ジュエルエンジェル 第六話

第六話 「ルビーの章」2

 それから数日たった夜の駅。
 終電のドアが開き、ごくわずかな乗客たちががらんとしたホームに降りてくる。
 そのなかに赤ら顔の中年サラリーマンの姿があった。
「ふい~っ、まいったまいった。接待につきあってたらもうこんな時間ですってか」
 いい具合に酔っ払った男は、腕時計を見ながらおどけたように言う。
 誰に向けてでもない、酔っ払い特有の独り言である。
 人気のないホームで一人はしゃぐ自分に気付き、男は幾分酔いが冷めた。
 そして頭をかきながら今度は誰にも聞こえないほどの声でぼやきはじめた。
「・・・うちのカミさん、もう寝てるだろうな。くそっ」
 結婚したてのころは、どんなに遅くなっても必ず起きて待っていてくれたのに。
 それが今じゃあすっかりと変わってしまった。人柄もだが―――特に容姿が。
 あんなにふてぶてしく、そしてでっぷりとなられては愛情は反比例してやせ細るというものだ。
 おかげであっちの方もすっかりご無沙汰になっている。
「あ~あ。もっと小遣いがありゃあ、かわいい女の子に援助してあげるのになあ。へへへ」
 また酔っ払いの独り言を始めながら改札口を出た男は、身体をぶるっと震わせる。
 少々飲みすぎたらしい。下腹部に結構な量の液体が溜まっているのが感じられた。
 男は駅の外へ出ようとしていた足を、トイレの方向へと変えた。

 ふらふらとトイレに入った男は、少し意外そうに中を見回した。
 こんな時間だというのに個室の扉が全て閉まっていたのだ。
 珍しいこともあるもんだと思いつつ、男は便器の前に立ちジッパーを降ろす。
 と、個室の扉が一斉に開いた。
 何気なくその方向に顔を向けた男は、目が飛び出さんばかりに見開いたまま硬直した。
 個室から出てきたのはいずれも年若い女の子だった。
 落ち着いた感じの大人の女性と制服を着た端正な容姿の少女、そしてなぜかレオタードを着た少女たちが男を囲むようにして群がる。
 言うまでもなく、玲香と奈津子、そして新体操部の少女達である。
「こんばんは」
「こ、こんばん・・・は」
 にっこりと笑って挨拶をする玲香につい男もつられて返事をしてしまう。
 逃げ出したい衝動に駆られたが、少女たちが周囲を囲んで通してくれそうもない。
 しかもイチモツは出ぱなっしで、先ほど中途半端に力んだだめ今にも漏れ出しそうになっていてとても動ける状態ではなかった。
「き、き、キミたち!おじさんに何か用かね!?」
 男は必死に平静を装う。
 玲香はチロリと唇を舐め、ゆっくりと男に歩み寄る。
「はい。お手伝いをしてあげようと思って」
「お・・・お手伝い?何をだい」
「おじさんがおしっこをする、お・て・つ・だ・い♪」
 鼻にかかった声でとんでもないことを口にする玲香。
 背後から男に抱きつくと、宙ぶらりんになっている男根をつかんで指でこすりはじめる。
 少女の柔らかですべすべとした手の感触と刺激よって強まる尿意に男は身を震わせた。
「あ、ああ、そんなこと・・・」
 男は今にも漏れ出しそうになるのを必死になってこらえる。
 そこに、大学生くらいの青年がトイレに入ってきた。
「いらっしゃ~い!」
「トイレにようこそ」
 新体操部の少女が二人、素早く青年のもとへ駆け寄って両腕を絡めとる。
「う、うわ!なんで女が男子トイレに!?」
 困惑する青年を小便器の前まで引きずってくると奈津子が玲香と同じように背後から抱きつく。
「よし。私が手伝おう」
 ジッパーをずり下げペ○スを引きずり出すと、狙いをつけるようにして亀頭を前方に向けさせる。
「さあ、遠慮せずにおしっこを出してくれ」
「ちょ、ちょっと!困るっス!」
「緊張しているのか?仕方ない」
 奈津子は爪先で尿道口をつつきながら男の耳に舌を滑り込ませる。
 青年の身体から急激に力が抜けていく。
「うおっ!そ、そんなことされたらっ・・・あああ~!」
 目を強くつぶって声を絞り出しながら青年は放尿した。
 その光景をじっと見ていた男は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 玲香が耳元でささやきかける。
「さあ、おじさんも我慢しないで出しちゃってください」
「あ、ああああ!もう限界だ!」
 観念した男は排泄の欲求に全てを委ねる。
 事態の異常さ故か、まるで射精をしているかのような快感を伴って小便が放たれた。
 男の頭が真っ白になる。
 長い長い排泄が終わると、玲香はペ○スを振って滴を切った。
「はい、終わりましたよ」
「あ、ああ。どうも・・・」
 礼を言う男のペ○スが徐々に膨らみを増してくる。
 それを見て取った玲香は竿を手のひらに収めるとリズミカルにしごき始めた。
「ついでだから抜いておきましょうね」
「うはあああっ、こ、これは!・・・い、いくら出せばいいんだい?」
 これはもしかして新手の援助交際なのかもしれない。
 先ほどの独り言を思い返し、男は玲香に尋ねてみた。
「お金なんていりません。気持ちよくなって、いっぱい出してくれたらそれでいいんですよ」
 玲香はそう言って両手でペ○スをこね回す。
 彼女の言葉と手さばきが逃れられない悦楽の鎖となって男を縛っていく。
 一方、奈津子も興奮して硬くなった青年のモノを愛撫しはじめた。
「ずいぶん溜まっているようだな。オナニーはしていないのか?」
「こ、ここ最近忙しかったっスから。あ、うおお」
「そうか。なら私が全部絞り出してやるから、じっとしているんだぞ」
 子ども扱いの口調で言うと、奈津子はさらにこするスピードを上げる。
 それに逆らう理由などどこにもない。青年は隣の男同様に快楽に身を預けた。
 ほどなく二人の先端部からカウパーが滲み出はじめる。
「ビクビク脈打って・・・気持ちよさそう。でも、もっとよくなるんですよ。―――川上さん」
「はーい♪」
 玲香が声をかけると、背後で待機していた少女たちの中の一人が元気良く手を上げて返事する。
 その少女は嬉々とした表情で玲香の虜となっている男に近づきズボンをずり下げた。
 玲香が男のペ○スを握ったまま身体を側面にずらす。
 すると少女はしゃがみこみ、尻の割れ目に顔を勢い良く突っ込んだ。
「はぷっ・・・んんん~っ」
「うはあああああ!?」
 尻穴の皺を一本ずつ舌で引き伸ばし舐め尽くされる感覚に、男の腰がビクンと跳ねる。
 まるで電気が伝うかのように尻穴からペ○スへと快感が送り込まれてくる。
 川上と呼ばれた少女は男の腰をしっかりと掴み、さらに勢い良く吸い付いた。
「んふう、チュウウウウーッ!れろれろ・・・」
「・・・・・・・・・っ!!!」
 男はもはや言葉にすらなってない叫び声をあげ、勢い良く射精した。
 こすりあげる玲香の手に導かれるようにして、多量の白濁液が放物線を描き小便器に降りかかる。
「ふふふっ。さあ、キミもしてもらうといい。好きな子を選んでいいぞ」
 奈津子にズボンをずり下げられた青年が振り向くと、少女たちは口を大きく開け舌をいやらしく蠢かし誘ってきた。
 どの顔も淫猥な期待に満ちあふれ、青年の尻穴を心から欲している。
 思わず射精しそうになるのをなんとか堪えると青年は上ずった声で言った。
「じゃ・・・じゃあ、ポニーテールの子でお願いします」
「やったあ!うふふふ、いっぱいほじくってあげるからね」
「あーん、いいなあ」
「ふっふーん。アンタたちはもっと下品に舌を動かさなくちゃね」
 仲間から羨望の眼差しを受けるポニーテールの少女は、少し得意気な面持ちで青年の尻に舌を突き入れた。
 腸壁を抉り、一旦引き抜いて周囲を舐めまわすと再度侵入させる。
 恋人とディープキスをするかのように大胆に腸内をかき回すと、青年の身体がガクガクと大きく揺れた。
「あっあっ、出るう―――っ!」
 責めに耐えられず青年は溜まった精を放出する。
 奈津子は強めに竿をしごいて青年から精液を残らず吐き出させてやった。
「うふふふふっ・・・どうでしたか?すごく感じたでしょ?」
「ふふ、こっちもたっぷり出したな」
 未だ恍惚感に意識が飛んでいる男たちの男根を弄ぶ玲香と奈津子。
 その手の中にイクラの粒のようなものがあった。
「それじゃあ、最後にプレゼントをあげますね」
「受け取ってくれ」
 そう言うと二人は男たちの尿道口にその粒を押し付け、無理矢理中へねじ込んだ。
「クスッ、やっぱり精液を出させるとスムーズに入るわね」
 苦痛に男たちの口からうめき声が洩れる。
 と、その粒が動き出し、体内へと逆流していく。
「あ、あががが・・・ががっ」
 目をカッと見開いて天井を仰ぐ男たち。
 その男根がみるみるうちに膨れ上がり、尋常ではない大きさになった。
「うふっ。今あなたたちにあげたのはね、人間に寄生して、とり憑いた場所の機能を異常促進させる生物兵器の卵なのよ」
「ペ○スに憑ければ御覧の通りだ。脳が少々やられるが気にしないでくれ」
 すでに人間としての理性を失いつつある男たちの顔を優しくなでると、玲香と奈津子は少女たちに目で合図をする。
 待っていましたとばかりに少女たちはきゃあきゃあと黄色い声をあげながら、特大ペ○スにむしゃぶりついた。
「やっぱこの寄生虫すごいよねー。チ○ポがこんなに大きくなるなんて」
「とても美味しそう・・・ぴちゃ、れろっ・・・」
「ぺちゃ、ちゅ、くちゅ・・・っ。きっとチ○ポ汁もたっぷりと詰まってるわね、れろ、ぴちゃ」 
 ぴちゃぴちゃと音を立てて少女たちは夢中で吸い付いていく。
 男たちはへらへらとだらしのない笑みを浮かべ、涎を垂らしながらその快楽に酔いしれる。
「ねえ、いっぱい飲ませてえ」
 一人がそう言って亀頭を口いっぱいに頬張った。
「あーっ、ずるいよそれはぁ」
「独り占めはだめ!私だって精液飲みたいんだから」
「仲良くぶっかけてもらおうよ~」
 他の少女たちが不平を漏らしながら亀頭を口から引きずり出し、全員で先端部を愛撫し始める。
 愛撫が一点に集中したことで刺激が強まり、男根が大きく痙攣する。
「う、うごおおおおおおおおおっ」
 獣のような声と共に人間とは思えないほどの量の精液が発射され、少女たちの顔に降り注いだ。
「きゃあっ、すごーい」
「あは、このチ○ポ汁おしっこ臭くて最高!」
「こ~んなに粘って糸引いて・・・ん、おいし」
 自らの放った精液をむさぼる少女たちを見下ろし、男たちは満足そうに荒い息を吐き出す。
「どう?さっきの数十倍はよかったでしょ」
 玲香が声をかけると男たちは間を置かずに何度も頷いた。
「私たちに従えば、この快楽をずっと味わうことができる。わかるだろう?」
 奈津子の問いに男たちはまた大きく頷く。
 玲香と奈津子は互いに笑みをかわしあった。
「よし、なら今日はこのまま帰れ。こちらの命令があるまでは普段通りに過ごすんだ。いいな」
 男たちは奈津子の命令に従順に従い、トイレを去っていった。
 奈津子がふと玲香に尋ねる。
「今ので何人目だったろうか」
「そうね、合計で六十人目くらいかしら」
「うーん・・・それぐらいいれば充分だろう」
 そのとき玲香の携帯電話がメロディーを奏でる。
「浅子?そっちはうまくいった?」
 玲香がそう聞くと、電話の向こうから浅子の弾んだ声が耳に届く。
『バッチシ!駅員は全員堕とせたよ』
「本当に?ずいぶん簡単だったのね」
 驚く玲香に浅子はクスクスと思い出し笑いをしながら答える。
『それがさあ、レオタード姿がそそったのかこっちを見た途端チ○ポ大きくなってるのよね。”公衆便所で~す♪”って言ってしゃぶってあげたらあっさり射精しちゃうし』
「浅子ったら、サービスしすぎよ」
 玲香も楽しそうに笑うと電話を切り、奈津子に向きなおる。
「下準備は整ったわ。後は仕掛けるだけね」
「あれから三日か。沙羅の方もいい具合に仕上がってるだろう」
 奈津子は期待のこもった声で言うと、床に座り込む少女の一人の頬から精液をすくいとって口に含んだ。

「――――――あっ!!!!」
 アパートの自室のベッドに身を横たえて、沙羅は今日四回目の絶頂を迎えた。
 オーガズムのショックで視界に靄がかかり、身体は硬直して思うように動かない。
 ただ指先だけが余韻を求めて股間をまさぐっていた。
 たった今イッたばかりなのに沙羅の心はすでに次の快楽を求めはじめている。
 それに抗うことができず、沙羅はぐちょぐちょに濡れきった秘所に指を入れるとさらけ出した胸を揉んで五回目のオナニーを開始した。
 さすがに疲労のために動きが鈍くなり、うまく快感を引き出すことができない。
 沙羅はじれったさに涙を流しながらも身体をいじり続ける。
「こん・・・な・・・。オナニーが・・・エッチよりもいいなんて・・・んはっ」
 沙羅の口からもう何度言ったかわからない言葉が洩れる。
 スライムに含まれる媚薬の影響だろうか、そのオナニーは沙羅の知っているセックスの快楽をはるかに上回っていた。
 セックスの経験があるからこそ、今の快楽が絶ちがたい誘惑だとはっきりと沙羅には分かる。
「んっんんん・・・く、あはぁ・・・んっ、ああああああ!」
 指を根元まで秘所に埋め、膣内をかき回す。
 そして乳首と肉芽を同時に強くねじったところで、沙羅は五回目のエクスタシーを迎えた。
 はあはあと熱のこもった息を吐き寝返りを打つ。
 その目に目覚まし時計が映った。
「うそ・・・もうこんな時間!?・・・・・・バイト行かなきゃ・・・」
 何とか気力で身体を起こすと、沙羅は緩慢な動きで支度を始める。
 こんな状態になっていても何とか生活が続けられるのは、スライムの起こす催淫効果に波があるからだ。
 一度その効果が治まると次が来るのに半日以上の時間が空く。
 そのおかげで、スライムを貼り付けられたあの夜もなんとか帰ってくることができたのだ。
 そしてもう一つ。
 オナニーをするたびにスライムは小さくなるようなのだ。
 きっとオナニーを続けていればスライムは最後にはいなくなり、この異常な淫欲も治まるに違いない。
 そう思ったからこそ沙羅は快楽を受け入れてオナニーに励んだ。
 事実、スライムは徐々に小さくなり、先ほどのオナニーの結果小豆くらいの大きさにまで縮まっていた。
「あと少し・・・あと少しで、元に戻る・・・」
 やつれ気味の顔でブツブツつぶやき、沙羅はめげそうになりながらもバイト先へ向かった。
 

 疲れた身体を鞭打ち、ぼんやりとした頭をなんとか覚醒させながら沙羅はけなげにバイトに励んだ。
「ちょっとキミ大丈夫かい?気分悪いなら休んでもいいよ」
 などとバイト先の店長に心配されたくらいだから、傍目にも分かるくらいに疲労していたのだろう。
 勤務時間が過ぎ、店を出た沙羅の頭に浮かぶのは『早く帰ってぶっ倒れたい』、それだけだった。

 プラットホームに電車が滑り込んできて、扉が開く。
「はあ~・・・。お風呂入りたいけど、めんどいなあ」
 年寄り臭く肩をたたきながら沙羅は電車内に足を踏み入れかけ、ふと歩みを止めた。
 何か違和感がある。
 注意して車内を見渡しても特に不審な気配は感じられないのだが、何かおかしい気がした。
「・・・・・・?」
 首を傾げる沙羅。その後ろから咳払いが聞えた。
 振り返ると、そこには何人もの人が立ち往生している。
「わわっ、すみませんすみません!」
 慌てて沙羅は車内に飛び込み、人波をかき分けて自分の場所をキープした。
 発車ベルが鳴りドアが閉まる。電車がガタンと大きく揺れ、そしてゆっくりと動き出したその瞬間。
 モゾッ、と沙羅のお尻に妙な感触が伝わってきた。
「!?」
 反射的に腰が小さく跳ねた。
 その何かは沙羅の尻肉の上を滑るように這い回っている。
 どうやらそれは人間の手のようだった。
(何、アタシ今お尻触られてる!?ってことは・・・痴漢!?)
 驚きと羞恥を巻き込むように、ふつふつと怒りが湧き上がってくる。
 一発ぶん殴ってやろうかと思ったそのとき、今度は別の手が大胆にも沙羅の両胸を鷲掴みにして揉みはじめた。
「ひゃあっ!」
 思わず声が洩れた。
 破廉恥な二人組はまるで遠慮というものを知らぬ様子で、大胆に沙羅の身体をまさぐる。
(こ、こ、こいつらぁ~!よくもこんなに大勢の人がいる前で―――)
 そこまで考えた沙羅の顔がサッと青ざめる。
 立ち乗りしなければならないほど混みあった車内。それこそが違和感の正体だと気付いたのだ。
 こんな夜中の、しかも小さな町行きの電車がまるでラッシュアワーのような混みあいなのは明らかに異常だった。
 それに気付いて周囲をもう一度見回した沙羅の顔からますます血の気が引いていく。
 白髪混じりの中年、背広を着たサラリーマン、学生服を着た少年―――年齢こそ様々だが、車内にいるのは沙羅を除いて全員男だったのだ。
「ど、どういうこと!?」
 うろたえる沙羅に向かって、周囲の男たちが一斉に手を伸ばした。
 無数の手が沙羅にまとわりつき思い思いに愛撫しはじめる。
「やあっ・・!ちょっとやめてよ、バカァ~!」
 沙羅は必死に身をよじって抵抗する。
 腹を触っていた男の手をつかみ、ねじりあげようとした瞬間、
 ビクン!
 今度は股間に熱と刺すような甘い刺激を感じ、全身から力が抜けた。
 股間のスライムが催淫効果を起こしはじめたのだ。
「うそ、なんで・・・。まだそんな時間じゃないのに!」
 もうどうしようもなくパニックに陥ってしまった沙羅の両手ががっちりとつかまれた。
 柔道部でもやっていそうな大柄の男が、沙羅を押さえ込んで固定する。
 抵抗できなくなったのをいいことに、男たちはさらに大胆な行為に手を出し始めた。
 沙羅のシャツをたくし上げ、ブラを引きちぎるように剥ぎ取る。
「や、やだあ!やめてったらあ!」
 程よい大きさの胸がさらけ出され、男たちの視線を集める。
 そして二人の男が媚薬の効果でしこってしまった乳首を口に含み、勢い良く吸いはじめた。
「きゃはあっ!だめ、そんなに強く吸っちゃあ!」
 強烈な快感に、秘所から大量の愛液が溢れ出し太ももを伝って垂れ落ちる。
 それを確認した別の男がパンティに手を入れ割れ目に指を埋めた。
 突然の来訪者に膣壁が強く締まり、愛液が迸る。
「ひあっ、くはあ!んん・・・あはあっ!」
 口から涎を垂らして翻弄される沙羅の顔を、でっぷりと太った中年がつかむ。
 中年は顎を掴んで顔を上げさせると唇を重ね、口内に舌を滑り込ませてきた。
「ん―――っ!ん、んんん・・・んっ!」
 沙羅は目を白黒させて悲鳴を上げる。
 ・・・が、舌と舌が絡まりあうとその声に甘い響きが混ざり始めた。
 どういうわけか、舌がク○トリスのように敏感な性感帯に変化してしまっていたのだ。
 まるで剥き出しになった肉芽をつつかれているような感覚が湧き起こってくる。
「んふう―――っ!ん、んあ・・・ああああ・・・」
 (やだ、キモい・・・!・・・・・キモいのに・・・気持ちいいっ!)
 口内を蹂躙する中年の舌の感触に嫌悪感を抱きながらも、それを上回る快楽に沙羅の心がくじけていく。
 試しに舌の動きを止め、中年の舌を受け入れてみる。
 ねっとりと深く絡まりあった舌が蕩けるような幸福感を生み出した。
「んふっ、んじゅ・・・」
 今度は自分から中年の舌に絡ませてみる。すると自分で淫核を擦り付けているような快感に包まれる。
 こうなるともう舌の動きを止めることなどできなかった。
 さらなる快楽を求めて沙羅は中年と唇をむさぼりあい、舌を突き出してぴちゃぴちゃと唾液をまぶしてつつきあう。
 その間にも胸と股間部への愛撫は続き、さらに余った手が全身を撫でさする。
 絶え間なく送られる甘い刺激は、確実に沙羅を絶頂へと押し上げていく。
 そして中年が沙羅の舌を唇に挟んで強く吸い上げた瞬間、沙羅は達してしまった。
「ん、んんっ、んはあああああ!!」
 白濁した愛液を吹き出しながら沙羅はぐったりと頭を垂れる。
「・・・はぁ、はぁ」
 イッても中断されることのない愛撫に身体を震わせながら、なんとか呼吸を整えようとする。
 と、目の前のサラリーマンがおもむろにチャックを下げペ○スを引き出した。
「ひいっ!」
 視界に飛び込んできたその異常な大きさのモノに、沙羅は恐怖に染まった声をあげる。
 腕を掴んでいた男が手を離し、パンティを下ろすと今度は子供におしっこをさせるようなポーズで沙羅を持ち上げた。
 ぱっくりと口を開けたピンクの膣口がサラリーマンの目前にさらされる。
「いやあっ、無理だってば!そんなでかいの入るわけないじゃないの、バカ、アホーッ!」
 無駄とは知りながらも沙羅は必死の形相で罵倒する。
 男はそんな沙羅の暴言など全く耳に入っていない様子で太ももを掴んで狙いを定めると、一気に肉棒をぶち込んだ。
「あ、あ、あああああああああぁっ!!」
 電車の振動音をかき消すくらいの絶叫が車内に響き渡る。
 沙羅は口をパクパクと動かし、声なき声で喘ぎながら貫かれた自分の秘所を凝視していた。
 痛みのせいではない。
 想像を絶する快楽が身体の中で爆発したからだ。
 その快感は、セックスよりもいいと感じたあのオナニーよりも―――さらに強烈だったのだ。
 サラリーマンは最初から高速で抽送を繰り返す。
 媚薬の作用ですっかり貪欲になった沙羅の膣壁は、肉棒を締め付け淫らにまとわりついてくる。
 それに喜んだサラリーマンはさらに強く腰をぶつけた。
「あっ、あっ、あはあっ・・・んっ、あはあん、いい・・・いいよお」
 沙羅の表情が淫欲に染まった、うっとりとしたものに変わっていく。
 挿入の瞬間に与えられた爆発的な快楽に理性が粉々に粉砕されてしまったのだ。
 今の沙羅は送られてくる刺激に素直に反応し、さらなる刺激を求める雌にまで堕ちてしまっていた。
「ねえ、もっとお!あん、もっと強くしてぇ!」
 男の情感をくすぐるような声で沙羅は嬌声を上げる。
 するといつの間にかチャックを開けた沙羅を抱える男のペ○スが、ズブリとアナルに埋め込まれた。
「あはぁっ、お尻!お尻に挿れられちゃったあ!んはあ、すごーいっ」
 アナルセックスの経験はさすがにない沙羅だったが、その未知の快楽を易々と受けれて没頭する。
 常人のサイズをはるかに超えた肉棒二本に串刺しにされ、沙羅の腹部がぽっこりと膨れた。
 かなりの圧迫感があるはずだが、そんなことはまるで気に留めないように沙羅は懸命に腰を動かして刺激を強めていく。
「ねえ、出して!ザーメンいっぱいアタシの中にぶちまけて!お尻の方もいっぱいにしてえ!」
 沙羅の言葉に応えるように二本の肉棒から大量の精液が放出される。
 ブシュウウウウウッ!ドクドクドクッ!!
 尽きることなく吐き出される精液が子宮と直腸を満たし、腹部がさらに膨らんだ。
「きゃはあっ、だめえ、イク!イッちゃう―――っ!」
 絶頂が連続して襲い掛かり、一回目が治まる前に次の絶頂がやってくる。
 五回分くらいの絶頂を一度に味わいながら、沙羅の意識は快楽の沼へと沈んでいった。

 実は沙羅は、大きな勘違いをしていた。
 股間に張り付いたスライムが小さくなっていったのは、消失したためではない。
 イクたびに膣内に入り込んで吸収され神経と同化していったのだ。
 そして同化した神経は、媚薬で造られたスライムの特性をそのまま引き継いだ。
 つまり、本人の知らないうちにその身体はちょっとし刺激で発情する淫乱なものへと造りかえられてしまっていたというわけだ。
 それだけではない。
 沙羅の肉体の変化に伴い、その身体から分泌される汗・唾液・愛液・小水などにも媚薬の効果が生まれるようになった。
 つまり、狭い車内で汗を飛び散らせながら愛液と唾液を垂れ流す沙羅は、自身がまるまる催淫発生装置と化している。
 媚薬を分泌し、それによって発情した絶倫の男たちに犯され、さらに媚薬を分泌する。
 
 沙羅は自らの肉体で、自らを淫らな無間地獄へと招いてしまったのだった。

 駅に到着し、ドアが開く。
 中からあふれ出てきた人波の中心部に、先ほどとは別の二人に穴を貫かれながら抱かれている沙羅の姿があった。
 電車を降りた男たちはそのまま駅のトイレになだれ込む。
 そして代わるがわる沙羅に精液を注ぎ込むと、何事もなかったかのように散り散りに去っていった。
「・・・・・・・・・・・・」
 トイレに一人残された沙羅はしばらく床に座り込んでいたが、やがてふらふらと起き上がり、今にも倒れそうな足取りで駅の出口に向かう。
 その心と身体はもう次の快楽を捜し求めていた。

「っ・・・あ、ああ・・・・・」
 犬のように舌を出し、息を荒げながら沙羅は夜道を歩いていく。
 と、目の前に複数の人影があるのに気が付いた。
「ふふっ、どうだ調子は?」
 親しげに声をかけて人影が沙羅の方へと歩み寄る。
 浮かび上がったその姿は、ランサーとガード、そして戦闘員たちのものだった。
「電車でのパーティーはとっても楽しかったでしょう?」
 ガードが微笑みながら近付き、顔を撫でようとする。
 沙羅はキッと睨みつけるとパンチを繰り出した。
「―――驚いたわ。まだそんな気力があるなんて」
 一撃を避けたガードは感心したようにつぶやく。
「・・・アンタたち・・・よく、も・・・」
「何を言う。私たちはオマエに通常では味わえない快楽を与えてやったんだぞ?感謝こそされても、恨まれる筋合いはないな」
 ランサーはぬけぬけとそう言って、口元に指を添えて艶やかに笑う。
「沙羅、ディスタリオンの奴隷になれ。そうすればオマエは身体を疼かせることなく、いつでも快楽に溺れることができる」
「そうよ。お相手はいくらでもいるわ。一緒に淫乱な雌奴隷になりましょう」
 ガードもランサーに続くように言葉をかける。
「誰・・・が!アタシ・・・は、耐えて・・・みせる!」
 血が出るほどに唇を噛み意識を覚醒させ、沙羅はなんとか闘志を奮い立たす。
 ランサーとガードは小さく笑うと、隣に立っていた戦闘員の股間を揉みほぐしだした。
「ふふふ、無理はしないほうがいいぞ。欲望に忠実になれ」
「本当はこれが欲しくて欲しくてたまらないんでしょう?」
 肌に密着した戦闘員のスーツが盛り上がり、男根の形を誇示する。
 それを見た瞬間、沙羅の身体が燃えるように熱くなった。
 股間から愛液が滲んでくるのがわかる。
 それでもなんとか沙羅は欲望を抑えこみ、反論する。
「そ・・・んなもの、い、いらな・・・い!」
「あら、そう?じゃあ、わたしたちが楽しむわね」
 そう言うとランサーとガードはその場に跪く。
 戦闘員のスーツの股間部に裂け目ができ、中から硬く張り詰めた男根が飛び出した。
「ふふふ、いつ見ても立派だな。人間の男のモノなど足元にも及ぶまい」
「硬くて素敵・・・。こんなのをしゃぶれるなんて、夢みたい」
 二人は聞こえよがしにうっとりとつぶやき、美味しそうに音を立てて舐め始める。
「んむう・・・じゅ、ちゅぷ、れろれろっ」
「ぴちゅ、ちゅ、ちゅぷっ・・・ん、んん」
「・・・あ、ああ・・・・・」
 沙羅の表情がお菓子を取り上げられた子供のような、情けなく哀れなものに変わる。
 今の沙羅にとって、目の前で二人がしゃぶっている肉の棒は砂漠で見つけたコップ一杯の水よりも魅力的だった。
 口が、性器が、肛門が、その肉棒を欲してジンジンと痺れた。
 それを見たランサーとガードはペ○スから口を離すと、パンティを脱いで戦闘員に抱きつき腰を落とす。
 ずぶり、と肉棒が二人の体内に入っていく。
「ああっ!そうだ、もっと腰を動かすんだ!」
「はああん、熱い!あなたのチ○ポ、たくましいわ!」
 足がガクガクと震え、沙羅はその場にへたり込んだ。しかし視線は二人の痴態に釘付けになっている。
 二人が心底うらやましかった。
 わずかに取り戻したはずの理性など、捨て去ってしまいたいとまで思い始めていた。
 やがて二人とつながる戦闘員の腰の動きが早まってくる。
「あ、ああっ、いいぞ!さあ、存分に中に出してくれ!」
「あなたの精液を全部受け止めてあげる!」
 二人のあえぐ声が一層高まり、そして腰の動きが止まった瞬間に精液が注ぎ込まれた。
 最後の一滴まで注がれるのを待ち、二人は股間からペ○スを抜いた。
 そして沙羅の側に行くと、おま○こを押し広げ見せつける。
「ふふふふ、熱くて濃いのをいっぱい注いでもらったよ」
「わかるかしら?子宮の方までたっぷりと入ってるの」
 こぷ、と膣内から愛液が混ざった白濁液がこぼれ、沙羅の顔にかかる。
 それが最後の一押しだった。
「あっ、あっ、ああああああ―――!」
 沙羅は狂ったように叫ぶと、涙を流しながら懇願しはじめた。
「わかった!わかったから!ディスタリオンに入る!奴隷でも何にでもなるから、チ○ポ、チ○ポちょうだい!ぶちこんでえっ」
「うふふ、わかったわ。これであなたもわたしたちの仲間入りね」
 ガードが沙羅を起こし、軽くキスをする。
 空間に歪みが入りゲートが開いた。
「さあ行きましょう。あなたは生まれ変わるの」

 幻界城の一室。
 悦びの声を上げながら何人もの戦闘員に犯される沙羅を、椅子に腰掛けたゲルバはニヤニヤと笑みを浮かべて眺めていた。
 その股間に屹立する男根をランサーとガードが繊細にしごいている。
「結果は上々じゃな。よくやったぞ、オマエたち」
 ゲルバの言葉に、二人は幸せそうな笑みを返す。
「ありがとうございます、ゲルバ様」
「ところで、今回使った手駒はどうした?」
「新体操部の子たちは、戦闘員の性処理係として与えてやりました。男たちのほうはもう必要ないので、生体実験用のモルモットとしてキープしています」
 ランサーが答えるとゲルバは頷き、おもむろに立ち上がる。
「どれ、ワシもナックルを味見してみようかの。後でその新体操部の女たちも、乱交パーティを開いて味わうとするか」
 戦闘員たちは沙羅を犯すのを中断し、その場から離れる。
 床に倒れこむ沙羅を見下ろし、ゲルバは声をかけた。
「ナックルよ、ディスタリオンは素晴らしいところじゃろう?」
「・・・はい。もう、最高・・・・・・」
 光を宿さぬ虚ろな瞳でゲルバを見て、沙羅は口元をゆるませる。
「ディスタリオンに忠誠を誓い、ワシに尽くす雌豚になるか?」
「はい、雌豚になります。アタシ、いやらしい豚なの・・・」
「なら豚らしく四つん這いになって尻をこちらに向けい」
 沙羅はその言葉に従い、身体を起こして四つん這いになる。
 ランサーとガードが素早くゲルバのローブを脱がせ全裸にする。
「くくく、絶対である主人のモノをじっくりと味わえ」
 ゲルバは自分のモノを深く突き刺し、腰をふりはじめる。
「ほれほれ、どうじゃ!オマエのご主人様のペ○スは!」
「んはあ、すごい!ご主人様のペ○ス、たくましすぎるう!アタシもうイッちゃいっそう!」
「そうかそうか。なら出してやるから、主人の味をその身体に叩き込め!」
「は、はいぃ!あ、ああっ、あはああああああ!」
 ドクドクドクッ!
 精液を注ぎ込まれ沙羅は歓喜に打ち震える。
 ゲルバはペ○スを引き抜くと沙羅の顔に残り汁をかけた。
「ほれ、口でもしっかりと味わえ。オマエの主人はこんな味じゃぞ」
「ひあ!あ、ふぁああっ」
 沙羅は顔に降りかかる精液の熱さで、もう一回絶頂に達し気絶した。
「お疲れ様でした、ゲルバ様」
「すぐにきれいにいたしますね」
 ランサーとガードがティッシュを手に取り、すぐさまゲルバのペ○スから汚れを拭き取っていく。
「ふう、いい汗をかいたわい。風呂に入るとするか・・・ランサー、ガード、一緒に来い」
 また肉体を使って、ゲルバ様を清めることができる―――。
 二人の表情がほころび、股間がじわりと湿り気を帯びる。
 互いに頷きあうと、二人は自分たちの主人に向かってはっきりと答えた。
「はい、ゲルバ様。喜んで奉仕させていただきます」

「あら、天崎さんじゃありませんの」
 街中でふと名前を呼ばれた沙羅が振り返ると、雅が立っている。
「ああ、なんだ。雅かあ」
 そう言って笑いかけようとした沙羅は、しかし先日の雅の言葉を思い出し不機嫌な顔になる。
「・・・人前では話しかけないで欲しいんじゃなかったっけ?」
「まあ、そうですけどね」
 雅は相変わらず沙羅の威嚇を受け流して、優雅に髪をかきあげる。
「須藤さんと瀬戸川さんの件を一応聞いておきたくて」
「え、ああ・・・。あははは、ごめーん、やっぱアタシの勘違いだったみたい。あの後二人に会っちゃった」
 頭をかきながら沙羅は笑ってごまかそうとする。
 雅は呆れた様子でため息をつくと、見下すような目で沙羅を見て笑う。
「だから言ったでしょう?本当に、程度の低い人は困りますわ。今後このようなことはないようにしてくださいね」
 雅は言いたいことだけを言うと、踵を返し人ごみの中へ消えていった。
 しかし沙羅は大して腹を立てた様子もなく笑顔でそれを見送る。
「―――待っててね。アンタの番がまわってきたら、アタシも雌豚お嬢様にするのに協力するから、さ」
 そうつぶやくと気持ちよさそうに伸びをして空を見上げる。
「う~ん、いい天気!・・・さーてと、くっだらない日常を演じるためにバイトに行かなきゃね」
 早くディスタリオンに滅ぼされちゃえばいいのにな。
 そんなことを考えながら、沙羅もまた人ごみの中へと消えていった。

< 続く >

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