清昴女学院物語 三“射”面談(後編)

三“射”面談(後編)

「…じゃあ、後始末はこのはがしておきますね」
「いいのよ、別に。うちの母がしたことなのですから…」
「これも美化委員の仕事ですから☆」
「そう…、ならこのはちゃん、お願いね」
「はいっ」

 放心状態の私の上で、愛娘と少女が和やかに話し合っている。その内容は耳には入ってくるが、どこかそのまま頭の中を通り過ぎていくような感じがする。
 私の人生の中で、人前で放尿する日が来るなどということは、想像だにできなかった。それはとてもショックなことなのだが、それと同じぐらいショックなのは、人前でそうすることにどこか恍惚とした喜びがあったことに気づいてしまったことだ。
 プリントにも書いてあったし、娘からも聞いた話だが、学校生活の心構えとして『どんなことであっても喜びをもって受け入れる』というものがあるらしい。これは受験勉強や部活動の話だけかと思っていたが、こんなところに『喜び』があるとは思わなかった。

「はい、失礼しますね~」

 いつの間にか、スカートのポケットから取り出したらしいハンカチ代わりのショーツを手に持ち、このはという少女が私の後ろに回り込んでいた。そして、私の両足の間に手を入れて、優しく私の後始末を行っていく。他人にあそこを触らせる経験もほとんどないから、独特の感覚に私は少し身もだえた。

「あの…、さっきの痛くなかったですか?」

 少女がおずおずと聞いてきた。

「…え?」
「授業で習った通りにクリトリスをつまんだつもりだったんですが、本当は痛かったんじゃないかって…」
「そ、そんなことないわよ。ただちょっとびっくりしただけ」
「そうですか~。よかったぁ」

 心配そうにしていた少女を元気づけるように答えると、少女は安堵したように言った。

「はい、きれいになりましたよ」
「え、ええ。ありがとう…」

 やはり、他人に後始末をしてもらうというのは、頭で理解はできても慣れないものだ。

「じゃ、先輩は行ってくださいね。これはこのはがお花畑に撒いちゃいますから」
「ではお言葉に甘えてそうさせていただくわ。さあお母さん、行きましょう」

 バケツを持って外に向かった少女と別れて、再び私は、娘に引かれるようにして、四つん這いで廊下を歩むことになった。
 やがてまもなく、『特別クラス』のプレートがかかった教室の前に辿り着いた。理恵子が軽くノックしてから、引き戸を横に少しずらして、中の様子をうかがった。

「先生、少しお時間早いですが、よろしいですか?」
「ええ。前の真中さんが早く終わったから、先に始めてしまいましょう」

 奥の方から娘の担任らしい女性の声がした。確か児島という名前で、新卒で担任に抜擢されたそうだが。
 娘が私の方を見下ろして言った。

「ですって。では、入りましょう」

 先に入っていった娘に付き従うようにして、教室の扉をくぐる。
 教室の中は机が後ろの方に固めて整理されていて、中央にぽつんと机が2個だけくっつけて置かれていた。
 それ自体は別におかしなことではないが、三者面談なのになぜか椅子は1個しか置かれていなかった。娘の担任らしい女性はなぜかバニーガールの格好をしていたが、半裸の性徒や全裸の自分からすれば、随分とまっとうな格好に見えてしまう。

「特別クラスの担任の児島と申します。ようこそいらっしゃいました。ささ、どうぞ。もう四つん這いは結構ですので、楽にして机の上にお座りください」

 女性が勧めるままに、私は机の上に腰掛けた。なるほど、椅子が1個しかないのはそういうことなのね。
 しかし、私は足の置き場に困ってしまった。2つくっつけた机は意外と奥行きがあり、股を閉じた状態では中途半端に足をのばしてしまうことになるし、かといって膝の位置に角を合わせては不自然に前に出てしまうし…。
 そんな私の様子を見て取ってか、担任の女性が助け船を出してくれた。

「ああ、そんなに固くならなくても結構ですよ。どうぞ楽に股を開いてお座りください」

 言われた通りに机の両側から足がぶらりとなるように股を開いて座り直すと、確かに収まりがいい。普通こんな座り方をするかどうか気になったが、すぐに忘れてしまった。ここでは担任の先生の言われた通りにすべきなのだから。

「もう少しお待ちくださいね。校長先生がいらっしゃいますので」
「あの…、どうして校長先生が?」
「そもそも特別クラスの実質的な担任は校長先生ですし、お母様のお写真を拝見された校長先生が、どうしてもお会いしたいとおっしゃられましたので…。ああ、来られたようですね」

 女性が教室の入り口の方に視線をやると、何やら廊下から騒がしい声が聞こえてきた。女子性徒たちによる俗に言う黄色い声と、それに答える男性の声が。おそらく、この男声が校長先生のものだろう。

「先生、お暇でしたら今からおちんぽ入れていただけませんか? いつでも入れていただけるように、ほら、もう濡れ濡れなんですよ?」
「ああっ、ミカずるい~! 貧乳のミカと違って、あたしならパイズリもできますよ? ね、3Pでいいですから、先生今から保健室でしましょ?」
「ははは、せっかくのお誘いだが、今から面談があるから、また今度にしてくれないかな。その時はたっぷり中に出してやるからな」
「えーっ、残念~。じゃあ今度はちゃんとしてくださいよ」
「きっとですよー」

 …どうやら、校長先生は随分と性徒から慕われているようだ。
 そして、がらりと戸を開けて、校長らしき男性が入ってきた。もう今更驚くことでもないが、その男性は何も身につけておらず、さらにぬらぬらと光る堅く屹立した男性器を目にした私は、思わず視線を逸らしてしまった。が、すぐに、それは失礼なことではないかと悔やんだ。性器を見せていただいたことを喜ばなくてはならないのに。

「やあ、もうお揃いでしたか。時間通りだと思ったが、少し遅刻したかな」
「早くお見えになったので、待っていただいいてたんですよ。先生、どうぞこちらへ」

 バニーガールの担任に導かれ、校長先生はまるで王様のようにどっかと椅子に腰を下ろした。当然、校長先生の視線の先には机の上で全裸で股を開いている私がいるので、さすがに困惑せざるをえなかったが、

「ああ、そんな緊張なさらずに。どうぞそのままで」

 と声をかけられると、その通りにすることが当然のように思えた。
 校長先生は、私の姿を嘗め回すように見つめると、

「それにしても…」

 と口を開いた。

「あの、何か…?」
「いやはや、お美しい。30を過ぎた女などだめだと思ったから、うちは教職員を30歳で定年にしたのですが、この若々しさはとても信じられませんな。乳も太腿も張りがあって実によろしい」
「はあ、ありがとうございます…」

 それを褒め言葉と受け取れた私は、恐縮しながら小さく頭を下げたが、

「本当は娘さんを小学生の時にお産みになったりはしてませんかな。はっはっは」

 この際どいジョークには、苦笑を返すしかなかった。

「ところで先生、今までどこに行ってらしたのですか?」

 校長先生の体に身をすり寄せ、甘くささやくように先生の耳元で理恵子が聞いた。

「ああ、なにちょっと柔道部で乱取りの稽古をつけてやってたんだ。最近忙しくてなかなか見てやれなかったから、つい張り切りすぎてしまったな。最後はみんな潮を吹いて気絶してしまったよ」
「まあ、女の子相手にそこまで本気になったのですか? 私たちの身も心も全て校長先生の物ですが、特に柔道部は小柄な子が揃ってるのですから、大事にしていただかなくては困ります」
「いやはや面目ない、ははは」

 軽くたしなめた理恵子に、照れくさそうに校長先生は頭をかいた。

「おっと、雑談はこれぐらいにして、そろそろ面談の方に入りますか。児島先生、林原君の成績表の方を」
「はい」

 校長先生の横から、担任がすっと一枚の紙を差し出す。それを受け取った校長先生は、私の方に向けて机の上に、つまり私の股の間に置いた。

「見ていただければわかると思いますが、林原君は非常に優秀な性徒でして、ほら、この成績表の通り…」

 私が成績表に目を落とすと、確かに9や10という数字がたくさん並んでいる。
 ただ、その成績表の項目が、私の若い頃とは随分と異なって見えた。数学や英語といった科目名がなく、『一般教養』でまとめられていた。『家庭科』には『調理』『裁縫』以外に『奉仕』という謎の項目があり、『保健体育』に至っては成績表のほとんどを占めるほど細かな成績が付けられていた。『運動』『スタイル維持』『性知識』『四十八手』『フェラチオ』『パイズリ』『アナルセックス』『SM』………。

「これだけの容姿でその成績ですからな。私が見込んで性徒会長にしたかいがあったというものですよ」
「は、はあ…」

 確かに成績優秀なのは喜ばしいことなのだが、保健体育だけ優秀でも受験はどうなるのだろうか。そこが今一つ腑に落ちなかった。私はその点を問い質そうと口を開いた。

「あの…」
「そうだ。勉強の成果を実際にお母様に見ていただこうか。林原君、口で気持ちよくしてくれ」
「はい、かしこまりました」

 偶然か否か、私の質問を遮るように校長が指示を出すと、理恵子が深々と頭を下げ、校長の前でひざまずいた。

「失礼いたします」

 そう言うなり、理恵子は校長先生の性器を慈しむように口を付けた。ぴちゃり、くちゅりと淫猥な音をさせながら堅くそそり立つ男性器をなめ上げ、刺激していく。娘が自ら進んでこんなことをするなんて、思ってもみなかった。

「こ、校長先生、これは!?」
「別におかしなことではないですよ。授業の成果をお見せしているだけではないですか」
「…それは…そうですけど……。そうですね…」

 そう言われてしまえば、確かにその通りなのだが。
 その間にも、私の娘は目の前で男性にいやらしく奉仕を続けていた。最初は口だけだったが、手でしごき上げたり、胸の谷間を使って挟んだりと、色々と変化をつけて校長先生を愉しませていた。その度に、校長先生からはお褒めの言葉がかけられる。
 さらに校長先生は、バニーガール姿の担任を側に寄せ、胸をはだけさせてその感触を楽しんだり、私に見せつけるように舌を絡めあった。
 私は、ただその光景を見ているだけだった。身体の奥に、忘れかけていた熱いむずがゆさを感じながら。
 やがて、校長先生が児島先生の唇を離して言った。

「おう…、そろそろ出そうだな」
「では、いつものように顔におかけになりますか?」

 理恵子が胸で性器を挟み込みながら、上方を向いて聞いた。
 校長先生は少し考える表情を見せてから、理恵子に視線を合わせて答えた。

「いや、今日は口の中に出そう。そして、お母様にも口移しで味わっていただくんだ」
「はい、わかりました。どうぞ私の口に、おちんぽから精液をお出しください」

 何かとんでもないことがさらっと言われたが、戸惑う私を無視して事態はどんどんと進んでいった。理恵子は校長の性器をくわえ込み、上下に頭を動かしていく。
 校長先生は両手で理恵子の頭をつかみ、乱暴に自らも理恵子を動かして快感を貪っていた。

「よし、出すぞっ!」

 その言葉と同時に娘の動きがぴたりと止まり、おそらく校長先生の精液を受け止めていることが見て取れた。校長先生の表情も、安堵のものへと変わっていく。
 数秒間の後、校長先生の性器から口を引き抜いた娘はゆっくりと立ち上がると、口を閉じたまま私に近寄ってくる。

「り、理恵子さん…、まさか本当に…」

 口を閉じている理恵子は返事こそしないが、にこやかな表情の娘の目は私の想像通りだと答えているようだった。
 さすがに私も逃げようと腰を動かしかけたが、

「お母さん、逃げてはいけませんよ。娘さんを受け入れてこそ親ではないですか」

 と校長先生に言われてはその通りにするしかない。
 次の瞬間、私の唇に娘の唇が触れたかと思うと、唇を押し割るように舌が滑り込んできた。舌同士が絡み合う独特の感覚に加えて、苦く粘り気のある精液の味が口いっぱいに広がる。

「むうっ、むううっ!」
「ほら、おいしいでしょう。性徒も教員も皆私の精液を欲しがるのでね、毎日大変ですよ。はっはっは」

 冗談めかして笑いながら言う校長先生の言葉を聞いているうちに、その苦みが、粘り気が、先生のおっしゃる通りにととてもおいしいように感じられるようになってきた。こんなにおいしいものを、何で嫌がっていたのかしら。食わず嫌いは良くないことを、改めて教えられたようだ。
 とうとう私は理恵子から与えられる精液だけでは我慢できず、逆に理恵子の口の中に残る精液を奪い取るかのように、逆に娘の口の中に舌を侵入させた。

「んっ、んんっ…」
「んああっ、んはっ、んうっ…」

 お互いに頭を両手で挟むように持ちあい、一瞬たりとも離れないように舌を絡めあう。こんなに激しく接吻したことは、亡き夫ともなかった。そんなことを実の娘と、他人の精液をすすりあうために行っている。そんな事実が、私をより高ぶらせた。

「さて林原君、もういいだろう。もっと見ていたい気もするが、これでは話が進まないからな」

 校長先生の言う通りに、理恵子は私からぱっと口を離し、再び校長先生のもとへと戻ってしまった。あとに残された私は、何とも言えない飢餓感を感じ、思わず物欲しそうに娘を視線で追ってしまった。
 両側に従えた二人の女の腰を両腕で抱き寄せて、尻を撫でながら校長先生は再び私に向き直って言った。

「そういえば、何か先程ご質問があったようですが」
「え、ええ、その…、ですから、性教育ばかりで受験は大丈夫なのでしょうかと…?」

 まだあの唇と舌と精液の感触を反芻しながらも、さっき言いそびれた疑問を、私は校長先生にぶつけてみた。
 校長先生は、にやりと笑ってから、

「ほう、受験ですか」

 と、顔の両側から娘と先生によるキスと愛撫の雨を受けながら答えた。

「はい、そろそろ受験に身を入れないと…」
「そもそも受験なぞする必要があるのですかな?」

 意外なことを聞かれて、私は一瞬黙ってしまった。
 私は混乱する頭の中を総動員して、校長先生に不遜ながら反論を試みた。

「やはり今の時代、学歴は必要かと…」
「必要ないでしょう」

 校長先生はやけにあっさりとした口調で、私の主張を即座に斬って捨てた。

「うちの性徒は皆、親の資産があり、容姿に優れているのですよ? 元々働く必要などないですし、働きたければ、グラビアアイドルや、レースクイーンにコンパニオン、AV女優にストリッパーにソープ嬢、最近はやりのメイド喫茶もありますな。とにかく、若さと容姿に優れていれば学歴の必要ない環境でいくらでも働けますよ。金持ちや政治家の愛人になって囲われるのも、労働の一形態といえるでしょう」
「で、ですが…、若いうちはそれでも将来は…」
「仮に将来結婚するにしても、相手はいくらでも選べるでしょう。金と見た目が揃っているのですから。あとは心ですが」
「そ、そうですよ、結婚には心が…」
「ですから当校では、性徒に徹底して男性に対する奉仕の心、男の不貞を許す慈愛の心、自らは裏切らない忠誠の心、時には暴力に耐えるマゾヒスティックな心を教え込んでいるのですよ。ま、あらゆるニーズに対応できるように、Sな方も一応は教えておりますがな。はははは…」
「・・・・・」
「そして、結婚生活に限りませんが、生きていく上で大事なのは性行為。人間の三大欲求の一つですからな。性が豊かであってこそ、豊かな人生を送れるというものですよ。違いますか?」

 そう言われてみると、先生のおっしゃる通りのような気がしてきた。
 いや、その通りではないのだろうか。そもそも規則では校長先生のおっしゃることは全て正しいはずなのだし、私の人生に欠けていたものはまさに…、

「見れば、あまり性経験がないようですな?」

 校長先生が、私の内心を見透かしたかのように指摘した。

「ど、どうしてそれが…?」
「わかりますよ。うちの性徒とさほど変わらない、その新品のようなマンコで。ご主人とはあまりしておられませんな?」

 図星だった。亡き夫は優しい人柄だったが、性には淡白で、理恵子が生まれてからは夜を共にすることは滅多になくなっていた。ましてや、夫が亡くなってからは…。

「おお失礼、そういえば林原君の家庭は母子家庭でしたな」
「ええ、夫は3年前に…」
「そして、亡き夫に操を立てて再婚どころか愛人も作らなかったと。その器量なら言い寄る男はいくらでもいたでしょうに」
「やはり亡くなったとはいえ私には夫のことが…」
「それも宜しいでしょう。美しい愛情ですな。ですが、夜は寂しいでしょう。オナニーは毎日されてますかな」
「い、いえ…その…まったく…」

 校長先生の質問だから真剣に答えなくてはならないと思いつつも、私は恥ずかしさからはぐらかすように答えてしまった。
 しかし、

「…本当ですかな?」

 と追求されては、正直に答えるしかなかった。
 消え入るような声で、私は答えた。

「……本当は、月に、い、1回ほど……」
「それはいけませんな。毎日しませんと。林原君も自分のセックスの勉強だけでなく、家の手伝いをちゃんとしなければだめじゃないか」
「申し訳ありませんでした。これからはなるべくお母さんのオナニーを手伝って、悦ばせてあげたいと思います」

 校長先生の優しくも厳しい叱責に、理恵子は本当に申し訳なさそうに答えた。

「お母さん、ごめんなさい…」
「いいのよ理恵子さん。謝ることではないわ」

 しょんぼりとしている理恵子を私は慰めたが、謝ることではないのは今まで自慰行為を手伝わなかったことなのか、それともこの話自体が元々謝るようなことではないことなのか、自分でも判然としなかった。

「よし! ではこうするか」

 急に校長先生が、にたりと笑いながら私たち親子に声をかけた。

「この後は、この私が長年チンポを入れてもらえず可愛そうなお母さんを慰める、ということでよろしいかな?」
「校長先生、ありがとうございます! 母も喜ぶと思います」
「ええ、私も賛成です。三者面談は教師と保護者がわかりあう場ですから、それにはやはりセックスが一番でしょう」
「えっ、えええっ…」

 校長先生の突然の提案に、理恵子と担任の先生は一も二もなく賛成したが、私は困惑するばかりだった。

「あ、あのっ、理恵子の、娘の進路相談とかは…!?」
「ああ、そんなものは必要ないですよ。林原君はもう既に、卒業後は私の秘書兼メイド兼愛人…と言いますか、簡単に言えば雌奴隷になってもらうことが内定しておりましてな。これだけ美人で、性教育の成績も優秀で、スタイルも性器の具合もいい性徒を手放すのは惜しいと思っておるのですよ」

 雌奴隷という言葉の響きに一瞬どきっとしたが、職業に貴賎なし、という言葉が不意に頭に浮かび、すぐに何とも思わなくなった。そうだ、奴隷も立派な職業のはずだ。
 心のどこかになぜか抵抗感を覚えながらも、私は校長先生に頭を下げた。

「それは…どうもありがとうございます…。娘を末永く可愛がってやってください」
「ええお母さん。お母さんを心配させないように、立派な性奴隷としてちゃんと先生にご奉仕してみせるから」

 理恵子の希望に満ち晴れ晴れとしたその表情を見ていると、娘が校長先生の性奴隷になることをむしろ光栄に思えてきた。
 そんな私の手を取って、校長先生が声をかけてきた。

「進路の件は決着済みということで、ここでは何ですし、場所を変えましょうか」
「あの…ここからどこへ?」
「普段ならベッドのある保健室、と言いたいところですが、教室でするのも一興でしょう。そうだ、黒板の方に行ってもらいますかな」
「はあ…」

 校長先生の考えはよくわからなかったが、言われた通りに私は机から降りて、黒板の前に立った。ここは先生のおっしゃる通りにすべきだろう。進路相談は終わったのだから、これからは先生とセックス…しないといけない…はず。
 私は先生の言われるがままに、黒板の前に立ってポーズを取った。

「そう、その辺で。で、黒板に両手をついてお尻は少し突き出すように…そうそう、そんな感じで。あと足は少し開いた方がいいですな。ふむ、それにしてもいい尻だ」
「ありがとうございます…」

 校長先生に後ろを見せる格好になってしまったので、私は首を回して振り向きながら先生と会話を交わしていた。まるで男性を誘っているようだとは思うが、この方がいいというのであれば仕方ない。
 不意に、校長先生の指が、私の無毛の股間をなぞった。突然の感覚に、私は思わず声を上げてしまう。

「ひああっ」
「入れるにはまだ早いな。林原君、お母さんをほぐしてあげなさい」
「はい」

 先生に命じられた理恵子は、私の足の間にしゃがみこんで頭を入れ、私の股間に口を付けた。

「あんっ、り、理恵子さんっ…」

 そして、ぴちゃり、くちゃりと卑猥な音をさせて、理恵子が私の股間を舌で舐めあげ始めた。これも授業の成果か、理恵子の刺激のさせ方は実に的確で、私はあっという間に女としての官能を呼び覚まされてしまった。
 夫では味わえなかった、最高の官能を。

「あはっ、あああっ、ああんっ」
「お母さん、気持ちよくなってね。今までできなかった分、私がんばるから。んっ、んふっ…」
「りえ、理恵子さんの舌がっ、ああっ、そこはっ、あはあっ…!」
「どうですかな、お母さん。林原君はとても優秀でしょう。今あなたのどこがどうなってるかおっしゃって見てください」
「は、はひっ、理恵子、理恵子がっ、わたひの、あそこを…」
「すみません、林原さん。ちゃんと『おまんこ』と言っていただかないと。ここは学校ですから、そんな言葉使いで性徒に悪影響があったらいけませんわ」
「もっ、もうしわけっっ、あんんっ、ありませんっ…!」

 校長先生に促され、担任の先生にたしなめられ、私は今まで言ったことのないような台詞を口にしていた。

「わたしの、おま、んこっ、おまんこをっ、理恵子の舌、がっ、あふうんっ」
「そこは『舌チンポ』と言った方が面白いですな」
「おまんこを、娘のっ舌、チンポが、舌チンポがぁぁ~…」

 よだれを垂らしながら教室で叫ぶ私の頭の中は、もう真っ白だった。その空白の頭の中を、『おまんこ』と『舌チンポ』という言葉がどんどん侵食していく。それは、とても心地の良いことだった。校長先生のおっしゃる通りにしていれば、こんな体験ができるのだ。
 本当に、素晴らしい教育だ。私も、学生時代にこんな先生に出会えていたら…。
 ああ、いい…。もっと、もっと、もう少しで、あと少しで…。

「フフフ…、さて、もう十分だろう」

 感極まる直前で校長先生がそうおっしゃると、理恵子は立ち上がって私の股の間から離れ、再び校長先生の傍に戻ってしまった。腕を絡めて身を寄せることも忘れない。
 先生は理恵子と視線を合わせると、娘にこう命じた。

「これから君のお母さんをいただくわけだが…、そうだな、林原君も児島先生もお母さんの両側に並んで黒板に手をつくんだ。ちゃんと尻を突き出すんだぞ」
「はい、わかりました」
「ええ喜んで」

 校長先生の指示で、理恵子が私の右側、担任が私の左側に立ち、私と同じように黒板に手をついて、少し足を開いて校長先生にお尻を突き出すような格好をとった。

「ほほう、いい眺めだ。桃尻が3つ揃って俺を誘ってるな」
「先生、私たちのお尻を、心ゆくまでご覧ください。ほら、お母さんもお尻を振って校長先生をお誘いしないと、おちんぽを入れていただけないわよ?」

 理恵子に促されて、はっとしたように私も小さく腰を振る。
 これでいいかしら…? いや、色っぽい流し目もしたらどうかしら。そうよ、頑張って先生をお誘いしないと、おちんぽを入れていただけない。

「そうですよ、わかってきたじゃないですか。お母さんも娘さん同様、性奴隷の素質がありますよ」
「はい、ありがとうございます。ですから…」
「ん、どうかしましたかな?」

 先生はわざとらしい口調で、私に問い直した。
 わかっているはずなのだ。校門で、トイレで、そして教室で、このいやらしくも素晴らしい学び舎の中で散々高められた私が、校長先生がおっしゃる通りになりたくてたまらない私が求めているものが何かを。
 ああ、早く…。

「ちゃんと言っていただかないと、わかりませんな」

 その瞬間、私は堰を切ったように叫んでいた。

「校長先生のおちんぽを! 私のおまんこに入れてかき回してくださいっ! あのおいしい精液を子宮で飲ませてください! もう我慢できないんですっ…!」
「そうですかそうですか、ではリクエストに応じて…」

 校長先生は私の後ろにやってきた。ああ嬉しい。屹立した男性器が、私のお尻にほんのわずかに当たる感触がする。ああ、もう少しだ。もう少しで。

「おっと、お母さんだけ楽しんでももったいない。林原君はスカートだからこのままでいいとして…、児島先生には自分で『栓』を抜いてもらおうかな。手を使わずに」

 えっ、まだ…なの。
 物凄く浅ましい顔をしていたのだろう。不意に視線の合った児島先生が、一瞬くすりと笑っていたのに気づいた。

「あ、すみません笑ったりして。でも校長先生のおちんぽが欲しいのは私も同じですから」

 即座にフォローがあったので、恥をかかずに済んだ。
 そう、おちんぽが欲しいのは皆同じなのだ。だから早く入れていただきたいのだが、こうして待たされていることにも喜びを感じ始めていた。

「では校長先生、ご覧ください…」

 何が起こるのかと児島先生の方を見ると、バニースーツのお尻にあるウサギの尻尾の部分が、ひとりでにずるずるとひり出されていっていた。
 それと同時に、先生の口から

「んっ…、はあっ…、んんっ!」

 と官能的なうめき声が上がる。

「はあっ、ああっ、出ます、出ますぅ!」

 そして先生の悲鳴に似た叫びと共に、ごとん!と音を立てて、その「尻尾」は床に落ちた。先端こそ丸いふわふわしたウサギの尻尾だったが、体内から出てきた部分は、おちんぽを模したとても太い、ディルドーとかいうものになっていた。

「ははは、先生のケツ穴がぽっかりと開いてるな」
「はいぃ…、私のケツマンコをどうか、どうか…」

 夢見心地な口調で、児島先生がねだっていた。

「よし、そろそろ始めようか。とはいえチンポは1本しかないから、両側の二人は指で我慢してくれよ」
「もちろんです! 先生のお好きなようにお使いください」
「ちゃんと浣腸で綺麗にしてますから、どうか私のケツマンコに入れてください…」

 理恵子と先生の嬉しそうな声も、焦る私の耳を素通りしていく。
 ああ、そんなことよりも、早く、早く…。

「では入れますぞ…と!」
「ああああっ!!」

 私の膣内に肉棒が侵入した瞬間、頭の中は再び真っ白になった。いや、先程とは比べ物にならない衝撃だ。こんなにじらされたあげくに、乱暴に突かれたことはないのだから、あまりの快感に私は意識を失いかけた。
 続いて先生は、私のお尻に腰をぶつけるように、ばしんばしんと音をさせながら腰を前後に揺すった。今までに感じたことのないエクスタシーが、私の中を駆け抜け、私をただのメスにしていく。母親でも女でもなく、ただのメスに。

「ああん、あっ、あっ、あはっ」
「はあんっ、先生の指チンポが、おまんこをっ、あふんっ!」」
「ケツマンコがいいのぉ! メス教師のケツマンコを、もっと、もっとぉ!」

 気がつけば私の横では、快楽にとろけきった表情で二匹の淫らなメスがよがっていた。自ら腰を使い、貪欲に校長先生の指チンポを求めている。私も負けじと、腰を前後に動かしておちんぽを求めた。
 その度に、私の全身を快感の波濤が駆け巡り、本能も理性もおちんぽをもっともっとと求める。気持ちいい、最高に気持ちいい、究極に気持ちいい。
 私は、あえぎ声で、淫らな腰の動きで、じゅくじゅくと分泌される愛液で、この身体の全てで、校長先生にしていただいている喜びを表現していた。

「あふんっ、んっ、ああっ、いいっ、もっと、お願いしますっ…!」
「子供産んでるとは思えない、なかなかの締め付けだ。死んだ旦那が粗チンのインポ野郎だったことに感謝しておかないと、ですな。お母さん」
「はいぃっ、その通り、んはあっ、ですぅっ!」

 先生に亡き夫が侮辱されていることが嬉しかった。
 校長先生にならどんなことをされても、それは私にとっての喜びであり、快感となっていた。規則にある通りに。

「ほほう、三人ともいい乱れっぷりだ。遠慮せずに、もっと乱れなさい」

 校長先生のその言葉に従い、私たちの官能はさらに燃え盛った。
 髪を振り乱し、よだれと愛液を垂れ流しながら、私たちはさらに先生を求めた。

「あはああっ、いいの、いいの、こんなおちんぽ、初めてぇ~」
「もっと、もっとしてくださいっ! おまんこ、もっといじってくださぁいっ!」
「ケツ、ケツ穴がっ、はうんっ、あはあっ、あああん!」

 やがて自分でも何を言っているのかわからなくなった頃、少しこらえるような声で校長先生が私に命じた。

「よし、中に出すぞっ。しっかりと受け止めてイクんだ」
「へあっ、はひぃぃっ…!」
「出るぞ、出るぞっ!」

 校長先生も私も、その瞬間に向けてどんどん動きを激しくしていった。
 いいのっ、もっと、いく、いけそう、ああっ、いいのぉっ。
 そして、忘れていたあの熱い精液の感触を体内に感じた瞬間、

「ああああああーーーっ!」

 私の心は身体を離れ、天に昇っていった…。

「理恵子さん、これでいいかしら」
「ええ問題ないわ、お母さん」

 金曜日の夜。玄関先で理恵子と「服装」を確かめ合いながら、私はその時を心待ちにしていた。
 失礼がないようにと、私は上質の下着を取り寄せて、娘とともに着ていた。おそろいのデザインだが、私が肉感的な黒で、理恵子が清楚な白を選んでいた。
 高級感のあるレースをあしらったブラジャーは、ちゃんと乳房や乳首が透けて見えるようになっており、他にはストッキングと、それを止めるガーターベルトだけを私たちは身に着けていた。ショーツなど余計なものは着けていないので、つるつるに剃り上げたおまんこがむき出しだが、『淫猥な格好で出迎える』という規則に従うならむしろその方が良いのだ。
 私は娘との会話を続けた。

「やっぱり、エプロンぐらいはした方が良くないかしら。そういうのが喜ばれる、って聞いたことがあるけど」
「それなら下には何も着けない方がいいわ。ならお母さん、明日にでも…」

 その時、チャイムが鳴って私たちに来訪者の存在を告げた。

「…来られたわ」
「ええ…」

 私たちは蕩けたような笑みを返しあうと、規則通りにその場に正座し、三つ指をついて頭を下げ、その時を待った。
 まるで自分の家のように、そのお方はドアを開けて我が家に入って…こようする前に、玄関の外に立っている人物に声をかけたようだ。

「では、月曜日の8時前に車を頼む」
「かしこまりました。家庭訪問、ごゆっくりとお楽しみください」

 どうやら運転手の女性らしい。その顔は、三つ指をついて下を向いている私たちにはわからない。
 ドアが閉まる音がした。私たちは立ち上がってそのお方、校長先生にお尻を向ける格好になると、上半身を前に倒してお尻を突き出すようにし、両手を使っておまんことお尻の穴を広げながら、校長先生の方を振り向いて歓迎の言葉を述べた。

「ようこそいらっしゃいました、校長先生。家庭訪問ご苦労様です」
「私たち親子が誠心誠意おもてなしいたしますので、この週末の間、どうぞごゆっくりとおくつろぎください」
『お好きなだけおちんぽから射精して、私たち雌奴隷親子を犯してください』

 家庭訪問の規則にある最後の台詞は、練習通りに綺麗に合わせることができた。
 校長先生はにたっと笑うと、

「いや、どうもありがとう。ではこれから三晩ほど、たっぷりと性教育について語り合いますかな。もちろんベッドの上で」

 とお声をかけられた。
 私たちは、率先して校長先生のお召し物を脱がし、全裸になってから我が家に上がっていただいた。私たちのいやらしい格好に興奮されたのか、既におちんぽは硬くそり立っている。

 今からこおのおちんぽでどんな素晴らしいことを教えていただけるのだろう。
 そう思った私のおまんこは、熱くじゅんと濡れぼそっていた。

< 第1話『三“射”面談』・了 >

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