八芽坂鈴音(やつめざか・すずね)は、屋敷の回廊を大股で歩いていた。 静けさにつつまれた古い洋風づくりの屋敷にあって、あからさまに怒気を感じさせる少女の歩調は、たとえ彼女がこの住まいの主であるという事実を差し引いたとし
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「美雨さん……さがしましたわよ」
「はい、お嬢様。なにかご用でしょうか」
「なんですか、あの……あの、クローゼットの中身はっ!」
「ああ!そうそう、全部エプロンドレスに入れ替わっていた、というのですよね?」
「どういうことなのか、貴女の口からきちんと説明していただきますわ!」
「じつを申しますとね……わたくし、魔女なのです」