-2- 『お願い、探して!』 学校の帰り道。 路上に見慣れない白い四角の箱が落ちていた。 『いきなり何ですか? 石丸先生』 俺はそれに近づき拾い上げる。すると箱の裏には蓋のようなものがついていた。 『今開発中の試作
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この素晴らしくも理不尽な世界に 予兆
-4- (……これは?) 「ぁっ……んっ……くっ……!」 両手を後ろから左右につかまれ、必死に声を押し殺している見覚えある女性の後ろ姿。 黒く長い髪にあちこち赤く腫れた痛々しい背中、何かにかかじられたような無数の切り
もっと読むこの素晴らしくも理不尽な世界に 困惑
-3- (……どうしよう、止まらない) 美穂は困惑していた。 それは風呂に入ろうと鏡の前に立った時、ただ少し、ほんのささいな気持ちで自分の胸に手を触れただけだった。 するとどうだろう、身体の奥底から何かがこみ上げて
もっと読む○○な彼女 電話な彼女
-1- ジリリリリリリリ。 社内に電話の呼び鈴が響く。 そして近くにいた青と白の社員服を着た女性がその受話器を取った。 ガチャッ。 「はい、はい?……あ、ちょっと待ってください」 女性は保留にして受話器をおくと
もっと読むこの素晴らしくも理不尽な世界に 隣人
-2- ___異能者、世界中に数多存在している常識を超えた力の持ち主の総称___ 彼らの誕生する経緯は不明であり、解明されていない謎も多い。 昨今の調査と研究の結果、彼らの多くは不幸を背負っていることが明らかとなった
もっと読むこの素晴らしくも理不尽な世界に 依存編
-1- ―――異能者:常識では考えられない能力を持つ者達の総称――― それは、世界中に五十万以上いると伝えられており、その能力(ちから)は解明されない謎が多く、日々研究が続けられている。 その能力は様々あり、何の意味
もっと読むユートピア
「んっ………」 肌に触れるひんやりした風が、彼女の意識を取り戻させる。 (さむい………ここは?) うっすら目を開けてみると何も見えない。 そこは光を感じさせない完全なる闇の中、手に触れるザラザラとした砂の感触やわず
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