失われた4月

 校門から校舎へと続くまっすぐな道の、左右に並んでいる桜は六分咲といったところだった。  せっかくなら満開の中を歩きたかったな。そんな贅沢なことを考えてしまってしかたないと思う。  だって、今日は私――脇坂倫(わきさか・

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