少し前、まだ物語の語り部が存在しない頃の話。 その時にはまだ見る事ができず、私の中では、音が世界の全てを構成していた。 徐々に、徐々に。 視界を得るためには、贄が必要だ―――。 「――――――まあ簡単なものですし
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ガラスの机には先日ポストに突っ込まれていた封筒の中身が広がっている。
上質な紙に何ページにも渡り印字された内容は、報告書形式でまとめられた今回の”提案”。
客観的、かつ詳細にまとめられた、ある能力を用いた実験の計画書だった。
BB 第1話
第1話 不純物が入ったかのように身体が重い。 昨日は飲みすぎた……いや、それ以前からの体調不良だ。 朝から憂鬱な気分になりながらも、なんとか体を起こしベッドから這い出す。 いつまでたっても目が像を結ばないのでよう
もっと読むBB 第0.5話
第0.5話 「―――もしもし。吉野だ」 「手紙は届いたぞ。……というより届いたからこそこの番号にかけたんだが」 「実験などと称して、結局君が楽しいだけだろうに」 「まあ、こっちも丁度いい女がいて……おいおい、そんなの持ち
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