第07話:いつかみた、あの夏へ -1- 次の日、夕菜はマンションへと戻ってきていた。 寒そうにコートの合わせを閉じ、入り口へと歩いていく夕菜。 その時、一台の車がマンションの入り口へと着け、その中から一人の男が降り
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「す、好きですっ!!」
洋介はどもりながらも言い切った。
真っ赤に染まりあがる夕暮れの公園には蝉の鳴き声や子供達の喧噪が響き渡っている。
「つきあってくださイッ!!」
いつかみた、あの夏へ 第06話
第06話:奴隷宣言 -1- 「はっ、はっ、はっ、はっ」 テンポよく呼吸をする。 滲む汗、多くなる呼吸、速くなる鼓動を感じ、それでも夕菜は走っていく。 (統一郎さん、統一郎さん、統一郎さん) 一刻も早く統一郎に会いた
もっと読むいつかみた、あの夏へ 第05話
第05話:邂逅の時 -1- 「はっ・・・・はっ・・・・・はっ・・・・・」 夕菜は街を走っていた。 冬の街は肌寒く、冷たい空気が夕菜の肌を肺を貫いていく。 時刻は午後一時十分。統一郎から指定された時間を既に十分遅れて
もっと読むいつかみた、あの夏へ 第04話
第04話:落ちる影 -1- いくら冬とはいえ、昼間の街から人が消えることはない。 主婦やサラリーマン、そして若者達が街を賑わわせている。 そんな中を夕菜は歩いていた。 夕菜は全身から喜びを溢れさせ、自然、その足は
もっと読むいつかみた、あの夏へ 第03話
第03話:冬の一日 -1- 日曜日。洋介と夕菜は街を歩いていた。 最近話題になっている映画に始まり、ウィンドウショッピング。二人はペットショップやファンシーショップ。ファッションショップなどの集まる商店街を練り歩く。
もっと読むいつかみた、あの夏へ 第02話
第02話:二人の出会い -1- クリスマスから一月。 年末は実家に帰っていたので、洋介と過ごす事は出来なかったが、それでも三日に一度は会って、互いの愛を深めている。 冬の寒さに包まれた街は所々に白い化粧跡を残し、昼
もっと読むいつかみた、あの夏へ 第01話
第01話:夏の日の告白 -1- 「す、好きですっ!!」 洋介はどもりながらも言い切った。 季節は夏。真っ赤に染まりあがる夕暮れの公園には蝉の鳴き声や子供達の喧噪が響き渡っている。 茫然と驚いた顔で洋介を眺めている夕
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