転落へのスイッチ 第5話

最終話

 ご主人様の奴隷になってから、私の日常は一変した。

 朝、目を覚ますとベッドには昨夜の残り香が漂っている。
 昨日の夜もいつのように母さんと一緒にご主人様といっぱいセックスしたのに、ふたりの姿は部屋にはない。
 このところ、朝起きたらまず汗と愛液とご主人様のザーメンでベトベトの体をきれいにするためにシャワーを浴びるのが日課になっていた。

 シャワーの後で体を拭き、髪を乾かしてからダイニングルームに入ると、もう朝ご飯の準備はほとんどできていて、ご主人様が新聞を読みながらくつろいでいた。

「おはようございます、ご主人様!」
「おう、おはよう、ナナ」

 ご主人様に挨拶をしてテーブルに着くと、キッチンから裸エプロン姿の母さんが出てきた。

「おはよう、奈菜」
「おはよう、母さん」

 母さんがエプロンを脱ぐと、なにも身につけない裸のままで椅子に腰掛ける。
 もちろん、私もシャワーを浴びて体を拭いただけで、服を着ていない裸のままの格好だ。

 朝ご飯は、私と母さんは裸で食べるの。
 これは、ご主人様が決めたルールのひとつ。
 おちんちんのことはおチンポ、アソコはおまんこ、精液のことはザーメンって呼ばなきゃいけないっていうのと同じ。

 ご主人様の命令だからっていうのもあるけど、裸で過ごすのにそんなに抵抗はなかった。
 というか、慣れると案外楽しかったりする。
 すごく開放的な感じがするし。
 でも、どうしても母さんのおっぱいに目がいってしまう。
 私のおっぱいよりもふた回りくらい大きくて、たぷんたぷんのおっぱいがちょっと羨ましい。

「やっぱり母さんのおっぱい大きいよねー。……あーあ、母娘なのになんでこんなに大きさが違うんだろ」
「奈菜はまだこれから大きくなるわよ」
「本当にー? これからまだ大きくなるの?」
「俺はナナのも好きだぞ。弾力があって掴み心地が良くていい乳してるぜ」
「本当ですか!? ありがとうございます、ご主人様!」

 こんな、ご主人様や母さんと他愛ない会話をしながら食べる朝ご飯は本当に楽しい。
 ご主人様に裸を見られるのも、ちっとも恥ずかしくないし。
 裸を見せるのが恥ずかしかったらセックスするときとか、一緒にお風呂に入るときどうすんのよって話だし。
 もちろん、家ではずっと裸ってわけでもないし、日中は普通に服を着てる。
 それに、いろんな服を着てご主人様と着衣セックスをするのも楽しみだし。

「ごちそうさま。じゃあ、学校行ってくるね」

 ごちそうさまをして、私は”そのまま”制服のブラウスを着てスカートを穿く。

「行ってらっしゃい、奈菜」
「いいなぁ、母さんは。私が学校いってる間にいっぱいご主人様とセックスできて」
「別に私だっていつもセックスばかりしてるわけじゃないのよ」
「私からしたらご主人様とずっと一緒にいられるだけでも羨ましいよぉ」
「そんなこと言わないの」
「そうだぞ、ナナ。帰ったらいつもみたいにたっぷりしてやるから」
「はい、ご主人様」
「それに、今日は例の約束があるんだからな。後で報告してもらうぞ」
「あ、そうだった。それじゃいってきまーす!」

 学校行かずにご主人様と一緒にいたのはやまやまだけど、気を取り直して鞄を手に家を出る。

* * *

「あ、おはよう~、奈菜」
「おはよう、絵美!」

 校門のところで絵美に声をかけられて、手を振りながら駆け寄る。

「今日はなんか元気だよね、奈菜は」
「そう? いつもだと思うけど」
「まあ、最近はずっとそうよね。ちょっと前は元気なさそうで心配だったけど、このところすごい元気そうだし、なんていうか、すっごい幸せそう」
「そうかしら?」
「そうだよー」

 傍から見て、私そんなに幸せそうに見えるんだ。
 まあ、実際幸せなんだけど。
 やっぱり、ご主人様の奴隷になってからの、溢れ出る幸せオーラを隠せないのかしら?
 本当に、こんなに幸せな気持ちになれるんだったらもっと早くご主人様の奴隷になっておけばよかったわ。

「まあ、奈菜が元気になってよかったけど」
「だから私は毎日元気だって」
「はいはい。あーもう、心配してホント損したわー」
「なによー、絵美ったら」

 なんでそんな呆れ顔で肩を竦めるのよ?
 でも、平和な朝の一コマよね。
 少し前までひとりであんなに思い詰めてたのが嘘みたい。
 今となってはホントにバカバカしいけど。

 ただ、今日はちょっとね……。

* * *

 休み時間。

 ……ここの階段だったらちょうどいいかしら?
 あんまり人通りの多いところだとやりにくいのよねー。
 あっ、誰か来たかな?
 あの男の子、一年生かしら?
 ちょっと気弱そうな感じの……うん、あの子なら大丈夫ね。

 階段を下級生の男子が上がってくるのを確認すると、ちょうど私が視界に入ったタイミングで落とし物をしたふりをして前屈するように上半身を倒す。
 それも、わざとスカートの裾がふわっと捲れあがるようにして。
 これであの子には私のスカートの中身が丸見えね。

 その姿勢で少しだけ間を置いてから体を起こして振り向くと、驚いた表情でこっちを見上げている男子と目が合った。

「どうかしたの?」
「え? あ、い、いえ、ななな、なんでもないです!」

 気づいてないふりを装って尋ねると、その子は明らかにうわずった声でそう答えてから足早に私の横をすり抜けて階段を駆け上がっていく。

「うふふっ」

 あーもう、かわいいんだから。

 バタバタと慌てて階段を上っていく後ろ姿を見て、思わず声を出して笑ってしまった。
 あの子が狼狽えた理由は私にはよくわかってる。
 だって、私ショーツを穿いてないんだもの。
 ショーツだけじゃなくてブラも着けてない。
 そんなのは当たり前のことで、裸で朝ご飯を食べて、”そのまま”制服を着たんだから下着なんか身につけてない。
 まあ、それはほぼ毎日のことなんだけどね。

 ただ、今さっきのはご主人様に課せられた罰ゲーム。
 昨晩セックスしたときに、私が3分以内にイクかどうかの勝負で負けちゃったのよね。
 よく考えたら、ご主人様が本気を出したら私が3分保つわけないんだけど。
 で、勝ったご主人様が出した罰ゲームが、学校で男子に制服の中を見せてこいっていうの。
 それを今実行したんだけど……。
 さっきのこの反応があまりにもウブでかわいかったからこっちも楽しくなってしまった。

「私のおまんこはおチンポ入れるのはご主人様専用だけど、見るのはもっとじっくり見ていいのよー。……なんちゃってね」

 ひとりでそう呟くと、とりあえず教室に戻ることにする。
 家に帰ってからご主人様に報告しないといけないし、もうひとりくらいはやっておきたいわね。
 次はどういう感じにしようかな……。

 放課後。

 今度は廊下で窓の外を眺めるふりをしながら様子を窺う。

 あっ……あの男子がいいかも。

 廊下の向こうを歩いてくる、ひょろっとした眼鏡の男子。
 たしか、同学年だった気がするけど一度も同じクラスになったことはないし名前も知らない。
 でも、あの子ならなにかあっても逃げやすそう。

 ご主人様の命令だからやるのはしかたないにしても、大きな騒ぎになるのは嫌だからチャラチャラした子は避けるようにしてる。
 それと、なにかあったら困るから不良っぽい子や体育会系のごつい男子も。
 だって、ご主人様以外のチンポに犯されるなんてゾッとするじゃない。
 だから、ターゲットは基本的に真面目で気が弱そうな男子ばかりになるんだけど。

 窓の外を眺める素振りをしながら、ブラウスのボタンをいくつか外してタイミングを計る。
 そして、その子が私のすぐ近くに来たタイミングで振り返った。

「あーもう、今日は暑いわねー」

 そう言いながら、ブラウスを押さえていた手を離す。

「……ん? うわっ、おおおっ!」

 ちらっとこっちを見た男子の目が眼鏡の向こうで大きく見開かれ、飛び退くように一歩後ずさる。
 その視線が見ている先は、もちろん私の胸。
 ブラウスの胸元がはだけたそこからおっぱいが丸見えになっていた。

「どうしたの? ……って、きゃあああっ!」

 胸元が丸見えなことに今気づいたふりをして、両手で胸を隠す仕草をする。
 でも、実は全然隠してなくて、まだほとんど見えてる状態だったりするんだけど。

「お、おお……おおおお……」

 その子はわけのわからない呻き声を上げながら、それでも私のおっぱいはガン見したままだ。
 しかも、ズボンが盛り上がるくらいに勃起してるのも丸見えだし。

「もうっ! いつまで見てるのよ!」
「おおっ……ふおおお……むふぅ……ふおっ」

 その男子の眼鏡がものすごい勢いで曇り、しかも片方の鼻の穴から鼻血が垂れてきた。

「むふう……ふおお……ふはは、はは……」

 そのまま、呻き声とも笑い声ともつかない声を出しながらふらふらと向こうに行ってしまった。

 ていうか、ちょっとなによ、今のあれ!
 あんなんで本当に鼻血なんか出すの?
 しかも、あの眼鏡の曇り方!
 もう、マンガじゃないんだからあんまり笑わせないでよね!

「くっ……くふふっ! うふふふふっ!」

 あまりにおかしくて、私はその場にしゃがみ込んでしばらく笑いを止めることができなかった。

* * *

 ご主人様に報告するいいネタができた私は、その後急いで家に帰った。
 さっきのことを報告しなきゃっていうのもあるけど、帰ったらご主人様にセックスしてもらえると思うと、それだけでおまんこジンジンしちゃう。

「ご主人様ー! ただいま帰りました!」
「お帰りなさい、奈菜」
「お、帰ってきたか、ナナ」

 家に帰ると、ご主人様はリビングで母さんとコーヒーを飲んでくつろいでいた。

「で、どうだった? やってきたのか?」
「もちろんやりましたよー! おまんこちらりとおっぱいポロリ、もうばっちりですよー!」
「なんだ、やけに楽しそうだな?」
「だって聞いてくださいよご主人様! 廊下でおっぱいポロリ見せた同級生なんですけど、私のおっぱい見てるうちに眼鏡が真っ白に曇ってチンポギンギンに勃起させて、そのうえ鼻血まで出しちゃって、面白かったですよー!」
「そうか、そんなに楽しかったんならそのままそいつとセックスしても良かったんだぞ」
「それは嫌です」

 ご主人様の意地悪な言葉に、ついつい思いっきり素で答えてしまった。
 すると、ご主人様はもっと意地の悪い笑みを浮かべた。

「なんでだ? チンポ好きの淫乱のくせして」
「もうっ、ご主人様ったらひどーい! ご主人様以外のチンポをおまんこに入れるなんて、想像しただけでゾッとします! 私はご主人様としかセックスしたくないんですから、他の男のチンポなんかこれっぽっちも興味ありません!」
「口ではそんなこと言っても、他の男に見せつけて……ほら、自分もこんなに濡らしてたんじゃないのか?」

 そう言うと、ご主人様が私のスカートを捲り上げる。
 ショーツを穿いてないから、おまんこから溢れたツユがふとももまで垂れてるのが丸見えになっちゃった。

 ただ、それで私も完全に火がついてしまう。
 さっきからおまんこも体も疼いてしかたなかったから、我慢の限界なんかとっくに超えていた。

「ああぁん……これはぁ……帰ったらご主人様におまんこしてもらえるって思って、それで溢れてきちゃったんですぅ。だからぁ、ご主人様ぁ……」

 座ってるご主人様の前に膝をつくと、そのベルトに手をかけてズボンをずり降ろす。
 そして、おチンポを引っ張り出してそっと握った。

「学校でもずっとこのおチンポのことだけ考えてたんですぅ……帰ったらこのおチンポでおまんこ気持ちよくしてもらえるって、そう思ってしっかり濡らして準備してたんですぅ。だから、お願いします、ご主人様ぁ」

 おねだりをしながらおチンポを扱くと、それが返事だと言わんばかりに手の中で膨らんでいく。
 私の手の中で、カチンカチンになったおチンポが熱く脈打ってるのを感じてドキドキが止まらない。

「ねぇ……お願いします、ご主人様ぁ、奈菜のご主人様専用まんこにこの逞しいおちんぽ入れてくださぁい……」
「おまえも奴隷が板についてきたな。いいだろう、入れてやるからそのまま自分で入れてみろ」
「ありがとございます!」

 ご主人様の言葉にドキドキが頂点に達する。
 毎日セックスしてるけど、やっぱりこうやって入れてもらえる瞬間は最高に幸せな気分になる。

「それじゃあ、失礼しますね、ご主人様」

 立ち上がってご主人様の方にお尻を突き出すと、スカートを捲り上げる。
 ショーツを穿いてないからこうやってすぐにセックスできるのがすっごく便利。

「んっ……はんんっ! ご主人様のおチンポ、入って……きたぁああっ!」

 片手でおチンポを握り、先端がおまんこに入るように調節しながらご主人様のふとももに乗っかるようにして腰を沈める。
 おまんこを掻き分けながら硬くて熱いチンポが入ってくる時の、この、甘く痺れる快感は何度味わっても飽きることがない。

「はうっ……私の、おまんこっ、ご主人様のおチンポでっ、いっぱいになってますぅ……」

 おまんこをいっぱいに満たすおチンポの感触にうっとりしながら報告する。

「よし、じゃあ、そのまま動いてみろ」
「はい……んっ、んふぅ、んっ、んんっ……」

 ご主人様の命令に腰を揺らしはじめると、おまんこの内側のあちこちにチンポが当たってジンジンと快感が響く。
 でも、椅子に座ったご主人様の上に乗ったこの体勢だとつま先が浮いてうまく動けない。
 もっと激しく腰を動かしてご主人様を気持ちよくさせなきゃいけないのに、このままだともどかしい動きしかできない。

「んっ、んんっ、ふうぅ、んっ……」
「どうした? 動きがぎこちないぞ?」
「ごっ、ごめんなさい、ご主人様。両足が浮いてるとうまく腰を動かせなくて……はうっ、んんっ……」
「そうか。だったら手伝ってやるよ」
「ふえっ? ……ああぁんっ! はんっ!」

 後ろからご主人様の手が伸びてきて私の両足をグイッと広げさせる。
 同時に自分の足も広げたご主人様が、思いきり腰を突き上げてきた。

「やんっ、はっ、はうっ! ごっ、ご主人様っ、いきなりはげしっ、ひゃうっ! あぁんっ!」

 さっきまでとはうって変わって、ゴリゴリッとおまんこを抉られて快感が一気に跳ね上がる。

「でも、おまえは激しいのが好きなんだろ?」
「そうっ、ですけどっ! はうううっ! わっ、私がご主人様をきもちよくっ、させなきゃいけないのにっ、はんんんっ、こっ、これじゃあっ……!」
「気にするな。おまえのまんこは最高に気持ちいいぞ」
「やっ、うれしっ! おまんこでご主人様のことっ、気持ちよくしてっ……でもっ、私も気持ちよくなりすぎちゃうっ! やぁんっ、そこいいっ!」
「私たちも気持ちよくなっていいのよ」
「かっ、母さんっ? ……んっ、んむむっ!」

 ご主人様とセックスしている私の目の前に母さんが来たかと思うと、いきなりキスされた。

「ん、ちゅむ、れろ……」
「んふっ、えるるっ! んむむむっ!」

 口の中に舌を入れて私の舌に絡ませながら、母さんは私のブラウスのボタンを外していく。
 そして、ブラウスをはだけさせるとおっぱいをそっと掴んだ。

「んんんっ! んむむむーっ!」
「んふ……すごくエッチな顔。本当に立派な隆夫様の奴隷になったわね、奈菜」
「はううっ! あぁんっ! おまんこズボズボされてるときにっ、そんなにおっぱい揉んだらっ! はううううっ!」
「いいのよ、いっぱい気持ちよくなりなさい。ぺろ……」
「ふぁああっ! そんなっ! ……ひゃあっ! ご主人様っ、はげしっ、ひゃううううっ!」

 母さんにおっぱいを揉まれながら首筋を舐められ、ご主人様のおチンポにおまんこの中掻き回されて、気持ちよすぎてもうわけがわからない。
 頭がぼうっとするくらい全身が熱くなって、さっきから突き上げられるたびに目の前がチカチカして意識が小刻みに飛んでる……私、もうイキそう。

「だめえっ、もっとセックスしていたいのに、イッちゃう! 私もうイッちゃううううっ!」
「イッていいぞ。まだ何度でもしてやるからな」
「ホント!? うっ、うれしいっ! ふああっ! イクッ、イキますっ! わたしっ、ご主人様のおチンポでイキますぅうううううっ!」

 絶頂するのと同時に、全身がブルブル震えておまんこがギュッておチンポを締めつける。
 次の瞬間、おまんこの中で熱いのがドクドクと迸るのを感じた。

「ふあああああっ! ご主人様の熱々ザーメンッ、おまんこの中で出てるっ! すごいいっぱいっ、こんなのっ、イッてるのにまたイクぅうううううっ!」

 おチンポがおまんこの中でビュクビュク震えながらザーメンを噴き出してるのをはっきり感じる。
 それでまたおまんこが痙攣したみたいになって、イッてる途中なのにまたイッてしまう。

「ああ……ご主人様のザーメン、こんなに……ふううぅ、幸せぇ……」

 母さんに抱きついて体を支えてもらいながら、絶頂の余韻に浸る。
 ご主人様のザーメンをおまんこに出してもらったときの幸福感は他のなににも代えられない。

「満足したか?」
「はいぃ……」
「じゃあ、もうセックスはいいな?」
「いやですぅ、もっともっとご主人様とセックスしたいですぅ」
「くくく、しかたのないやつだな。じゃあ、今度は立ったまま犯してやる。ほら、テーブルに手をついて尻を突き出せ」
「はいっ」

 ご主人様の上から降りると、言われるままにテーブルに手をついてお尻を突き出す。

「まったく、形のいい尻をしてやがるな」

 そう言ってご主人様がお尻を掴んだかと思うと、そのまま合図もなしにおチンポがおまんこにズボッて入ってきた。

「はううううっ! あんっ、さっき出したばっかりなのにおチンポこんなに硬いぃいいっ!」
「そりゃあおまえたちがいやらしいからな。勃起が全然治まらないぜ」
「それじゃあ私もっといやらしくなるっ! もっともっといやらしくなってご主人様とセックスいっぱいするぅううううっ!」

 やっぱりこれ好きぃ!
 バックでガンガン突かれるのって、この犯されてるって感じがいいし、深いところまでおチンポきてゴツッていちばん奥に当たった瞬間に天国に行っちゃうくらい気持ちいい。
 こんなに気持ちよくて幸せで、ご主人様の奴隷になって本当に良かったぁ。

「ふあああっ! いいですっ! ご主人様のおチンポがゴツンッておまんこの奥にキスしてますっ! あんっ、もっと、もっとぉおおおっ!」

 ご主人様に犯してもらえる幸せを噛みしめながら、私は自分からも腰を振って快感を貪り続けた。

* * *

 そんな、夢のように幸せな奴隷生活が続いて20日経った頃。
 学校から帰った私がいつものように母さんと一緒にセックスしてもらった後のことだった。

「そういえば、おまえの旦那はもうすぐ帰ってくるんだよな、サトミ?」

 ご主人様が確かめるように母さんに訊いた。
 父さんの出張は1ヶ月くらいだって訊いてるから、たしかにもうすぐ帰ってくる頃だけど。

「はい……そうですけど?」

 ご主人様に答えながら、母さんが首を傾げる。

「だったら、そろそろこの生活も終わりだな」
「どういうことですか、ご主人様?」

 私もなんか嫌な予感がして、ご主人様に訊き返す。

「おまえたちを奴隷から解放してやるのさ」
「隆夫様……それって?」
「もう一度催眠術をかけて俺の奴隷だったときの記憶を消して、元どおりの生活をさせてやるって言ってるんだよ」

 ご主人様のその言葉を聞いたとき、目の前が真っ暗になったような気がした。

「そんなの嫌ですご主人様!」
「そうですよ隆夫様! あの人が帰ってきてもこのことを隠していればいいじゃないですか!」
「そうは言っても、家が向かい同士でこの関係を続けるのはリスクが高すぎるだろうが」
「私、絶対に父さんにはバレないようにしますから!」
「そうですよ! もしもの場合には私はあの人よりも隆夫様の方を選びますから!」
「それはそれでどう考えても面倒なことにしかならないだろうが」
「でもっ」
「ダメだと言ったらダメだ。サトミ、”受信専用モードになるんだ”」
「あ……?」

 ご主人様の言葉を聞いた母さんがその場にへたり込んだ。
 目は開いているのに、なにも見えてないような虚ろな表情で前を向いたまま座っている。

「か、母さん?」
「ナナ、”僕の言葉だけ受信するんだ”」
「え……?」

 この言葉、どこかで聞いたような……?
 そんな気がしたのも一瞬のことで、私の意識はそのまま暗いところにすぅーっと落ちていくみたいになにも考えられなくなった。

エピローグ

~スイッチの在処~

 ――1ヶ月後――

「じゃあね、奈菜」
「うん、また明日」

 家の近くの角で、絵美に手を振って別れる。
 ごくごくあたりまえの、いつもどおりの日常。

 ……と、言いたいんだけど。
 このところ、モヤモヤするものをずっと抱えていた。

 今から2ヶ月くらい前からの記憶にはっきりしないことが多い。
 その頃、父さんが出張で1ヶ月家にいなかったんだけど、ちょうどその期間の記憶がすごく曖昧。
 学校にはちゃんと行ってた記憶があるし、授業のノートもとってる。
 だけど、ところどころなにがあったのか覚えていない。
 なにより、1ヶ月のあいだ家でなにをしていたのかさっぱり思い出せない。
 しかも、母さんも同じ期間の記憶がはっきりしてないみたい。

 なんだか気味が悪いな……。

 そんなことを考えてるうちに家に着いてドアのノブに手をかける。

「あれ? 鍵が掛かってる」

 家の玄関には、鍵が掛かっていた。

「母さんったら買い物に行ってるのかな?」

 たまにこういうことがあるから、いつも持ち歩いている家の鍵でドアを開ける。
 そして、自分の部屋に上がるとベッドの上にカバンを投げ出した。

「どのくらいで帰ってくるんだろ……あれ? なんだろう、この番号? しかも、これって私の方からかけてる?」

 母さんに電話しようかと思ってスマホを弄っていたら、通話記録に見知らぬ番号があることに気がついた。

 090-△×□□-〇〇△□

 明らかに携帯の番号だけど全く身に覚えがない。
 だいたい、自分に関わりがある番号は名前や愛称で登録してあるし、たまにかかってくる迷惑電話とかは全部ブロックして記録も消去してるからこういう形で番号が残ってることはまずない。
 学校でマナーモードにしてる間にかかってきた迷惑電話ならともかく、着信記録じゃなくて送信記録なんて……。

「しかも、この日付って……」

 その通話記録の日時。
 今から2ヶ月近く前。
 ちょうど、私の記憶がはっきりしなくなった頃だ。

「どういういことなの? もしかして、この番号がこの記憶障害みたいなのに関係してるとか?」

 普段なら、知らない携帯番号になんか絶対に電話しない。
 だけど、通話記録が残っているのが記憶が曖昧になり始めた時期と重なるし、そのときも私の方から電話をしてる。

「ここに電話してみたらなにかわかるも……」

 そう思った私は、思い切ってその番号にかけてみることにした。

 そして、スマホを耳に当てて数秒だったのか数十秒だったのか、相手が電話に出た音がした。

「あの、もしもし?」
『なんだ、やっとこのスイッチにかかったのかよ。まさか1ヶ月もかかるとは思ってなかったぜ』

 電話の向こうでいきなりそんなことを言ってきた声。
 それに、スイッチという言葉。
 それを聞いた瞬間、いろんな記憶が頭の中に湧き上がってきた。

 スイッチ……勝負……スイッチに引っかかって。
 負け……私の負け。

 そうだ、私はその人と勝負して、負けたんだ。
 あの、勝負の記憶が甦る。
 そして、それから私は……。

 奴隷……ご主人様の奴隷になって……。
 奴隷……奴隷……私はご主人様の奴隷。
 ご主人様のおチンポ気持ちいい。
 奴隷まんこおチンポでいっぱい気持ちよくしてもらって。
 私はご主人様のもの……ご主人様と離れたくない。
 ご主人様……私のご主人様。

 あ、そうだ。
 この声って……。

「ご主人様!?」

 そう。
 その声の主はなによりも大切な私のご主人様の声だった。
 でも、なんで私……?

「やだ、なんで私ご主人様のこと忘れてたの? 絶対に覚えてないといけない人なのに、やだ、どうして?」

 思わず口に出してそう言うと、ご主人様の楽しそうな笑い声が聞こえてきた。

『そりゃそうだろ。俺が催眠術でそのことを忘れさせてたんだから。それでな、おまえが警察に通報しようとして俺のスマホに電話したときの通話記録。あれに気づいてもう一度俺のスマホに電話してきて、俺の声を聞いたら全部思い出すように最後の隠しスイッチを仕掛けていたのさ』

 そう言ってご主人様は声を上げて笑っている。

「そんなぁ……。そんなの、もし私が警戒してこの番号に電話しなかったらどうするんですか?」
『そりゃ、そのときは別な方法を使って記憶を戻してたさ。まあ、記憶を戻さないままもう一度おまえを奴隷に堕とすってのも面白かったかもしれないけどな』

 と、またご主人様はけらけらと楽しそうに笑う。

「もうっ、ご主人様ヒドいです!」
『まあそう言うなって。おまえがスイッチに引っかかるのに少し時間がかかったけど、その間にいろいろと状況が好転してな』
「どういうことですか?」
『おまえ、俺の持ってるアパートの第4ハイツの場所はわかるか?』
「はい、わかりますけど?」
『そこの301号室に去年から俺の奴隷にしてる女子大生が住んでてな。まあ、奴隷としてのおまえの先輩だ。で、もともと角部屋だったうえに隣の部屋が空いてたんだけどな、最近になって下の階の部屋も空室になったから、これを機会にそこを奴隷遊びの拠点にしようと思ったところなんだ』
「……あっ! つまりそこだったら父さんにバレずにご主人様とセックスできるってことですね!?」
『まあそういうことだ。実はな、今もその部屋にいるんだ、サトミも一緒でな』
「もうっ! いつも母さんばっかり先にご主人様のものにしてもらってズルいっ!」
『いや、そりゃおまえがスイッチにかかるのが遅かったらだろうが。で、どうするんだ? 今からこっちに来るか?』
「もちろん行きます! 第4ハイツの301号室ですね!? すぐ行きますから!」

 そう言って電話を切ると、はやる気持ちを抑えきれずに階段を駆け下りる。

 また……またご主人様に犯してもらえる!

 そう思っただけでおまんこがジンジンと熱くなる。
 心臓がドキドキと昂ぶって、鍵を掛けるのももどかしい。

「待っててくださいね、ご主人様!」

 戸締まりをすると、誰に聞かせるでもなくそう声に出して私はご主人様のいる場所に向かって駆け出していた。

< 終 >

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