乖離の快楽
山内乖離は思う。
この世界は何とも興味深いのかと。
人の思いとはなんとも面白いのかと。
感情なんて一時のものに過ぎず、時や状況によって流されて行く。
それなのに人は、夢を語り、愛を囁き合う。
人間なんてすぐに欲望に流される生き物なのに。
「おい。鏡花のモノを返してもらおうか」
目の前にいるのは、繰杉弥季(くるすぎ みつき)。
うちの学校の剣道部、主将だ。
切れ長の鋭い瞳。
髪は漆黒ストレート。
長さは肩付近まで。
鼻筋はしっかりと通っていて、肌は健康的な色をしている。
スタイルはいい。
無駄な肉がなく、すらっとして見える。
性格は真面目。
筋が通っている。
男気があるというか、おそろしい程しっかりとしている。
凛としたスポーツ少女だ。
「山内!!」
弥季は怒鳴るように叫んだ。
敵意むき出しの態度に、乖離は思わずにやけた。
弥季を呼び出したのは、乖離だ。
乖離は剣道部の一年生、安田鏡花のリコーダーを盗んだ。
典型的だが効果ある嫌がらせ。
そのことを、弥季に自ら申告したのだ。
来ないわけがない。
安田鏡花は、弥季の後ろに身を隠している。
安田鏡花は確かに可愛い。
しかし、僕にはそれ以上の思惑があった。
弥季と対峙すること。
理由等決まっている。
数日前、乖離は弥季の上履きを盗んだ。
その綺麗な足を毎日包み込むその上履きが欲しかったから。
その上履きの匂いを嗅ぎながら、乖離はマスターベーションをしたのだ。
気持ち良かった。
次に、乖離は弥季の体操着を盗んだ。
その汗の匂いがうっすらとしみ込んだ、体操着の匂いを嗅ぎながら、また、それでペニスを包み込みながら、マスターベーションをおこなった。
やはり気持ちよかった。
そして欲しくなったのだ。
彼女の身体が。
絶対に想い通りにならないであろう筈の彼女の身体が。
だから、呼び出した。
二人きりになれる場所に。
安田鏡花も来るとは少し予想がだったが、まぁ、何とでもなる。
「おい! 山内!! 何とか言え!!」
荒々しい声を上げる獣のような女。
ひょっとして気がついているのだろうか、上履きや体操着のことを。
まぁ、いい。
そんなの関係ないのだから。
弥季は鋭い眼で睨むようにこちらを見つめる。
「なぁ、弥季。俺のことをどう思う?」
ただでさえ鋭い眼光をさらに強める。
「どうもこうもない。貴様、何のつもりだ!」
警戒を解く気配はない。
僕は筋肉質の彼女の脚をみた。
……いいな。
健康的で、それでいて女性らしい柔らかさもある。
細くしっかりした腕を見る。
細いその腕は、一般女性のそれと変わらないように見えるが、その奥にはしっかりとした筋肉がある。
流石は剣道部主将。
強き女だ。
この女を俺のものにすれば、この学校で生きやすくなる。
「ひひっ」
思わず声が漏れてしまった。
「気持ち悪い声を出すな!!」
……うん。
決めた。
「ひひっ」
僕は再び声を漏らした。
「鏡花のリコーダーを返せと言っているだろう!!」
その僕の笑い声に苛立つように、弥季は走りだした。
こちらに向かってきたのだ。
僕に掴み掛かるために。
血の気の多い女だ。
女子剣道部主将。
容姿端麗、才色兼備。
男女問わず人気がある。
僕にかなう筈もない。
人気も、腕力も。
すぐにボコボコのケチョンケチョンにされてしまうだろう。
……僕にこの力が無ければ……。
ふと隣の安田鏡花に目をやる。
この子もいい。
学年はひとつ下だが、小さな身体と愛嬌のある瞳。
僕好みの小さく愛らしい少女。
可愛がってやりたいな。
僕は右手を、向かってくる弥季に向かって開いた。
宙で向かってくる弥季の頭を掴むかのようなその仕草。
彼女はそれに気づく様子もない。
ただ獣のごとく直進してくる。
距離が1メートルをきった頃。
僕の手と彼女の頭との間に歪みが生じた。
ぐわぁん
音が鳴った。
それは世界を歪める音。
実際の音ではない。
他の者には聞こえていないだろう。
「……!!」
しかし、彼女は立ち止まり臨戦態勢をとった。
なんというセンス。
気配で感じたのだろうか。
一定の距離を保ったまま、こちらを睨む。
流石だ。
だが、もう遅い。
少しだが、彼女の世界を歪めた。
「山内、貴様。何か隠し持っているのか!!」
「いいや、何にももってないよ」
僕は両手を広げてみせる。
「それよりさ。鏡花ちゃんって可愛いよね」
「何を貴様っ!!」
再び飛びかかろうとする弥季に僕は言う。
「ほら。繰杉さんも見てみなよ」
弥季は素直に従い、後ろを見る。
そう、これが変化。
「何だというのだ」
そう。
彼女の心と知性に訴えかける変化。
そう安田鏡花がトリガーとなる。
「鏡花がどうしたって……」
後ろを振り返る。
振り返った。
そう。
彼女は安田鏡花を見たのだ。
外見の変化はほとんど皆無だった。
それでも、内面には世界がひっくり返るほどの変化が生じている。
「………きょうか」
頬はほのかに上気し、瞳は少し虚ろだった。
「……かわいい」
そう、彼女は安田鏡花に発情しているのだ。
そんな彼女は突如振り返り僕に言う。
「山内乖離!! 貴様、鏡花のリコーダーを絶対に返せ」
そして第二のキーが発動する。
「……!!」
彼女の目が見開かれる。
そして、自分の欲望に気づく。
決して抗えない欲望。
理性すら支配する。
「あぁ……かい…り……きょうか……あぁぁ」
彼女に限りなく抗えない欲求を植え付けた。
それは。
僕、山内乖離に安田鏡花を犯させたいというもの。
その欲望は絶対だ。
逆らえることなど出来はしない。
「ひひっ」
あぁ、楽しみだ!!
「ねぇ、鏡花」
弥季は鏡花の背後に回る。
「へっ? えっ?? どうしたんですか? 繰杉センパイ」
がっしりと鏡花を羽交い締めにする。
鏡花は現状が分かっていない。
「山内乖離って、意外といい男だと思わない? 私は大嫌いだけど」
「は? はっ??」
鏡花は耳を疑う。
それはそうだ。
いままで、散々言ってきた相手だ。
リコーダーを盗むような気持ち悪い相手だ。
「鏡花、私の可愛いきょうかぁ。ごめんね。山内に犯されて」
「ええっ?」
僕は混乱するばかりの鏡花に近づく。
「えっ?! や……やめて……」
弥季の怪力から逃れられることなどできない。
「やめて!! 助けて!!! 繰杉センパイ!! 放してください!!! やめてー!!」
涙目で必死に逃れようとする、鏡花。
「お願いです。山内センパイもやめてください!! お願いです!!!」
もう、僕は手の届く位置まで近づいた。
そして、ズボンを下ろす。
そこにはそそり立つ、僕のものがあった。
「やめてーーーーー!!!! 叫ぶわよ!! 通報するわよ!!! たすけてーーーーー!!!!」
気弱そうな鏡花が必死に脅そうとする。
その声を塞ごうと、弥季は鏡花の口に手を回す。
「いいのかい? 繰杉さん?」
彼女は、鏡花の股を無理矢理開かせた。
「山内、いいわっ! 犯せ! きょうかを犯しなさい!!」
僕はその肉棒を鏡花の股間にあてがった。
「んんっ!!! んんんんんんーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
そのまま腰を沈めた。
「んっ!!!! ぎゃっ!!! やめてっ!!!!! いたいーーーーーーっ!!!!!!! いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
彼女の中は乾いていた。
僕はそんなことも気にせず前後運動を繰り返す。
彼女は泣きじゃくっている。
それでも弥季の怪力が彼女の身体をしっかりと固定している。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。
気持ちいい!!!
山内鏡花を思う存分、堪能できるのだ。
僕は彼女のお尻を揉んだ。
白く柔らかいそれはマシュマロのように形を変える。
気持ちいい。
「はははっ!! 鏡花が、山内に犯されてる。いいっ!! いいっ!!!」
顔を真っ赤にし、身悶えする弥季。
鏡花の身体は柔らかく最高だった。
「嫌だ、嫌だ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ………………………………!!!!!」
鏡花の拒絶は続く。
「やめろ、やめろっ!!! やめてっっっっっつ!!!!!!」
そんな彼女に僕は微笑みかけた。
「大丈夫、君はすぐに僕を求める」
その顔に恐怖があった。
「そんなことはない!!! 絶対にないわっ!!!」
そんな彼女の膣の奥底を深く突き、そして彼女の頭の付近に手を添えた。
変化は起こった。
「ひゃっ!? へっ??」
鏡花の顔に違う表情が混ざった。
「……なんで? ひゃっ!!! あっ!! ああっ!!!!!! あぁあああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
絶叫する鏡花。
「あぁ、あぁっ……くぅ……きっ…………きもち……ぃい………っ!!!!」
「安田、お前は僕の精液を受け止めると、僕のものになるんだよ」
鏡花が顔を歪める。
「なにいってるの? ……んんっ……そんなこと……あぁ……ないわ!」
僕は鏡花の頭を撫でると、腰を前後に激しく振る。
ばんっ!
ばんっ!
ばんっ!
ばんっ!
気持ちいい。
「あぁ……あぁ……うぅ……ん……やめ……てっ!!! あんっ……やめてーー!!!」
そして、僕はそれに構わず精液を彼女の中にぶちまけた。
彼女は静かに目から涙を流していた。
僕は彼女の小さな身体を抱きしめた。
抵抗する気力もなさそうだ。
すると……
「……ひゃっ?!」
彼女の身体が一瞬痙攣する。
「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ……ぐぅ……う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!!!!!!!!!!!!」
彼女の四肢が壊れた人形のようにランダムに動き回る。
身体は携帯電話のバブレーション機能のように、痙攣しつづける。
目は白目を剥き、涎を飛び散らせながら、人のものとは思えない声を出し続けた。
そして、おさまった。
彼女の脚が俺の腰に巻き付いた。
逃がさぬように。
もっと深く突けるように。
密着した。
瞳には僕を恋慕う色。
頬はピンク色に染まり、唇は血色良く艶やかだ。
その口からは涎が滴り落ちる。
「ご主人さま、どうか鏡花の身体で気持ちよくなってください」
そういって彼女は僕を押し倒す。
僕の腰に綺麗な脚を巻きつけたまま。
僕の上にのしかかる。
「ああぁぁぁぁん」
可愛らしい口から吐息が漏れる。
「いぃっ」
安田鏡花は自ら腰を振り始めた。
「はぁぁぁぁぁああああああんっ」
彼女はその小さな身体で存分に僕を楽しませる。
「はふんっ!! はうんっ!!! あぁあああああああ!!!!!! きもちいいぃいいいいいいいい!!! もっとっ!! もっとちょうだい!!!」
小さな尻を必死に振り始めた。
気弱そうだった彼女の顔は淫乱に笑っている。
あぁ!!
いい!!
拒絶していたこの女が一瞬のうちに快楽に負ける。
その瞬間が。
ぱんっぱんっぱんっぱんっぱんっ
音が響く程打ちつけられるその結合部分。
「んんぁああんっ、きもちいぃっ!!」
鏡花は必死に僕にすがりつく。
小さな胸が僕の胸板にあたる。
柔らかい。
彼女は口を大きく開け、白目を剥いた。
「あぁあああああああああんっ!! あぁあああああああああんあぁあああああああああんあぁあああああああああんあぁあああああああああんあぁあああああああああんっっっっっっああんっっああんっっああんっっああんっっああんっっあああああああああんあぁああああああああああああああああんあぁああああああああああああああああんあぁああああああああああああああああんあぁあああああああっっっっっっっっっっ!!!!」
鏡花はガクガクと身体を痙攣させる。
小さな脚がぴんっと伸びる。
鏡花は失神した。
< 続く >