指と玩具 第十一話

第十一話  古ぼけた薄暗い教室から漏れるぐちゃぐちゃという卑猥な音。  その教室に近づく、あるいは存在を知るものがいないのが幸いかその教室から漏れる女性の喘ぎ声は誰にも聞き取られることは無い。  お互いに向き合う形で男女

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指と玩具 第十話

第十話 ・・・・・私の側にはいつからか一人の少女がいました。 弱虫で、体がちっちゃくて、人見知りが激しくて、自分一人では何も出来なかった私の側に。 もうずっと遠い昔のことで彼女と初めて出会ったのがいつのことかはっきりと思

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指と玩具 第九話

第九話 「・・・うぅ、ひっく、ひっく」 人の気配が消えた深夜の小さな公園。 そこには二人の人間がいたが、傍目にも一人は人間として扱われてはいなかった。 その内の一人は整った顔立ちの少年。 もう一人は眼鏡をかけた、衣服のほ

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指と玩具 第七話

第七話  ・・・・・・・・・・・・何だ?  妙な視線を感じる。  俺は眠気眼で毛布から顔を出し、辺りを見回す。 「・・・・・うおっ!!?」  ベッドの上・・・ちょうど俺の足元の方からじっと俺を見つめている里香。 「・・・

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指と玩具 第八話

第八話 1  俺は午後の授業を――形式だけ受けながら、ずっと考えていた。 『分かった。もう、いいわ。・・・貴方は必要ない・・』  さっき確かに久須美はそう言った。  つまりこれは、俺が少なくとも少し前まででは”必要”であ

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指と玩具 第六話

第六話  翌日の朝。  俺は昨日と同じくらいの時間に登校してきた。  理由はいくつかある。  ―――懲りずに光の調教。  ―――あの女のこと。  ―――友美のこと。  ―――秋穂のこと。  ―――あわよくば新たな奴隷のこ

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指と玩具 第五話

第五話  ガラッ。  俺が扉を開けるのと同時にあずさがと目があった。 「おはよう!折笠君早いね!!」  元気一杯のあずさ。 「おはよう。楠本さんこそ早いんだね」  クラス中を見渡すが、来ているのはあずさと俺だけだ。 「私

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指と玩具 第四話

第四話 「ご主人様、お帰りなさいませ」  カードキーを使い部屋に入ると、普段着の里香が恭しく頭を下げる。  スーツ姿の里香も魅力たっぷりなんだが、普段着もなかなか。  薄い、胸にピンポイントのついたシャツに桜色のスカート

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指と玩具 第三話

第三話 「転校生の折笠聖夜君です。皆仲良くしてあげてね」  俺は次の日には学園へ通っていた。  この学園はもと女子校だったが数年前に共学となった。  とはいっても圧倒的に女のほうが多く教師も女が大部分を占めていた。  つ

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指と玩具 第二話

第ニ話 「ご両親が居なくて大変でしょうが、しっかり勉学に励んで頑張ってください」  俺は里香とともに某有名学園の校長室へ来ていた。  里香の仕事が休みの日に手続きを済ませようと思ったのだ。  ちなみにいうとあれから二週間

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指と玩具 第一話

第一話  俺には才能と力がある。天才というヤツだ。  神様が居るんなら感謝しよう。ハハッもっともそんなもの信じちゃ居ないが。  俺を産んだやつの事は分からない。気づいた頃には残飯が俺の飯だった。  腐ったパン。糸を引く飯

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