夢の続き 第四話

第四話  昼休み、学校の食堂はいつも通り混み合っていた。  キツネうどんを乗せたトレイを手に、僕は空いている席を求めきょろきょろと辺りを見回す。 「あ……」  空いている席を発見。  しかも、そこには知っている顔が座って

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夢の続き 第三話

第三話 “ぺちゃ……、ぴちゃ……”  静かな部屋の中に、淫らさを感じさせる水音が響いている。  翠色の夢の中、洋館の2階にある図書室。  ここにはいくつもの本棚が並び、そこにはびっしりと古めかしい本がたくさん並べてある。

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夢の続き 第二話

第二話  ……何かの音で、はっと目を覚ました。  あわてて周りを見渡す。  自分の、部屋だ。  制服のまま、ベッドに横になっていたらしい。  それが当たり前と思いつつも、どこか『ほっ』とする自分を感じる。  それほど、リ

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夢の続き 第一話

第一話 「おはよう、倉田くん」  高校の門のところで、聞き覚えのある声をかけられた。  後ろを向くと、やっぱり、見知った女子生徒が立っていた。 「あ、おはようございます。高島センパイ」  彼女の名前は、高嶋 由香里(たか

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外仙 章之壱「囲」 2

章 之 壱 「囲」 2  そこは、広い部屋だった。  床には、美しい模様が織り込まれた絨毯が敷き詰められている。  奥の方に大きな机が置いてある他は、調度品らしいものは見当たらない。  二人の婦警さんは、阿斗にあやつられ

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外仙 章之壱「囲」 1

章 之 壱 「囲」 1  ひどくうらびれた感じのする男。  響阿斗を一言で表現すれば、そんな感じだろう。  背広は皺だらけであちこち擦り切れていたし、ネクタイは日にやけて変色していた。  顔立ち自体は悪くない……っていう

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外仙 章之序「人形」

章 之 序 「人 形」  ついに見つけることが出来た。  殺戒を明けてから、ずっと探しつづけてきた人間を。  3千年かけて造り上げた宝貝(パオペエ)“光輝班”。それを埋め込むための人形を。  いくつか条件があった。まず、

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魔石 第1章 Girls

第一章 Girls  光は今日の獲物を求めて駅前を物色していた。  土曜の午後ということもあって、街にはずいぶん人が多い。  とりあえず、駅前のマクドナルドに入ってめぼしい娘が来るのを待った。  いつものことだが、この時

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