天使との取引 1章

1章 実験

「さて人間、外に来たがどうするんだ」

 天使は俺の後ろについてくる・・・・・・飛びながら。

「アナタの姿って・・・・・・」

「モチロン周りは認識できないさ、俺は優秀だからな」

 アレ、じゃぁ俺周りから見たら独り言いってんのか?

 うわっイタイ奴じゃん、と思ってると

「安心しろ、俺と会話していても変だとも思われんようにしてるさ」

 また思考を読まれた。顔に出してないはずなんだけどな。

「俺はある程度人の心が読めるんだよ、優秀だからな。」

 マジでか!?じゃぁ喋る必要ねぇじゃん

「喋れ、読むのは疲れるんだよ!」

 殴られた。普通に痛い。天使に殴られた人間て俺が初めてじゃないか。

 そう考えながら天使に喋りかける。

「じゃぁ喋りますけど、天使って階級みたいのあるんですか?能力の優劣っていうのか」

 それに対して天使は感心した顔をしながら

「すごいな、考えながら別のことを喋れるのか。」

 ………結局心読んでんじゃん。

「まぁそう言うな、イヤそう思うなよ人間」

「それで答えは?」

「当然あるさ、俺はそん中でもトップクラスだよ人間」

 すごいな。

「そんな会話は後にして、ドコにいくんだ人間よ」

「どうしようかな」

 ぶっちゃけなんにも考えてないんだよな。

 ………じゃ大学行こうかな。

「遠い」

 ………また読まれたよ。

「う~んと、じゃコンビニに行こう。」

 あ、いたいた。前からかわいいと思っていたアルバイトさん。ショートヘアが似合っていて、目のくりくりっとした感じから猫みたいな雰囲気がある。

 名前は須川奈美、たしか高○生だったはず。

 それなりに経験してそうだしターゲットとしていい感じだ。ちなみに天使は店の外。見られながらするのは生憎趣味じゃない。

 ………いつか変わる気がするけど。

「いらっしゃいませ~」

 店に入った俺に事務的に挨拶する奈美さん。

 そんな彼女に俺は尋ねる。チカラを使いながら。

「すいません、店員用トイレ貸してくれませんか?」

 そして奈美さんは一瞬目をとろんとさせてから

「こちらへ」

 と事務的に言いつつ俺を店の奥へ連れて行く。天使を疑っていた訳ではないが少しホッとした。

 やっぱ緊張するもんだ。

 さて、初体験といこうかね。

 そう思い店員用トイレの前に来た俺は彼女に問いかける………前に少し考えた。

 初めてが彼女でいいのか?ということをだ。

 しかもトイレで。

 うん無いな。トイレで、ってのが無い。初めては後にとっておこう。

 でも抜くもんは抜いておこう。

 そして、彼女に言う。今回は常識を変えてみようかな。

「トイレに案内した店員さんがトイレで客にフェラチオするのは『常識』ですよね?」

 そういったら、彼女はトイレのドアを開け

「ええそうですね。じゃ、入ってください」

 と、淡々と言いつつ自分の体をトイレの中へ入れた。

 かなり心臓がバクバクしてきた。

 当然だ。初めて他人にムスコを触られるのに加えて、この非日常的シチュエーション。

 これだけで、発射しそうだ。…ま、しないけど。もったいない。

 そして俺もトイレに入る。

 トイレの中は以外に広く二人入っても手狭では無かった。

「じゃ、下、脱がしますね。」

淡々と言い服を脱がす奈美さん。

 この時点で俺の思考は珍しくフリーズしており

この人にとっては常識だからこの淡々さなんだろうな、

なんてことを思いながらされるがままだった。

「イきそうになったら言ってくださいね、いきなりだと慌てるんで。」

 そう、またしても事務的に言ったあと、彼女はパクっとムスコを咥えた。

「ふぉぉぉぉ!」

 なんか叫んでいた。

 うるさそうなジト目で俺を見た後、彼女は持ちうるテクニックを総動員し始めた。

グチュ、グボグボグボ、ねちゃ、れろれろ、ちゅぽっ、くりゅくりゅ、ジュボジュボジュボ

「くぁwせdrftgyふじこlp」

 目の前に火花が散った。

 予想以上の刺激だった。

 せりあがってくる欲望に必死に耐えつつ、彼女に聞いた。

「う、うまいね、君・・・はうっ・・・かはぁ、コレはっ、アレかい・・・彼氏にっ、しっ仕込まれたとかっ?」

 そう聞いたら彼女はムスコから口を離し少しだけ顔を笑みの形に崩した。

「ええ、まあ。あの人征服欲みたいのがあって、この構図が好きなんですって」

 うれしそうに語る彼女を見ながら、俺は落ち着きを取り戻す。

「へぇ~、そうなんだ。」

 いつの世も彼氏を語る女の子はうれしそうな顔をするものだな

 なんて呑気なことを考えつつ、ムスコを動かす。

「あ、すいません」

 言いつつ再び咥え始める奈美さん。

 刺激はモチロンこと、俺はある感情によっても快感を得ていた。

 すなわち、背徳感である。

 自分の彼氏の為に磨いたフェラチオテクニックをコンビにのお客にトイレで使う。

 そして本人はそれをなんとも思っていない。

 背筋がぞくぞくする、というのは今使うべき表現のはずだ。

 彼女の刺激と背徳感の刺激とで、俺は限界寸前だった。

「そ、そろそろ、イッ、イきそうっ!」

 俺がそう言うと、彼女はムスコから口を離し

「はずさないでくださいね」

 と淡々と(やはり淡々と)言い、口を開けて、手でシゴき始めた。

「ふぉぉぉぉ!」

 本日2度目の雄たけびの後、しっかり残さず全てを彼女の口に吐き出した。

 ドビュルルルル、ドビュドビュ、びゅびゅっ、びゅる

 その全てを彼女は受け止め、そして飲み込んだ。

 ゴクッ、ごくごく、ごくん

 そして俺に向けて

「では」

 と言い残して、トイレを出て行った。

 

 
 ………事務的に客にフェラをし、出された精液を飲み込み「では」の一言で去って行く。

 この不思議な感覚に俺はすでに酔っていた。

「どうだった初体験は」

 天使が頭の上から言ってくる。

「なんとも言えない感じでした」

 そう言い返すのがやっとだった。

 あの後店でお茶を買い、彼女にチカラのリセットを施してから、自宅に向かう途中である。

「なるほど、気に入ってくれたようだな」

 ………どうやらまた思考を読まれたらしい。

 読まれることになんだか抵抗がなくなってきたな。

「うんうん、いい傾向だ。」

 そんな言葉はさらっと無視。

 さっさと家に帰る事にしよう。

< 続く >

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