「あの山に登ってはいけない。これだけは、絶対に守っておくれ」
 酷く真剣な様子で語りかけてくる祖母に、沙恵香は微笑を返した。
「大丈夫。適当に絵を描いてくるだけだから、じゃあ、行ってきます」
 沙恵香は心の中で舌を出すと、緋銅羅山へと向かった。