仕事帰り、俺の部屋の前で、なぜか老人が倒れていた。
「お、おい、爺さん。大丈夫か!?」
「………め…し……」

免罪符 幕間

― 幕間 ―  さて、これからどうしようか。  かわやちゃんとここ、駅の男子トイレで別れて会社に向かおう、とも考えたが、今更出勤しても遅い時間だし、上司からお怒りの電話が携帯に飛んでこないところを見ると、思った通り『免罪

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免罪符 接触編

― 接触編 ― 「はぁ…、疲れたなぁ…。ったく、こんな毎日毎日遅くまで残業させなくてもよぉ、あの課長め…」  俺はぶつくさ呟きながら、家路を急いでいた。  夜もかなりふけて、転々と光る街灯と住宅から漏れる明かり以外は闇に

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