おろろん淫魔君 04.友達100人できるかな?

04. 友達100人できるかな?

 僕達はうきうきしながらマンションの廊下を勇ましく歩いていたんだ。
 僕、今までこんなに楽しかった事って無いんじゃないかなぁ。
 ここ半年は病院だったし、小さい頃から内気でいじめられっ子だった僕は、いつも一人で遊んでた....でも今は違うよ。
 淫魔君っていう友達が居るし、これからは僕の事”好き”って言ってくれるおねえさんが一杯出来る。
 僕はもう一人じゃないんだ。

 僕は我慢できなくなってそっと聞いてみた。

「ねえ、淫魔君。僕達って友達だよね!」

 淫魔君は聞こえてないかと思う位遅れて返事をした。

「はぁ?お前、何眠たい事言うとんねん。わしらは”寄生体と宿主”や。そんな甘々な関係とちゃうで。お互いに必要やさかい一緒に居るだけ..用が無くなったら、バイバイや」

「で、でも、前に瞳さんが言ってたよ。友達はお互いに助け合ったり、元気をくれたりするんだって。この関係って、その通りじゃない?」

「まあ、そう思いたかったら別にかめへんけどな。せやけど、わしらはいつか離れる運命や。それもたいがいはドロドロの最後やで」

 いつの間にか僕らは廊下の隅っこで膝を抱えて話込んでた。

「でも、でも...あ、そうだ。ねぇ、前に一緒に居たっていう大阪のおじさんとはどうだったの?仲は悪かったの?」

「前にも言うたけど、わしが取憑いとったんはあいつの頭や。もう、取憑いた瞬間からあいつの人格も思考も無くなっとった..。そんな奴と仲がええもクソもあらへんがな。まあ、そのほうが全身を支配出来てわしの好きな様に動けるさかい都合が良えっちゅうわけや」

「じゃあ、なんで僕の時はそうしなかったの?」

「やっぱりお前はアホやなー。わしが頭におったら足もちんちんも動かへんやないかい。そんな体支配した所でどうせいっちゅうんじゃい」

「あっ、そうか!そうだね。じゃあ、僕の足が動かないから淫魔君と友達になれたんだ。だからおねえさんとも一緒に暮らせるんだね」

「......はぁ~~~..お前はほんっっっっっまに、おめでたい奴っちゃ。おい、部屋の物色、行くのか、行かんのか。どっちやねん!?」

「行く!いくいくいくよ!さぁしゅっぱぁーつ!」

「男のイクイクッなんちゅうのは聞きとうないわ!なんや、気合抜けてもうたがな」

 そんなこんなでマンション探検に再び戻った二人だったんだけど..どうも旨くいかないみたいだ。

「あかん。やっぱりファミリー向けのマンションは家族ばっかりやで。他のマンションにくら替えするか?」

「ええー!そしたら素子さんと離れ離れになっちゃうの?せっかく仲良くなれたのに?」

「お前、女みたいなもん外に掃いて捨てる程おるやないかい。あのもとこたらいう女もほっといたら淫気が抜けて”ええ夢見た”位にしか思わへんがな」

 僕はそれでもぶつぶついいながら廊下を歩いていると、エレベーターの扉がチーンって鳴って中からすっごい美人のおねえさんが出て来たんだ。艶っぽい体つきにさらさらの黒い髪、ちょっと釣上がった目は怖そうだけど、綺麗さだけなら瞳さんより上かもね。

「うわっ!ねえ淫魔君見て見て。あのおねえさん綺麗だねー」

「ほんまや!しかも色気ムンムンやし。こらごっつええ御馳走や..見逃す手は無いで!ええか?部屋までは気付かれんように後をつけるんやで」

「オッケー、ボス!」

「わしいつからボスやねん」

 僕達は探偵になった気分で、隠れながらおねえさんの後をつけていった。

 すると廊下の一番奥の部屋の前でバッグを開け、鍵を探している。

「淫魔君、どう?」

「よっしゃ!男の匂いはせえへんで。このねえちゃん、もろたっ!」

 ガチャガチャ

 扉が半分開いた瞬間、僕達はダダッと駆け出し、体当たりを食らわすと、部屋の中に転がる様に入り込み、しがみついた。

「そりゃっ..ぐりぐり、にちゃにちや....どうやっ!うりゃっ、そりゃっ!」

 ...............................あっはぁーーん。

「よっしゃ。いっちょあがりや。お前とのコンビも段々と息が合うてきたなー。ええ感じやで」

「そりゃ、友達だもんね」

「もう、その話はええっちゅーねん」

 僕達はおねえさんについて奥の寝室に入っていった。素子さんの部屋より一つ部屋が多いけどリビングは少し狭い。

「おねえさん、名前なんていうの?」

「はい。李春欄と申します。宜しくお願い致します」

 そう丁寧に話す言葉の中にはちょっと僕達と違う発音が入っていた。

「ふぅん。外人さんなんだ。なんか素子さんとずんぶん感じがちがうねー。なんでだろ?」

「もともとこういう性格なんやろ。こいつ完全に墜ちとるはずやのに、これだけ冷静でおるっちゅうのは何か精神修行でもしとったんかもしれんで。武道とか宗教とか」

「うーん。ますます奥が深いねぇ。恐るべし淫魔の世界」

「あほな事言うとらんで、早よやろかい!」

「うん!ほないこかー!」

 ベッドの上できっちり正座して待ってた春欄さんも、すごく嬉しそうな顔で僕達にしがみついて来た。
 さっきまでお尻がついていた辺りの布団はもうびしょびしょに濡れている。

 いままでの経験で少し余裕の出てきた僕は、ゆっくりと春欄さんの首に手をまわし、倒れ込むとそっと唇を重ねてみた。
 僕のファーストキスはねっとりといやらしくて、でもとっても甘い味だった。春欄さんの舌に弄ばれてるとなんか雲の上に乗ってるみたいないい気持になってくる。

 そんな甘ーい僕達の雰囲気をぶち壊すかのように淫魔君は膝とちんこをぐりぐりと彼女の股間に擦り付けながら文句を言い出した。

「おい..おいっ!甘々ラブストーリーはそんなもんにして、ええ加減にパンツ下ろしてくれや。ねえちゃんもさっさと服脱がんとええ事したらへんで!」

「ちぇっ、いいとこだったのに」

 僕は顔だけは渋々そうにしながらも、急いで服を脱ぐ。
 春欄さんもしずしずと、でも期待感で一杯といった表情でボタンを外している。
 背中のファスナーを降ろし、ワンピースをすとんと落すと、中からはブラを引きちぎらんばかりの、大きくて綺麗な形をしたおっぱいが出てきた。
 そっと隠すように横を向き、背中に回した手でホックを外し、ゆっくりと肩紐を下ろす。
 腰を浮かしながら黒色のパンティをくねくねとずらしていく。

 そんな春欄さんの動きを見ているだけで、なんだか熱が出た時みたいにカーっとしてボーってなっちゃった。

「..ゴクッ..お、おいっ..このねえちゃんごっつい色気やなー。わしもうタマらんわ。早よ、早よ、挿れさしてくれやぁ」

「ちょっと待ってよ。僕もう少しこの体見ていたいよ」

 淫魔君も敢えて反論せず、ゴクッと唾を飲み込みながら二人でじっと眺めていた。

 でも、春欄さんが全て脱ぎ終り、少しうつむき気味に上目使いでこちらを見ながら、すごく妖しくニコッて笑ったんだ。

 その途端、僕達二人の頭の中でプチッという音がして、春欄さんに飛びかかっていった。

「おねいさーん!」

「はぁはぁ、いくで、いくでぇ、ねえちゃんずばずばいったるでぇ!」

 僕は春欄さんの唇に吸付き、舐め回し、舌を絡める。

 淫魔君もぐにゃぐにゃの蛇みたいに形を変え、太股や股間をうねうねと這い回り、緑色に染めながら淫臭を止めどなく流している。

 その淫気にやられてしまった僕と春欄さんはより一層いやらしく体を絡み合わせていった。

「あっあっあっ、ああっん、ん、ん、んぅあ、はっはっ、く、うぅん、あうあぅぅ、はぅっ!」

 ようやく淫魔君も我を取戻したのか、元のちんこの形に戻ってべちょべちょの割れ目に潜り込んでいく。

 じゅぶっ、にゅるにゅるっ。

「っ!かはっ!あ、あ、く、あ、あうぅあ、はん、あっかっあっあああああああああああああああああん!」

 限界まで高まっていた春欄さんは挿れた瞬間にイってしまったんだけど、僕達はそんなにすぐには止れない。
 さっき淫魔君が言ってた”やりすぎ”なんてのは頭から吹っ飛んじゃってたんだ。

 マッハの勢いでちんこを出し入れし、割れ目の中をぐちゃぐちゃに掻き回す。
 いつの間にか淫魔君はいくつもの触手みたいな、一杯のちんこみたいなのに枝分れして、太股をぐるぐる巻にしたり、身体中を這いずり廻って全身を緑色に染めながら穴という穴にまるで探検するみたいに出入りを繰返している。

 僕も負けてはいられない。綺麗な乳房をぐにゃぐにゃとこね回し、乳首を抓り上げたり、口一杯にほおばり歯形をくっきりと付けたり、思いっきり吸って赤い点々を付けたりしてあげた。

 僕達は上半身と下半身の受持ちを時々替えたり、後ろに行ったり、前に廻ったりして春欄さんの体の隅々まで舐め尽すように味わう。

 春欄さんも、すっごく嬉しそうだったり、苦しそうだったり、惚けたような顔で あんあん と涙を流しながら喘いでいる。

 本当に僕達は我を忘れて春欄さんの綺麗な体を貪り続けていたんだ。

 どの位の時間がたったのか、春欄さんが何回イっちゃったのか、全然分らなかったけど窓から射込む光が無くなって、春欄さんの体が見えなくなった頃にようやく僕達は我にかえった。

「ふぅー。疲れたねー。どの位やってたんだろうねぇ」

 そしたら淫魔君もやっと気付いたように、慌てて僕に言った。

「げ!こらまずいかもしれんでぇ。ちょ、ちょっと電気点けてみぃ」

 僕が横にあったスイッチを押すと、一気にまぶしい光が目に飛込んできた。

 ようやく目が慣れてくると、ちょっと様子のおかしい春欄さんの姿が見えてきたんだ。なんだかにやけた顔で天井に向ってぶつぶつ言っている。

「どうしたの?春欄さん?ねぇ」

「あかん、あかんわ...まずったなー」

「えっ!何がまずいの?春欄さんどうかしちゃったの?」

「さっき言うてたやんけ。やりすぎはあかんっちゅうて。もうこいつ中毒症状起こしてしもとるわ。まずいなー」

「ええーーっ!中毒症状って?さっき言ってた”気の触れた淫乱女”ってのになっちゃったの?僕達、淫魔君の友達みたいにひどい奴になっちゃってたの?どうしよう!どうしたらいい?ねぇ、淫魔君?僕いやだよ春欄さんの事大好きなんだ。何とかしてよ!ねぇ、淫魔君お願いだよ!」

 ぐすぐすとべそをかきながら春欄さんの胸に顔を埋め、涙を流している僕の頭を春欄さんは強く抱きしめ、乳房に擦り付けるようにしながら あぅあぅっ と喘ぎ声を垂らし続けている。

 すると淫魔君が僕の左手にやってきて、春欄さんの顔をそっと撫でながら目を覗き込んだり、耳の中に入っていったりして調べだした。

「んー。確かに中毒症状やけど、まだ軽いほうや。ちょっと時間はかかるけど何とか元に戻るかもしれんな。お前ちょっとこいつの面倒見たるか?」

「うん!見る見る!なんでもする!なんでも言ってよ!」

「そうか?ほな、今こいつはわしの淫気に完全に依存しとるさかい、急に取上げたらほんまに壊れてしまいよる。ちょっとずつは満足さしてやりながら段々と減らしていくんや。まあその回数はわしが様子見ながら決めたるさかい、お前はこいつが自分を取戻すまで飯食わしたり落着かせたりして体力が落ちんようにしといたらなあかん。どや、出来るか?」

「やるやる!あ、でもどうしよう。僕ご飯作ったり出来ないけど...淫魔君出来る?」

「そんなもん下におる”もとこ”たらいうねえちゃんにやらしたらええやんけ。昼飯位はインスタントでもええやろ」

「うん、そうだね。後で素子さんに頼みに行こう」

 僕は圧倒的な罪悪感から解放されて、ほっとした表情でベッドに倒れ込んだ。

< つづく >

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