サイの血族 25

51 「あんたバッカじゃないの? 自分が言ってることわかってる?」  絵実が呆れた声で言った。  あれから隼人も気を失うように眠ってしまい、夜が明けて目を覚ました由美の悲鳴が全員を起こしたのだった。あわてて隼人は由美に「

もっと読む

サイの血族 23

49 「すごい一日だったなぁ・・・」  ふかふかのベッドに座って隼人は心底疲れたように言った。  蒲郡にあるテーマパークに併設されたホテルに三人はチェックインした。いや、チェックインという言葉は正確じゃない。フロントで亜

もっと読む

サイの血族 21

45 「あれまあ、どうしたんだい?」  泥だらけの服を着ている隼人を見て饅頭屋のお婆さんが言った。 「あっ、境内で足を滑らせちゃって。ちょっと休ませてください」  総門を出てホッとした隼人は疲れを感じてそう言った。「サイ

もっと読む

サイの血族 20

44  二日間歩き続けた。  毒気が抜けたというか、すべてを亜希子に注ぎ込んでしまったというか、街行く女に心を奪われることなく隼人は吉野を目指した。単に疲れて欲望が起きなかったと言えばそれまでだが。  その間、隼人は「サ

もっと読む

サイの血族 19

41  新しいアイテムを手に入れたと頭の中の声が告げていた。  しかし、どのようなものかは教えてくれない。そのときになったらわかると言うのだ。  どんな能力か楽しみになった隼人は歩を早める。梨花がくれたリストの中にあった

もっと読む

サイの血族 18

39  空腹に気づいた隼人は後悔した。  行き当たりばったりで美香と彩を抱いてしまい前後のことを考えていなかった。もう時刻は夕方に近い。今夜の宿を確保しなければならないし、食事もしなければならない。でも疲れのせいか「サイ

もっと読む

サイの血族 17

38  嫌な場面に遭遇してしまった。  昨夜、麻衣と過ごした時間が楽しかっただけに隼人はうんざりした気分になった。  あれから意識が戻った麻衣は初体験のことや、梨花との複雑な関係について、いろいろと話してくれた。姉妹のプ

もっと読む

サイの血族 16

37  不思議な体験だった。自分の能力をも含めて世の中には裏というか底知れぬものがあるのだと思った。貴重な体験だが夢のようにも感じる。隼人は黙々と歩き続けた。  島田市に着いたのは日が暮れてだった。昔は東海道の要所として

もっと読む

魔本物語 転章

転章 「うふふふ!ああ!やっぱりいい!一気に風格が出てきたわ。さすが私のおまんことあなたのチンポね!」  アルフィーナは、魔本に押し付けられた、チンポが入ったままのマンコの拓を嬉しそうに眺めていた。 「……よかったわね。

もっと読む

魔本物語 第7話

第7話 「アルフィーナ様~♪おマン茶の準備ができました~♪」 「ダメ!全然ダメよ!もっといやらしく!もっと嬉しい感情をこめて!簡単でしょ?」 「いや……。うまく真似てるつもりなんだけど……それに私に感情が無いって知ってる

もっと読む

サイの血族 15

36  翌朝早く隼人は杏奈の家を出た。そうしないと長居してしまいそうだった。頭の中の声も「急げ」と告げていた。それに、もっと女を抱かなければ修行にならないらしい。隼人は島田というところを目指した。なぜなら梨花が渡したメモ

もっと読む

サイの血族 14

33 「ちょっと待ちな」  凄味を利かせた声が背後から聞こえた。  コンビニで飲み物を買って出てきた隼人に女が声をかけたのだ。  振り向いてみると自動ドアの脇でウンコ座りをしている。脱色した髪は根本が黒くプリン状態、いか

もっと読む

魔本物語 第6話

第6話 「ですから、本来はいているはずを下着をなぜつけておられないのかと聞いております。後できれば、股の陰毛が、ぼうぼうの上、所々はげていることも説明して頂けますか?」  宮庁官は、激怒するのではなく、冷静に質問を投げか

もっと読む

魔本物語 第5話

第5話  なぜなら、……目の前にいる新しいメイドというのは、メイド服を着た魔本だったからだ。 「これからよろしくおねがいしま~す。アルフィーナ様」  あっけにとられ、何も言えないでいると、宮長官は予定通り、新人の仕事をチ

もっと読む

サイの血族 13

31 「あなた、お母さんとなにしたのよ!」  キッチンで一緒に朝食の支度をしている隼人と服部早苗を見て奈緒が叫ぶように言った。  ひと目で濃厚な関係を結んだのがわかるほど二人が漂わせる雰囲気は親密なものだった。  いや、

もっと読む

魔本物語 第4話

第4話  とある国の王宮の一室、そこで、姫と数人の貴族が会議をしていた。だが、その雰囲気は重苦しい。  その理由として、進めている議題が行き詰っていたからだ。だがそれより何より室内の中心にいる人物が、かなり不機嫌だという

もっと読む

魔本物語 第3話

第3話 「ごめんなさい! ひっく! ごめんなさぁあいい! もうしないからあぁ!!」  まったく泣き止む様子のないアルフィーナを見た男たちは、何とか泣き止ませることはできないかと、方法を考え出した。  すると、おマンコに手

もっと読む

魔本物語 第2話

第2話  今宵も、国の誇りと褒め称えられた姫は、魔本によって操られる。自らが描いたみだらな物語の主人公として。 「は~い。アルフィーナちゃん。気持ちよかったかな? 衆人観衆が見てる中、いきなりおしっこ噴出すなんて。はした

もっと読む

魔本物語 第1話

第1話  とある昔、平和な国があった。  聡明な王、気品あふれる優しい王女、忠誠心あふれる優秀な家臣たち。  何の憂いも、問題も無いこの国で最近あるうわさが流れていた。 「深夜、鏡を除くと、淫魔が写り、はしたない姿を見せ

もっと読む

サイの血族 9

23 「ただいま~。あら、お客さんなの?」  見慣れぬスニーカーを見つけたからか、玄関から若くて元気な声がした。  老婆の話を聞きはじめてから1時間ほどが経っていた。 「おかえり、結花。こっちへおいで」 「いらっしゃいま

もっと読む

サイの血族 8

22 「行っちゃうんだね・・・」  荷物をまとめる隼人を見て南川琴音が言った。 「うん。琴音と一緒になるためには力を完全なものにしなきゃならない。そうしないとサイの一族として生きられないからね。琴音のために僕は行くんだ」

もっと読む

サイの血族 7

19  隼人は服を着て南川琴音の傍らに座った。  目を覚ますのを見届けてから出ていくつもりだった。  もし目を覚まさなかったら雄大に助けを求めるしかない。それは旅の終わりを意味している。雄大と葉月の力を借りた時点で跡継ぎ

もっと読む

サイの血族 6

17  品川には1時間とちょっとで着いた。  海の方の出口と南川琴音に聞いていたので港南口にまわる。  真新しいビルが建ち並ぶ無機質な街だった。  チェーン展開をしているコーヒーショップに入りエスプレッソを頼んだ。  席

もっと読む

サイの血族 5

12 「梨花さん、ちょっと学校に用事があるから行ってくるけど、また戻ってくるから」  そう言い残して隼人はリカを出る。  長谷川恭子にショーツを返さなければならない。コレクションくらいの気持ちだったが、雄大の話を聞いてか

もっと読む

サイの血族 4

11 「ここのコーヒーすごくおいしいんだ」  隼人は南川琴音にそう言った。 「泡立ってるね」  南川琴音はカップを覗き込んで言う。 「エスプレッソだよ。高圧で抽出するから濃いんだけど、慣れるとやめられない。イタリアでは食

もっと読む