ポケガ 第3話

第3話

『全員整列!』

 僕の部屋には、今、召喚した姉ちゃんと知佳理ちゃんがいる。
 新しいモードを説明するのに、チルルが2人を集めてくれと言ったからだ。

『それでは、ただいまより『お着替えモード』の説明をするから、心して聞くように!』

 画面の中では、姉ちゃんと知佳理ちゃんのアバターがチルルに敬礼している。それと連動してるのか、僕の部屋にいる姉ちゃんと知佳理ちゃんもぼんやりと僕に敬礼する。
 そういう余計な仕込みはいらないと思った。

『簡単にぶっちゃけちゃうと、このアバターちゃんの衣装をマスターのお好みで着替えるモードなんですがー』
「え、そんだけ?」

 あれだけ盛り上がっておいて、それだけか。
 自作のOPムービーまで流しておいて、それだけか。
 チルルはクルクル回転して、画面の中を暴れ出す。

『そんなわけがありません! アバターちゃんの衣装を替えることにより、逆に現実の衣装まで着替えてしまうのが『お着替えモード』の本気汁なのです!』
「本物の姉ちゃんたちまで着替えちゃうってこと? 本当に?」
『はい! 本気汁です!』

 僕はスウェット姿の姉ちゃんと、ジーンズにパーカーっていう、そっけない普段着の知佳理ちゃんを交互に見比べる。
 アバターのファッションも現実とリンクしていて、今の2人の服装を忠実に再現している。そしてアバターを着替えさせれば、実際の2人まで着替えることが可能だという。
 20世紀も遠い過去になってしまったな。

『さらにさらに! 着替えたコスチュームに応じて、ポケガちゃんたちもその衣装の役になりきっちゃう! 身も心もあなただけの着せ替え人形になってご奉仕する可愛いポケガちゃんたちと、甘いひとときを過ごしてみませんか? それこそがこの『お着替えモード』の本気汁なのです!』
「どうでもいいけど、何の汁なんだよ?」
『ではでは、まずはポケガにタッチしれー』

 姉ちゃんのアバターをクリックすると、『タッチモード』と『ステータス』の下に『お着替え』というメニューが増えている。そこをクリック。

『お着替えモード、発進ですー★』

 姉ちゃんのアバターだけ残して、バックがキラキラした背景に変わる。そして姉ちゃんの周りに4着ほどの衣装がくるくる回り出す。チルルは姉ちゃんの体のサイズを測りながら、厳しそうに顔をしかめる。

『むー、まだレベル低いので、衣装がこれっぽっちしかないのです。着替えられる衣装は各ポケガちゃんのレベルに依存しまくりなんで、もっともっと鍛えてあげて欲しいです』
「ちなみに、全部で何着あるの?」
『278着でーす』

 いつも無駄に多いよな、このゲーム。無駄に。

『とりあえず今はこの4着でご勘弁をー。なるべくバリエーションとお楽しみは増やすように、あたしも頑張って上司と交渉しますんでー!』
「いや、いいよ。別にこういうの興味ないし」

 着替え遊びなんて、女子の遊ぶ人形ごっこみたいなもんだ。
 そんなものに興味あるなんて思われても困るぜ。

『えー? そんなこと言うなお~。一度くらい試せお~』

 でもチルルがしつこく食い下がるから、仕方なく画面にタッチする。
 タッチしてスライドすると、衣装も回る。それぞれの衣装の下にタイトルが表示される。
 適当に選ぶとするか。どれにしようかな。
 エロメイドさん(クラシック)に、エロ巫女さんに、エロナースさんに、エロエヴァパイロット、か…。

「なんで全部エロなんだよッ」
『あテッ!?』

 見た目には普通の衣装だったが、タイトルには全て『エロ』と表記されていた。あえて表記する必要もないくらい全部『エロ』だった。

『でもー、コスプレといえばエロがお約束だしー』
「あー、ていうことは、これってイメクラとかコスプレ風俗とか、そんな感じの機能なの?」
『カイトくんのエロ知識って、時々目を見張るものがあるよねー』

 そういう遊びも世の中にはあるってことは、前に校長先生が全校集会で言ってたから知っている。
 自分でやってみようとは思わないし、何が楽しいのか想像もつかないけど。

「しかし、これをただのイメージプレイと一緒にされては困ります! 当ポケットガールズの用意したお着替えモードは、本格的な衣装と本格的な刷り込みにより、そんじょそこらのなんちゃってコスプレとは一線を画した、リアルで素っ頓狂なプレイを本気汁にしてお届けしておりますので!」
「わかった、わかった。やってみるってば」

 僕は4つの衣装から姉ちゃんに何を着せてみようか考える。

『ねえねえ、それでカイトちんは姉っちにどのお洋服着せゆ? チユユねえ、エロエヴァパイロットがいいのー』

 エヴァとか全然世代違うし。
 つーか、明らかに大きなお友だち狙いだろ、このモード。
 アイテム課金とか始めたら僕は見限るからな。
 まあ、とりあえず、このメイドさんにしてみようか。コスプレといえば定番だし。

『ちなみにー、メイドさんの衣装はバージョン多いんで全6種類色違い3色をご用意させていただきました! レベルアップをお楽しみにー』

 僕はスカートの長いクラシックな感じのメイド服をスライドさせて、姉ちゃんのアバターの上に重ねた。

『お着替えしマース★』

 とたんに姉ちゃんのアバターが光に包まれ、キラキラと輝き始めた。
 アニメの変身シーン風にポジティブなメロディに合わせて、姉ちゃんの衣装がモコモコと形を変え、上から順にメイドさん(クラシック)なファッションに変わる。
 そして変身を終えた姉ちゃんのアバターが、長いスカートの裾を摘んで、画面に向かって優雅な一礼を決める。

『そっちの姉っちはいかがですかー?』
「え?」

 チルルに言われて顔を上げてみると、いつのまにかリアルの姉ちゃんまでもが、アバターをまったく同じ衣装に着替えて、同じように優雅な仕草で僕に礼をしていた。

「えええっ!?」

 白いカチューシャ。白いエプロン。紺色の長いスカートを揺らして、姉ちゃんは微笑みを浮かべる。

「お待たせしました、ご主人様。なんなりとお申し付けくださいませ」

 驚いた。これ、どういう仕組みだ? 本当に現実の衣装まで替わっちゃうなんて。
 服の作りだって、しっかりしてる。いかにもコスプレ衣装って感じの安っぽさもなく、凝ったレースや縫い合わせの細部にまでこだわって作られてるというのは、一目でわかる。さっきまでの某格安衣料品店のスウェットなんかは、素材の欠片にも残ってない。まるで別世界だ。森の向こうで洋館のお屋敷にでも迷い込んだみたいに。
 それに…姉ちゃんに似合いすぎてて、驚いた。
 奇をてらわないシンプルなデザインが、逆にモデルの美しさを際だたせる。整った顔が慎ましげな表情でますます輝き、豊満なスタイルを行儀良く押し込めた胸元が、清楚な衣装の奥に眠る色気を思わせ、余計に淫らな想像をかき立てる。
 確かに可愛い。よく似合ってる。
 自分でやらせたくせに、姉ちゃんのこの格好が気まずくて仕方ない。
 なんだこの感覚?
 僕は姉ちゃんにこんな服を着せて、興奮してるのか?

『くふふふ。驚いてる驚いてる。しかし『お着替えモード』の真の恐ろしさはこれからなのだよ、カイトくん…。この『お着替えモード』を知ってしまえば、あなたはもうポケガから離れられなくなる。めくるめく摩訶不思議エロワールドに、ずっぽりハマってハメまくり。くふふ、ようこそ、二度と帰れぬ性の遊園地へ……』

 そういってチルルは、2人に分裂して画面に顔を並べる。

『ゆっくりしていってね!』

 ムカつく顔だった。

「…ご主人様、いかがされましたか?」

 姉ちゃんが僕の前に屈んで顔を覗き込んでくる。
 今にもはち切れそうな胸が強調されて、僕は思わずそこから目を逸らす。

「お体の調子がよろしくないのですか?」

 ご主人様とか、お体がどうとか、おかしなことを大真面目な顔で言って、僕に顔を近づけてくる。キスできる距離で、心配そうに僕の髪をかき上げる姉ちゃん。
 恥ずかしくて、僕の顔が熱くなる。なんだか姉ちゃんエロくて、股間も熱くなってくる。

「ああ、これは…」

 姉ちゃんが、僕のボッキを見つけて驚いた声を出す。僕は慌ててそこを隠す。でも、姉ちゃんは嬉しそうに頬を染め、その手を重ねてくる。

「お隠しにならないで…。私を呼んだのはこのことですね? わかりました。どうかこの私にお任せ下さい」

 そう言って姉ちゃんは僕のジャージを下げる。あっさりとパンツも下げられ、固くなったチンチンを晒される。

「こんなになってしまって、お気の毒に。どうしてもっと早くに言ってくださらなかったのですか?」

 姉ちゃんの指が僕のチンチンに絡まり、優しくさすられる。ぞくぞくする快感に、仰け反ってしまう。

「私に命じてくだされば、何でもいたしますのに…」

 シュッ、シュッと上下に手が動く。
 僕の反応とチンチンを交互に確認しながら、丁寧な奉仕をしてくれる姉ちゃんのメイド姿に、気持ち良さが増していく。

『カイトくん、カイトくん!』

 チルルが画面をバンバン叩いてた。
 まさかとは思うが、中から壊したらお前に弁償してもらうからな。

『ちかりんがほったらかしだよ! かわいそーだよ!』

 クッションの上で知佳理ちゃんが、呆けたような表情で僕らのエロ行為を見ていた。
 僕は慌てて自分の股間を隠した。姉ちゃんが「?」と顔を上げた。

『ちかりん、私もお着替えしたいよーって言ってるよ! ちかりんにもコスプレさせてあげようよー!』

 本当だろうか?
 僕は知佳理ちゃんの『お着替え』をタッチして、姉ちゃんと同じ衣装を着せてみる。

 キラリンと知佳理ちゃんの私服が光って、メイドさん(クラシック)に衣替えした。
 姉ちゃんと同じはずなのに、なぜか彼女のは膝が出るくらいスカート短めで、でもそのデザインには年相応の可愛らしさがあって、思わずニヤけちゃうくらい、知佳理ちゃんに似合ってた。

「ご主人様、ちかりをお呼びでしょうか?」

 ちょこんとお辞儀して、知佳理ちゃんが近づいてくる。
 そして、姉ちゃんのしている行為を見て、目を丸くする。

「あ、お姉様。何をなさってるんですか…?」

 お姉様?

「知佳理、いいところに来たわね。ご主人様のオチンチンがボッキしてしまって大変なの。あなたもこっちにきてお手伝いして」
「えっ!?」

 知佳理ちゃんが、真っ赤になった頬に手を当てる。

「…そんな、恥ずかしくて…ちかりにはできそうもありません…」
「知佳理ったら、いつまでもそんなことではダメよ。メイドたるもの、いついかなるときもご主人様のために体を差し出し、喜んでご奉仕できるようでなくては。あなたももう、そういうこともわかる年のはずよ」
「も、もちろんわかってます、お姉様。ちかりだって、もう子供ではありません。お姉様に負けない、一人前のメイドになるつもりです…でも、まだ、少しだけ怖いんです…」
「ふふっ。しょうのない子ね。いらっしゃい。ご主人様にお願いして、ご奉仕の勉強をさせていただきましょう」
「はい、お姉様」

 知佳理ちゃんは、僕の足の間に姉ちゃんと並んで膝をつく。

「ご主人様…ちかりも、お勉強させてもらってよろしいですか?」

 不安そうな知佳理ちゃんと、そんな彼女を優しい目で見守る姉ちゃん。
 なんだこの小芝居? なんだこの流れるような会話?
 今日初めて会ったばかりのはずの姉ちゃんと知佳理ちゃんが、息のあったコンビネーションで僕にエロ奉仕を始めてる。

『もちろん、2人はとっくに仲良しですよー。アバターちゃんたちはチルル家で同居してますから、カイトくんが遊んでないときは一緒にDVD観たり、タコパやったり、本音ぶっちゃけまくったり、あたしの車でドライブ行ったり、ロハスなレストランでお食事を楽しんだりしてるんで、あたしたちもう大親友なんです~★』

 いつの間にそんなOLの週末みたいなことしてたんだよ。
 てかエロ着替えより、そっちの方が楽しそうだろ。僕より楽しんでるだろ、コイツ。

「さ、ちかり。オチンチン、にぎにぎして」
「はい…にぎにぎ、ですね」

 知佳理ちゃんの細い指が僕のチンチンに絡む。冷たい指にゾクってする。

「ゆっくり上下に擦って…そう、その先っちょのとこも、指で撫でてあげて」

 従順に姉ちゃんの指示に従い、知佳理ちゃんが指で僕のを愛撫する。メイドさんの格好した知佳理ちゃんに、ご主人様と呼ばれて奉仕されるのは、なんだかすごく興奮する。想像以上に、気分の良いものだった。
 いつものクールさが5割ほどダウンしたみたいに、チラチラと不安そうに僕の顔色を伺う知佳理ちゃん。拙いけど懸命な奉仕が可愛い。気持よくなっていく。

「ご主人様…次は、私が」

 姉ちゃんが、じれたみたいに知佳理ちゃんから僕のチンチンを奪う。
「あんっ」と不服そうに顔をしかめた知佳理ちゃんも、僕も、姉ちゃんの始めたことに目を丸くする。

「んっ…」

 姉ちゃんが、僕のチンチンを口の中に入れた。髪を耳にかき上げ、ジュブブっと奥まで飲み込んだ。

「姉、ちゃん…ッ!?」

 ゾクゾクゥとかつてない刺激が込み上げ、思わず呻いてしまう。
 ジュブ、ジュブ、と姉ちゃんの顔が上下する。手でしてもらうのとも、セックスとも違う気持ち良さ。温かくて柔らかい感触に吸いこまれて、腰がガクガク浮いてしまう。

『うわあ…舐めてる…弟の肉棒をまるで極上のジェラートを味わうかの如く…あぁもう、なんてふしだらな姉弟なのかしら…ハァハァ…』

 姉ちゃんの口元でぐぢゅぐぢゅといやらしい音がしている。
 僕とチルルのはぁはぁと荒い息づかいがそれに重なる。
 知佳理ちゃんは目を丸くしてこんな僕らを見ている 
 
「こういうのは、いかがです? 私も初めてですから、上手にはいかないかもしれませんが…」

 僕の先端に口づけしながら、姉ちゃんは不安そうな表情を上げる。
 こんなに気持ちいいのは初めてだ、と正直に言うと嬉しそうに姉ちゃんは笑った。

「よかった…それじゃ、続けますね」

 じゅぶ、じゅぶ、じゅぶと姉ちゃんの顔が揺れる。
 時々裏スジにぞくぞくくるのは、たぶん口の中で舌を動かしてるからだ。姉ちゃんの口に僕のチンチンが埋まる。角度を変えながら姉ちゃんは色っぽく僕のを扱く。
 こんなのバッチイのに。恥ずかしいのに。でも気持よすぎて止めて欲しくない。
 僕は姉ちゃんにフェラチオしてもらってるんだ。すごい気持ちいい。すぐに出しちゃいそう。

「あ、あのっ…お姉様…ちかりにも、ぜひそれを…」
「んっ、ダメ、まだ私がするの。ご主人様のオチンチンを、私のお口で…」
「ず、ずるいです、お姉様。ちかりのレッスンだったのに」
「だって、ご主人様が気持ちいいっておっしゃってるんだもん。だから、私がして差し上げるの、んっ、んんっ、ちゅぶ、ちゅっ」
「むー…えいっ」
「きゃっ!?」

 知佳理ちゃんが横から顔を近づけ、舌を伸ばして僕のチンチンを舐める。ぐいぐい姉ちゃんに体を押しつけ、僕の股間を奪おうとする。

「やっ、知佳理ったら、ダメ、私がおフェラしてるんだから、んっ、やめてっ」
「いやです! んっ、レロ、ちかりもご主人様のなめなめします!」
「だめっ。んっ、ちゅぷっ、もう、どうしたの? いつもおとなしいあなたが、こんなに乱暴に…」
「ちかりだって、んっ、ご主人様のメイドです。ご主人様の喜ぶ顔が見られるなら、ちゅっ、どんなことでもしたいんです!」

 2人で僕のチンチンを奪い合いながら、舌を絡めて、奉仕する。僕は愛撫を続けながら言い争う彼女たちの頭に手をおいて、優しく撫でてあげる。

「ね、ねえ、2人で仲良く奉仕してくれる?」

 姉ちゃんと知佳理ちゃんは頬を赤くして顔を見合わせ、そして揃って可愛らしい笑みを浮かべた。

「ハイ! ご主人様、喜んで!」

 息のあった返事をして、僕への奉仕を再開する。
 姉ちゃんが先端の方を舐めれば、知佳理ちゃんは僕の根元を舐める。姉ちゃんが玉袋を舌で転がせば、知佳理ちゃんは大きく口を開けて僕のを飲み込み、ジュブジュブと顔を前後させる。
 僕は込み上げる快感に腰を浮かせる。姉ちゃんと知佳理ちゃんが互いの舌を絡ませながら僕の先端を舐め回す。信じられない。なんてエロい光景。すごいぞポケガ。すごいぞフェラチオ。僕はもう、何も考えられない…!

「出る! 出るよ!」

 顔を並べて舌を伸ばす2人に、僕は大量の精液を発射した。

『出たー! カイトくんの1人ヘヴン状態ー! レベルアップにもポケガにも一切関係のない誰得ヘヴンでーす!』

 チルルが何か言ってるけど、そんなの僕にだって関係ないことだ。ビクンビクンと腰が跳ね上がるくらい強烈な射精感覚。彼女たちも驚いてしまったのか、逃げることも忘れて僕の精液をまともに顔で受け止めていた。
 最高の快感。自分でも驚くくらいの量が2人の顔に降りかかる。
 やがて最後まで出し切って、僕は大きく息をついた。姉ちゃんも、知佳理ちゃんも、僕の精液ですっかりベトベトになってしまった。

「…びっくりした」
「うん…これが、ご主人様の精液なんだ…」
「すごい匂い…」
「ええ…それに」

 姉ちゃんがペロリと知佳理ちゃんのほっぺたに舌を伸ばす。

「きゃっ?」
「ふふっ、それに、少し苦いかも」
「え、あ…ホントだ。でも…」

 そして2人が、揃って僕に笑顔を向ける。

「とっても美味しいです、ご主人様。ごちそうさまでした!」

 精液を顔につけたまま、最高の笑顔を見せる2人に、僕のは出したばかりなのにまた硬度を増す。
 エロい。エロすぎる。
 さっきから何が起こってるんだ、一体。
 僕はエロスの新たなるステージを踏んでしまった気がするぞ!

『ククク…いいや、まだ終わりではないのだよ、カイトくん…! 出して気持ちよくて終わりなどと甘っちょろいことをいつまで言っているつもりかね…。今、君は自らの育てた彼女たちの『いやらしさ』に、復讐されるときがきたのだよ…! 『お着替えモード』で女の子たちの普段は抑圧されてるエッチ欲も、コスチュームに支配されることで解放されている…! 淫らな想像も秘かな願望も、あるいは自分自身すら知り得なかった本性さえも晒け出し、コスプレという翼を得て自由に羽ばたく彼女たちの大胆な性の下で、虫のように這い蹲るがいい…!』

 DSiiが「ざわ…ざわ…」としている。
 姉ちゃんは、清楚な微笑みを火照らせて、僕にいやらしく胸を突き出すようにしてきた。

「ご主人様…次は、こういうのはいかがですか?」

 エプロンを下ろして、胸のボタンを外しておっぱいを出した。
 やっぱりでかい。圧倒される。知佳理ちゃんがそれを見てシュンとしていた。チルルが舌打ちした。
 姉ちゃんは、そのおっぱいを僕の股間に寄せて、そして僕のチンチンを胸に挟んだ。
 あ、柔らかい。温かい。姉ちゃんはそのまま体を上下に揺する。精液だらけのチンチンが、グチュグチュと音を鳴らして刺激される。
 なにこれ? すごい! おっぱいにこんな使い道があったなんて!

「ん、んっ…いかがです、ご主人様?」
「あぁ、いいよ、すごく! すごく気持ちいい!」
「ふふっ…では、ごゆっくりお楽しみください。私のおっぱいを…んっ、んっ、あんっ、んっ」

 チンチン全部が姉ちゃんのおっぱいに包まれる。乳首のコリっとした感触が僕の下腹をくすぐったく擦っていく。隙のない全体攻撃に、僕の性感はどんどん高まっていく。

「あの…ご主人様。ちかりは、いらない子ですか…?」

 ぺったんこな胸を押えながら、知佳理ちゃんがおずおずと上目遣いを向ける。
 僕は彼女を、その場に立つよう促した。そして、パンツを下ろしてスカートを上げるように言った。

「そ、そんな恥ずかしい格好をご主人様にお見せするなんて…」
「知佳理ったら、んっ、ダメよ。ご主人様の命令に、んっ、逆らったりしたら、あとでお尻ペンペンよ、んっ、んっ」
「…ご、ごめんないッ。今すぐに」

 姉ちゃんにきつく言われて、知佳理ちゃんは下着を脱ぎ捨て、僕の前でスカートを持ち上げる。

「こ、これでよろしいですか…?」

 太ももまで覆う長いソックスと、下着のないつるつるの股間。知佳理ちゃんのそこは、ぴったりと閉じ合わさっていた。
 僕は姉ちゃんにおっぱい奉仕を続けさせながら、ベッドの上に仰向けになった。そして、知佳理ちゃんにベッドに上がって僕の顔をまたぐように命令した。

「…はい…」

 顔を真っ赤にして、知佳理ちゃんはおずおずと僕の顔をまたいだ。このアングルなら、知佳理ちゃんのそこがよく見える。足を開くと、少しだけアソコの中身が開いて、ピンク色したひだも覗ける。

「あぁ…ちかりの恥ずかしいところ、ご主人様に見られてる…」
「そのまま腰を下ろして。もっと」
「…は、はいッ、ご主人様…」

 くちゅり。
 僕の顔に知佳理ちゃんのあそこが触れて、濡れた音がした。

「あぁッ! 申し訳ありません、ご主人様…!」
「ダメ! そのままにして!」

 慌てて腰を浮かせた知佳理ちゃんは、僕の叱責にビクリと体を震わせて、再びマンコを僕の唇に付ける。女の子の、エロい匂いがする。

「恥ずかしい…恥ずかしいです…ッ」

 僕の顔の上で裸の股を広げるという行為を恥ずかしがって、知佳理ちゃんは体を震わせる。僕は逃げられないように太ももを抱えて、彼女のあそこに舌を伸ばす。

「あぁッ!?」

 ほんの数時間前に僕に処女を奪われたばかりのそこは、少しだけ血の味がして、姉ちゃんのよりも舌触りはつるつると固い。あまり強くしたら痛いかもしれないと思って、ゆっくりと、ふちのあたりを舐めることにした。

「あっ、あぅ、あの、やっ、そんなとこ、ダメ、いけません、あっ、あぅ、うう…」

 恥ずかしいとか、くすぐったいとか、そんなことを言いながら、でも僕には逆らえない知佳理ちゃんは、もどかしそうに腰を小刻みに揺する。僕はその細い太ももをがっしりと抱えて逃がさない。

「ひゃう!? やっ、その、いけま、せんっ。そこは、汚い場所ですから…あっ、ご主人様っ、許して、あぁっ!」

 わかる。僕もそうだった。
 好きな子にここを舐められるのって、なんかバッチイことさせてるみたいで、恥ずかしくて申し訳ない気持ちになるよね。
 でも、すごく気持よくて、嬉しかった。だから僕も知佳理ちゃんにもしてあげるんだ。
 閉じ合わさったあそこを舌で少し強引に開いて、チロチロ潜ってみる。途端にとろっとした液体が溢れて、舌にまとわりついてくる。
 知佳理ちゃん、もう濡れてたんだ。入口が閉じてるからわからなかった。僕は指でそこを開いて、もっともっと舌をねじ込んでやった。

「やぁっ! ダメ、ダメ、本当にダメです、ご主人様! そんな風に、されたら、あっ、ちかり、ちかりっ、あぁ! ご主人様ぁ!」

 ベッドの上に手をついて、僕の顔にあそこを擦りつけるようにして知佳理ちゃんは腰をグラインドさせる。はしたくなく乱れることに抵抗を感じつつも、レベルアップした性感が、男を知ったばかりの体を蕩かせ、色っぽい声を上げさせる。
 僕はそんな彼女の反応が面白くて、夢中になって舌を蠢かせた。

 ぞくり。

 そのとき、姉ちゃんのおっぱいに包まれた僕の先端に、しびれるような快感が走った。

「んちゅ、もう、ご主人様ったら、知佳理のことばっかり可愛がって…。れろ、れろ、私のご奉仕も、んっ、ちゃんと感じてくださいね?」

 くちゅくちゅと、僕の股間で濡れる音がする。
 姉ちゃんが、おっぱいでマッサージしながら先っちょ舐めてるんだ。
 そんなエロい光景はこの目で確認しなきゃダメだ。僕は知佳理ちゃんのお尻を持ち上げる。僕と目の合った姉ちゃんが、おっぱいで僕のを挟んだまま、イタズラっぽく笑う。

「どっちが先にイカせられるか、競争しません?」

 ちろり、と僕の先端が舐められた。
 それは面白そう。僕は「わかった!」と言って、知佳理ちゃんのマンコ舐めを再開する。

「あんっ、ふああっ、ご主人様っ、ダメ、そこダメですぅ! ちかりの、そこ、そんなにペロペロしちゃ、いけませんってばぁ!」
「んっ、ちゅぷ、ちゅぷ、れろれろ、んっ、んっ、んっ」

 知佳理ちゃんの甘い悲鳴と、姉ちゃんの舌使い。一度に2人とエッチすると、気持ち良さも倍になる。

『ああ…っ、なんていうエロスの連結列車なのかしら…車内に収まりきらないほどのいやらしさが駆け込み乗車していく…あぁ、ダメよ、下がって! 白線を越えないでぇ!』

 駅員の格好をしたチルルが、ハァハァと荒い鼻息で笛を鳴らしている。
 腰のあたりがブルブルしてきた。姉ちゃんのおっぱいと口が気持よくて、すぐに限界が近づいてくる。
 
「ダメだ、出る! 出る! 知佳理、早くイッて!」
「あぁっ、あっ、あっ、ごしゅじ、ご主人様ぁ! あぁぁー!」

 “ヘヴン状態!!”

『お着替えヘヴンきたー! ちかりんのアバターがメイドさんでレベルアップー! エロチアリーダーとエロ女子高生(私立○○高校2007バージョン)のコスチューム追加でーす★』

 知佳理ちゃんがビクンビクンと腰を痙攣させ、いっぱい汁を噴き出した。それと同時に、姉ちゃんにパクっと咥えられ、僕はその口の中に精液をたくさん出してしまった。

『あんねー。お着替えモードはリアルえっち前提だから、そっちのリアルさんとこっちのアバターさんの性感がダイレクトリンクされてるのー。だからお着替えモードのポケガちゃんをイかせてあげたら、そのぶんレベルも上がるんだよー』

 チルルが何やら説明しているようだが、僕も射精したばっかで頭がボーッてしてたから、あんまり聞いてなかったし、それができるんだったら最初から召喚モードでもエッチさせろよっていうツッコミも、このときは出てこなかった。
 姉ちゃんはまだ僕のチンチンをチュッチュッて吸っている。最後の一滴まで僕は姉ちゃんの口の中に出しきる。知佳理ちゃんは、あそこを汁だらけにして、ベッドの上に倒れた。僕も姉ちゃんにチンチンを吸われながら、はぁーって大きく息をついた。

「おつかれさまでした、ご主人様。引き分けでしたね。ふふっ」

 顔に精液をつけたまま、姉ちゃんがにっこり笑った。そしてその精液を指で拭って、ペロペロと舐める。

「ん、ご主人様のいっぱい付いてる…」

 ネコのような仕草で、楽しそうに僕の精液を舐める姉ちゃんを見てると、今日はもういっぱい出したっていうのに、またチンチンがムズムズしてくる。
 姉ちゃんが僕のことご主人様って呼んでる。僕の精液を美味しそうに舐めてる。
 いやらしい。
 女の子のコスプレ姿って、すごいいやらしいんだ。

「姉ちゃん…」
「はい?」

 僕は姉ちゃんの顔のすぐ前にチンチンを突きつけた。それはもう固くなりつつあって。

「もう一度、勝負しよ。今度は僕と姉ちゃんの一騎打ちだ…!」

 姉ちゃんは、顔を真っ赤にして「…はい」と頷いた。

「こ、こうですか?」

 ベッドに手をついて、お尻をこっちに向ける。恥ずかしいポーズをさせられ、姉ちゃんは自信なさそうにお尻をくねらせる。
 僕はそのスカートを腰までめくる。姉ちゃんは可愛い悲鳴を上げる。でも動くことは許さない。ガーターベルトの留め具を外し、レースフリルの付いたパンツをするりと下げる。恥ずかしいのか、姉ちゃんのお尻がふるっと震えた。

「あぁ…ッ」
「ダメ。動かないで」

 姉ちゃんは、僕の言うとおりにじっとしている。僕の忠実なメイドさんになっちゃった姉ちゃんの丸くて大きなお尻を、大胆に撫で回し、こねるように揉んだ。
 甘い声を響かせながら、姉ちゃんのそこが濡れていく。僕は指で開く。くちゅり、と小さな音を立てて、姉ちゃんの下の口が僕に微笑むように開いた。

「はぁぁ…ご主人様…ッ」

 切ない声で僕を呼ぶ姉ちゃんのそこは、もう垂れてくるくらいに濡れている。すっかりギンギンになった僕の先端を埋めていく。きつい感触。それを強引に拡げていくように割っていく。
 先っちょが入ってしまえば、あとは柔らかいヒダが僕を温かく迎えてくる。奥までおいで、と抱きしめてくれる。姉ちゃんの優しい感触を、僕はチンチンで乱暴に叩く。

「あぁぁーっ!?」

 “ヘヴン状態!!”

『うおっ、油断してた!? ヘヴン入りましたー! エロブルマとエロ園児服の追加でーす★』

 ビクンビクンって、姉ちゃんが痙攣した。そして、崩れるように体の力が抜けた。

「…もしかして、入れただけでイッちゃったの?」

 姉ちゃんは、肩で息をしながら、コクコクと何回も頷いた。

「申し訳、ありません…私、ご奉仕してるときから、ずっと、気持ちが昂ぶってて…私の中に入ってきたご主人様のが、熱くて、嬉しくて、つい…」

 はぁはぁと、姉ちゃんの背中は苦しそうに上下する。でも僕はまだ満足してない。姉ちゃんのオマンコは温かくて気持ちいいけど、ちゃんと最後まで中に出して終わりたい。

「僕、全然足りないよ。続けていい?」
「は…はい。すみません、ご主人様…」

 僕はお尻に手を添えて、姉ちゃんの中で動かす。

「んんっ!」

 姉ちゃんのおっぱいがそれに合わせて揺れる。突けば突くほど揺れる。お尻もタプタプパンパンと気持ちいい音を出す。ヌメヌメして締まるマンコだって、最高。姉ちゃんの体は、エロくて最高。

「もう1回勝負だよ! 先にイッた方が負けだからね!」
「はいっ! がんばり、ます! んんっ、あぁっ、あん、あぁっ、ご主人様ぁ!」

 僕はベッドのそばに置いてあるDSiiを拾い上げる。
 チルルがメイドさん衣装で『次はチルルをお呼びでしょうか、ご主人様…?』と、頬を染めてかしこまってる。
 僕はその額にペンを突き立ててから、知佳理ちゃんのアバターをクリックする。
 知佳理ちゃんの『お着替えモード』開始。さっき追加されたエロチアリーダーを選択する。

「知佳理、僕の応援して」

 キラキラと知佳理ちゃんのメイド衣装が輝き、赤いチアリーダーのコスチュームに変化して、ベッドから跳ね起きる。
 そして、姉ちゃんをバックスタイルで犯す僕の前で、キュートな笑顔を浮かべ、ボンボンを回して、元気いっぱいに踊りだす。

「ゴーゴー、レッツゴー! がんばれ、魁斗!」

『きゃー★ ちかりん、かわいいー!』

 ひらひらのミニスカートで、細い足を蹴り上げる。おへそをチラリと見せながらジャンプする。きびきびとしたステップが健康的で、普段の彼女らしからぬ、思いっきりな笑顔も眩しいくらい。
 可愛い。本当に可愛い。でも。

「魁斗! ゴーゴー! いけいけ、魁斗!」

 さっき僕が脱がしたパンツはそのままだった。
 知佳理ちゃんは、そのあどけない割れ目もあらわなノーパンスタイルで、チアダンスを披露する。
 足を上げるたびに、あそこの割れ目も捻れてチラリ。細い手足をめいっぱいに使ってジャンプするたび、真っ白な下腹部までくっきりチラリ。
 短すぎるスカートは、ちょっと動いただけでも捲れ上がる。腰を軽く左右に振るだけで、マンマン丸見えだ。
 そんな恥ずかしい格好なのに、知佳理ちゃんはとっても楽しそうに僕の応援してくれる。

「ファイ、ファイ、ファイ! 魁斗、オー!」

 これは負けるわけにはいかないだろ…男として!

「はぁんっ!? 強い! ご主人様、そんなに、ズンズンされたら、私、またっ、あぁ、許して、ご主人様! 私、一緒に…! ご主人様と一緒に、イキたいですぅ!」

 負けない。何と言われようが、絶対に姉ちゃんには負けない。何回でも負かしてやる。何度でもイカせてやる。

「あぁっ、イクッ! イキますぅ! ああぁぁ!?」

 “ヘヴン状態!!”

『はいはい、姉っち大解放ー。エロチャイナ服と、エロテニスウェアと、オプションアイテムのメガネも追加でーす★』

 ビクンビクンと姉ちゃんの腰が跳ねる。
 でも僕はまだ戦える。知佳理ちゃんの声援がある限り、まだまだ姉ちゃんを犯してイかせてセックスしまくってやる。

「あっ! やだ、待って、ご主人様ぁ! 私、私、もう負けて、あぁ!? あぁ! そんなぁ!」

 “ヘヴン状態!!”

 “ヘヴン状態!!”

『はわわわ、忙しくなってきたよー! エロ戦隊ヒーロー(イエロー)とエロ競泳水着(赤)と…なんかいろいろ追加でーす★』

「ゴーゴー、魁斗! ゴー、魁斗、オー!」

 パンパンと姉ちゃんのお尻を犯す。知佳理ちゃんは精一杯応援してくれる。
 姉ちゃんはもう何回もイッちゃってるけど、僕はそれでもセックスを止めなかった。我慢して、我慢して、知佳理ちゃんの声援に応えて姉ちゃんを犯しまくった。
 知佳理ちゃんが小さな体で飛び跳ねる。姉ちゃんが大きなお尻とおっぱいを揺らしまくる。

「いっくよー! エル! オー! ブイ! イー! 魁斗大好きッ、魁斗LOVE!」

 可愛いー。知佳理ちゃんのチアダンス、かっわいー。

「あぁ、またっ…私、イッちゃいました、ご主人様…ッ! あっ、いやっ! もう許してくださいッ! あぁ、狂っちゃう! 私、狂っちゃいますぅ! あぁん、あぁーっ!」

 エロいー。姉ちゃんのオマンコ、エロいー。

 “ヘヴン状態!!”

『きてるきてるー! エロバレリーナとエロ町娘(江戸)追加でーす★』

 気持よすぎて、楽しすぎて、頭がどうにかなっちゃいそう。
 姉ちゃんと知佳理。2人の美少女とエッチしまくって、僕は本当に幸せ者だ。
 幸せすぎて、もう死んでもいい!

「魁斗! いけいけ、ゴーゴー、魁斗!」 

 知佳理ちゃんが、ボンボンで短いスカートをまくり上げ、お尻を僕の目の前に突きだした。
 小さなお尻がぷりんと丸見え。お尻の穴も、あそこも丸見え。
 そんな恥ずかしい格好で、どアップでお尻を突きつけながら、フリフリフリフリと楽しそうに左右に振り、知佳理ちゃんは僕に囁くような甘い声で声援をくれる。

「やっちゃえ、魁斗っ。とどめだ、魁斗っ」

 それ、超やる気でる。
 試合中にそれをやられたら、どんな強豪にも勝てる気がする。

「あぁっ!? ダメ、ダメ、もう、ご主人様! 死んじゃう! 死んじゃいそうです! あぁっ、あぁっ、あぁ!」

 “ヘヴン状態!!”

 “ヘヴン状態!!”

 僕は光の速さで姉ちゃんを犯した。
 口から先っちょ出ちゃえってくらいに、突きまくった。
 姉ちゃんの体は大変なことになってるけど、止まらない。
 突いて突いて、突き抜ける。

 “ヘヴン状態!!”

 “ヘヴン状態!!”

 姉ちゃんのあそこはビチョビチョだ。もう四つんばいにもなってられないらしく、お尻だけ僕に預けてぐったりしている。
 でも僕は攻める。犯す。メイド姉ちゃんを犯しまくる。

 “ヘヴン状態!!”

『あぁっ! すごいよ! ヘヴン状態の吹き出しだらけで、イテテテッ! 画面が、画面がヘヴンで埋まっちゃうよぉ! あテテッ!? 吹き出しが、吹き出しが刺さるよぉ!』

 まだまだ止まらない。まだまだ犯す。
 もう何も考えられない。セックス最高。着替えモード最強。姉ちゃんも知佳理ちゃんも最高。
 腰が痺れる。頬が引き攣る。目の前がチカチカする。頭の中で興奮剤がドバドバ出てるみたい。今ならなんでも出来ちゃいそうな感じ。やばい。僕も狂っちゃう!

「ああぁあぁぁーッ!」

 “ウルトラヘヴン状態!!”

 姉ちゃんのあそこが、大きな痙攣を起こす。ギュギュギュっと締め付けるように震えて、おしっこみたいな勢いでエッチ汁が噴き出て、姉ちゃんが崩れ落ちる。僕のチンチンがその拍子に抜け出て、ビィンと弾かれた。堪えに堪えた精液が、ぎゅんぎゅんと迫り上がってくる。

「ヴィクトリー!」

 知佳理ちゃんが、ベッドの上に飛び乗って、僕の目の前でぱっくりとVの字開脚を決めた。
 僕はその勝利の女神の笑顔とオマンコに、祝杯の精液シャワーを盛大にぶっかけた。

 “ヘヴン状態!!”

『ちかりんもイッたー!』

 あまりの快感に、頭の中が真っ白になって、腰が抜けた。
 脳みそがもう、ヘヴンだらけ。ウルトラヘヴン状態。
 人生最高の射精だった。

 その夜。

 DSiiの画面の中で、チルルが芸者さんの衣装でスッとふすまを開け、三つ指をついてお淑やかな笑顔を浮かべた。

『お客様、本日の『お着替えモード』の方はご満足いただけましたでしょうか?』

 僕はチルルに向かって、「ご馳走様でございました」と丁寧に礼をした。
 女子の人形ごっこだなんて、バカにしてごめん。あれは大人の男の遊びだ。渋いお店でお酒と一緒に楽しみたいね。

『ではでは、これからも頑張ってコスチュームを増やしていきましょうね! 明日もがんばるおー!』

 キラリンと画面が光っていつもの部屋に戻る。ベッドに飛び込んだチルルが『それじゃ、充電忘れないでね! おやすみー』と手を振ってDSiiの電源をプツンと切る。
 どうやら僕のDSiiは完全に彼女に乗っ取られたようだが、僕にはとっくに怒る気も、他のゲームもする気はなくなってた。

 ポケットガールズに夢中だった。

 朝、姉ちゃんがまだ寝ているうちからタッチしまくる。
 寝てる間にレベル上がって、さかっちゃった姉ちゃんが僕の部屋に忍び込んできて、朝からフェラチオとかセックスとか始まっちゃう。
 そして一緒に手を繋いで学校へ行って、校門前で知佳理ちゃんと落ち合う。

「魁斗くん、お姉さん、おはよう」
「おはよう知佳理ちゃん。魁斗のことよろしくね」
「うん、任せて」

 姉ちゃんから知佳理ちゃんに僕が引き渡され、知佳理ちゃんの腕が絡まり、体を寄せ合ったまま教室まで行く。
 いきなり付き合いだした僕たちに、最初はクラスのみんなも、ビックリしすぎて転んで骨折するヤツも出るほどの大騒ぎだったけど(クールな知佳理ちゃんは「男子嫌い」で有名だったから)知佳理ちゃんはきっぱりと「私のほうから告白した」って宣言してくれたし、多少の冷やかしも気にしないし、他に僕を狙ってた女子もいなかったそうだから(これも淡々と知佳理ちゃんが教えてくれた)女子社会では僕らの関係はすぐに公認とされた。
 一方、男子社会でも「なんでお前なんかが立花と」みたいに、いろんなヤツから僻まれたけど、「僕らは2人とも特殊能力を持つ家系で血筋が絶えると日本がやばい」とか、「じつは彼女は幼い頃に再会の約束をした某国のプリンセスで騎士」とか、あるあるネタで押し通したら、なんとかなった。 

 晴れてクラスのみんなに認められた僕たちは、毎日イチャイチャしてた。
 休み時間に隠れてふたりっきりになったときは、キスだってするし、触りっこもする。授業中にこっそりタッチモードして、さかっちゃった知佳理ちゃんに昼休みに迫られて、非常階段でセックスしちゃったこともある。

 そして放課後は、一度に2人を相手にエッチだ。
 ポケガで仲良しの彼女たちは僕を取り合ってケンカすることもないし、3人でのエッチを心から楽しんでいる。
 レベルを上げれば上げるほどどんどん可愛くきれいになっていく2人に同時に愛される悦びは、1人ずつ抱くセックスよりも2~48倍で、僕は姉ちゃんと知佳理ちゃんのあそこや口に何回も射精し、何度も彼女たちをイかせては抱き合い、みんなで舌を絡め合って愛情を確認した。

 もちろん『お着替えモード』で遊ぶのも大好き。
 僕らはいろんなプレイでエッチを楽しんでいる。

 例えば今日は、母さんが単身赴任中の父さんのところへ行っている。
 なので、晩ごはんは姉ちゃんが作ってくれることになってるんだ。

・『エロコックさん(オプション:メガネ)』

 天才シェフと呼ばれた僕の弟子(という設定)の姉ちゃんが台所に立つ。白いコックコートに短いコック帽。下は黒いパンツにエプロン。髪をひとつにまとめてメガネをかけた姉ちゃんは、本物の新米コックさんみたいで、いつもより可愛く見えた。

「それでは、今日の料理をはじめる」
「はい、シェフ」

 わくわくと瞳を輝かせて僕の指示を待つ姉ちゃんに、まずは卵とボールを出すように言った。

「まずは卵を溶いてくれ」
「はい」

 手際よく卵を割って泡立て器でかき混ぜる姉ちゃん。抱えたボールに胸が持ち上げられ、激しい振動にブルブル震えるのはお約束だ。いいぞ、姉ちゃん。そのおっぱい、僕は大好きさ。
 でも、僕はあえてその手を止める。

「ダメダメ。そんなんじゃ卵がふんわりとしないよ」
「え、す、すみません、シェフ。あの、どこがいけなかったのでしょうか…?」
「泡立て器のような固いもので掻き混ぜると、卵の持つ本来の柔らかさがなくなってしまう。もっと焼きたてオムレツのように柔らかいもので掻き混ぜないと」
「柔らかいもの…えっと…」

 キョロキョロと台所を見渡す姉ちゃんの後ろから、僕はおっぱいを鷲掴みにする。

「ここにあるじゃないか!」
「きゃあ!?」
「このオムレツのような柔らかさ。鏡餅のようなボリューム。素材の新鮮さと味わいを生かすための、最高の調理器具はこれだ。君のおっぱいだ!」
「あっ、うんっ、はぁん、シェフぅ、あんっ、そんな、あっ、私の胸を、揉まないでぇ、んんっ、あんん!」
「素晴らしい。じつにいい道具を持っているな、君は。僕の見込んだとおりだよ」
「んんっ、そんな、私の、胸なんてぇ、あん、ふぅんっ」

 頬を赤らめ、息を荒くして姉ちゃんが不安げに僕を見る。
 コックコートの下はノーブラ。指を埋めるとムニュリと押し返すこの感触の気持ち良さ。

『…カイトくんも、お着替えモードで遊ぶの上手くなったねー』

 巣立つひな鳥を見守るような目で、チルルが僕を見る。
 そうさ。僕だって日々成長している。もうどんなコスでもエロくできる自信がある。

「んっ、ふぅん、ほ、本気ですか、シェフ? あんっ、私のおっぱい、使わなきゃ、あんっ、ダメ、なんですか…?」

 顔を真っ赤にして、蕩けるような声で姉ちゃんが僕を見る。
 僕はニヤけてしまいそうな顔を堪えて、真剣な表情で言い切る。

「もちろんだとも。それとも、この僕が信用できないとでも?」
「ま、まさか! 私、シェフのこと尊敬してますから! シェフがそう仰るんでしたら、私…やります」

 姉ちゃんは、ゆっくりとコックコートのボタンを外していった。そして、上半分を外し終えたところで、コートを剥くようにして僕の前で胸を出した。

「は…恥ずかしいですけど…はい…」

 大きく形の良い胸をさらけ出す、可愛いコックさん。
 抜群のスタイルと、自信なさげな上目遣いが男心をくすぐる。

『…あたし、メガネがこんなにも凶器に見えたのは初めて…』

 ポケガになりたての頃より3センチはバストアップしたという姉ちゃんの胸は、大きく、形よく張り出していて、きれいな肌と乳首の色は若々しい。
 そしてこのメガネが絶妙なバランスで、守ってあげたくなるような初々しさを醸し出す…!
 姉ちゃんなら、絶対グラドルになれる。超売れる予感がする。
 こないだ姉ちゃんを『エログラドル』に着替えさせて、水着のままハメ撮りしたときにもそれを実感した。
 もちろん、姉ちゃんが本当にその気になっても、僕は家族として普通に反対するけど。

「シェフ、私はこれでどうしたらいいんでしょう…?」
「あ、それじゃ、ここにおっぱいを入れて」

 台所でおっぱい出して顔真っ赤の姉ちゃんに、さらにテーブルの上の、卵の入ったガラスボールにおっぱいを突っ込むように指示する。
 僕を天才シェフとして尊敬し、真剣に料理を学ぼうとしているエロコックさんは、恥ずかしそうにコックコートを両手で開いたまま、ボールの上に屈んでいく。
 右おっぱいが、ガラスボールの中に押し込められ、卵に先端が沈んだ。

「んっ、冷たい…」
「我慢して。そのまま奥まで入れて、掻き混ぜるんだ」
「は、はいぃ…」

 ぎゅうって、ボールの中がおっぱいと卵でいっぱいになる。なんだか幸せな光景だった。

「えっと…こうかな…」

 そのままタプタプ、チャプチャプと、姉ちゃんがおっぱいを揺する。
 前後に、左右に、上下にと、なんとか上手く掻き混ぜようと必死だが、動きづらいし、なによりおっぱいでボールはいっぱいだし、大変そうだ。

「んんっ、ぬるぬるする…なんだか、気持ち悪い…」
「右で混ぜたら、次は左だよ。左右のおっぱいをまんべんなく使うんだ」
「はい…んんっ」

 でも、こんなバカバカしい作業を、一生懸命真面目にやってる姉ちゃんの姿が、すごくエロくて、僕は興奮した。

「そ、それじゃ、一度おっぱいを上げてみて」
「はい」

 姉ちゃんが胸を浮かせる。だらりと卵がおっぱいから垂れて、てらてらに濡れた肌が光る。僕はゴクリと喉を鳴らす。
 おっぱいが、すごく美味しそうに見える。

「う、うむ。まだまだだな。ちっとも卵が混ざっていない」
「すみません…私が不器用なせいで、シェフの足を引っ張ってるんですね…」
「よし、それじゃ掻き混ぜやすいように、小麦粉を胸にまぶして再チャレンジしてみようか」
「小麦粉ですか…はい、えっと…」

 僕は小麦粉を手にとって、卵に濡れた姉ちゃんの胸に塗りたくった。

「きゃっ、シェフ、何を…!?」
「いいから、じっとして。粉が飛んじゃうでしょ」
「は、はい…あんっ、でも、そんなにむにゅむにゅされたら…」
「我慢して。すぐ終わるから」
「うう、はい。我慢…我慢…んんっ」

 やがて姉ちゃんのおっぱいが真っ白になり、美術室の石膏像みたいになった。

「それじゃ、もう一度混ぜてみようか」
「…はい…あ、さっきより卵の感触なくて、やりやすいかもです」

 意外といい効果があったらしく、姉ちゃんはメガネに粉を付けたまま、さっきよりも嬉しそうにボールの中でおっぱいをたぷたぷ言わせた。
 そして、ある程度やらせてから、もう一度おっぱいを出すように言う。

「これでいかがでしょうか…?」

 姉ちゃんのおっぱいに、卵が黄色くまぶされている。粉と卵でブラ作ったみたいだ。エロい。それでいてバカくさい。なんだかますます興奮してくる。美味しそう。

「それじゃ、次はそのおっぱいにパン粉をまぶしてみようか」
「私のおっぱい、揚げちゃう気でいませんか!?」

 姉ちゃんは顔を真っ赤にして胸を隠した。
 もちろん、おっぱいコロッケなんて冗談に決まってる。決まってるさ。
 チルルはグ~とお腹を鳴らした。

「でも、もう卵もめちゃくちゃだしなぁ」
「ご、ごめんなさい。私…私のせいで…」

 テーブルの上には卵や小麦粉が飛び散り、ボールの中の卵も中途半端な混ざり具合だ。全て僕のせいなのだが、姉ちゃんは自分の責任のように感じて落ち込んでいる。
 僕はそんな姉ちゃんを背中を抱いて、優しく慰めてあげた。

「そんなに落ち込むことないさ。初心者なんだから仕方ないよ。少しずつ僕の料理を覚えていけばいい」
「シェフぅ…ありがとうございます」
「さあ、そのおっぱいは洗って、次の作業に移るよ」
「はい」

 僕は姉ちゃんに、シンクの上に体を伏せるように言った。

「大事な道具だから、僕が洗ってあげるよ」
「え、あの…道具って、それは、私のおっぱ…んんっ」

 温いお湯を姉ちゃんのおっぱいにかけながら、優しく揉んであげた。卵と粉を流し落とし、ハンドソープで泡まみれにしてひたすら揉んだ。

「良い料理人は道具を大事にするものだ。こうやって丹念に日々の手入れを行うことで、良い料理を作ることもできるんだよ」
「はい…でも、そんな、んっ、私のおっぱいなんかを、あぁん、シェフの手で洗っていただくのは、もったいないです」
「そんなことないよ。この素晴らしいおっぱいは、是非僕のモノにしたいね」
「え、あ…ありがとうございます。んっ、そこまで仰ってくださるなら、あんっ、私のおっぱいを、んんっ、シェフの道具として、んっ、好きにお使いください」
「あぁ、使わせてもらうよ。このむにゅむにゅおっぱいは今日から僕のものだ。ところで…これだけ大きいんだから、ミルクも当然出るんだろ?」
「え、それは…んっ、あの、すみません。私は、その、妊娠しておりませんので…」
「なんだ、もったいない。もしもミルクが出るなら、それを使って最高の料理が作れたのに」
「そう、なんですか…? あんっ、申し訳、ございませんっ、シェフの、お役に立てないおっぱいで…」

 姉ちゃんは、しばらく僕に胸を揉ませながら、やがて決心したように、真っ赤な顔を僕に向けた。

「あ、あのっ、もうしばらくお待ちいただけたら、その、ミルク出せるようになるかもしれません」
「んん? どういうこと?」
「わ、私は、その、不器用で役立たずのコックですが…でも」

 唇を噛んで、潤んだ瞳を僕に向ける。
 上気した頬が色っぽくて、すっかり欲情してしまった姉ちゃんのオンナの顔。

「…シェフの赤ちゃんなら、作れると思うんです…」

 僕はその健気な姉ちゃんのセリフに感動し、お尻を衝動的に鷲掴みにしていた。
 たまらなくなって姉ちゃんのパンツも下着も一気にずり下ろした。そして、キッチンテーブルの上に姉ちゃんを押し倒した。

「いいの? このオマンコで赤ちゃん作ってもいいの?」
「は、はい…どうぞ、シェフの手で私のオマンコを、料理しちゃってくださいっ」
「するよ。料理しちゃうよ」
「はいっ、ど、どうぞ!」

 僕はテーブルの上に出ていたマヨネーズを姉ちゃんのマンコの周りにかけた。そして、プチトマトをその上に並べた。

「ほんとに料理しちゃったよ。シェフのきまぐれマンコサラダ出来ちゃったよ」
「はい…私も、まさか本来の意味で料理されると思わなかったから…でも、さすがシェフ。なんて見事な盛りつけ…」

 偶然とはいえ、マジで見事な盛りつけだった。マヨネーズとトマトの彩りが、姉ちゃんのマンコを美味しそうに見せていた。

「仕上げのソースは、この中にかけるから」
「はい…シェフの特製ソースで、私の中に赤ちゃんを仕上げてださい…ああぁぁッ!」

 とっくに濡れてるマンコの中に挿入する。姉ちゃんは喉を反らして、おっぱいをぶるんと震わせて大きな声を上げた。
 僕はその中を突く。シェイクする。トマトはボロボロ転がってくけど、気にすんな。あとでスタッフが美味しくいただく。今はスケベコックな姉ちゃんを犯すことに集中する。
 自分ん家の台所で姉ちゃんを犯すなんて、ちょっと前なら想像もしなかったことだ。
 明日は、ここで母さんと3人で晩ごはんを食べる。父さんが帰ってくれば、4人で団欒をすごすだろう。
 僕と姉ちゃんが子作りセックスしてる、このテーブルで!
 想像すればするほど興奮は高まっていく。姉ちゃんもすごい声を出して悶えてる。チルルもハァハァ言ってる。

「出るよ! この中にソースかけるよ!」
「はい! 来て! 来て下さい! シェフ特製の濃厚ソース、いっぱい私の子宮に振りかけて、赤ちゃん作ってくださいィ!」

 “ヘヴン状態!!”

『きましたー! エロ野球選手(カープ)追加でーす★』

 姉ちゃんの中で、射精した。姉ちゃんは体を突っ張らせてイッた。どくどくと、締まるマンコの中で最後の一滴まで出し切った。
 デロリと精液が姉ちゃんのマンコから流れ出る。姉ちゃんは、うっとりと目を閉じた。

「ご馳走さまでした…とっても濃くて、美味しいソースです…」

 ちなみに、ポケガは2人とも『自動避妊』に設定してるので、いくら中に出しても妊娠することはない。野暮な話だとは思うが、さすがに妊娠はリアルに不味いから仕方ないんだよね。
 
 僕は一息ついて、ズボンを直す。姉ちゃんは、気怠そうに顔を上げた。

「あの…それで、晩ごはんはどうします?」
「ん、親子丼でいいよ」
「はい」

 卵もスタッフが美味しくいただくことにした。
 じっさい姉ちゃんはそこそこ料理もするので、親子丼くらいなら簡単に作ってくれるんだ。

『ちかりん、上で待ってるよー』
「そうだね」

 ごはんもすぐにできるだろう。
 僕は2階にいる知佳理ちゃんを呼びに行くことにした。
 

・『エロ男装生徒』

 男子寮で僕と同じ部屋(という設定)の知佳理ちゃんは、ブレザーの男子制服を着て、ベッドのそばでモジモジしてた。

「立花、さっさと着替えろよ。メシ食いに行こうぜ」

 男同士のぞんざいな誘い方をする僕に、知佳理ちゃんは、赤くした頬をプイと背けて、ぶっきらぼうな口調で口を尖らせた。

「だ、だから、あとで行くから、先に行っててくれって」
「なあ、そういやお前って、俺の見てるとこで着替えたことないよな?」
「そんなの、どうだっていいじゃねえか。ただの偶然だろ!」

 ポケットに手を入れ、肩をいからせるようにして、怒った顔を見せる知佳理ちゃん。
 すべすべのほっぺたも、ぷりっとした柔らかそうな唇も、華奢な体のラインもどう見ても可愛い女の子のものなのに、彼女は男ぶってるんだ。

『これは…意外とハマったね、ちかりん…』
「うん…」

 チルルの言うとおりだった。
 正直、このコスプレは誰が得するんだって思ってたけど、じつは結構やばい。特に知佳理ちゃんみたいな中性的な子が着ると、モヤモヤするものがある。
 なんだか、かなり危うい感じの魅力に溢れてるんだ。

『今のちかりんになら…あたし、抱かれてもいいかも…』

 僕とチルルは、思わず喉を鳴らす。

「だったらさあ…お前、俺の前で着替えてみせろよ」
「えっ、なんでだよ!?」
「な、なんなら、僕も手伝ってやろうか?」
「バッ!? バカ言うな!」

 慌てて胸を隠しちゃってる知佳理ちゃんを、僕はベッドに押し倒す。

「きゃあ!? 何すんだよ!?」
『そうよ! あたしのちかりんに何すんのよ!?』

 僕に押さえつけられる知佳理ちゃんを見下ろす。男の子の格好で、不安そうに僕を見上げる彼女の目が、とてもか弱そうで、興奮する。

「…そ、そっちこそ、何で女の子みたいな声出すんだよ?」
「出してない! 離せ! 離せったら!」
「前からおかしいなあって思ってたんだよ。お前、風呂だってみんなと一緒に入らないし、プールはいつも見学してるし、俺らの部屋のトイレにだけ、なぜかナプキン捨てるゴミ箱置いてあるし」
「だから、ただの偶然だって言ってるだろ! 離せ! やめてくれよう!」

 知佳理ちゃんの華奢な体では、男の僕に本気で抑え込まれたら逃げることもできない。
 必死にもがく男装の知佳理ちゃん見てたら、すごく興奮してきた。可愛い子はどんな格好しても可愛い。僕はそんな彼女に見惚れてしまう。

「だから信じられないんだって…お前、すっげぇ可愛いし」
「なっ…」

 知佳理ちゃんは、真っ赤になって顔を背けた。

「それ、男に言うセリフかよ……バカ」

 赤くなった頬と、真っ白で細い首。睫毛も長い。潤んだ目も色っぽい。ていうかマジで目がきれいだよな、この子。

「…立花」
「あっ!?」

 たまらなくなって、その首に吸い付いてしまった。舌を這わせて、唾液をまぶして、べろべろにしてやった。

「ひゃう!? やめっ、やめろ、内崎…! オレは男だッ。男なんだってぇ…!」
『やめてぇ! あたしのちかりんを汚さないでぇ! できれば、もっと低い声で愛を囁きながら、耽美なムードでちかりんをいけない世界へさらっていってぇ!』

 チルルは当然ガン無視で、僕は知佳理ちゃんの両手を頭の上にやり、細い手首を片手で押さえつける。
 そして空いた手で彼女のネクタイを緩め、ワイシャツのボタンを外していく。

「ちょ、やめっ! やめろ、ヘンタイ! やめろぉ!」

 ワイシャツの下は何も付けていなかった。ぺったんこの胸は本物の男の子みたいだった。
 でも、白く輝いて、柔らかそうな肌だった。

『はあ…ちかりんも、なんてきれいな胸してるのかしら…すべすべ、ぺったんこ…』
「うん、まるで男の子みたい」
「だ、だから、俺は男だって言ってんだろバカぁ…! ひゃっ、ダメ、撫でるなよぉ、やめっ、やめて!」

 でも、ちょこんと桜色に彩られている乳首が、とっても女の子らしい。すべすべの柔らかい肌も気持ちいい。
 僕は知佳理ちゃんの体を撫でまくった。舐め回した。男の子の格好してても知佳理ちゃんは可愛い。喘ぎ声だって、女の子のエロい声だ。

「やめ…あん! ダメぇ!」
「それじゃ、下の方はどうかなぁ? 男なら、チンポついてるはずだろ?」
「ええっ!? ダ、ダメダメ! そこは本当にダメだ! やめてくれ!」
「あれ、この感触…? 立花、お前マジでチンポないんじゃない?」
「いやあ!」
『ダメ! そこはダメ! あたしの理想のちかりんは男の子なの! あたしの夢を壊さないでぇ!』

 チルル、マジウザ。
 僕はポケットに常備している消しゴムの千切りカスを指で弾き、チルルの額に直撃させておとなしくさせる。
 おかげさまで、こういう技は達人並みに上達した。

「うぅ…!」

 ズボンの上から知佳理ちゃんの股間を撫でる。当然、そこに余計なものなんて付いてるはずがなく、ほんのり温かいなだらかな丘の感触が、服の上からでも僕の手を楽しませてくれる。

「ホラ、どこにもないだろ? これ、なんにも付いてないよな?」
「いやあっ…触るな! そこ、触るなよぅ!」
「見てみよっと」
「あぁ! もう、やめ…やめてえ!」

 僕はイヤイヤする知佳理ちゃんを無視して、ベルトを外す。ズボンの下には、白くて三角な下着。男のくせにずいぶん可愛いの穿いてるなって言ったら、知佳理ちゃんは真っ赤になった。その下着も下げるときには、観念したように抵抗もなくしていた。

「やっぱり、女じゃーん」
「あぁ…」

 濡れてほぐれたアソコが美味しそうに出来上がっていた。知佳理ちゃんは、ポロポロ涙を流した。

「そうだよ…オレの体は、女なんだよ…お願い…お願いだから、他のヤツらには黙っててくれ…何でも言うこと聞くから…」
「あぁ、わかってるよ。このことは僕たちだけの秘密だ。誰にも喋らないって」
「内崎…」
「立花、そこに立ってくれ」
「…うん」

 知佳理ちゃんをベッドの側に立たせた。
 下は裸で、上はボタンの外れたワイシャツとブレザーと乱れたネクタイ。大きなサイズのブレザーに手首まで隠れた華奢な知佳理ちゃんが、不安そうに僕を見ている。

「お前ばっかり見せるのは不公平だからな。僕のも見せてやるよ」

 そう言って僕は自分のズボンを下ろした。とっくにビンビンになってるチンチンがバネみたいに跳ね起きた。

「うわっ!?」

 知佳理ちゃんは目を丸くして悲鳴を上げた。もっと近くで見ていいって言ったら、おずおずしながら、知佳理ちゃんは僕の足元に跪いた。

「すごい…これがチンポ…」
「触ってもいいぜ」
「ほ、ほんとに? いいの?」
「あぁ」
「それじゃ、遠慮なく…わあ、あったかい…」

 さっきまで泣いてた知佳理ちゃんが、まるで新しいおもちゃを貰った子供みたいに、嬉しそうに僕のチンチンを握ってる。擦ったり、カリのところをくすぐったり、なにげに気持ちのいい動きで。

「意外と固くて大きいんだな…こんなのぶら下げてて、重くないのか?」
「平気だよ。それより、今度は舐めてみろよ。男の味がするんだぞ」
「え、な、舐めるの…? わかった、やってみる…ん、れろ…」

 ぴちゃぴちゃと知佳理ちゃんの小さな舌が僕のチンチンを這う。先っちょの割れ目をチロチロしたり、カリ首ってところをレロレロしたり、ちゃんと僕を喜ばせるポイントを押えてる。

「いいぞ…次は咥えてみろよ」
「ん…こう? ちゅぷ、ちゅぷ、ぐちゅう…んっ、んっ、んっ、これが、んっ、男の味…んっ、ちゅぷ、くちゅ、ちゅぷ…」

 丁寧に舌を使いながら、知佳理ちゃんの顔が前後に動く。優しく舌でチロチロしたり、強く吸い込んだり、僕の快感を上手に引き出してくれる。

「んんっ、ちゅぷ…いいなあ、チンポ…じゅぷ…オレも欲しいなあ…ぐぢゅ、ちゅぶ、ん、ずずっ、れろ、れろ、んん、ちゅー…」

 夢中になって僕のをしゃぶる知佳理ちゃん。ブレザーの裾から、ちょっぴり白いお尻も覗いている。
 僕はもう、我慢できなくなってきた。

「た、立花、もういい。次はこっちだ!」
「きゃあ!?」

 僕は無理やりフェラを中断させて、知佳理ちゃんをベッドに押し倒した。そして、足を強引に開いてチンチンを彼女の股間に押しつける。

「入れるぞ、立花。お前の女の股間に、僕のチンポ入れるぞ」
「えっ、ちょっと待って内崎。それって、セックスだろ!?」
「そうだよ。セックスしようぜ」
「ダ、ダメ! それはダメ! 男同士でそんな…」
「お前、女だろ? だから、いいじゃん? それとも僕のこと嫌いか?」
「き、嫌いなわけ…ないけど、そういう問題でもないって!」
「させないんだったら言うぞ? お前が女だってみんなに言うぞ!」
「そんな…」
「じゃ、入れるぞ。いいよな?」
「…ううっ…」

 抵抗をやめた知佳理ちゃんのあそこに、僕は彼女の唾液で濡れたチンチンをゆっくり埋め込んでいく。

「入った…入ったぞ、立花」
「あぁ…!」
「んっ、すげーいい! お前のマンコ、すっげーいいぞ!」
「あぁんっ、ダメっ、そんなに動くなよ、内崎…っ! お前のチンポが、オレのマンコを擦って、変な感じ…!」
「うあぁ…気持ちいい。立花のマンコ最高だよ!」
「バ、バカ。そんなの褒められても、嬉しくなんか…あぁ! やっ、動き、すぎィ…!」

 ギュウギュウと知佳理ちゃんのあそこが締め付けてくる。姉ちゃんのより狭くて浅いけど、何度も僕とセックスして体が慣れてきたのか、もうしっかりと濡れていて、僕のを強く刺激してきて、突くほどに快感を増していく。

「いい。すっげーいいよ、立花のマンコ! みんなには黙ってるから、お前、僕の女になれ。僕だけの女だ!」
「わかった…わかったよぉ! んっ、オレ、内崎の女になるっ、あんッ、だから、このことは、2人だけの、秘密…!」
「あぁ、もちろんだ。その代わり、毎日やらせろよ! 立花のマンコ、僕の好きなときに使わせろよ!」
「うん! いいよ、あぁッ、内崎の、好きにしていい! オレ、内崎の女だから! オレのマンコは内崎にやるから! あぁっ、あぁん! いいっ、気持ちいいよ、これ! 内崎! 内崎ィ!」

 ぐちゅぐちゅとエロい音のする知佳理ちゃんのあそこを突きまくり、僕たちは舌を絡めるキスをして、セックスを加速していく。

『あぁ…やばいよぉ…とってもエロいよ、この子たち…ぞくぞくするよぉ…』

 やがて、堪えきれなくなった欲望が、ビリビリと腰を震わせて限界が近いことを教える。

「出る! 出るぞ、立花!」
「あぁッ!? や、なに!? なんか出てるよ!? せ、精液だ! 内崎の精液が、オレの中に出てるぅ!」

 “ヘヴン状態!!”

『きたー! しかも追加コスはエロ学ラン(スラックスなし)だー! 明日もやばいプレイだよー★』

 激しく痙攣する知佳理ちゃんの体を抱きしめ、その細い体に僕のを全部注ぎ込んだ。やばい感じの興奮を、全部その小さな膣に注ぎ込んだ。
 そのまま抱き合って呼吸を整える。やがて落ち着いてきた知佳理ちゃんが、くすりと微笑む。

「オレ…女に生まれて、良かったかも」

 そう言って、僕のほっぺにチュッてしてくれた。

 こんな感じで『お着替えモード』はマジ楽しい。
 他にもナースさんになった姉ちゃんに全身を拭いてもらってフェラされたり、ゴスロリファッションになった知佳理ちゃんにツンデレご奉仕されたり、和服未亡人になった姉ちゃんに借金を体で返してもらったり、園児服を着た知佳理ちゃんとエッチなママごと遊びしたり。
 あと巫女姉妹に扮した彼女たちにお祓いセックスしてもらったり、某女の子アニメの白と黒のヒロインになった彼女たちを調教して悪に堕としたり、某世界的テーマパークのキャラクターに扮した2人のエロクトリカル・パレードを見学したりなんかも、じつに良かった。
 毎日毎日、僕らはいろんなエッチを楽しんだ。酒池肉林だった。部屋がセックス臭くなってカラスが集まってくるくらいヤリまくった。
 ポケットガールズ、最高!

『そろそろ新しいポケガ欲しい~!』

 まあ、チルルの言うことも、もっともだけど。
 でも僕はあの2人で十分っていう気も少ししてた。
 自分が育てた女の子って愛着もあるし、レベルを上げれば上げるほど僕好みになっていく2人は可愛いしエロいしで、そんな彼女たちの変化を見守りつつじっくりと育てたいと思ってる。
 だから、別に増やす必要もないかなーって。

『まあ、マスターもニンゲンさんだから、デュエルに遭遇することもないだろうし、ムリに増やさなくても大丈夫とは思いますけど』
「デュエル?」
『通信機能を使えばデュエルもできるんですよー。でもアクマ系のゲームなんで、こっちの世界ではカイトくんしかユーザーいませんし★』
「ふーん…僕には関係ない機能ってこと?」
『はいです。ワイヤレス通信オンリーなんで、近くに対戦相手いないと対戦出来ないのです。もしもデュエルってことになったら頭数は絶対必要なんで、ポケガは増やすに越したことはないんですけど』
「デュエル相手もいないから、無理に増やすこともない?」
『そうにゃー。平和が一番だにゃー』

 DSiiの中でチルルはズーッとお茶をすする。
 平和が一番なのは同意だが、一応、チルルもアクマじゃないの?

「デュエルって、どんなことをするの?」
『ポケガ同士の手加減無用の残虐ファイトですー。血で血を洗う阿鼻叫喚の地獄絵図なのですよー』
「じ、地獄!? なんでそんなことするんだよ!?」
『だってこれはアクマのゲームだよ? もちろん元々こことは違う死者世界のタマシイさんを使って遊ばれるものだから、こっちの世界に影響はないけどー。でもタマシイさんはニンゲンさんと違って体の制約がないぶん、際限なくアクマチックに進化しちゃうし、大きなバトル始まると本当に戦争なんですよー』
「タマシイ…じゃあ、本物の人間でポケガやってるのは、僕だけってことか」
『うん。元々アクマとニンゲンさんって住む世界が違うもん。千年前ならともかく、今はいろいろと規制厳しいんでー』
「だから…死んだ人の魂で対戦するの? でも…」
『うん。あたし的にも良い気持ちはしないです。せっかく仲良しになったポケガさんたちが、ケンカして傷ついたりするのイヤです。対戦とか戦争とか、そういう男の子的な要素はいらないと思うのです』

 僕もチルルと同じ気持ちだった。死んだ人の魂だって、かわいそうだ。

「でも、こっちの世界じゃそんなこと起こらないんだよね?」
『はいですー★』

 チルルは百点満点の笑顔で頷いた。よかった。
 そりゃ僕だって男の子だし、対戦系って燃えるのは確かけど、本物の女の子にバトルなんてさせたくはない。
 平和でよかった。

「…そうとは限らないわよ」
「え?」

 学校帰りの路地で、凪原先生とばったり出会った。
 しかも、まるで僕らの会話を聞いてたみたい口振りで。

「やべっ!?」
『ふぎゃん!?』

 それより学校帰りにDSii持ってるのがバレるのはまずい。僕は慌ててDSiiを閉じて、タイトなジーンズにねじ込んだ。チルルが『ギュウ~!』って悲鳴を上げたが、構ってる場合じゃない。

「あ、あの、今のは親と携帯で話してただけで…!」
「隠さなくてもいいじゃない。今のDSiiよね。別に取り上げるつもりはないから、慌てることないのよ」
「はい?」

 凪原先生はいつものように優しく微笑む。
 そういや、前に授業中にポケガしてるの見つかった時も、先生は見逃してくれたっけ。
 どうしてかはわからないけど…。

「それより内崎くん、ちっともポケガ増やしてないのね。まだお姉さんと立花さんだけ? それじゃちょっと少なすぎるんじゃない?」
「え? え? なんで先生がそんなこと…」
「私のマスターも、まさかここでデュエルできるなんて思ってなかったから、あなたがポケガを増やすのをすごく楽しみに待ってたのよ? でも全然増やす気配もないから、もういいんですって」
「あの、どういうこと?」
「フフッ、教えてあげるわよ、もちろん。あなたのDSiiを出してごらん」
「あ、はい」

 なんか、さっきから悪の女幹部としゃべってるみたいな妙な危機感はあるが、凪原先生が良い先生なのは知ってるんで、僕は彼女の言うとおりにDSiiを取り出した。

「う~ち~ざ~き~」

 ねちっこい声とともに、凪原先生の背後から田中が出てきた。
 相変わらずのキモい七三分けの猫背で、どこを見てるのかわからない不気味な首の動き。
 彼の手に、ブラックのDSiiが握られてるのも不自然だった。

「田中先生も…何やってんですか?」

 いよいよおかしな空気になってきて、僕は思わず後退る。ここはいつもの帰り道。あたりには人通りも少ない。
 なんだこの背中を伝うイヤな危機感?
 仮面ライダーで例えるなら、今から怪人に変身する田中に、噛ませ犬ライダーの僕が噛ませられる場面ってとこか。

 そのとき、僕の白いDSiiがパクッと開いて、チルルが叫ぶ。

『カイトくん、逃げて!』
「え?」

 DSiiが激しく振動する。なのに手に張り付いたみたいに離れない。僕のと田中のDSiiの間に電流が走る。全身を包まれる。
 鼓膜が破れそうな衝撃に僕は悲鳴を上げた。凪原先生も立ったままビリビリ震えている。
 でも、田中だけは嬉しそうに笑ってた。

「ポケガ出せよ内崎ィ! お前の、たった2人ぽっちのポケガをよォー! デュエルデュエル! デュエルスタートだァハハハハーッ!」

 ビリリっと最後に電気が走って、体が解放される。耳はまだキーンってするけど、あとは大丈夫みたい。
 それより……何が起こったの?
 田中は、邪悪な笑みを浮かべてる。
 凪原先生は、ボーッとしていた目を赤く輝かせて、僕に近づいてくる。

「……先生?」

 真っ赤な目が僕を見下ろす。そして、次に拳が僕の顔面に振り下ろされた。
 先生のマジパンチはまるで女の人は思えないほど強烈で、僕は軽々と吹っ飛ばされる。
 あごに激痛。奥歯が折れた。先生は僕の胸ぐらを掴んで易々と僕を持ち上げ、首をしめつける。
 赤い瞳。嘲笑う白い歯。僕の知ってる凪原先生じゃない。
 なんだよこれ? 冗談と体罰きつすぎ。

「内崎くん…あなたは悪い子ね。私、知ってるのよ。あなたたちが私の愛するマスターのことを陰でバカにしてること。そんな悪い子は…先生が殺してあげる」
「ぐっ、あ…!」

 マスターって田中のことだ。凪原先生は田中のポケガなんだ。
 息が苦しくなっていく。先生は、見た目からは想像できないような力で僕を締め付ける。
 このままじゃ、僕…!

「あむっ」
「痛ーい!?」

 指を囓ったら、先生は可愛い悲鳴を上げた。僕はその隙に逃げ出した。

「待ちなさい、内崎くん!」

 凪原先生は、ハイヒールのくせにとんでもない速さで追いかけてくる。僕はDSiiに向かって叫ぶ。

「チルル! チルル! なんだよ、これ! どうしたらいいんだよ!?」

 DSiiの下画面は『Duel Mode』と気取ったフォントで書かれただけの黒い画面になっている。上画面にはDSiiを見ながら歩いて僕を追う余裕の田中が、斜め見下ろし視点で表示されている。
 田中が、僕の方を見てニタリと笑った。これで互いを監視し合ってるんだ。逃げられないとわかって、ゾクリとした。
 
「チルル、返事しろ! 頼むから! チルル!」

 画面は黒くなったまま。DSii自体が妙な発光をしている。画面に触れても、どのボタンを押しても、反応はない。
 交差点を曲がって、大通りを目指す。凪原先生は僕を本気で殺すつもりで追いかけてくる。

「チルル! チルル、助けてよ! チルル!」

 返事はない。僕は必死で走る。こんなところで死にたくない!

『……う~!』

 DSiiから、かすかに声が聞こえた。こもったような音だが、確かにチルルの声と、壁を叩くような音。
 僕はDSiiに向かって叫ぶ。

「チルル! チルルか!? 返事しろ!」
『えい、えい!』
「チルル、何してんだよ! チルル! 早く助けて!」

 声はするのに姿は見えない。ポカポカと軽い音も聞こえる。

『くっそー……これでどうだあああ~ッ!』

 チルルのかけ声と同時に、バリーンと『Duel Mode』の黒い画面が粉々に砕け、丸っこいものが飛んできて、ベチーンとモニターに当たって、落っこちた。
 コタツだった。

『よっしゃあ!』

 そして場面はいつもの部屋に戻って、チルルがこっちに走り寄ってきて、ベタっとモニターに顔をくっつける。

『カイトくん、無事!? ケガしたの!?』
「いや、まあ平気だけど…そっちこそどうなの?」

 今の画面って壊して大丈夫なものなの? やばくないの?
 ゲームのキャラクターが物理的手段でシステム破壊って、前代未聞のエラーじゃない?
 
『それより、とにかく逃げて! 今、姉っちとちかりんがこっちに向かってるから!』
「え、あの2人が? ダメだよ、そんなの!」

 今の凪原先生は普通じゃない。変な魔法でもかかったみたいに、力強くて凶暴だ。
 姉ちゃんと知佳理ちゃんまで巻き込んだら、大変なことになる。

『カイトくん、デュエルはもう始まってるんだよ! 普段は機能してない戦闘用ステータスが解放されて、ポケガたちはみんな戦闘モードなの。だから先生も強くなってるの! 田中は他にもどんなポケガを持ってるかわかんない。でも、絶対こっちよりたくさん持ってるよ。逃げるしかないって!』
「ちょ、ちょっと待ってよ! それより、どうして田中がマスターなんだよ!? さっきデュエルはないって言ってたじゃないか。ポケガは僕のとこ以外にも出回ってたの!?」
『ううん…あれは本物のアクマだよ。監視の目をくぐってニンゲンさんの社会に潜入して、ポケガを使って生きたニンゲンさんを集めてる。これって向こうの法律じゃ重犯罪なんだけど、やろうと思って出来ないことじゃない』
「そんな…」
『ごめんね? カイトくん、ごめんなさい。まさかこんなことに巻き込んじゃうなんて…』

 納得はいかないけど、チルルが申し訳なさそうに項垂れるから、僕もそれ以上は言えなくなった。

「…電源を切るとか?」
『それもムリなの。途中退場を防ぐためにデュエル中はバッテリーも電源も共有してる。2台同時じゃないと電源は落ちない。ソフトも抜けない。叩いても壊れない』
「じゃあ、どうしたら終わるんだよ!?」
『…デュエルは、どちらかの負けが決まるまで続くの…』
「勝敗は? 勝敗はどうやって決まるの!?」

 チルルの声は、ますます小さくなっていく。

『……マスターの、死亡です』

 ―――悪魔のゲームめ!

< 続く >

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