プロローグ
人々が仕事を始めようとする早朝。
都市部を目指して移動する電車の中には、様々な人たちがいた。
眠気まなこでこくり、こくりと首を縦に振る学生。
それとは対照的に、熱心に参考書に目を通す別の学生。友達との会話に盛り上がる学生。
しかめっ面でホームの売店で購入した新聞に目を通す中年の男性。
その新聞を横目にしながら暇つぶしをする者。
目的地までの長い時間、立ちっ放しである事を憂い、沈んだ表情で窓の外を見つめる男。
彼らは目的地が同じというだけの関係だが、この小さな車両の中には様々な目的を持った人間達で溢れていた。
だがその中でも一人、さらに特異な目的を持った人間がいた。
車両の一角。
開閉が行われない方のドア。
手すりとの間に生まれる三角スペースで、それは行われていた。
ドアの前に立つ学生の女の子と、やや体を密着させるようにしてその後ろに立つサラリーマン風の男。
電車内の人は多くそれだけでは何も問題はない、普通の事のように思われる。
だが、男はなんでもないように窓の外に目を向けながらもその手を女の子のお尻へと伸ばしていた。
女の子は、抵抗しない。否、時折抵抗するかのように身をよじるが、男の手から離れるでもなくただその場に立ち、俯いたまま陵辱に耐えるかのように無抵抗で身体を震わせていた。
眼鏡をかけている。伏し目がちな女の子だ。顔立ちこそ整ってはいるがクラスでもあまり目立たない地味な優等生。
そんな印象を与えるような、大人しい外見をしている。そして性格も外見どおりなのだろうか、彼女はまるで小鳥のように気が弱かった。
自分の下腹部を撫で回し、ショーツの中に進入しようとする手を振り払う勇気が持てないほどに。
「・・・あ・・・・・・ん・・・・・」
声が、漏れる。
自分に意志に反し、自分でも驚くほどなまめかしい声が。
いやらしい声だ。
痴漢に遭うのも、男の人に体に触れられるのも初めてなのに、自分の口から漏れる声は甘いものだった。
誰も、こちらを見ていない。だから助けてくれそうな人もいない。
電車の騒音に、彼女の小さな声は掻き消され、およそ彼女だけに注意を向けていなければ何が行われているか誰にも気付かれないだろう。
彼女が着ている制服と同じ服装の学生はこの車両の中でも何人か見かけられるが、彼女との位置が遠い為、これでは助けも呼べず知り合いがいたとしても彼女には気づけない。
「あ・・・・はぅ」
何故、こうなったのだろう・・・?
いつから、自分はこうされていて・・・
いつから、自分は感じてしまっているのだろう・・・?
羞恥と嫌悪感、そして明らかに分かる快楽の波に翻弄されながら、ぼんやりとした頭で彼女はこれまでの状況をなぞる。
学校でのいじめ、家にいても休まる事のない受験勉強のストレス。それらが彼女をさいなみ、夜の眠りを浅くしていた。
だからといって席に座り公衆の面前でまどろむこともできず、せめて誰かの目から逃げるようにと目立たない隅へ背を向けて立つ事を彼女は好んだ。
それが、痴漢にとっては最も好都合な事だと言うことを知らずに。
まず、さりげなさを装って伸びた男の手が、彼女のふっくらとしたお尻に伸びた。
その時点では男から身を離すなり、振り向いて睨むなりできただろう。
だが疲れにまどろんだ頭が判断を遅らせ、初めて味わう恐怖に頭が真っ白になっていた。
訳も分からず、ショックで声を出す事も出来ない。
ただ分かる事と言えば気持ちの悪い誰かの手が自分の体を嬲っていること。
そしてどこからか甘ったるく不自然な機械臭い匂い、例えるなら理科の実験で芳香族系統の薬品に似た匂いが立ち込めたことだけ。
その匂いを吸い込んでしまった時、力が出せなくなった。
眩暈に似た感覚と、ひどい脱力感が体を包んでいく。
緊張で強張っていた体から力が抜け、鞄を持っていた手が嘘のようにだらりと伸びた。
少女の肩から力が抜けたのを確認し、男は手にした怪しげなピンク色の液体の詰まった小さなスプレーをポケットに仕舞う。
身体をわずかに動かし、列車の角の死角になるように女の子の体を押し寄せてから、男は陵辱を再開した。
スカート越しに少女の柔肌をいやらしい手つきで撫で回し、お尻の筋を指でなぞる。
気持ち悪い。
その感触はぞわぞわ、と背筋に無数の芋虫が這うようなおぞましさに似ている。
だが、さきほど嗅がされた妙な薬品のせいだろうか力が出ない。
最初に触られたときに逃げるべきだったが、生来の気の弱さと強い羞恥心もあいまって、少女は現状維持を選んだ。
自分の痴態を誰かに気づかれるのが恥ずかしく、名前も知らないこの痴漢が怖かった。
もっとも、今となってはもはや抵抗は意味の無い事であると気付いてはいなかったが。
「ふふふ」
少女の耳元で、男が笑う。格下のものを小馬鹿にするような、不愉快な笑い。
耳に息が吹きかけられ、少女はまた生理的な嫌悪に身をすくませた。
「・・・いいものをやるよ」
囁くように男が言うと、開いた口から舌が伸ばされ、彼女の耳にナメクジが這うような嫌悪感が産まれる。
その感覚は耳元から首筋へと広がり、彼女は鳥肌をたてた。
「い・・・ぁ・・・・・・ぁ・・・」
不快感にのけぞろうとする。だが、少女が実際にしたのはわずかに頭を揺らすのみ。触覚はこれほど鋭敏なのに、立つのが精一杯で肉体の操作がおぼつかない。
喉がからからで悲鳴も上げられない。
スカートの布が捲りあげられて、無骨な手がショーツの中へと滑り込んでも、体を震えさせる他に反応らしい反応が出来なかった。
まるで、体が他人のもの。自分の体に手を伸ばす男のものになってしまったかのようだった。
だが、戸惑いを見せる彼女に関係なく、男の手がさらに伸ばされる。
何の飾りもない無地のショーツを這い、秘所の入り口――当然まだ誰も入ったことがない純潔の――そこに、男の無骨な指が添えられた。
くぬりと、まだうっすらとしか毛の生えていない縦筋に指が進入してきた。
「ひ・・・ぁ・・・あっ・・・」
少女は身をすくませる。男のもう一方の人差し指が、そんな少女の口を塞ぐかのように唇の中に差し入れられる。
しかし薬を嗅がされた少女の身体は脱力し、声がうまく出せない。指を噛み切るような力ももちろんでない。
彼女にできることは涙を滲ませながら身体を震わせ、この一方的な陵辱が過ぎ去るのを待つことだけだった。
少女の下ではショーツに進入した男の指が、彼女の浅い場所でとまった。嫌悪感の中に、違和感を感じる。男の指、その手触りの中に何か、異質なモノが混じっていた。
小指の先程度の大きさの、すこしだけ硬い何か。全く濡れていない膣の粘膜にそれがあたり、ひやりとする。
その、カプセル状のモノを少女の膣内にわずかに押し入れると、男は静かに指を抜いた。
彼女はほっと、男の指を口にくわえさせられたまま息を吐いた。わずかな時間であったが処女の膣内に差し込まれた指の圧迫感が気持ち悪く、まだ痛みと嫌悪感が残っている。
そして女の身体は本能的に、その痛みを回避するためにわずかだが膣液を分泌していた。
それからだ。
しゅうぅ、とそのカプセルは粘膜のわずかな湿りに反応し、外郭の薄い膜が溶けた。
中に収められた微細な粉末が、愛液と混じり膣の粘膜へと急速に吸収される。
「は・・・・ぁぁぁ・・・・!!」
艶めかしい声が、少女の口から溢れた。
男の指が口に当てられていなかったら、叫んでいたかもしれない。薬で脱力させられた身体にそれほどの反応を与えるほどの大きな刺激が、少女の膣内から駆け巡り、高圧電流のような鋭さと強さで少女の脳を揺さぶった。
それは、快楽。
いまだかつて味わった事のない甘い刺激が、子宮を中心として体中に渡っていく。
「んぁ・・・・・・はぁ、ひっ・・・・・・ふぁ・・・」
初めて自慰をしたときなど比較にならない、圧倒的な快楽だった。
軽いオルガスムスを迎えた後の体が熱い。外気の蒸し暑さではなく、自分の内部からにじみ出る強い火照りにさいなまれ、彼女は身をよじった。
下腹の奥がじんじんと熱く火照り、乳首の先が自分でも分かるくらいに硬く尖っている。
肉体をさいなむその刺激は甘く、痒かった。蚊に刺されたときの痒みを何十倍にも強くしたような、じれったさに身体をふるわせ、少女はいやいやをするかのように首を振る。
胸の先で硬く尖る乳首、ほんの少しだけ包皮から露出したクリトリス。そういったところを痒みに似た熱い何かが覆い、じんじんととろけるようなじれったい刺激を与える。
「あ・・・はぁ・・・」
大きく、彼女は息を吐いた。
何が起きているのか分からないのは同じだったが、感覚が歪み始めたことだけは理解できた。
脳を甘く揺さぶる強い快楽が彼女の頭ではなく身体に理解させていた。
つつつ・・・と。
男の指が、彼女の服の上を踊る。その指は押すというよりも滑らせるといった微妙な力で、学校指定の夏服ごしに彼女の胸をさする。
彼女はびく、と身をすくませる。だが、その理由は薬を使われる前とはまるで異なっている。
男が触れた部分は熱く疼きを持って、歓喜の声を上げる。
先ほどまであれほど感じていた嫌悪感は一瞬のうちにどこかへ消えてしまっていた。
むしろ頭の中ではその焦らすような動きを物足りないとさえ感じ始めていたのだ。
男に玩ばれる人形のように脱力した身体で、男に体を預けるようにしながら・・・彼女は視線を落とし、自分の胸を覆う男の手の平を見た。
スキー場のゲレンデをすべるように、男の指が自分の胸の上ですべる。その触れるか触れないかの弱い感触が、ひどくじれったい。
男の指が彼女の尖った乳首の上を通過した。
「んぁっ」
微細な刺激が、胸の最も敏感な部分で弾け、強い快楽の信号がじんわりと広がる。
気づくと、太股をすりあわせていた。ショーツにはいつの間にか自分でも驚くほどの量の愛液が分泌され、ぐっしょりと濡れて湿っている。
小さな薄い布地が吸収しきれなかった愛液はどろりとした粘度を保ちながら彼女の太股を滴り、発情を示す淫らな線を描く。
もうわけが分からない。快楽によって潤んだ瞳はまるで男を誘うかのように媚びた光を宿し、薬によって脱力させられた身体はまるで幼子のように男に身を任せ、玩ばれる。
「は・・はひ・・・あふぅぅ・・・・」
この指に、直接さわってもらえたら・・・。
この指で、直接乳首をいじってもらえたら・・・。
いったいどうなってしまうのだろう?
薄桃色の快楽にぼやけた頭で、彼女はそう思った。
相手が卑劣な痴漢であることも、自分がまだ処女で、性的な経験が皆無であるということも、もはや関係がなかった。
だってこんなに気持ちいいんだから。快楽以外には何も考えられない。
ただ身体は、まるで人形のように力が入らない。それだけが口惜しかった。
もし自分の手を動かすことが出来たのならば、男の手をいざなっていやらしいほどに尖った乳首と、熱く濡れた下腹部とをいじってもらえるようにしたのに。
自分のブラを外し、ショーツを脱いで、いやらしく発情する身体を思うままにいじってもらえるのに。
「あ・・はぁ・・・は・・あぅ・・・・」
卑劣な痴漢の手が、服越しに彼女の身体をまさぐる。彼女はひくん、ひくんと何度か身体を震わせた。軽く達してしまったから。
この名前も知らない男に身体を玩ばれ、辱められる・・・その光景を、その際の快楽を思い浮かべるだけで、ぶちゅ、と妙な音を立てて、新たな愛液が分泌された。
欲しい。
触って欲しい。
気持ちよくして欲しい。
そう思うだけでアソコはじんじんと痺れてくる。
少女は何とか顔を後ろに向けた。
目が熱っぽく潤み、頬が紅潮し、うっすらと開いた唇から漏れる熱い吐息。
発情し、欲情にまみれたその顔を見て、男はほくそ笑んだ。
「もっと・・・気持ち良くして欲しいか?」
また耳元で男が小さく呟いた。
耳たぶに触れる微かな吐息、それだけでぶるりと身体を振るわせた少女は消え入りそうな声で「はい」と一言呟き返した。
***
男はいつも通り、会社から最寄の駅で下車した。ただ違うことは男に支えられるように学生服の少女が寄り添っていることだった。
虚ろな目と、紅潮した頬。
それとスーツ姿の男と抱き合うようにして歩くその姿は一見すると援助交際のようないかがわしい連想をさせるが、朝の繁忙さに追い立てられ彼らの姿は誰の目にも留まらなかった。
そして、少女はふらふらとおぼつかない足取りで男にしがみ付きながら共に歩き、男にいざなわれるままに駅のトイレに入った。
夢見がちな表情を浮かべ、それが男子トイレである事も気付いていないようだ。
「座れ」
出来るだけ人目につかないようにして、個室へと連れ込んだ少女へと指示すると、彼女は崩れ落ちるようにして便座に腰を下ろした。
全身から力が抜けて、先ほどの痴漢行為で少し乱れた衣服から覗く肌が妙な色気を醸し出している。
特に、はだけたスカートからチラリと覗く白い太ももにエロチシズムが感じられた。
男は改めて少女の容姿を見定めするように上から下まで視線を動かすと、満足そうに頷いてズボンのファスナーに手をかけた。
既に男のそこはパンパンに膨らんでいて、隙間から取り出したペニスは硬く勃起している。
太く、キノコの様に傘が開いた毒々しい逸物を目の前にして、少女は思わず息を飲んだ。
「・・・ぁ」
保健の授業で男性器がどのような形をしているかは目にした事がある。
だが、直接目にするそれは教科書のものよりもずいぶんと大きく、ピクピクと脈打ち、まるで生き物の様だった。
そして臭いも凄い。体育後の男子学生の汗臭さや、通学の時の電車の中で匂う男独特の臭いを濃密にしたような獣臭。
普段ならば顔をしかめ、吐き気すらもよおしていただろう。
だが、彼女はそれを前にして魅入られたように目を細め、すん、すんと小さな鼻を鳴らして深くまで臭いを吸い込んだ。
例えようのない臭気だが、それと同時にその匂いを嗅ぐと頭がピリピリと痺れ出してくる。
濃密な男の匂いに脳がやられ、彼女は無意識的に薄く開いた唇の端からだらだらとよだれをたらしながら、熱っぽい瞳で肉棒を見た。
「あ・・・は・・・くさい・・・おちんちん・・・・しゅごい・・・くさい・・・」
熱病に浮かされたように、赤く火照った顔で彼女はつぶやく。
初めに吹き付けられた薬の効力がまだ残っており、女の子の身体は弛緩したままだった。
力が入らず、半開きになった唇からこぼれたよだれがだらり、だらりと垂れている。
それはまるで好物の前でお預けをくらった犬のように、荒い呼吸をしながら物欲しそうに、壊れた笑みを浮かべていた。
少女は肺いっぱいに染み入るように汚らしくてグロテスクなペニスの臭いを嗅ぎ、ハァハァと乱れた息をつきながらそそり立った肉棒を見つめていた。
体が自由ならその手をショーツの奥に伸ばし、肉棒の臭いを吸い込みながらくちゅくちゅと淫裂を弄くっていただろう。
人が変わったような少女を見下ろしながら、男は湧き上がる征服感に愉悦の笑いを浮かべた。
どろりとにごった瞳はこの世ならざる快楽に濡れ、発情しながら脱力させられている身体は幼子のように無防備で、男の補助なしには何の行為をすることもできない。
無垢な少女を思い通りに出来る喜びは何にも変えられないものがあった。
「馬鹿みたいに淫乱なツラしやがってこの売女が。どうせ普段もヤリまくりなんだろう? この腐れマンコが」
「あ・・ひどぃ・・・わらし・・・まだ、誰にも・・・まだしたことな・・・あふ・・・でも、おちんちん・・・しゅごぃにおぃ・・・あは・・・おちんちん・・・ほしぃ・・・」
男の言葉に抗議するはずが、途中から意識が自然と肉棒に向かってしまう。
醜悪な形をしたキノコから目を離す事が出来なかった。
既に脳髄の奥の奥まで侵食されているかのように、身体を覆う熱がこともなげに自分が処女であることを告白させ、淫語をつぶやかせていた。
それは普段なら、恥ずかしくて決して言えないはずの台詞。だが彼女の心は、快楽というウィルスによってどろどろに侵されており、頭はこのおぞましい肉棒のことでいっぱいだった。
この雁首を開いたペニスが自分のワレメを押し開いていく感覚を想像し、少女はどろりとした粘液をまた股間から溢れさせた。
妄想の世界では既に肉棒を体内に埋め、荒々しく犯され、小ぶりの胸を男の大きな手でこねくり回されている。
そして、その時自分は娼婦のように淫蕩な笑みを浮かべているのだ。
「はぁ・・・はぁ・・・・・・ん、ぁ・・・っはぁ・・・おちんちん・・・」
虚ろにつぶやく彼女の後頭部に、男の手が添えられた。
同時に男のモノが彼女の顔に近づき、ぺたぺたと何回かそのたくましくおぞましいモノで頬を打たれる。少女は嫌悪を抱くどころか喜悦そのものといった顔で男のモノに視線を合わせた。
男はわずかに腰を動かし、位置を調整する。
「くくく・・・まずは口からだ」
下卑た笑いを浮かべながら、男は掴んだ少女の頭を自分の下半身へと引き寄せた。
少女の半開きの唇に亀頭の焦点をあわせ、少女の気持ちなどお構いなしにオナホールに突っ込むように自分のモノを挿入してゆく。
一度ペニスを突き入れると、少女の口内に溜まった唾液でにゅるり、とたっぷりまぶされたモノはよくすべり、そのまま少女の口腔の奥を男の先端がついた。
男は腰をひく。喉の上の部分をこそぐように、張り出したエラの部分がぬるぬるとした舌の上に擦れる感触が心地よい。
無論、フェラチオなんて彼女にとっては初めての行為だ。普段ならむせるのは当然、気持ち悪さに顔をしかめ、下手をすれば嘔吐すらしていただろう。
だが薬で脱力させられ、また発情させられた少女の顔には、苦しみはなく満面の悦楽が浮かんでいた。
口の中が犯され、男の肉棒の、臭い匂いでいっぱいになる。男のペニスは十分に洗っていないせいか、痴垢がわずかについていた。
普通の女性はおろか、その道の女性でも嫌がり顔をしかめるだろう。だが彼女の膣内に入れられた薬が、匂いや嘔吐感といった原始的な不快をこの上もない快楽へと変換させていた。
今まで口にしたどんな食べ物よりも、男の汚らしいカスが美味しく思えた。
次にまた男に会えたなら、目を輝かせながら何より先に竿を握りペニスを舐めさせて貰うだろう。
男は口腔を蹂躙しながら、少女の頭をつかんで上下させる。それはイマラチオという行為だった。
オナニーの道具のように女の口を使い、相手の都合を省みずに無理やり頭をつかんで腰を動かす。
勃起した肉棒の鈴口からはカウパー液が分泌され、男は少女の喉奥に擦り付けるように亀頭の先を挿し込んだ。
少女の脱力した身体は肉棒を動かすのに都合が良かった。普通ならば歯を立てられもするだろうが、全く問題にならない。肉棒の裏の部分、皮膚が集まり筋になった部分をちょうど少女の舌があたる。
強く押し付けると、ざらざらとした感覚が心地よい。
まずは一発、出すことにしよう。
男はそう思った。せっかくの処女だ。初めてを奪う際の膣内の感触は、できるなら余裕がある状態で味わいたい。
また初めての精を口内で受け止めさせるというアブノーマルな行為も興があって面白い。
無理やりに腰を振り、女学生の口腔を犯しながら急速に射精感がせりあがるのが分かる。
一瞬迷ったが、我慢することはない。すでにこの女は快楽の虜だ。
どんな行為も喜びにしかならない。
「もうすぐ出るぞ。お前の口マンコに俺のザーメンをくれてやる。零すなよ」
ふぁい、と女は返事をしたようだった。苦しさと快楽とに顔を歪ませながら上目遣いでこちらを見る。
素材が美人であるだけに、その変態的な顔はひどく淫猥だった。その顔をおかずにしながらグロテスクな肉棒を出し入れさせる。
ほとんど最大に近いまでに勃起したペニスはもはや暴発寸前で、はぁ、はぁと男の息が荒く大きくなっていた。
「出るっ!」
どぷっ、どく、 どくどくっ。
肉棒が爆ぜ、何度も膨張と収縮を繰り返した。
精液が尿道を通って勢いよく出される。
驚いたためか、女の舌が動いていた。喉奥に白濁を流し込みながらも、裏筋を這い回る舌の動きがたまらなく心地いい。
男はその心地よさを余すことなく味わうために、容赦なく腰を振る。
腰が痺れるような、そんな甘い快楽と共に男は力を抜いた。
女の頭から手を離し、まだ精液の残滓が残る肉棒を引き抜くいて、ぺたぺたと女の頬を打つ。半分萎えたペニスについた汚れを女の顔で拭くように、男は自分のモノを動かした。
薬のせいだろうか。むせることもせずに、人形のように女は壁を支えに背をのけぞらすと、呆然と天井を見上げていた。
こぼすなよ、と命じたのを遵守しているのか口を閉じようとしている。だが薬で抜けた力はまだ戻っていないのだろう。
パクパクと動かす唇の隙間から、よだれのようにごぽりと青臭い精液が垂れた。
「ちっ」
舌打ちしながら、男は手を振り上げる。こぼすな、と言いつけを守れなかった女に罰を与えるつもりだった。
その手を女の顔にめがけ振り下ろそうとし・・・すぐに、気をとり直してやめた。
「薬で力が出ないんだったな」
しかも経験のない処女だ。流石にいきなりのイマラチオで残さず精液を飲むなど物理的に不可能だろう。と、そこまで思い至ったところで男は苦笑する。
何でここまできて、俺は相手のことを気遣っているんだ、と。
罪悪感など感じているわけでもないが、一度射精したために少々頭が冷静になったらしい。・・・まあいい。
首を振って気を取り直す。薬の効果を試すため、ヤリ捨てするつもりで選んだ女だが、もちろんここで終わらせるつもりはない。
反省したのもわずかな間。肉棒を取り巻く疲れがわずかな休息を経て回復するのと同時に、再び獣欲が首をもたげる。
だが、どうせ犯すならもっと回復してからの方がいいだろう。
そう思った男はしゃがみ、少女のスカートを捲り上げて中に顔を入れた。
そして染みのついた色気のない白い無地のショーツをゆっくりと下ろす。ショーツとアソコを繋ぐ長く細い透明の糸がつーと伸び、膝元のところで切れた。
少女のアソコはぬるぬるとした愛液でてらてらと光り、スカートの中は据えたチーズのような匂いが充満している。
色も形も匂いも、少女の外見通り、処女臭い。
色素の薄い、濡れた陰毛を押し分けて男が閉じた縦筋に舌を伸ばした。
「んあっ・・・はぁっ、んひぃぃぃいっ」
大陰唇の隙間に舌が挿し込まれるだけで、少女は喜悦の声を上げた。
目がどんよりと曇り、何かを求めるように赤い舌がちろちろと宙を舐めた。
男は少女の反応に気を良くし、じゅるじゅると激しい音を立てて淫汁を吸いたてた。
「ひぃあっ、は、ぁぁっ、しゅご、ぃぃっ」
喜悦の声を上げる少女の膣穴からは次から次へと愛液が溢れ出してくる。
男は喉を鳴らして淫水を飲み込み、包皮からわずかに顔を出したクリトリスを舌先で突っついた。
ビクッ、ビクッと少女の内股が敏感に反応した。反射的なものだろう。
男はここがいいのか、と言わんばかりに淫豆を舌先でちろちろとくすぐるように舐め始めた。
また、少女の股が切なそうに震える。上からは断続的に官能的な声が上がっている。
その声を聞いた男の股間のモノが、また同じように力を取り戻した。
「これからお前を犯す」
スカートから顔を上げると、精液と涎まみれになった女の顔に自分の顔を近づけ、男は言った。女の返答など求めない。確認ではなく宣言のための言葉。
男の言葉に、まだ男を知らない処女の女は壊れたような笑みを返した。
媚びるような目はお願いします、と言っているようだった。
女を立たせ、便器に手をつかせる。後背位になるよう腰を掴み、亀頭をそのぬらつく膣口に当てた。
先ほどの愛撫も加わりすでにそこは限界をこえてぐっしょりと濡れており、太股まで垂れた愛液が少女のハイソックスに染みをつけていた。
太股の間で2、3度自分のモノを往復させ、少女の蜜をペニスに塗りつけてから、男はモノの照準を膣口にあわせた。
小さな穴をこじ開けながらゆっくりと、先に進める。かなりほぐれているとはいえやはり処女のものには違いない。
初めての異物を受け入れるのを拒むかのような、ぎこちない硬い締め付けを感じる。だが皮肉なことにペニスに対してはそれは快楽となって、男を悦ばせることになっていた。
膣に差し込む途中で、亀頭がわずかな抵抗に阻まれる。これが少女の処女膜なのだろう。男は感慨深げに息を吐くと、ゆっくりと味わうようにさらに腰を進めた。
「ん、あぁぁぁ・・・」
少女がうめき、唇を持ち上げた。本来なら痛みを伴うはずのそれは薬の効果によって脳を痺れさせるほどの快楽へと変わっていた。
男は邪悪な笑みを浮かべ、行為を続ける。一気に頂くのはもったいない。
少女が目を細め、きゅうと膣口を締める感触を味わいながら、男はじわじわとペニスを進めていった。
一般には知られていないが、処女膜はわずかに伸びる。亀頭の先に膜の感触を感じてからさらに数センチほど先に押し込んだところで、とたんに抵抗がなくなった。
膜が完全に千切れたのだろう。少女の膣奥にまで腰を進めて、男はゆるゆると満足げに息を吐いた。
犬のように這い、股間に初めての男を迎え入れた少女を見下ろし・・・征服感が背筋から広がり胸を満たす。
男は少女を掴む腰の手に力を入れ、何度も往復させた。
ぱんっ、ぱんっと尻を打つ音が響き、血が混じった愛液が肉棒にからみつく。いい感じだった。全くこなれていない感のある処女の締め付けは、商売女では決して味わえない。
薬のせいだろう。激しい突き上げにも少女の声には明らかになまめかしいものが混じっていた。それは始めは弱い声だったが、次第に大きくなる。
気づくと、少女は声だけではなく身体も動かし、男の動きに合わせるように腰を振りたてていた。
「は、あは・・・あ、いいっ、しゅご・・・ふあぁぁ・・・いい、いいです、もっと、もっと・・・おちんちんしゅごいのぉぉぉ・・・」
「メス豚め」
初めに嗅がせた薬の効果が切れたのだろう。だがまだ、快楽を感じさせるほうの効力は続いているらしい。
下品な言葉を投げつけながら、男は少女の桃尻をはたく。
パンッと、乾いた音がした。
「あははぁぁ!」
びくんっ、と少女の膝が動く。膣が締まり、新たな愛液が結合したままの股間を汚す。かなり強くイッたのだろう。
男の射精を促すようにぐねぐねと動く膣内は、初めてとは思えぬほど具合がよくペニスに絡みつく。
「あ、はいってる・・・わらし・・・はじめてなのに・・・あ、あは・・・いい・・・お尻、じんじんするぅ・・・んはっ、しゅご・・・おちんちん・・・おちんちんしゅごいぃ・・・あは・・・ああっ!」
亀頭のエラが、腰を引くたびに少女の膣内にひっかかり肉を抉る。腰を進めれば亀頭の全体が処女の膣の圧迫にさらされ、膣内を無理やり広げるように進める感触がぐねぐねとして気持ちいい。
一発出して余裕を持った彼だが、処女肉の具合の良さに再び射精感がこみ上げてきた。
「くくく・・・そろそろ出すぞ。中に出してやる。嬉しいだろう」
「あ、はい・・・おねが、いしましゅ・・・わらしのなかに・・・きもちいいのください・・・せーえき、くださいい・・・!」
「ああ、たっぷりとくれてやる」
止めとばかりに腰を突き上げ、同時に人差し指を少女の尻の穴に差し込む。第一関節まで入ったそれを、くねりと動かすと連動するように膣内の締りが強くなった。
「いくぞ、だしてやるっ!」
再び宣言して、男は射精した。
1度、2度、3度、4度・・・。
2回目とは思えない量と濃さのそれが、先ほどまで処女だった少女の膣内を白く汚す。凄まじい快楽だった。征服感と肉欲とが同時に満たされる瞬間。
少女はぴーんと身体をつっぱらせ、そして荒い息を吐きながらふたの閉じた洋式便器につっぷした。
男はにやりと笑う。
ペニスを抜かないまま、再び腰を動かした。
抜き差しのたびに赤い血の混じった精液が少女の股から音を立てて飛び散る。
「あ、あ・・・そんな・・・イったばかりなのに・・・は、あ、すご・・・あふ・・んぁ、あっまたイっちゃ・・・らめ、らめぇ!」
快感に咽び泣く、見ず知らずの少女を犯しながら・・・。
予想以上だ、と男はほくそ笑んだ。
薬の効果を確かめるための実験台として、名前も知らない、自分と接点がなくつかまりにくい相手を選んだ。
それがたまたまこの少女だった。それが、つい今まで処女だった女がここまで乱れるとは思っていなかった。
彼が手に入れた二種類の薬。
ひとつは嗅がせるタイプのもので、匂いや痛み、快楽といった感覚を残したまま相手を脱力させ、自由を奪うことができる。
もうひとつは粉状で、飲ませたり粘膜に吸収することで効果を発揮し、相手が感じた痛み、不快感、嫌悪といったものを脳内で快楽へと変換させる。もちろん、日常生活で快楽としての感じられる情報は快楽のまま。
すなわち、効果が持続している間はあらゆる行為は悦び以外には感じないということだ。
この女のように、処女であっても悦んで尻を振る淫売へと変える事の出来る、夢のような薬だ。
男がその薬を手に入れられたのは、必然の部分というよりは幸運が大きく作用していた。
きっかけはインターネットの怪しげなサイトだった。
「奴隷を作ってみませんか?」という扇情的な見出しの中、対象となる相手の自由を奪う薬と、快楽を数百倍に増幅させる薬とが売られていた。
値段もたいしたことはない。男は怪しみ、馬鹿にするより先に衝動的にその業者に発注をかけ、数日後に商品が送付された。
男が手に入れたモノは、不正規品の中でもさらに不正規な代物だった。
製造誤差、という言葉がある。同じ製品を同じ製法で作っても、品質がバラバラになることを主に指す。
そして通常の場合、そのばらつきは製造誤差という言葉の名の下にある範囲内に収められる。しかし、適当な国では製造誤差を超えるものがしばしば現れる。
例えば乱雑に作ったネジでは数ミリから数百マイクロメートルの誤差が生まれ、そのネジを使って作られた最終製品では誤差が誤差を呼び、設計寸法から大きく外れるといった事態が産まれる。
男はあずかり知らぬことであるが、その薬は非常に雑な品質管理、最悪に近い衛生環境で作られた。
そしてその環境は製品の品質に非常に大きな揺らぎを与え、本来ならば入るはずのない偶然混入したイレギュラーな無数の材料、非合法な代物までが、薬物の効果を変えていた。
それは本来の効果の数十倍以上、副作用は強い常習性のみで、それ以外の身体への悪影響がまったくない。
製造元に同じモノを作れといわれても不可能な奇跡の一品。世界にひとつしかなく、これから先もおそらく生まれることがないだろう。
「あひゃ・・・らめ、わらし・・・またいっちゃ・・・あ、あ、あ、あ、ああああああ・・・」
「くくく・・・」
少女の腰は砕け、立つこともままならない。
必死で便座にしがみ付き、快楽に翻弄されている。
顔を涎と精液交じりにさせながら、だらしなくよがる少女のあえぎをBGMに、男は邪悪に笑った。
***
だが自分の思い通りに事が運び、慢心する男は気付いていなかったが、その光景を見ていた者がいた。
無抵抗な少女の体をもてあそび、恥辱を与えていたその一部始終を、敵意に満ちた目でずっと見つめていた。
男が少女を連れて、電車を降りた後も一定の距離を保ちながら背後を歩き、男子トイレに入る所までを観察するように見ていた。
ここで駅員に通報すれば、全ては終わっていたであろう。だがその者には、できない理由があった。
男のためではない。男の行為が公になることによって、男が属する会社に不名誉な汚名がかけられては困る。そういう判断からだった。
「・・・最低ね、あのクズは」
冷ややかな目で吐き捨て、足早に会社へと向かった。
< つづく >