健人が目を覚ますと、彼は佐伯さんのベッドの上で1人、裸で横になっていた。枕やシーツには、甘く柔らかい佐伯さんの匂いが残っている。さっきの熱く激しい初体験の余韻にまだ浸りながら、彼は2度ほど寝返りをうっては、彼女の匂いを
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君沢健人が今日、自分が20歳の誕生日を迎えたのだと気づいた時、彼は一人で小ぢんまりとした図書館にいた。
中庭のある図書館 3
佐伯弥生さんの住まいは、図書館から車で15分ほどの場所にあるらしかった。図書館の閉館後に、彼女の運転する小型車(トヨタ・アクアと言うらしい)に乗せてもらう。助手席に座った健人は、緊張しながらも運転する彼女と肩を並べて同
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「佐伯さん、聞こえますね………。今、貴方は催眠状態の入口にいます。僕の声はハッキリと聞こえるけれど、他のことは全く気にならなくなっている。そして、僕の言葉が、催眠状態にある貴方の頭の中で、少しずつ力を増していきます。それ
もっと読む中庭のある図書館 1
君沢健人が今日、自分が20歳の誕生日を迎えたのだと気づいた時、彼は一人で小ぢんまりとした図書館にいた。あまり冴えた誕生日の迎え方ではない。地元にいる高校時代の友だちにそのことを伝えていたら、要らない同情を買ってしまって
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