暗い通路の緩やかな下り坂を二つの人影が下りていく。そのうち片方の手にはたいまつが握られていた。ゆらりゆらりと揺れる真っ赤な炎は二人の進行方向をほんの少ししか照らし出してはくれない。 たいまつを持ち、前を歩いている
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MIND VAMPIRE 第二章 「悦び」
その男、マリク・マーキスは強力なマインドヴァンパイアである。 かつては地上で人間の魂を好きなだけ貪った彼であったが、ある日突然、地中深くにその身を隠してしまった。 確かに地上では食事に困らない。だが煩わしい人間達は
もっと読むMIND VAMPIRE 第一章 「闇の住人」
遠くから獣のものらしき咆哮が何度も聞こえてくる。 その度に壁に落ちた細い影がビクッと震えた。 「早く、早くみんなを見つけなくちゃ……」 影の主、セシル・アングラードは自分に言い聞かせるように呟いた。もし魔物に遭遇し
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