なか 「なに目を瞑っておるのじゃ。ほれ、ちゃんと妾を見ぬか」 「はぁ……」 折角目を瞑って現状を否認しようとしているのに、耳から入ってくる鈴の鳴るような声がそれを許さない。 仕方が無いので、恭太は再び目を開けてみた。
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「実は俺、超能力が使えるようになったんだよ!」
「君ね……。宿題忘れた小学生だってもう少しまともな嘘をつきますよ。最近の小学生は馬鹿になりませんよ」
「嘘じゃない!」
トラジコメディ うえ
うえ 所々汚れで濁った窓からは西日が差し込み、築三十年はあろうかという教室内を例外なく赤く染め上げている。黒板の横、授業の妨げにならないようにひっそりと書かれた文字は、明日から定期テストに入ることを密やかに主張している
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