11.歪んだ欠片 天にまで届くかと思える摩天楼の一角で、あゆみは一人彷徨っていた。 失いかけた記憶の断片を拾い集め、合わないピースを並べながら必死でその隙間を埋めようとしている。 彼女が虚ろな瞳を泳がせなが
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もうこの山奥のハイウェイを走り続けて1時間にもなるだろうか?
車を走らせながら堂島は一人苦笑する。
(もうそろそろの筈だが………)
そう思い始めて5分程後、頭上に”生物化学研究所”と書かれた白い看板が見えた。
黒と白終章 中編
06.孤独の暴君 「おかえりなさいませ、こしゅしんさま。おつかれさまれした。」 そう言ってにこやかな笑顔を向けているあゆみの頬に、思いがけない鋭い痛みが走った。 驚いて顔を見上げたあゆみの目に、昔..あゆみを壊した時
もっと読む黒と白終章 前編
01.研究所 もうこの山奥のハイウェイを走り続けて1時間にもなるだろうか?その間、人や車どころか獣一匹見かけていない。 片側2車線、幅員20mのこれだけ立派な道路であるにも関わらず、だ。 (税金の無駄使い...か)
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