冷静さを取り戻していた。

「そうだ。あれは、掌握術の奥伝『転写』の一例だ」
 そう言いながら、我尽は『サイモン・スティーブ』のカードを見せる。
「掌握術は、言霊に近い術だと前説明したな? 『転写』の第一段階は特定の人物の経験や知識、各種データを写し取る。人間の情報をコピー機にかけると考えればいい。
 写し取る媒体は、なんでもいい。仰々しい巻物だろうが、チラシの裏でも構わない。俺はサイズが持ち運びに丁度いいから、名刺大の厚紙を使っているけどな」

「そして第二段階は、写し取った物を対象に書き写す。
 さっきやったのは、京子に『サイモン・スティーブ』の経験やスキルを書き写した。ナイフ捌きは、そのほんの一部だ。・・・まあ、実際ナイフの扱いに長けた男だけどな、こいつは」
「もしかして・・・我尽さんが何でも出来るのって、その『転写』を使っているからですか?」

 我尽は義務教育もろくに受けていないのに、学力は低くない。英語もネイティブスピーカー並みに堪能だ。そしてこの地下秘密基地のコンピューターを、完全に使いこなしている。
「もちろん。時間は有意義に使わないとな。ああ、お前に教えるって言っていた事も、大体『転写』で身につけてもらうから、そのつもりで」
 当たり前のように、頷く我尽。思わずこれまでの学業各種への努力が、くだらない物に思えてくる世良だった。

「でも、その口ぶりだとあんまり気に入ってないみたいですね、その力」
「ああ、さっきみたいに手に入れた女を強化することには使えるが、その後身につけさせたスキルを使いこなさせるための、反射神経の強化だとか色々あるし、何より遊びに使いにくいからな」
 『転写』を使えば、ねんねの処女も床上手できるが・・・我尽にとって、似たような床上手を何人も作っても、退屈なだけなのだろう。

「もう少し、応用が利けばな」
「例えば、経験以外にも色々書き込めるようになれば、便利ですよね。『淫乱』とか『露出狂』とか色々・・・どうしたんです我尽さん? そんな怖い目で僕を見て」
 くわっと、目を見開いた我尽は怯える世良の肩を叩いた。

「世良・・・お前は最高の右腕だ。俺にこんなアイディアをくれるとはっ!
 よしっ、この術は『変容』と名づけて、奥義書にお前の名前を発案者として書いておいてやるからなっ!」
「あ、ありがとうございます」
 素人の発想が、玄人には思いもつかないアイディアである。その実例がここにあった。

 その日、学園では一日だけの特別クラスが、同じく一日だけの特別な時間割で授業を行うことになった。
 言うまでもなく、我尽そう仕組んだのだ。クラスのメンバーは世良に新設のため1年と2年しかいない女子寮の生徒で見目が良いのを1クラス分と、午前中の授業を担当する教師4人。そして我尽当人と世良。そして一応、撮影班が数人。

 我尽と世良以外は掌握術の影響下にあり、『何があっても授業を続けることが第一優先』と『誤認』させ、そしてその認識を『強化』すると言うコンボで例え、親が危篤だという知らせを聞いても授業を優先すると言う、異常な集団になっている。・・・まあ、『誤認』にまじめに授業を受けるという一文がないので、ただ机に座っているだけの不真面目な生徒もいるかもしれないが。

 そして今はホームルームの始まる前。我尽と世良は、教室の一番後ろの席に座っていた。
「・・・27人か。丁度良い数字だな」
「でしょう? 容姿が少し落ちても良いならもう少し集められましたけど。
 それより、何で彼女達がいるんです?」

 世良言う彼女達とは、我尽の後ろで控えている香苗、千枝子、幸の3人と、自分の後ろに控えている清美だ。
「アシスタントだよ。安心しろ、あの四人は俺たち以外には撮影班同様認識できない。
 さて、もうすぐ始まるホームルームと一時間目では、個の中の『連動』を見せてやろう」
「個って・・・つまり1人だけのって意味ですよね?」

 連動と言うからには、2人以上の人物にかけるものだと思っていた世良は、意外そうに聞き返すが、例によって我尽は答えてくれない。見たら分かるということだろう。
 そう世良が納得したと同時に、担任兼一時間目の担当の教師が入ってくる。来栖智恵理。古文の教師だ。

「皆おはようっ! それじゃあ出席をとるわよ」
「・・・『連動』・・・・・・」
 智恵理の声に混じって、小さく我尽が術を使う。世良は黙って様子を伺うことにした。

「門倉我尽っ」
「はいっ」
 数年ぶりの出席に我尽が応えても、何も起きない。

「間宮世良っ」
「はいっ」
 世良が応えても同じだ。

「有賀志保っ」
「はっ、んんっ!」
 最前列の女子が、奇妙な返事をした。返事の後半は歯を食いしばって、声を押し殺そうとしている。

「飯島光っ」
「はっ、ひぃぃぃいっ!?」
 次の飯島は、元気良く手を上げたが、すぐにヘナヘナと机に突っ伏してしまった。

 その後も似たようなものだ。名前を呼ばれた女生徒達は、返事をしようとして艶のある声を出して動けなくなってしまう。
「もしして・・・イッてる?」
 そう、名前を呼ばれ返事をしようとした瞬間、女生徒達は絶頂に達していたのだ。

「これが個の『連動』だ。出席に答えようとすると、何の前触れも無く突然絶頂に至る。皆戸惑っているだろう?」
 我尽の視線の先では、机に座っている女生徒が、もじもじと太ももを擦り合わせている。いきなり下着がびしょびしょになってしまって、どうすればいいのか困っているらしい。ホームルームの後、すぐに授業のためトイレで着替えたりといったことが、授業を受ける事最優先の彼女達にはできないのだ。

 そして授業が始まった。その途端我尽と世良は席をたった。しかし誰もそれに注意を払わない。特別クラスの生徒と教師にとって、我尽と世良は何をしていても『まじめな授業態度』なのだ。
 それは世良が1年の有賀志保のスカートをめくっても、変わらないようだ。スカートをめくられた志保当人も、頬を赤らめるだけで、注意もせず、悲鳴も上げない。

「本当にイッちゃってますね。ショーツがぐっしょり」
「だろ? さっきのは出席に返事する事と絶頂を『連動』させたんだ。
 他にも見てみるか?」
 世良の返事を聞かずに、世良は『連動』を使う。

「・・・さて、誰に連動をつかったか当ててみろ。正解したら、後で『変容』のアイディアをくれたことと合わせて、特別クラスの中から3人やろう」
「3人ですかぁ・・・意欲が湧きますね」
 世良は周りの様子を伺った。何かおかしい動きをしていれば、それが『連動』で操作された生徒だろう。

 最初に目に付いたのは、黒板の文字を一生懸命ノートに写している2年の飯島光だ。世良の記憶では、光は不良ではないが、そう勉強熱心な生徒ではなかった。しかも、頬を赤く染め荒い息をつきながら授業に励む姿は、一目で見についた。
「この子につかったんでしょう? 多分、黒板を書き写すのと性感を『連動』させて」
「正解。・・・分かりにくいと思ったんだがな」
 あっさりと正解を言い当てられた我尽は、物足りなさそうだったが負けを認めた。

「とりあえず、その3人は4時間目までに選んでおけよ」
 我尽は、そう言いながら他の生徒を物色し始めた。他の個の『連動』を試すためだ。

「個の『連動』って言うのは、対象一人の二つ以上の異なる行動や感情、感覚を結びつける。普通でも、『叩かれる』と『痛い』、『肩を揉まれる』と『気持ち良い』と、結果がついてくるだろ? それを術で結びつけるというものだ。
 例えば・・・世良、そこの消しゴム拾ってやれ」
 我尽が目で指した先には、消しゴムを落とした女生徒がそれを拾おうとしているところだった。

「はい、落ちましたよ」
 言われたとおりに世良は消しゴムを拾い、持ち主の少女に手渡した。
「あ、ありがとう・・・」
 渡された少女、木島玲は、うっとりと頬を染め瞳を潤ませながら礼を言う。

 受け取った後も、ちらちらと世良に視線を向け、授業も何処か上の空だ。
「・・・我尽さん、さっきのはもしかして、『落とした消しゴムを拾ってもらう』と『拾ってもらった相手が好きになる』って連動ですか?」
「正確には、『落とした物を拾ってもらう』と『拾ってもらった相手に恋愛感情を持つ』と言う連動だ。
 やろうと思えば、『登校途中、誰かにぶつかる』と『ぶつかった相手に恋愛感情を抱く』と言う連動も出来るぞ。・・・そんなベタなことはしないが」

「それより・・・二つ以上って言うことは、重ねがけしたり出来るんですよね」
「前の『連動』と矛盾しない限りな。あと、こんなことも出来る」
 今度は、智恵理に手を向ける。

 すると、古文を黒板に書き、生徒に説明する智恵理が、空いている手で服を脱ぎだした。
「今度は『授業を進める』と『服を脱ぎだす』ですか?」
「いや、まだまだ続きがある」
 智恵理の服を脱ぐペースはかなり速く、すぐに脱ぎ終わってしまった。

 それで終わりではなく、服を脱ぎ終わった智恵理は、今度は教壇の上に上り、脚を広げて座り込んでしまった。
「じゃあ木島さん、47ページから読んでみて」
 そう指示を出すと、そのまま自分の性器に指を伸ばし、オナニーを始めたのだ。

「んんっ、くぅぅん、あふぅ」
 しばらく、古文の教科書の朗読と智恵理の喘ぎ声不協和音が教室を満たした。
「こんな感じに、『連動』を『連動』につなげることも出来る」
「なるほど・・・じゃあ、次はこんな風につなげてみたらどうです?」
 一時間目は、智恵理で二人が遊んでいるうちに終わっていた。

 二人が遊んだ結果、智恵理は授業終了のチャイムがなる頃には、立派なメス奴隷になっていた。今では、何をされてもそれが発情や性感に結びつくようになってしまったのだ。
 他人とのコミュニケーションが、セックスと同意義。これも『連動』といえるのかもしれない。

「それで、二時間目はどうすんで・・・うっ」
 言葉の途中で、智恵理にフェラをさせていた世良が口内に射精した。それと同時に、『精液の味を感じる』と『絶頂に達する』智恵理の尻が、ピクピクと上下する。

「んっ、ぷはっ。今度、今度はお尻にくださいっ! お尻に精子欲しいのぉ」
 口に出されたら肛門に、肛門に出された膣内に、膣内に出されたらまた口にと、智恵理は射精をねだるように『連動』されている。

「とりあえず、今度は無生物との『連動』を見せるつもりだ。
 それより、この色情狂教師をどうする? お前いるか?」
「そうですねぇ・・・じゃあ、共有財産ってことでどうです? 僕は、前は使いませんから」
「そうだな・・・。
 嬉しいか智恵理、お前は俺達の性欲処理機になれるぞ」

 ズブリと直腸に挿入されるペニスを感じながら、『射精される』と『相手に忠誠心を抱く』智恵理は、嬉しそうに喘いだ。

 二時間目の教師は、男性教師だった。粒揃いのこの学園も、さすがに女性教師の数は有限だ。この教師は人数合わせのためだけに特別クラスに呼ばれたことになる。
「さて、早速無生物との『連動』を見せてやろう。
 まずはこの消しゴムを・・・あいつのクリトリスと『連動』させてみよう」
 あいつ・・・寮生の中でも胸の大きい2年の栗原亜子を我尽は指差した。

「消しゴムと、クリトリスをですか? それでどうするんです?」
「どうするも何も、使うに決まっているだろ? 消しゴムなんだからな。こんな風に・・・」
 我尽はそう言いながら、消しゴムを机に擦りつけ始める。

「うっ! くひぃっ!?」
 その途端、亜子は声を上げ股間を両手で押さえると、身体をくの字に折って机に突っ伏してしまった。
「・・・なるほど、今亜子さんはクリトリスをつままれて、机にゴシゴシとこすり付けられているわけですね」
 世良は亜子の身に起きていることを想像して、それはたまらないだろうなと思った。事実、亜子は机に突っ伏したまま、声を必死で押し殺している。

「さらに・・・こんなものも用意してある」
 そう言いながら、後ろに控えている幸に、手で合図をした。幸はそれに応えて、教室に持ち込んでおいたボストンバックから、荷物を出して机の上に並べ始めた。

 幸が取り出したのは・・・電動式のバイブ。それも極太のものばかりが数本。さらに針にライター、蝋燭数本にタバコ一箱。
「何ですか、このまとまりのない道具類は? 使用方法がまったく思いつかないんですけど」

 その世良の質問に答えず、我尽は幸の取り出す道具を受け取っていく。パーティーグッズのラバー製乳房の後、最後に出てきたのは、我尽には縁遠いはずの大人のおもちゃ・・・女の尻そっくりなアナルホールや、女性器を精巧に模したオナホールだった。

「・・・使うんですかっ!? これをっ?」
「そうみたいなんです。我尽さま、そんな偽者使うぐらいなら、あたしやお姉ちゃんのを使ってください。
それとも・・・あたし達のオマンコやアナル、そんな偽者より使い心地が悪いんですかぁ?」
 プライドが傷ついているらしい幸が、悲しそうに目を伏せる。千枝子も香苗も同じような反応だ。

「たしかに使うが、別に俺がこれでオナニーするわけじゃない。そうだな・・・見やすいように両隣の二人にでもするか」
 亜子の両隣の生徒・・・2年の卯花沙織と1年の笹原明日香にそれぞれ術をかける。そして亜子に追加の術を施す。

「さて、これで準備完了だ。・・・幸、お前はこの消しゴムとこの偽胸だ。千枝子や香苗と一緒にやれ。
 世良は・・・まあ、一応こっちにしとくか」
「やれって・・・もしかして、これも無生物との『連動』ですか?
 っと、いうことは・・・」
 
 世良は我尽から受け取ったアナルホールの、穴の表面を指でなぞってみた。すると明日香の肩がピクリと動いた。
 その横で、我尽が作り物の女性器の大陰唇を爪を立てて、摘んでいる。沙織が「いたっ!?」っと、声を上げる。
 幸が怪訝そうな顔のまま、ラバー製の乳首にでこピンをした。亜子が驚いて胸を押さえる。

「なるほど、やりたいことは解りましたけど・・・バイブはともかく、タバコやスタンガンはどうかと」
 使ったら拷問では? と言うニュアンスを含んだ世良の言葉に、我尽は頷いた。
「そうだな。タバコやスタンガンを使うと、空気が悪くなるだろうな。香苗、窓開けといてくれ」
 ・・・伝わりはしたが、途中で変換されてしまったらしい。

「存分にやっていいぞ。いや、やれ」
 我尽の号令の元、まず動き出したのは幸達3人だった。
「本物と同じように考えればいいのよね?」
 千枝子が小首を傾げながら、ラバー製の乳房をゆっくり愛撫する。本物とは感触がかなり違うので、戸惑っているようだ。それ以上に戸惑っているのは、亜子だった。クリトリスや乳首への突然の痛みの後に、誰にも触られていないのに、乳房に愛撫されているような快感が感じられるのだから。戸惑いながらも、うっとりと快感に流されそうになる。

「だめじゃない千枝子。我尽さまは『存分にやれ』と言ってるんだから、もっと激しくしなきゃ」
 そう言う香苗の目には、嫉妬の炎が燃えている。我尽の次に愛している千枝子の愛撫を、間接的にとは言え亜子が受けていることが気に食わないらしい。

「例えば、こんな風にぃ!」
 香苗は消しゴムの上に肘を乗せると、体重を乗せて押しつぶしにかかった。
「ひぎっ!?」
 亜子が悲鳴を上げ、すぐに両手で口を押さえる。

「そうだよお姉ちゃん、こうしなきゃ」
 笑顔のまま、幸が太い布団針をラバーの乳首に突き立てる。そのまま針を貫通させ、穴を開けてしまった。

「ふごぉっ・・・」
 殺しきれなかった悲鳴を、指の間から洩らす亜子の姿を見ながら、それもそうかと考え直した千枝子が、太い布団針を掴んだ。

 我尽も言いだしっぺらしく、香苗や幸と同じくまったく容赦する気がなかった。まず、手に取ったのはバイブ。太い上に、真珠がでこぼことついている。
 それを前置きもなく、ズブリと突き刺した。
「あぐっっ!?」

「卯花、授業中だぞ」
 遅まきながら、男性教師が注意する。その注意にまさか沙織は『性器に異物感があるんです』と言えないため、「すみません」と小さく謝って、また声を出さないように口を押さえた。

「・・・これ以上、注意をしないようにしておくか」
 そう言いながら男性教師に、ズボズボとバイブを乱暴に出し入れし始めた。
「ふぐっ!? ぐぶぅっ! むぐうぅぅぅ」
 本当にバイブで膣を抉られ、子宮をノックされているように、沙織が悶える。

「思ったより余裕だな。てっきり、身を裂かれるような絶叫を上げるものだと思ってたんだが」
 我尽が世良から聞いていた情報では、寮生は私生活が厳しく管理されているから、処女が多いと我尽は聞いていたため、沙織に派手なリアクションを期待していただけに、拍子抜けだ。

「太さが足りないか?」
 リモコンを取り出すと、メモリを操作する。このバイブは祖父、無限が大人のおもちゃ開発プラントで作り上げた物で、太さや長さが操作できるという代物だ。ちなみに、我尽がもってきたバイブは全て無限のオリジナルだ。

「もうちょっと、ましな技術の使い方があったような気がするが・・・」
 そう呟きながら、前よりも明らかに太くなったバイブを確認した後、沙織の様子を見る。・・・痛みと言うより圧迫感を感じているらしい。

「媒体に使ったオナホールの、元々の用途のせいか? それとも柔軟性が原因か?」
 オナホールを見ながらそう呟いて、それでも言いかとリモコンでバイブの動きを停止から一気に最大にする。
「ふごおぉぉぉっ! おぐぅぅうぅぅぅっ!」

 一方の世良は少し躊躇していたが、我尽や香苗達の様子を見て吹っ切れたらしい。とりあえず、蝋燭とライターを手に取った。
「普通、アナルホールはここまで本物の尻の形をしていないはずだけど・・・もしかしたら、我尽さんのお父さんが『連動』のためにそっくりに作ったのかな?」

 蝋燭に火を付け、蝋が溶けるのを待ってシリコンやゴムで出来たアナルホールの尻に、まずは一滴垂らす。
「あつっ!?」
 ぎょっとして、明日香が椅子から跳ね上がる。その後、尻に手を当てて、怪訝な顔をすると、また席に着いた。

「これは・・・面白いかも」
 悪戯としてはなかなか面白い。それがこっちの快感に結びつかないのが難点だが。

「・・・どうしたの、明日香?」
 明日香の後ろの席の女生徒が、突然の奇行に驚いて耳打ちしている。
「たしかあの子は、明日香のルームメイトの1年の須賀佐代子さん・・・。よ―し」

 頭に入れてある名簿で確認すると、明日香が心配する佐代子に答えようとするのにタイミングを合わせて、蝋燭を再度傾けた。
「ううん、何でもなっ!?」
 また突然臀部を襲った熱さに、明日香が腰を浮かせる。

「明日香っ!? 本当にどうしたの?」
「それが・・・そのぉ」
 小声で言いにくそうにする明日香。小声で話していても、黒板の前の男性教師は気づいているはずだが、注意できない以上黙認するしかない。

 結果、世良のやりたい放題だ。
「次はバイブでも入れてみようかな・・・我尽さんの持って来たのは全部前用みたいだけど、まあ良いか。
 これにしよう」
 世良がチョイスしたのは、特に太くも無く、見かけはごく普通のバイブレーターだ。動かすためのリモコンに、用途不明なスイッチがある以外は。

「その前に、必要があるのか微妙だけど慣らしておこうか」
 人工の肛門を指でマッサージして、前座を始める。・・・傍から見て異様だということは承知済みのようだ。それからバイブを挿入する。
「あっ、あふっ、何、お尻が・・・あぎっ!?」
「お尻? お尻がどうかしたの?」

 ズブリとバイブを入るだけ入れたら、世良リモコンのスイッチ類を操作し始めた。まず、右側のスイッチを入れてみる。
「あぐぅぅぅぅっ、お尻がぁ、お尻が変なのぉ」
 低い振動音を立ててアナルホールの中で動くバイブに、合わせて明日香が低く喘ぐ。

この時点で佐代子は、ルームメイトがただ事ではない事態に立たされていることに気がついたが、授業を受けなければならないと言う術の効果のせいで動けなくなっている。

 次に真ん中のスイッチを世良は入れた。振動していたバイブが、今度はグネグネと奇妙な虫のように蠢き始める。
 そのバイブの動きに合わせて、少しでも苦しさから逃れようとするように、明日香が尻を動かし始める。
「佐代子ぉ、変っ、お尻の中が変なのぉ、あたしのお尻の穴の中で、変なのが動いてるのぉ」

「先生っ! 明日香の具合が悪いみたいなんですっ!」
 異常を訴えられた佐代子は、たまらず教師に助けを求める。しかし男性教師は、我慢しろとでも言うかのように一瞥しただけで、すぐにテキストに視線を落とす。

「事なかれ主義っていけませんよね」
 そう言いながら、世良は最後のスイッチを入れる。

「ぎゃひぃっ!」
 その途端、明日香が悲鳴を上げながら飛び跳ねた。そしてぐったりと机に突っ伏した。
「ひぃいぃぃぃいぃっ!?」
 ぐったりとしたかと思ったら、また悲鳴を上げながら飛び起きる。

「一体何が・・・?」
 世良は手元のリモコンと、アナルホールの中のバイブを見比べた。タイミングから考えて、自分がスイッチを入れたことがきっかけになったことは、間違いないだろう。しかし、バイブの見た目は何処も変わっていない。棘も生えてないし、高速回転もしていない。相変わらず動いているだけだ。

「一体・・・あだっ!?」
 バイブの端に触れた世良は、指に痛みを感じて慌てて引っ込めた。
「がぁぁぁあぁぁあああっ!」
 それとほぼ同時に、明日香が獣じみた悲鳴を上げる。

「これは・・・低周波マッサージ?」
 指から伝わってきた感触と痛みは、まさにそれだった。バイブの製作者に、マッサージの意図は無いだろうが。
 スタンガン程のショックも、火傷の心配も無いだろうが、それでもかなりのパワーだ。これを直接粘膜に流されたら、たまったものじゃないだろう。

「明日香っ! ねぇ、どうしたの明日香ぁ!?」
 悲鳴を上げ続けるルームメイトに、佐代子が必死に呼びかける。
「おっ尻がぁっ、いだいぃいぃいぃいぃいっ! こうっ! もんがぁっ、やけるぅうぅうぅうぅうっ!」
 明日香が断続的に悲鳴を上げながら、苦境を伝える。悲鳴が変わったのは、バイブの電流が低周波マッサージで例えると、『揉む』モードから『叩く』モードになったからだろう。

 伝えられた佐代子は、迅速に行動した。男性教師には、求めても無駄だと思っているのか助けを求めない。
「明日香、ごめんっ!」
 謝罪の言葉と共に、机に上半身を投げ出している明日香のスカートをめくり上げる。まず、異常が起きているらしい、明日香の肛門を確認するつもりらしい。

「せっかくだから、僕も見せてもらおうかな」
 バイブに触れないようにしながら、アナルホールを持って世良も近づいた。元の場所のままだと、佐代子が邪魔で見えないからだ。

 世羅が移動し終わると同時に、佐代子は飛鳥のショーツを下ろした。
「明日香・・・どうにもなってないわよ? お尻」
 佐代子の言うとおり、明日香の尻はきれいなままだった。肛門も確認したが、世良も佐代子と同じで、ヒクヒクと動いている以外は、変化を確認できなかった。

「? そんなはずは・・・」
 世良はアナルホールの現状と、目の前の明日香の尻を見比べた。アナルホールにはバイブが挿入されているが、明日香の肛門は、蕾のようにピッタリと閉まっている。ピクピクと動いてはいるが。何より奇妙なのは、アナルホールには溶けた蝋がかかっているのに、明日香の尻には火傷一つないということだ。

 それは、世良がバイブのスイッチを切ってみても変化はなかった。
「思ったより速く種がばれたな」
 首を傾げる世良の後ろから、我尽が声をかけた。何がばれたのかと問おうと振り向いた世良に我尽は、オナホールを見せた。極太のバイブが突き刺さり、所々何故かこげている無残な様子の物をだ。

 続けて、我尽の横にいる幸も、自分達が遊んだ偽胸や消しゴムを見せてくる。一見してボロボロで、ハリネズミのような有様だ。

 そしてその後ろでは、香苗が亜子の、千枝子が沙織の制服を脱がしにかかっている。
「見てみろ、驚くぞ」
「・・・その惨状を見てからじゃあ、見る気になれないんですけど」
 そう言いながらも、亜子や沙織に視線を向けてみると、我尽に言われた世良は通り驚いた。

 亜子も佐代子も、きれいな裸だったのだ。二人とも半ば失神しているが、針が刺さっている様子も、火傷をした様子も無い。若い肌が健康そうに輝いている。

「実はな、無機物との『連動』は肉体に影響を及ぼせないんだ。だから、このオナホールに針を刺そうが、焼こうが佐代子の性器には傷一つつかないし、処女幕が破れることも無い」
「だからこんな凶悪な物を使ってたわけですか」
 考えてみれば人材に飢えている我尽が考えも無しに、これから手に入れようとしている女を傷つけるはずが無い。

「さて、次は感情と感覚の『連動』・・・多分、お前が『連動』と聞いて思い浮かべたものを見せてやる。3時間目と4時間目通してな」

< つづく >

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