あたしは凄く格下です。正確には私の守護霊が腹立つほど格下なんです。
どれほど格下かと言うと・・・・・・・・・あっ!運悪く前から人が・・・・・・・・・・・すいません。逃げますので話しは後で!
あら!運悪く袋小路!どうやら説明は無用のようです。
「すいません。そちらに行きたいので道を通していただけますか」
「それは駄目だね。だって君凄く格下だもん」
やっぱりばれてましたね。
「それはそうだけど」
「だいたい君袋小路にひっかかるなんてまぬけもいいところだよ」
「はい!まぬけもいいところです」
(あんたもじゃない)
「だいたい君みたいな格下が僕の前を歩いているから僕もつられて袋小路にひっかっかたんだ」
「ごめんなさい」
(何こいつ!完全な馬鹿男じゃない)
「でもまだ僕で良かったよ。他のやつだったら酷い目にあってるよ。そう思うだろ」
「はい!良かったです」
(頼むから早く何処かに行って)
「よし!ではストリートオナニーで許してあげよう」
(最悪・・・・・・・・・・)
「そんなもので許していただいてありがとうございます。では」
もみもみもみ・・・・・・・・・くちゅくちゅくちゅ・・・・・・・ぺちゃぺちゃぺちゃ・・・・・・・・・ぐりっ!
「あんっあんっあんっ!・・・・んふうん」
(こんなとこでオナニーなんて変態じゃないの)
「君こんなとこでオナニーなんかして恥ずかしくないの?」
(恥ずかしいに決まってるでしょ)
「恥ずかしいです」
「いやそれは間違っている。君は恥ずかしくないんだ」
(何を言ってるのこの馬鹿!)
「むしろより興奮出来るから大好きなんだ。格上の僕が言うんだから間違いないよ」
ホントこの馬鹿無茶苦茶言ってますね。でもどうなるかって?見てれば分かりますよ。
(何が『より興奮出来るから大好き』よ!でも・・・・・・・・・・・・・・・・・あん!凄く興奮してきたわ。間違いなく私はこれが大好きなんだわ)
「いい・・・・・いい・・・・・いつもよりずっといい・・・・・・・もっとよく見て」
「本当にすけべな女だな。見ているこっちが恥ずかしくなるよ」
(私の方が恥ずかしいわよ)
「いきそう!いきそう!駄目!もう駄目~」
「なんだもういっちゃうの!しょうがないな。じゃあいく時は格上の僕を称える為に『孝弘様万歳』て言うんだよ」
(なんでそんな馬鹿な事言わなきゃいけないのよ)
「あっあっあっあっいくいくいくいくいっちゃうぅぅぅ・・・・・・・あぁぁぁぁぁ孝弘様万歳!」
ホント酷い目にあってるでしょ。かわいそうな私。でもまさか今のであそこ立てている人いないでしょうね。
前の私ならはり倒しているところだけど今の私は格下だからしょうがないですね。
でももともと私こんなんじゃなかったんですよ。
はっきりいって美人だしカリスマとフェロモンが身体中ただよってるし男の扱いは上手いから凄くもててたんですよ。
こんな生活が始まったのは今から2日前!その日はたしか足代わりに使っている八木君の車で帰宅したんだっけ・・・・・・・・・・
「いつもありがとう。じゃあまた電話するね」
「あっ!あのう今日は私も」
私はいつものように聞こえないふりして精一杯の笑顔を作って言ったわ。
「あっ!それから今度何処かドライブでも連れて行ってね」
「それはもちろんですが・・・・・・・・・」
(あら?今日は粘りますね)
「今日子さんは本当のところ僕の事どう思ってるんですか?」
(タクシーに決まってるじゃない)
「どういう事なの?」
「だっていつもドライブ誘ってくれって言ってるけど、いざ誘うといつも断るじゃない」
(ヤギタクシーのくせにうるさいわね)
このままだと長引きそうなので今日通算4回目の涙を流す事にしました。一日4回も涙を出せるとは凄いでしょ。
「あっ!」
(ほうら!動揺している)
「うっうっ・・・・・・ごめんなさいね。私にとって一番大切なあなたを知らず知らずのうちとは言え傷つけていたのね」
「いや!そ、そんな事は」
「こんな女は嫌いになったの?しょうがないわね私が全部悪いんだから」
「そんな事ないです!そんな事ないです!今日子さんの事嫌いになるわけないじゃないですか」
「本当に?」
「もちろんです。ごめんよつまらない事言って」
「本当に私を愛してくれてるの?」
「あなたの全てを愛してます」
「嬉しい!」
ちゅっ!
「あっ!今日子さん」
「今日は本当にありがとう。また電話するからね」
(ふ~疲れた!そろそろ新しい足を用意しないとね)
ようやく八木君を帰した私はすぐに口をゆすいでから八木君がくれたケーキを持って部屋に入りました。
「♪やぎのマークのヤギタクシー!」
(どうせこの中にケーキ2つ入ってるんでしょうね)
「やっぱり!魂胆見え見えなのよね」
あの時あまりの単純さに一人笑っていたんですが何か変な感じがしてきたのです。違和感?いったいなんだろう?それは私の想像を絶するものでした。
(あれ?なんか変ね。何かおかしいような?)
初め私はそれがなんなのか分かりませんでした。
(え~と?え~と?・・・・・・・・・・・・・・・ん?声が出ない!身体も動かないじゃない!)
そうです。私の身体は金縛りにあったように動かなかったんです。でもこれはそんな単純なものじゃなかったのです。
(どういう事?どういう事?・・・・・・・・・・・・・・・えっ!身体が動かないんじゃないわ!時間が止まっている)
そんな馬鹿なとお思いでしょうがあの時たしかに時間は止まっていました。
えっ!えらく落ち着いているですって!そりゃあの時はびっくりしました。
でもその後もっと驚く事が起きたのです。
「・・・・・さい。・・・・・・・んなさい」
「ん?」
私の耳にか細い男の声が入ってきたのでした。
「んなさい。・・・・・・・・めんなさい。・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい。・・・・・・・・・ごめんなさい」
なんと私の前で見知らぬ男性が土下座をしているじゃないですか。
(誰?どこから入ってきたの?なんで謝ってんの)
「ごめんなさい。・・・・・えっ!私ですか?・・・・・・・・名前はですね南十条松宝・・・・・・・・・・」
どうやらこの男性は私の思っている事が分かるようです。
(長ったらしい名前ね!いつまで続くのかしら)
「あっ!ごめんなさい。ごめんなさい」
(あ~うっとしいわね!私こういう情けない男が一番嫌い)
「本当にごめんなさい。すいません。勘弁してください」
(だからあんたいったいなんなのよ)
「あっ!私ですか。実は私あなたの守護霊をやってるもんですが」
(守護霊?)
「はい!そうです。あなたをいろいろ守ると言うか・・・・・・・・・あっ!ごめんなさい。私そんなたいそうなもんじゃないから貧乏神て呼んでもらっても結構です」
(貧乏神?・・・・・・・・・・・でその貧乏神がなんの用よ?)
「ごめんなさい。怒らないで聞いてください。絶対怒らないでくださいよ」
(いい加減しなさいよ。うっとうしいわね!)
「やっぱり怒った~」
(だからなんなのよ!)
本当にうっとうしい男でした。今思い出しても腹が立ちます。
「実は私はあなたをですねお助けすると言うか、くっついてないといけないんですが・・・・・・・・・・」
(いけないけど?)
「すいません!今までさぼってました」
(何それ?)
「ごめんなさい。これからは今までさぼってた分も含めましてあなたにくっついていきますので」
(あなたがくっつくとどうなるの?)
「実は私とっても位が低くて」
(位?)
「そうです。位が無茶苦茶低いんです。ですから私がお付きするとあなたも無茶苦茶に位と申しましょうか格が低くなりまして」
(なって)
「格下人生を歩む事になるのです」
(ちょっと待ってよ!よく分からないんだけどそれ私にとってなんの得もないじゃない。あなたがずっとさぼってた方が私にとっては幸せなんじゃないの)
一瞬貧乏神は固まっていましたが両腕を床につけると再び土下座を始めました。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめん・・な・・・・・・・さ・・・・・・・・・・・い。・・・・・・・・・・・・・・・・・ご・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・め・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・」
(ちょっと待ちなさいよ!ちょっと!ちょっと!)
声も身体も元に戻りましたが貧乏神はすでにその場から消えておりました。
いったい今のはなんだったのか?しばらくその場で考えておりましたがその時は夢でも見てたんだろうと無理矢理に納得するしかなかったのです。
でもそれが現実の事と認識するのに時間はかかりませんでした。
ピンポーン!
(あれ誰かしら?こんな時間に)
ドアの外からは聞き覚えのある声が聞こえてきました。
「夜分遅くすいません。回覧板です」
(あっ!隣の方だわ)
ここのマンションでは回覧板まがいのものが配られていまして私のところには隣の男性が来るのです。
「ご苦労様です」
「あれ?室田さんなんか感じ変わりましたね」
「えっ!そうですか?」
(たしか昨晩も合った筈なのに・・・・・・・・)
「なんて言ったらいいんだろう。う~んとね・・・・・・・・・・・そうだ!分かった!凄い格下になったね」
「格下?」
「うん!格下。だって君凄い格下でしょ」
「はい!凄く格下です」
(えっ?えっ?)
「前から君みたいな美人とSEXがしたかったんだ。じゃあ中に入るね」
「えっ!」
「『えっ!』じゃないよ。君と僕ではどっちが格上?」
「それはあなたに決まっています」
(何それ?)
「でしょう。だから僕の言う事が正しいに決まってるでしょ」
「はい。そうですね」
(無茶苦茶言ってる筈なのになぜか理にかなっているように思えるわ)
「じゃあ中に入るね。君も格上の僕を迎えるんだからもっと嬉しそうにしなきゃ!嬉しいでしょ」
「はい」
(嬉しくないのになぜか微笑んでしまうわ)
「う~ん駄目だね!心の底から喜んでいないね。今から格上の僕とSEX出来るんだから嬉しくてしょうがないんだよ。格上の僕が言うんだから絶対そうなるんだよ」
「はい!とっても嬉しいです。早く私を抱いて~」
(本当に私どうしたのかしら?どうしようもないくらい嬉しい。早くSEXがしたい)
「しょうがないな!今日は特別だよ。では君は今から凄く淫らになってきて快感は今までのSEXと比べものにならないぐらい気持ちよくなるよ」
私は自分が止められず気づいた時は彼と深いキスを交わしていました。
「んふっんふっ・・・・ううんん・・・・んん!んん!・・・・・・んんんん」
(何これ?キスだけなのに身体がとろけそう!身体中が痺れるぅ)
しばらくすると彼の腕は髪に胸に下半身に伸びてきました。
(ああん!凄い!凄い!立ってられないわ!もっともっとしてほしい)
絡み合う舌と舌!一枚づつ服を脱がされていく喜び!ただひたすら抑えきれない気持ちをぶつけていました。
「いや~ん!焦らさないで。もっともっといたぶって~」
それから彼の中年おやじのような長い前戯攻撃が実に2時間ほど続き私はまさに失神状態になりました。
「気絶している場合じゃないよ。格上の僕の精液を君の身体の中に入れたいでしょ」
(格上の精液を私の身体にいっぱい入れたい!でもどうすればいいの?)
「その為には僕のおちん@んを君の中に挿入しなきゃいけないよ」
(そうだわ気絶してる場合じゃないわ。早く挿入してもらわなきゃ)
がばっ!
「早く!早く入れて~」
「やっぱり君は好きもんだね。ではご要望にお応えして」
ずぼっ!・・・・・ぐり!ぐり!・・・ぎし!ぎし!ぎし!
「あああああああん」
いつもより感度が数倍アップしている私は身体がばらばらになりそうなほどの快感にのたうちまわっていました。
(ああああん!なんにも考えられないよ!凄い!すご過ぎる~)
「いい!いい!いい!いい!いい!いく!いく!いく!いく!いく!いくー」
「俺もいくー」
びゅー
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
失神状態の私が目を覚ましたのはたしか夜中の2時過ぎぐらいだったと思います。
「はぁぁ!気持ちよかった・・・・・・・・・・んっ!あれはいったいなんなの?どうして?」
自分がとてつもなく格下になった事に気づいていながらその時は認めたくなかったのです。
でも認めざるをえない状況がその日を境に数々続きました。
ある時は道ですれ違った方とSEXを、ある時は宅急便の方と風俗遊びを、今朝もオナニーをやらされそして今・・・・・・・・
「八木様!今日子を抱いてください。一生奴隷にしてください」
(なんでこんなやつにまで)
「そうだよ。格下の今日子はどうしても僕の奴隷になりたいんだよ。僕に毎晩かわいがってもらいたくてしょうがないんだよ」
「お願いします。お願いします」
(悔しいけどどうしても彼の奴隷になりたい。毎晩かわいがってほしい)
「どうしようかな」
「いやん!どうしてもあなたの奴隷になりたいんです。今日子を助けて~」
(もういや!こんな生活)
「ようし!そこまで言うなら俺の奴隷にしてあげよう。格下の君は泣いて喜ぶんだよ」
「うっ!うっ!ぐすん・・う、う、嬉しいです。しくしく!・・・・・本当に今日子は幸せです」
「ようし契約の証しだ!俺のコブラに十分奉仕するがいい」
「はい!喜んで」
(この変態!)
でもしょうがないんです。今日子はこれから八木様の奴隷です。・・・・・・・・・・・・ん?ん?んん?身体が動かない。
(あれ?この感覚ひょっとすればひょっとして)
あら?なんでしょうこの馬鹿な笑い声は?
「はははははははは!臨時ニュースです!臨時ニュースです!」
(あんたひょっとして)
「久しぶりぃ~今日子たん!元気してた~」
(その声は貧乏神ね!姿を現しなさい)
「それは出来んな~!」
(なんか以前と感じが違うわね。あんた本当にあの時の貧乏神?)
「馬鹿者!守護霊様もしくは守護神様と呼べ」
(なんかよく分かんないけど。今頃いったいなんなのよ)
「喜べ!実はな私の位が急にぐ~んとアップしてな」
(アップして?)
「つまりお前の格もぐ~んとアップしたんだよん。まっ!えらくなった私の姿を見ることは出来なくなったけどね」
(格下じゃなくなるの?)
「そういう事だよん」
(と言う事は私はこれからは格上人生を歩めるって事?)
「格上人生か!そこまではいかないけどそこそこは幸せになれるよん。じゃあねん」
あっ!もう行っちゃいました。また時間が動きだしますね。
「あれ?あれ?今日子さんの格が急にあがっている~」
本当に突然現れて突然消えるやつですね。
「俺・・・俺・・・・・」
あいつのおかげでここ何日間どれほどのSEXをした事か。
「ごめんなさい。ごめんなさい」
これからはそこそこの幸せが手に入れられるか・・・・・・・・
「許してください。許してください」
格下人生か・・・・・・・・
「今日子さんを格下だなんて本当にすいませんでした」
迷う事はないわね。
「謝る事ないわ。私は凄く格下よ」
< 終 >