せめてもの催眠術師2 第一話

第一話

 催眠術師駄目社員、斉藤トモノリの朝は遅い。取引先に直接行くという名目で、堂々たる朝寝坊である。
 午前十時ごろ、ようやく出社するのだが、二階の営業課ではなく九階のトイレに向かう。
 バリアフリーが徹底している外資系企業、各階にもちろん障害者トイレが設置されているのだが、一階のロビーならともかく、九階は秘書室と取締役会が開かれる会議室があるだけ。
 ここの障害者トイレなど誰も使用しない。

 使用しないはずのトイレに鍵がかかっている。
 トモノリがコンコンとノックすると、コンコンとノックが返ってくる。
 万が一、誰か使用していたとしても、広くスペースの取られている障害者トイレは便座から扉は遠いのでノックがすぐ返ってくるわけがない。

 今日も居るなと思って、なぜか持っているここの緊急解除用の鍵で扉を開ける。
「おはよう、ミミコちゃん」
「おはようじゃないですよ……遅かったじゃないですか」
 少しだけ待ち合わせの時間に遅れてしまったか。相変わらずミミコは厳しい。
「いやいやー、行きの電車がすごく混んでてさあ」

「電車が混んでて、遅刻するわけないでしょう。もうっ、十分以上も、ここで待たされているんですよっ!」
 あいかわらずいい加減な言い訳で、笑いでもとってごまかそうとしたトモノリだったが、余計にミミコを怒らせてしまっただけだった。
「ごめんごめん……」

 ブラウスに紺のスカート。江波ミミコは営業課の補助事務員なので、別に制服が定められているわけではないのだが、事務員らしい服装だった。
 さすがに一般職でも、外資系の大企業に所属している。
 TPOをわきまえた服装というものを心がけているミミコである。
 ただ、ブラウスは前のボタンが全部外れていて、形の良い美乳がポロンと出ており、スカートは腰までたくし上げられて薄い陰毛の生えた股間がむき出しだった。よく見るとオマンコの中から紐が出ており、ブンブンというローターの音が聞こえる。
「あんまり、時間かけると仕事に差し支えますから……はやく斉藤さんも脱いで始めてください」
「ああっ、わかったよ」
 そういいながらミミコは、すでに勃起していた乳頭をてきぱきと洗濯バサミではさんで、M字開脚で便座に座る。
 自分のオマンコを覗きこんで、ほぐしていたローターを引き抜く。
 すべてを事務的にこなしているが、さすがにローターを引き抜くときには身体に震えがくる。
 すぐに気を取り直して、大きくマンコを開くと、深々と膣の奥底にまで医療用クスコを差し込んで、ネジを回してグリグリと開いていく。
 最初は、戸惑っていた作業も、いい加減慣れて来ているのだ。
「ほら、ちゃんと子宮口まで見えているかどうか中を一応、確認してください」
 ちゃんと出来ていることは、自分でも膣の奥が空気に触れているから大体わかっているのだが。

 下着を脱ぎ捨てて、勃起したちんぽをむき出しにしたトモノリの目に、M字開脚で大きく開かれたミミコの膣の中の、ピンク色のこんもりと盛り上がった子宮口が見える。
 あの穴の中に、精液が入れば妊娠しやすいということだ。
 女性の子宮口は危険日に入ると粘性が増える。オリモノらしい、白い粘液が少し付着しているのも見えた。
 膣をこなれさせるためにオナニーした愛液も含まれているのかもしれないが。
「うん、大丈夫……ちゃんと開けてるよ」
「それじゃあ斉藤さん、さっさとその汚いものを向けて、私の子宮口にめがけて、ぴゅっぴゅと汚い液を出して……妊娠させてくださいよ」
 腰を振り上げて、射精を催促する。あくまで事務的に、楽しいことでは決してないけれどミミコにとってはしかたのないことだ。

「毎回思うんですけど……こんなことして、何が楽しいんですか」
 トモノリが自分の目の前で必死にマスをかいている姿を見ると、なんか悲しいような虚しいような複雑な気分に襲われる。
 乳首についている、洗濯バサミを引っ張られるときだけ、ミミコは気のあるような叫びをあげた。
「こういう風にしても、ちゃんと妊娠するかという実験かな……」
「子宮口に直接、精液をふりかけたら、妊娠するに決まってるじゃないですか……本当にバカじゃないんですか」
「うっ……でるっ」

 ドピュドピュドピュ!

 激しい勢いで、子宮口めがけて降り注いだ。膣内を、陰毛の辺りを、何度も何度も濃い射精が白く汚していく。

「相変わらずの早漏ですね……」
「ミミコちゃん早く妊娠するといいね」
 子宮口に射精されて妊娠させられることは、ミミコにとってたいしたこととは感じられなくなっている。
「まったくです、妊娠したらこんなバカなことに、朝の貴重な時間を使わなくて済みますから」
 終わった終わったと、ミミコはクスコを引き抜き、大きいタンポンを膣にぶち込んでからナプキンをあらかじめ張ってあるクリーム色のショーツを穿いた。
 乳頭から洗濯バサミを外し、同じ色のブラジャーもつけなおして、衣服をさっと整えておかしくないかどうか鏡でチェックする。

「あのさあ……ミミコちゃん今日、仕事が終わったら飲みにいかない」
「バカも休み休みに言ってくださいよ……NO以外の答えが私の口から出るわけないでしょう。時間の無駄です」
 そう吐き捨てるように言うと、さっさとミミコは障害者用トイレから出て行ってしまった。
 残業できないから、定時までに業務を終えてしまわないといけないミミコだって結構忙しいのだ。

< 続く >

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