――そうだ、有名で売れっ子小説家になろう。 俺、阪丹 仁(はんに・じん)は、そう決めた。 ちょっとした特技――催眠術を使える――も利用し、金を適当に得て、気楽な一人暮らしを満喫していたが、仕事をしていないというだけ
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失われた4月
校門から校舎へと続くまっすぐな道の、左右に並んでいる桜は六分咲といったところだった。 せっかくなら満開の中を歩きたかったな。そんな贅沢なことを考えてしまってしかたないと思う。 だって、今日は私――脇坂倫(わきさか・
もっと読むあなたのために、できること
日は傾き、空は茜色に染まっていた。 複雑な陰影を刻む雲の隙間からは、気の早い星々がうっすら光っているのが見える。 雑居ビルの屋上に立っている詩穂は、移ろい行く空を眺め、じっとその時を待っていた。 わぁ──っ!!
もっと読む夢みたい -Side 優貴-
-Side 優貴- ── 1日目 ── 何で、どうして? こんなことに──!? 突然の事態に、私はパニック状態だった。 今、私のショーツの中には、何か異物が入っていて、くぐもったような音を立てて動いている。 一
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