第四話 暗闇の中で、耳に微かな音が聞こえる。 ざぁ、ざぁ、という小さなさざめき。これは…波の音だろうか? ふいに暗闇の中に眩しさを感じたボクは、ずっと閉じていた瞳を開いた。 「…?…あれ?」 重い身体をゆっくりと
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…どこからか、不快な音がした。
この音を聞くと、とても嫌な事が起きる気がした。
…うるさいなぁ…。
そう思って音の方向に顔を向けると…。
―――――― 次の瞬間、ボクの視界は一瞬にして、黒と赤に染まった。
天使のチカラ 第三話
第三話 「…ん?」 ボクが綾姉ちゃんに切ってもらったスイカを頬張っていると、携帯の着信音が鳴った。 「誰から?」 「…宗佑だ。…はい、もしもし?」 電話を取ると、宗佑の声が聞こえる。 「おう、修。体調はどうだ?」 「
もっと読む天使のチカラ 第二話
第二話 「…どうしたの?修」 「…え?」 ジュースを手渡すと、楓はプルタブを開けながら唐突にボクに聞いてきた。 …ボクと宗佑は合流した後、海から上がってきた楓と恭子ちゃんと合流。 砂浜でパラソルを開いて、その下で休
もっと読む天使のチカラ 第一話
第一話 ―――ボクはいつの間にか、暗闇の中にいたんだ。 まるで、覚めない夢の中にいるような…とてつもない不安と、焦りと、悲しみ。 …でも、心配はいらないはずだ。 覚めない夢はない。この暗闇の悪夢だって、きっといつ
もっと読む天使のチカラ プロローグ
プロローグ ――― ガタン。 ―――――― ガタン、ガタン。 心地よい揺れに揺られボクは眠ってしまっていて、いつの間にか夢を見ていた。 それは、真っ暗闇。瞼を閉じた時の暗闇が、どこまでもひたすら続いていて…。
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