洗脳実験室 1

 歴史、規模共に世界トップクラスの製薬会社があった。
 さまざまな、黒い噂の絶えない会社だ。
 曰く、人体実験をしている。
 曰く、妖しげな薬物により市民を拉致し、洗脳している。
 実際に、その噂は全て正しかった。

 都内、某ビルの地下へと降りる。
 エレベータの止まった先には、一般には公開されていない階層があった。
 2回のIDカードの提示と指紋照合、1回の網膜パターンのチェックの後にようやく全ての扉が開く。
 女がいた。
 皆、美しい容姿をしている。
 総勢は20名。日本人だけではない。
 中東、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、南米。
 類まれな頭脳と容姿とを条件に、世界の各地からさまざまな経緯で開拓され、引き抜かれてきた者たちだった。歳は上は30の後半から下は四捨五入して20になる年齢。
 まだ少女と呼べる者までいる。ただしそのうちの幾人かは遺伝子改質による若返りの処理を受けており、実際の歳が見た目どおりとは限らなかったが。

「おはようございます、御主人様」

 ざっ、と彼が部屋に入るなり一斉に女たちが立ち上がり、頬を赤く染めながら深く頭を下げる。
 股間をすり合わせる者はまだ程度の軽いほうで、指を小刻みに震わせて自分の胸を揉みしだこうという欲望に必死に抗う者、彼の顔を見るなり身体をすくませ、軽い絶頂に達する者すらもいた。

 御主人様。

 その言葉が、彼と彼女らとの関係を端的に物語っている。
 彼女らにとって、御主人様と呼ばれたその男が法であり、絶対だった。
 被暗示性を高める特殊な音波と薬物、それに従属の言葉を復唱させ、従う場合には愛撫を、反抗する場合は苦痛を与える。
 その環境を数年以上持続することで、解除が困難なレベルにまで洗脳を行った。
 研究者の中には、母娘2代にわたり彼に仕えている者もいる。
 中には彼の血を受け継ぎ、娘にあたる女もいた。
 産まれたときから――否、産まれる前から胎教として洗脳音波を浴びせるように聞かせ、既に堕ちている母親の手で母乳を与える時期から洗脳教育を繰り返し、御主人様への奉仕と従属を心に刻みつけさせた。
 眠っている時ですら、テープによる睡眠学習により奴隷としての心を刷り込み続けた。
 ”人生の長さ≒洗脳を受けた時間”となった女にとって、父親でもあり御主人様でもある男の幸福を自分の幸福と同一視させるのに、大した抵抗はなかった。
 そうして成長した女は、彼に抱かれることを無上の喜びとし、彼の命令ならばどのようなことでも従う忠実な奴隷となり果てている。
 尤も、長期間にわたり洗脳された他の女も、同様に彼なしでは生きられない状態にまで堕ちている。
 自分の娘を彼の性欲処理のために差し出すのが、当然かつ名誉なことであると思えるほどに。

「おはようございます」

 彼は――橘 勇輝は、軽く手をあげて奴隷たちをねぎらった。
 肩まで届く染めていない黒の髪。女の子に近い中世的な顔立ち。
 肉付きも薄く肌もあまり日に焼けていない。衣服は下はジーパン。上は黒地に縦の白い縞模様が入ったシャツ。
 街の量販店にいけば2、3万円で売っている程度の、微妙な価格だががわりとありふれた服装。
 見た目は、人畜無害な高校生といった感じだった。

「えー、お盆休みも終わりましたので気を引き締めていきましょう。もうすぐボーナスの考課査定を行います。成績が優良な人はねちっこくかついやらしいキスを唾液でむせ返るくらいたくさんしてあげます。さらにずば抜けて優秀な人は半日くらいねっとりたっぷりと気絶するまで抱いてほぼ確実に孕むくらいの精液を膣内にだくだくと注ぎ込みますので楽しみにして待っていてください。それと、白亜」
「は、はい」

 いきなり名指しで、しかも名前を呼び捨てにされ、1人の少女がびっくりして身をすくませた。
 他の女たちも驚いて男を見た。
 年上だろうが年下だろうが、部下だろうが奴隷であろうが、勇輝は相手の名前にさん付けする。
 例外は、何か多大な功績を挙げて誉められる時か、逆に何か重大な粗相をして折檻を受ける時しかない。

「お誕生日おめでとう。記念に処女を捧げる権利を与えますけど、今使いますか?」
「はいっ。喜んで、お父様っ!」

 顔がぱっと輝き、思わず御主人様ではなくお父様と少女は答えていた。

 嬉しい。
 嬉しい。
 誕生日を覚えてもらっていたことも、それをおめでとうと言ってくれたことも、処女を捧げられるということも、全てが嬉しかった。

 ああ……と白亜と呼ばれた少女の口から声が漏れる。
 ふらりと身体が揺れた。歓喜のあまり、遠くなりかけた意識を慌ててつなぎとめる。
 物心ついた頃から母の手で処女のまま後ろの穴を開発され、勇輝がもよおした際の性欲処理道具の1つとして役に立ってきた自負はあった。
 だがそれでも、他の奴隷と違ってまだ前の穴を使っていただいてないということが少女のコンプレックスだった。
 それが今日この日から、勇輝の性欲処理奴隷として母や他の同僚と同列に立つことができる。
 たまらなく嬉しかった。
 嬉しすぎて逝ってしまいそうになるほどに。
 気づくと、目にうっすらと歓喜の涙がにじんでいて、慌てて白亜は目尻を指でぬぐった。

「ああ、ついでにマリアさん、娘の処女喪失に立ち会ってください。具合が良かったら御褒美をあげます。悪かったらお仕置きしますけど」
「畏まりました、御主人様」

 1人の女が恭しく答えた。
 その瞳もまた白亜と同様に歓喜の色に染まっており、肌は薄く汗ばんで発情していた。

「以上です。他の方々は通常業務を続けてください」

***

 焦らすように、服を脱ぐ。
 ボタンを1つ1つ、ゆっくりとはずす。
 相手がじれったく感じるほどもったいをつけ、相手の反応を確認しながら。
 処女の喪失が、より良い思い出となるように。
 御主人様に興奮して頂けるように。
 御主人様に襲っていただけるほどの魅力が、自分にあるかどうかを確認するために。
 胸を覆う下着に手をかけると、白亜は羞恥に顔を赤らめた。
 アーリア系白色人種の血を半分受け継いだ白い肌。髪は黒髪と呼ぶにはやや色素が薄く、緋色が混じっている。
 桜色の小さな唇。人形のように均整の取れたプロポーション。
 鎖骨からこんもりと少しだけ盛り上がった乳房、そしてへそにいたるまでのなだらかな曲線が、まだ青い部分が残る果実の初々しさをかもし出している。
 白亜・フォルスタットは産まれながらの奴隷だった。
 胎児の頃から教育を受けた。
 神経を落ち着かせる音楽と共に、奴隷としての生存理由を言い含められ、勇輝の肌の匂い、体温、心臓の脈動を繰り返し繰り返し覚え、彼以外の男では感じないように、彼専用の奴隷となるように実の母親に教育をされて育った。
 母親のマリア・フォルスタットは彼女に優しく接してくれ、白亜は自然と母への敬愛を抱いていた。
 その母の手によって、始めてお尻の調教を開始された時のことを白亜は覚えている。

 少量のグリセリンを使用し穴を綺麗にされた。
 母親に言い含められ、我慢して我慢して、ようやく排泄した際の快感がたまらなかった。
 その後は食事の前に御主人様の奴隷としての心得を教えてくれるテープを聞き、浣腸で腸内の洗浄を施された後、お尻の穴に小さなサイズのローターを挿入されるのが白亜の日課となった。
 ローターのスイッチは御主人様に意に沿う行動や、何かを達成した時につけられた。
 御主人様に元気よく挨拶が出来た時。
 テストで良い点を取ったとき。
 学校の運動会でがんばった時。
 幼い頃に乗った電車の中でやかましくせず大人しく座っていられた時。
 誉め言葉と共にスイッチはつけられた。
 そのスイッチをつけるのは彼女の母親である時もあり、御主人様である時もあった。
 ローターの刺激は初めはくすぐったいような感覚だったが、その振動の刺激を快楽と認識するのに大した時間はかからなかった。
 だが、単なる肉体の快楽を餌として求める繋がりではない。

 昔、かなり昔。
 広い、広い草原で駆け回った。
 父親の背を追いかけ、はしゃぎながら。
 彼はすぐにつかまり、つかまえた白亜の頭を優しく撫でてくれた。
 その感触、髪を撫で付けられた心地よさと男の手の重み、暖かさを時折思い出し、白亜は幸福感に浸る。
 父はその行為を忘れているかもしれない。ささいな、本当にささいな思い出だったが、その思い出が白亜の御主人様に対する思慕の根底にあった。

 だからあの日撫でられた手と同じ手で胸や性器を撫でられても、嫌悪を感じることはまったくない。
 むしろ楽しくはしゃぎ回った幸せな幼女時代の記憶と重なり、白亜は幸せすら感じた。

 白亜の胸は、あまり大きくはない。同年代の少女らと比べてもやや薄い。
 その分感度は高く、白衣からまろびでた乳房の頂点はこれから起こることへの期待のために固く尖っている。
 その胸の先端の片方に、鈍く、銀色の光沢をはなつモノがあった。
 胸に、小さなピアスをつけている。

 何年か前の誕生日の頃、勇輝から欲しい物はないかと尋ねられた。
 白亜はより明確な奴隷の証が欲しいと言い、御主人様の手で胸にピアスをつけて欲しいとねだった。
 薄い胸に密かな劣等感を感じていた白亜だったが、それ以来、彼女は自分の胸が大好きになった。
 御主人様のモノであるという証が、その身体に付けられているからだ。

 ストリップの真似事をしながら、ちらりと白亜は御主人様の視線を確認した。
 その目が自分の固くしこったおっぱいの先に注がれていることに気づき、白亜は気恥ずかしさを覚えて顔を赤らめた。
 アナル・セックスを含めれば、抱かれるのがはじめてというわけではない。
 だから羞恥を覚えるのも妙かもしれぬが、まだ慣れるほどには経験を積んでいないためであろう。
 少女とも女性ともつかぬ限られた期間だけ持つ初々しさと淫らさを、白亜は備えていた。
 それが、勇輝の食指をそそる。彼の股間は固くそそり立ち、この危うい歳に育った自分の娘を犯すことへの興奮に溢れていた。

 勇輝の背後から、無機質なカメラが白亜のほっそりとした肢体を映している。
 白亜の母、マリア・フォルスタットの手に、ビデオカメラがあった。
 小型ながら高性能な代物で、画質は下手な撮影機材とほとんど遜色がない。

『娘の処女喪失を母親に録画してもらいたい』

 勇輝の要望だった。
 普通ならば嫌悪どころか論外な行為だが、マリアは嬉々として御主人様の素晴らしい思いつきにうなずいた。
 マリアの頬は、赤い。
 娘のストリップを映す彼女の瞳は明らかな興奮と劣情に彩られ、彼女の白い頬は赤く上気している。
 自分の手ずから育てた奴隷が、御主人様に召し上がっていただけるという光栄。
 娘と同じように、処女を勇輝に散らされた時を思い出しての興奮。
 それに娘の具合が悪ければお仕置きを、良ければ褒美を与えると御主人様はおっしゃった。
 お仕置きであろうと、ご褒美であろうと、御主人様に構っていただけることがマリアを熱く火照らせる。
 白亜が抱かれた後のことを想像するだけで、身も心も開発し尽くされたマリアは誇張ではなく”達してしまいそうに”なる。

「御主人様。ご奉仕させていただけますでしょうか?」

 服を脱ぎ、産まれたままの姿になった白亜が聞いた。

「いや、今日はいいよ。白亜を見て十分に興奮してるから。それよりこっちにおいで」
「はいっ」

 勇輝が自分の膝の上をぽんと叩いた。
 白亜は弾む声で答える。
 ご奉仕できないのは少し残念だったが、勇輝の膝の上に乗っていちゃいちゃする事に比べればさほどのことでもない。ひょっとしたらこの先、一生ないかもしれないのだ。
 対面座位の姿勢で、男の膝をまたぐように乗る。御主人様の顔が目の前にあった。
 白亜は目を閉じる。
 ちゅっ、と触れるだけのキスをされた。
 にへら、と白亜の顔のしまりがなくなった。
 分かりやすい娘に、マリアがくすりと笑った。

「大きくなったな」
「んっ」

 つつつっと、勇輝の指が白亜のあごから首筋、胸元をくすぐるように移動した。
 幼い頃から知っている、少女の成長ぶりを確認するように。
 途中、勇輝の指先が白亜の乳首につけられているピアスを、軽くはじいた。
 甘い痛みに、白亜は小さな声であえぎをもらす。
 勇輝の指がへそを撫で、下腹を触れるか触れないかの微妙なタッチで刺激した。
 愛撫ともいえぬその感覚に、白亜は身をよじらせる。
 白亜の太股に、御主人様の固いモノがあたっていた。

「あ、あの御主人様……」

 ぽっ、と顔を赤らめる。
 いつもは後ろの穴を使っていたわけだが――奴隷としていついかなる時も要求に応じられるよう、白亜は洗浄と清掃を欠かさない――今は前の穴を始めて使っていただくわけで。
 そこは愛液にぐっしょりと濡れ、勇輝の太股をはしたなく汚しているわけで。
 申し訳ないと思いつつも、貫かれることへの期待と、勇輝の胸にすがりついているという幸福を実感してしまう。
 妙に、気恥ずかしかった。

「良ければお父様と呼んでいいよ。あとキスをしたりするのも好きにしていい。今日は特別だ」
「あはっ。ありがとうございます、お父様っ」

 ちゅちゅちゅっ、とついばむように、白亜は勇輝の顔にキスをした。
 はむ、と勇輝の唇を自分の唇ではさむ。
 舌を伸ばし、ぺろりと唇を舐める。
 勇輝の唇が開き、白亜の舌を受け入れた。

 くちゅ、ちゅ……ちゅちゅちゅつ……っ
 ぴちゅ、ちゅるる……ちゅ、ちゅぅ、ぴちゅちゅっ

 唾液を絡ませ、勇輝の舌へ送り込む。ねっとりとした粘膜同士がこすれあい、淫らな水音を奏でる。
 深い、深いキス。

「は、ぁはぁっ!」

 突然、白亜が頤(おとがい)を反らし、身をのけぞらせた。
 キスの間に忍ばせていた勇輝のひとさし指が、第2間接まで白亜の尻に入っていた。
 幼い頃から調教し尽くされたそこは御主人様のモノを喜んで受け入れ、ひくひくと蠢いた。

「と、とうさまっ、らめっ。おし、おしりいじっちゃらめですぅぅ。感じすぎちゃうっ、あ、あ、あはぁぁっ!」
「可愛いな、白亜は。ほら、唇からヨダレが垂れてるよ。拭いてあげるから頭を動かすのを少し我慢しなさい」

 勇輝がやんわりと娘を諭し、つぅと唾液の筋を引く白亜のあごに唇を寄せる。
 御主人様の優しい口調の命令に従おうとし、白亜は必死で、はしたなく動く自分の身体を制御しようとした。
 勇輝の舌の感触が、白亜の顔を這い回る。
 不快ではない。逆だ。心地よく、嬉しい。

「ふぁ、とうさま、お父様、すき、しゅきぃぃ」

 あえぎ声に混じり、無意識のうちに思慕の言葉が白亜の口から漏れた。
 勇輝の指が、白亜を虐めるようにお尻の中で曲げられた。開発され感度が高められたアナルが広げられ、白亜の努力も空しく身体が跳ねる。

「とおさ、とおさまっ! らめ、らめです。おし、おしりいいっ。いいんですっ、あっ、あぅ、おしりこわれちゃう。は、はあぁぁぁ!」

 もう何を言っているのか、白亜自身にも分かっていない。
 分かってはいないが何か言わなければ、自分の身体がばらばらになるような、壊れてしまいそうな圧倒的な快楽に後押しされて、彼女は叫んだ。
 びくっ、びくっ、と白亜の身体が痙攣する。
 白く泡だった大量の愛液が、またがっている勇輝の太股を濡らした。

「はやぁ。あふぁ、……ごめ、ごめんなさいお父様っ。言いつけ、守れませんでした。白亜は悪い子です。お父様が我慢しろっておっしゃったのに、白亜は、はしたなく逝ってしまいました……」

 沈んだ声で言い、白亜は頭を下げた。
 目に、涙が滲んでいる。
 守れなかった。
 お父様の、御主人様の命令は絶対なのに。
 悲しい。
 命令を守れなかったのが悲しい。
 誕生日プレゼントとして処女を捧げる機会が遠のくことよりも、御主人様の言いつけに従えなかったことが悲しかった。

「気にするな」
「あっ」

 勇輝の手が、白亜の緋の混じった黒髪を優しく撫でた。
 温かい。
 白亜の胸の中を、性欲とは違う何かがじんわりと浸してゆく。
 目じりにのばされた勇輝の指が、少女の涙をぬぐった。

「ごめんな、白亜が可愛いからつい意地悪な命令をしてしまった」
「でも、守れなかったです」
「今回は気にするな。命令だ。それよりもまだ僕は白亜の処女を貰ってない。続けていいか?」
「は、はいっ。お願いします。お願いしますお父様っ」
「僕にまたがって、自分で挿入して欲しい。できるか?」
「はいっ!」

 元気よく白亜は答え、新たな命令と失態の返上の機会に心を躍らせた。
 白亜は身体を浮かす。
 太股を開き、羞恥と興奮に染まった顔を勇輝のそそり立った肉棒に向ける。
 くちゅ、と音がした。
 先走りを滲ませた勇輝の亀頭が、自分の膣口にあたっている。
 始めては痛い、と先輩奴隷や母親から聞いたことがあった。
 処女膜を破るのはかさぶたを剥ぐ行為と非常に似通っている。
 処女膜自体に神経はないが、膜と繋がった周囲の皮膚が引き攣れて痛みを感じるのだそうな。
 しかし何より痛いのは、かさぶたをはいだばかりの軟い皮膚をこすられるように、肉棒によって埋め尽くされ蹂躙されることだと聞いた。
 嬉しい痛みだ。
 単純な肉体的な快楽だけで、御主人様と繋がっていることが確認できるから。
 自分の身も心も、御主人様のモノであることが確認できるから。
 ピアスを、乳首につけていただいたときのように。
 痛みは、すぐに快楽に変わるとも聞いた。
 何度か抱かれるうちに膣内の粘膜が肉棒の刺激に順応し、感覚神経が開発されるためだという。
 その快楽が、嬉しい。
 自分の身体が御主人様によって作り替えられることが、実感できるから。

 孕ませて欲しい。

 そう、白亜は思った。
 いつか御主人様との間に出来た娘を自分と同じように奴隷として育て、御主人様に抱いていただくのだ。

「ん、う゛ぅっ!」

 白亜が、腰を降ろした。
 愛液に濡れた少女の膣肉を掻き分け、太い肉棒が入ってゆく。途中、膣内にある何かが肉棒にあたる感覚があった。
 処女の証が、御主人様のモノにあたっている。
 ついに、純潔を捧げられる――胸にじわりと来る興奮や感動と共に、体重を降ろした。
 ぷちっ、と頭の中に音が響いた。

「うあっ!」

 亀頭のエラ、肉棒の太い部分がこそぎとるように未開拓の処女地を蹂躙した。
 鋭い痛みに白亜は声をたて、次いでくる鈍い痛みに顔を引きつらせた。
 目の前にある御主人様の胸にすがりつき、抱きついた。
 いやらしくしこった胸の先が、御主人様の胸板で押しつぶされる。右の乳首につけたピアスから、甘い痛みがした。
 はぁ、はぁと白亜は呼吸を整える。
 視線を下に置くと、白濁した自分の愛液にうっすらとした赤い筋がついているのが見えた。

「ん……うれし……」

 勇輝に抱きつく腕に力をこめ、繋がったままでキスをする。
 子宮が熱い。
 快楽と痛みとがごちゃまぜになった強い刺激の中で、ギリギリのところで痛みが勝っている。そんな感じだ。
 幼い頃から奴隷としての教育を受け、母親の手でアナルを開発されて絶頂を知っているためだろうか。
 白亜の身体は、膣奥を蹂躙する勇輝の太い肉棒にすぐに順応をしはじめていた。

「ん、ぁ」

 勇輝が腰をゆする。
 白亜が声をあげた。
 その声には、既に艶めいた甘いものが混じっていた。

「とうさ、おとうさま……おとうさまっ!」

 勇輝の汗の匂い、体温、呼吸の音。それらが白亜を興奮させる。
 身をこすりつけ、膣奥を肉棒にふさがれた少女は男を呼ぶ。
 勇輝の指が、少女の後ろの穴に差し込まれた。
 日常的に調教されたそれは、勇輝の人差し指と薬指を難なくと受け入れ、粘膜が絡みつくように勇輝の指を刺激した。

「はぁ、ぁあぅ! おしりっ、ゆびが、お父様のゆみがおしりにぃぃっ。あひゃ、ひゃふっ! 曲げちゃらめ、らめなのっ、おとうさま、かんじすぎちゃっ、変になるっ。おしりだめ、だめですぅ、ぁ、はぁあああっ!」

 快楽の奔流に飲まれ、紗の混じった黒色の髪を振り乱す。
 絶頂の波をこらえきれず、白亜はびくん、びくんっと身をふるわせた。
 それにあわせるかのように、勇輝は肉棒のたぎりを解放した。

 どくっ、どくっ、どくっ、どくっ、どくっ。

 大量の白い精液が、少女の膣奥へ注ぎ込まれた。

***

 奴隷として育てた娘の前の穴を、初めて犯した。
 実にいい具合だった。
 なので勇輝は、白亜の母親であるマリアにご褒美を与えることにした。
 三脚に固定した無機質なビデオカメラ。その視線を意識しながら、母親とその娘は御主人様への奉仕を始める。
 後でダビングして、白亜とマリアさんにあげますと勇輝は言った。ついでに、勇輝が暇な時に鑑賞して自慰のネタにするかもしれないとも。
 その言葉に、もともと欲情していた白亜とマリアの瞳がさらに蕩けた。
 むにょりと、マリア・フォルスタットの豊満な胸が勇輝の肉棒に押し付けられている。
 逆の方向から、白亜・フォルスタットの小ぶりな胸が勇輝の肉棒に押し付けられていた。
 白亜の右の乳首につけられた硬骨なピアスの感触が、おっぱいの柔らかさの中でほどよいアクセントとなり心地よい。

 ぴちゃ、ぴちゅちゅ……ちゅ、ちゅる……

 胸に収まりきらぬ亀頭に挨拶するように、白亜の桜色の唇が何度もキスをする。
 マリアもまた、自分の娘と同じように御主人様のモノを愛しげに眺め、胸を左右から擦り合わせ、同時に肉棒へと舌を這わせた。
 時折、母娘の唇が触れる。
 互いの唾液をまぶすようにテカった肉棒の上で、豊満な胸を持つ母と小さな胸を持つ娘は唇を重ね合わせた。

「2人とも、随分と淫乱になったな」

 勇輝が穏やかな声音で言い、犬か猫のような愛玩動物にするように頭を撫でる。

「んっ……御主人様のせいですわ」
「私の身体も、心も、お父様に満足していただくためにありますから……」

 はぁ、と桃色の吐息をついて、母娘が言った。

「マリア。白亜。身体を重ねて寝そべって。2人のお×んこをつかってあげる」
「はいっ、お父様」
「かしこまりました、御主人様」

 白亜、マリアの順で言い、2人は嬉々として御主人様の命令に従った。
 マリアが仰向けに寝そべり、その上に抱かれるようにして白亜が横たわる。
 未だ30代の膣と、10代も後半になったばかりと言っていい少女の膣がひくりと蠢き、蜜を滴らせて御主人様のモノを淫らに誘っていた。
 勇輝が肉棒を2人のお×んこの間に差し込み、愛液をからめるようにして擦る。
 先に、母親の腰を掴んだ。

「んはあああっ!」

 目の前で娘を犯され、おあずけを喰っていたマリアの熟れた膣内に、ずっぷりと勇輝のモノが挿入された。
 膣奥を叩かれ、ブリッジするようにマリアの腰が跳ねる。
 大きな絶頂の波に翻弄されているのだろう、びくん、びくん、と彼女の身体が海老のようになんども痙攣した。

「お母さん、すごいえっちな顔をしてる……」

 熱に浮かされたような、どこか虚ろな目で、白亜は自分の目の前で犯される母親を見つめた。
 不意に。
 甘え心が浮かび、白亜は母親の乳首に吸い付く。

 ぴちゅ、ちゅっ、ちゅぅちゅぅ……

 うらやましいほど豊満な胸。
 両手でいやらしくこねあげ、おっぱいを求めるようにちゅうちゅうと唇と舌で乳首を転がす。

「だ、だめよ白亜っ、あ、あはっ。そんなにおっぱい揉んだらっ、すぐにまた……あ、ああ、いい……御主人様もぉ……お、お×んこをそんなに虐めたらぁぁ」
「いいよ。僕ももうすぐだから、娘の前ではしたなく逝ってしまえ」
「は、あぁあああっ!」

 マリアが、ひときわ高いあえぎを出す。上にのる娘の背中をかき抱きながら、激しい絶頂に達する。
 膣が蠕動し、男の射精を促すように内側へと襞を動かした。
 勇輝の肉棒が爆ぜた。
 どくっ、どくっ、どくっ、どくっ。
 たっぷりと、白濁を注ぎ込んだ。
 肉棒を引き抜いたとき、ごぽぉと白く泡立った精液と愛液の混合物が、マリアの太股を滴り落ちた。

「いいなぁ、お母さん……。お父様のでこんなに感じさせてもらえて……。膣だしまで……」

 つぶやくように、白亜が言う。
 その少女の腰を、勇輝が掴んだ。

「白亜も、すぐに感じるようになるよ」

 ささやき、耳たぶを甘く噛む。
 母親の愛液で濡れた肉棒を、先ほどまで処女だった娘の中へと突き入れた。

「んああっ!」

 鋭く、白亜の声が漏れる。
 痛みからではない。気持ちよかった。
 気持ちいい。
 頭が真っ白になり、何も考えられなくなる。
 駄目だ。
 自分だけが快楽を貪るだけでは、駄目だ。
 御主人様にも、気持ちよくなって欲しい。そう思い、途切れそうな意識を奮い立たせる。

「ごしゅじんさまぁ、如何ですか、白亜のお×んこの具合は……?」
「ああ、すごく……いい」

 腰を振る勇輝の声が、かすれていた。
 感じてもらえている。
 御主人様に気持ちよくなっていただいたことが分かり、白亜は嬉しくなった。
 肉棒の動きにあわせ腰を振る。
 先ほどまで処女の白亜だったが、アナルを犯されていた経験から、どうすれば喜んでもらえるのかの勝手は分かっている。
 御主人様に気持ちよくなっていただけるように。
 奴隷の身体を堪能していただけるように。
 白亜は、自分の身体を動かす。
 勇輝の動きが切羽詰ったものに変わっていった。

「そろそろ出すよ」
「んっ、はぁ、はい……膣に、白亜のお×んこにたっぷり出してくださいっ! お母さんみたく、白亜のお×んこを精液まみれにして妊娠させてくださいっ!」
「ああっ!」

 勇輝がうなづき、腰のグラインドを速く、深くする。
 ぱち、と白亜は頭に電流が走り、視界が真っ白になるのを感じた。
 父親であり御主人様である男からもたらされる圧倒的な快楽に、脳が焼かれるように頭が熱い。

「はぁぁぁぁああっ!」

 膣奥をひときわ強くえぐられ、白亜は叫んだ。
 どく、どく、どくっ。
 子宮の中で卵子がおぼれそうなほどに、大量の精液が白亜の膣へと注ぎ込まれた。
 どぷりと、音がする。
 視線を股間に移すと、ぐちゃぐちゃとした白い粘液が肉棒と膣の隙間から逆流していた。
 妊娠、しちゃったかも……。
 そう考え、白亜は身を震わせた。
 それは、圧倒的な幸福感。
 奴隷としての至福を感じながら、白亜は意識を手放していった。

***

 勇輝がマリア、白亜の母娘を抱いた数時間後のこと。

「お盆ですか?」

 狭霧が聞き返す。
 勇輝はほうじ茶をすすりすすり、一口サイズに切りそろえられた羊羹を頬張りながらうなずいた。
 おやつの時間。
 勇輝は当然のように休憩を取る。
 彼の目の前には狭霧という名の女がおり、当然のことながら彼女も彼の奴隷の1人だった。
 同時に、彼女はこの洗脳研究室と洗脳実験室とを統括する部門長でもある。
 切れ長の瞳に、凛とした表情。
 迂闊に触れれば手痛い報復がなされるような、どこか攻撃的な気を狭霧は帯びている。
 クールビューティ。
 陳腐な表現が、よく似合う女だった。
 しかし今の狭霧は頬を緩め、つかの間ではあるがご主人様と2人きりであるという状況をかみ締めていた。
 瞳が、欲情に揺れている。同時に、理知的な光を宿してもいる。
 太ももの間からじわりと蜜が滲み、下着がべっとりと濡れてはいたが、その程度で理性を失うような柔い精神力の女はこの研究室にはいない。
 彼女らは奴隷であると同時に、技術屋としての能力と誇りがある。
 些細なミスが会社の利益や、社員とユーザーの命に関わるということを身を持って知っていたし、欲情して股を開くだけが能の女ならば即座に捨てられるということを、恐怖と共に理解していた。
 ちなみに今の彼女は身体のライン、特に胸のサイズを強調するタイプのメイド服を着け、襟から垂れる短い紺の飾りネクタイが豊満で柔らかい胸の谷間に挟まっている。
 服装と相まって、実にけしからんおっぱいだった。

「お盆は味気ないすごし方でしたね。部屋の掃除をして洗濯をして母の看病をして、で、余った時間で映画を見に行ったり、後は溜まった本の処理とか、中学校の同窓会とか。ああ! そういえば同窓会で、御主人様が好みそうな人妻を見つけました。某大物官僚の親族ですので、それなりに役立つと思います。洗脳して連れてきてよろしいでしょうか?」
「そですね。分かってると思いますけど単独行動は危険なので諜報部から黒服を2、3人つけてもらって、事後処理にまわして貰ってください。アシがつかないようにね」
「はいっ。任せてください」
「期待してます」

 ペットの犬にしてやるように、勇輝の手が彼女の――狭霧の頭を撫でる。
 はぁぁ、と狭霧の唇から熱いため息が漏れた。
 頬が赤い。
 勇輝に頭を撫でられ、調教し尽くされた心と身体が欲情と歓喜にうち震えた。
 すっ、と御主人様の手が離れた。
 狭霧は理性を総動員し、乱れた呼吸を整えはじめた。
 休憩中とはいえまだ就業時間内だ。
 御主人様が望めばいつでも身体を使って頂きたいと思ってはいるが、一方で仕事をきちんとこなさなければならないとの理性もある。
 息を何度か吐き出し、気を持ち直した。

「ご主人様はどうされていたのですか?」
「日本各地を巡り歩きつつ仕事と趣味の追求ですよ。ほら例の遺伝子レベルで暗示のキーワードを刷り込む計画があったでしょう。一世紀くらい前に仕込んだ家庭が何組かあったんで、各地を訪ねておいしくいただいてきました」
「ああ、もうそんな時期でしたか」
「ええ、そんな時期です。月日の流れるのは早いですね。そいや犯した中に、僕が血迷って籍を入れてやった女の子孫もいたなぁ。僕と同じ橘の姓を名乗ってましたけど、狭霧さんと同じく実にけしからんおっぱいでした」

 勇輝の手が伸び、無遠慮に狭霧の胸をメイド服の上からまさぐった。
 勇輝に愛撫されることを想定して、狭霧はあらかじめ上の下着はつけてはいない。ために、エプロンドレスの布地と乳首とがこすれて気持ちいい。
 大きさと重力に反発する理想的な張り、それに柔らかさを持った双乳は、勇輝の手の中でいやらしく変形した。

「んっ……、お褒めいただき光栄です、御主人様」
「それでですね、旅行中に色々なご家庭で種付けしたんで運が良い何組かが孕んでると思うんですけど、あれって理論上は何代目まで暗示のキーワードが効くんでしたっけ。確かあのプログラムの担当は狭霧さんがメインで引継ぎをしていて、アイーシャさんとミーシャさんを助手につけてしばらく研究してましたよね」
「ぁあ……は、んっく……はい、……おそらく200年ほどは安定した効果がっ……遺伝子を書き換えた洗脳用ウィルスの減衰率は10年で約1%ほどですし、代替わりしても赤ん坊は母親からの遺伝に加え、高濃度のウィルスが混じった母乳を摂取しますのでかなり安定しているはずので……2時間下されば詳細なデータを引っ張ってこれま……あ、はぁぁ、おっぱい気持ちいいっ……」
「提出は明日まででいいですよ。その代わり暗示のキーワードに変化をつけられるかどうか検討してください。キーワードを固定したままでもいいですけど、僕以外の人に操られる危険性を取り除いておかないと後々つまらないことになるかもしれない」

 そこで言葉を切り、勇輝は身悶える狭霧の耳元に唇を寄せた。
 ささやくように、言う。

「上手い案を考えたらご褒美に抱いてあげる」
「ぁあっ、はいっ……。畏まりました、御主人様っ……」

 声がかすれ、吐息にあえぎが混じる。
 敬愛する主に胸を揉まれた狭霧の腰は、自然にのけぞる形となった。
 図らずもそれは、勇輝が揉みやすいように胸を突き出す姿勢になっている。
 狭霧は絶頂をこらえるために肩を震わせ、快楽に浮かされ潤んだ瞳で天井を見上げた。

「逝きたいなら、逝っていいですよ? ご褒美の一部を前払いということで」

 勇輝が許可を出す。そして、胸を揉む力を強くする。
 人差し指と親指の腹が狭霧のいやらしいおっぱいの頂点を探り当て、爪を軽く立てながらかさぶたをこそぎ取るように刺激した。

「う゛、あ゛っっ!」

 ご主人様に許可をいただけたことによる精神的な開放感と、強くなった胸の刺激による肉体的な快楽が狭霧の脳を焼いた。
 反射的に身をよじり、くぐもった声を出す。
 狭霧の身体が跳ね、びくん、びくん、と海老のように痙攣した。
 胸の刺激だけで達してしまったのだ。
 ショーツでは吸収しきれなかった水分が太ももを垂れ、ガーターベルトで吊ったニーソックスをじわりと変色させる。
 勇輝は彼女が達している間も容赦なくそのいやらしい乳房をこねあげ、搾乳するように強く引き絞った。

「ごしゅ、ごしゅじんさまっ、……あっ、あっっ、らめ、らめですぅぅ。そんなにされたら、私、いっちゃいますっ!」
「かまわないよ、ほら」
「はぁぁぁぁぁぁっ」

 休憩室に、女の声が響いた。

***

 勇輝の君臨する製薬会社は、暗黒的な側面だけを持つものではない。
 WHOにかなりの額を出資しており、天然痘の根絶やマラリアへの対策、HIVやクロイツフェルト・ヤコブ病の発症を遅らせる薬の開発に成功している。
 戦火の絶えない国に人員を派遣し、医薬品を届けたりもする。
 企業としてそれ相応の利潤を追求していなければ、その功績は歴史の教科書に載っていてもおかしくないほどのものであった。
 加えて、ノーベル賞級の人材を多数擁しており、給与を含めて最高の研究環境が保障されるということで、毎年必ず就職したい企業の上位に入っている。
 創業は非常に古く、その歴史はアメリカ開拓時代はおろかアリストテレスの活躍した時代の錬金術師ギルドにまで遡る。
 最近では勇輝の趣味によって高度経済成長期に日本に本社を移していた。

 勇輝は歳をとらぬ。
 国籍も定かではない。勇輝という名前も偽名であり、彼の本名を知る人間はいない。
 誰を母親に持ち、どういう目的で会社を設立したかも謎だった。
 だが何故歳をとらぬのか、そして彼は何者なのか――どういう生物であるのか――ということを調べようとする人間は、少なくとも彼の傘下にはいなかった。
 調べる必要がないからだ。
 奴隷にとって勇輝は御主人様であり、この世で唯一仕えるべき存在である。それが、全てであった。
 彼以外の男には指一本触れさせず、逆に彼に愛でてもらえる時には至福とでも表現すべき無上の悦びを感じる。
 だから彼の国籍や生態などは瑣末なことであり、御主人様が歳をとらぬということは奴隷として好ましいことだった。

 歳をとらぬことを表に曝け出しくないのだろう。
 彼はあまり、人前に姿をさらさない。
 代わりに会社の運営のかなりの部分を取り巻きの奴隷に任せ、また目星をつけた有能な人材は長年会社が蓄積した洗脳技術を駆使して引き抜いていった。

 先に述べたように、勇輝の設立した会社には裏の顔がある。
 1つは精神課と呼ばれる部門であり、そこは洗脳実験室と洗脳研究室の2室に分かれる。そこでは文字通り人の心を操り、支配するためのさまざまな研究が成されていた。
 1つは肉体課と呼ばれる部門であり、主に人体改造による軍事用の兵の創出や脳改造による運動能力の向上といった非人道的な戦闘生物を作製している。
 最後の1つは諜報部であり、精鋭の諜報1課から7課までがある。ここは陰に陽にと働き、さまざまな事案の証拠隠滅・後始末・各方面への交渉などを一手に手がける。

 さて。
 勇輝はセックスする際、必ず避妊なしで女の膣内に精液を流し込む。
 そうなれば当然、妊娠する女が出てくる。
 産まれてくる赤ん坊が女の子ならばよい。
 それなりの資金を与え、洗脳し奴隷とした母親の手によって産まれた時から忠実な奴隷として育てさせる。
 有能な人材になれば召し上げて会社に貢献してもらうし、そうでなくても後々に色々なコネクションとして活用できる。
 狭霧の例のように、使えそうな人材を新たな奴隷として引き込んでくることもある。
 では、男の赤ん坊はどうするか?
 一部は人体実験用のサンプルとして生かされる。そしてそれ以外の不幸な者はというと。

 解体して、売り捌かれる。

 値段は取引される地域によって異なる。
 先進諸国の平均的な相場で心臓が2千万から1億円。角膜が両方で数百万から2千万円弱。肝臓、すい臓がそれぞれ数百から1千万円。
 その他の臓器も骨も皮も髄液までも含めて、総計で数千万から2億円。それが人間の値段だった。
 さらに詳しく言えば人種や血液型によってかなりのばらつきがあり、特定の血液型の白色人種は内臓に病気を抱えるアメリカの富豪に需要がある。また、生きた人間から摘出した臓器は、死体からのものよりも性能が高くプレミアムがつく。
 ちなみに金額には口止め料や手術費、術後のアフターケアなどの報酬も含まれており、総合的には他の闇ルートよりも割安だと評判だった。

 これに対し、人体実験の被検体として生かされた方も、あまりよい人生は用意されない。
 脳に電極を通して感情の起伏を読み取られたり、軍事用のさまざまな肉体改造手術の実験体になったりと、ある意味では死ぬより辛い道が待っていた。
 そういった容赦ない非人道的なデータの蓄積が、洗脳の精度を高め奴隷化の技術を洗練させる。
 赤ん坊の母親は、自分の子供が解体されることに異議を申し立てない。
 むしろ、女の子供を奴隷にする時と同様に光栄に思っている。
 資金面で御主人様に貢献できるのだ。喜びこそすれ、それを嫌がる理由など何もない。
 彼女らは奴隷である。
 身も、心も、魂すらも捧げた奴隷である。
 奴隷がはらんだ子供もまた御主人様の所有物たる奴隷であり、それを犯そうが売りさばこうが、全ての決定権は御主人様にある。
 そして御主人様に貢献できることこそが奴隷の存在意義であり喜びである以上、異議など差し挟みようがない。

「キ○ガイすれすれの鬼畜ぶりだにゃ」

 声がした。
 女の声が。
 それは彼の奴隷のものではなかった。
 勇輝は目をしばたたかせ、いつでも逃げられるようにつま先立ちになり腰を落として――その女の方へと振り向いた。
 腕を組んでいる。
 仁王立ちだ。
 ぽかんと彼女を見つめてから、すぐに気を取り直して勇輝は声を絞り出した。
 怖い。
 恐怖で、情けないほど足がすくんでいるのが分かる。喉がカラカラに渇いていた。

「メルファ様、ですか……?」
「そうだにゃ。メルファルファーニ・アカメナ・レッド様だにゃ」

 少女は肯いた。
 両手に、16オンス相当の肉球ぐろぉぶを装備している。
 ネコミミだった。

< 続く >

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