「さって……帰るか……」
 男子生徒は一伸びして、そう呟いた。
 静寂に満ちた階段をステップを踏むようにテンポよく下りていく。そして、三階へと辿り着いた時、男子生徒は一人の女性に目を奪われた。

教室の恋人

「さって・・・帰るか・・・・」  男子生徒は一伸びして、そう呟いた。  読んでいた本をぱたりと閉じて鞄へとしまう。そして、前髪を軽くかき上げると日差しの強い屋上を後にした。  校舎は静かで、先程まで満ちていたテスト後独特

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