第八話 支配する者
「あああああああああっ」
彩の声が部屋に響く。
彩の部屋では狂宴が繰り広げられていた。
彩が律子の上へとのしかかり、律子の膣に指を這わす。
「ああ・・・・そこがいいの・・・・唯咲さん・・・・」
「だめよ、律子さん。彩って呼んで・・・」
「あや・・・・はぁっ!」
クチュクチュという音。指の動きに律子の体が脈動する。律子の口から濃密な吐息が漏れ、彩は律子に対する責めを強くする。
彩は今でも俺の保護者代わりをやっている。気の利くところはさすがと言っていいほどで、常に俺の言いたいことを先回している。
どうやったのか知らないが、今や律子は押しも押されぬ売れっ子のホステスだ。律子に相手をしてもらうにはどんなお偉方であろうとも一月前には予約をしないといけない。
そんな二人が目の前で絡み合う。彩が律子を責め、律子はその刺激に答えるように跳ねてまわる。
コリと親指でクリトリスを摘み、二本三本と律子の中に彩の指が入っていく。
「どうぉ? りつこぉ」
「もっ・・もっとっ! もっと!! もっとちょうだいっ!!」
普段は様々な男をよがらせ、虜にしている律子。その律子が大きな声を上げて体を震わせる。
その声を上げさせているのは彩。普段の鬱憤でも晴らしているのではないかと思わせるくらいに子供のような顔で律子の体を責め上げる。
「ぁう、あ、あ、あ、ああ、あ、ああ、あ、ああああ、あっ!」
律子の中、動き回る彩の指が激しくなっていく。その動きに溢れ出す愛液がじゅぶじゅぶと泡となり彩の指に絡みついていく。
律子の体がビクッビクッと痙攣する。与えられる快感に律子の体が大きく仰け反る。
「そうよ、イッて。イッていいの。イッていいのよぉ」
言って、ずぷりと指を四本差し込み、ピンと親指でクリトリスを弾いた。
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
絶叫を上げて硬直する律子。その一瞬後にその全身から力が抜ける。
彩はそんな律子の中から指を引き抜く。愛液にまみれた指をぺろりと舐めて、びくっびくっと震える律子を見下ろして、フッと隣へと視線を移す。
その視線の先では舞子と直子が互いを慰め合っていた。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ・・・・・
部屋の一角から水っぽい音とくぐもった呼吸音が聞こえてくる。
舞子と直子は絡み合い、互いの性器を舐めあっていた。
服は既になく、輪を描くように二人の周りに散乱している。
舞子は学校をやめ、直子の助手となった。教育機関の養護教諭程度の知識しかなかったが、直子にいろいろと教えてもらい、めきめきと知識をつけていた。
そんな舞子を助手につけ、直子は実験体を作り続けている。俺のために存在し、俺のための尖兵となる兵士達をこれからも作りつづけるだろう。
ため息のような吐息が漏れる。
直子の指が舞子の膣を開き、その中へと舌が伸びる。輪郭に沿って這っていく舌の刺激に、舞子の体がビクンと震える。
その刺激に対抗するように舞子も直子のクリトリスを弾く。舞子の指をくわえこんでいる膣が一瞬にしてキュッと締まる。
汗と愛液の匂いがむわりとたつ。
濃密な空気が鼻孔を刺激し、二人の脳を加熱させる。
舞子の指が直子の中を発掘するように指を進める。膣を押し開き、粘膜の感触を楽しむ。蛙の解剖を楽しむ子供のように直子の中を押し開いていく。
伝わる刺激。直子はその刺激に耐えるようにぎゅっと口を強く閉じる。そして、意志の込められた瞳を開くと舞子の粘膜を舐め上げる。
するすると膣の中へと滑り込ませる。その感覚にビクンビクンと舞子が震えるのを体で感じ、直子はその動きを深くする。
その責めに舞子の体が大きく震える。ビリビリと体を走る刺激を求めるようにぎゅっと直子を抱きしめる。
それに答えるように直子はクリトリスに歯を立てる。ぴしりと硬直する舞子の体。その膣に再び舌を差し込むと溢れ出る愛液を舌で掬い上げる。ねっとりと絡みつく愛液は直子の口周りを汚し、唾液と混じり合って二人の間に太い糸を紡ぐ。
ピッと舌を動かして糸を切る。ふぅと熱い吐息を漏らして、再び舞子へと舌を伸ばす。その動きは激しさを増し、舞子は瞬く間に快感に震え出す。
直子の舌の動きにビクビクと体を震わせて、切羽詰まったように呼吸を短く、速くさせる。舞子の口から途切れ途切れの声。そして、体の痙攣が加速していき、絶頂が近いことを直子に知らせる。
舞子の喘ぎ声をBGMに直子は舌を、指を動かす。舞子の喘ぎ声の間隔が徐々に短くなり、間断なく零れるようになる。
震える舞子の体。止めとばかりに直子はクリトリスを噛み、指をずぶりと突き刺す。その刺激に舞子は絶叫を上げて、絶頂へと達する。
舞子はギリギリと筋肉を硬直させて、その一瞬後にがくりと崩れる。疲れたのか、それを見届けると直子も舞子に覆い被さるように崩れ落ちた。二人の寝顔は誰が見てもその気になってしまいそうなほど艶やかで、それでいて安らかだった。
安らかな寝息を立てる二人。その体は時々ビクンビクンと震える。その二人の姿を見ている視線があった。
「んっ・・・・ふぅ・・・・ん・・・・・はぁ・・・・」
イヴは七緒と重ね合わせていた唇を放すとちらりと周りを見る。律子は彩にイカされ、舞子と直子は仲良く気絶していた。
それを確認するとイヴは視線を手元に戻す。たっぷりとイヴの唾液を取り込んだ七緒は茫洋とした瞳で中空を見上げていた。
もう一度、唇を重ねる。そして、舌を差し込み、とろとろと唾液を流し込んでいく。
「ぷは・・・・・」
イヴは唇を放し、茫然としている七緒をぎゅっと抱きしめる。そして、その耳元で言葉を刻んでいく。
「0070・・・聞こえる? これから私が言うことは0070の中で真実になる。わかった?」
そこでイヴは間を開ける。七緒にイヴの声が染みこむのを待つように。
「0070はこれからどんな状態でも性的な刺激に反応を返すようになる。頭ではなく体で動くようになるの」
そして、再びの間。イヴは七緒を引き離して見つめる。その瞳は愛情に溢れ、そして七緒を哀れむようでもあった。
「さあ、楽しみましょう」
言って、三度唇を重ねた。
イヴは奇数ナンバー達をまとめている。その能力を以て、俺に従うように、俺に逆らえないように奇数ナンバー達に刷り込んでいる。
そして七緒は部隊長として兵隊達をとりまとめている。時が来たら、先陣を切り、そして俺のために死んでいくだろう。
「ちゅ・・・・ん・・・・・ふ・・・・・んちゃ・・・・」
「ん・・・・・ふぅ・・・・・・はぁ・・・・・」
イヴは舌を伸ばして、七緒の舌へと絡める。伝わる感覚。その感覚に七緒の体がその意識に関係なく反応する。
互いに舌を伸ばしあい、相手の中へとせめぎ合う。
「んふ・・・・・ぁ・・・・・はぁ・・・・・」
「ぅぁ・・・・・ん・・・・・くぅ・・・・・」
七緒の口腔を刺激するイヴ、そして、それに対抗するようにイヴの歯茎を舐め返す七緒。両者の舌の動きは互いの昂揚と共に激しくなり、二人の口の周りは互いの唾液でべとべとになっていた。
ふぅとイヴが熱っぽい吐息を鼻から漏らす。その瞳は潤み、真っ赤にその頬を染める。
そのとろけたような表情で七緒を見る。そして、七緒の手を自らの膣へと導くと、その手を七緒の胸へと手を伸ばす。ふにふにと指を動かし、七緒の胸を変形させていく。
その刺激に反応し、イヴに導かれた七緒の手がイヴの膣を這っていく。伝わる刺激に互いの体がビクビクと震えた。
「ふぅっ・・・・・あ・・・・くふぅ・・・・・」
「ふぁ・・・ふぅっ・・・・ひぅ・・・あぅっ・・・」
二人の美少女が絡み合う。互いに顔を赤く染め、呼吸を荒くする。
一人は金髪を、もう一人は黒髪を振り乱し、体で快感を表現していた。
徐々に呼吸が短くなり、二人の体を走る痙攣の間隔が短くなっていく。
「あ、あ、あ、あ、は、あ、ぅ、あぁ」
「ふ、ぅ、あ、う、ひ、あ、く、ふぅっ」
唇を重ね合わせ、抱き合ったまま、二人は体を震わせる。そして、互いの胸と膣を刺激しあい、互いに大きく体を震わせる。
そして、絶頂へと到達する瞬間、互いに唇を重ねた。
「んんんんんんんんんんんんっ!!」
「~~~~~~~~~~~~っ!!」
二人の美少女は抱き合ったまま体を震わせる。二人の全身の筋肉が固まり、そして脱力する。
二人は唇を重ねたまま、仲良く横に崩れ落ちた。
彩、律子、舞子、直子、イヴ、七緒の淫らな姿。その姿を見て、かずいは満足そうに笑う。
その腰の上では長い金髪が踊っていた。
「Ah,Ah,Oh!!」
大きく揺れて、自己主張するその胸。彫りの深い顔が快感に歪んでいる。細くくびれた腰を捕まれ、悩ましげに尻を前後させる。
イヴによく似たその顔。かずいの上で痴態を見せているのはDr.アリサ。日本でのイヴの保護者という名目でイヴの試験状況をつぶさに本国へと報告する、イヴの開発担当者である。
アリサがイヴに似ているのは当然で、イヴはアリサの細胞をベースに作られたのである。アリサがイヴに似ているのではなく、むしろイヴがアリサに似ているのだ。
そのアリサが顔を真っ赤にして、腰を振る。つうと汗が伝い、ビクビクと快感に体が震える。
かずいは揺れる金髪をなで、すでに体液に冒されたアリサに顔を寄せる。
そして、唇を重ねると、たっぷりと唾液を流し込む。その瞬間、アリサの目が見開かれた。
ごくりと唾液を飲み込み、アリサの動きが速くなる。
「A,A,A,A,A,A!!」
ずんずんと腰を動かし、体を大きく仰け反らせる。そのあまりの快感にアリサの口から涎が零れていた。
かずいはアリサの胸を揉む。手に余るその胸は、しっかりとした弾力でかずいの手を押し返す。
アリサの膣はいろいろとくわえ込んできたのか、非常に熟れ、きつすぎず、緩すぎない感触をかずいに与えた。
ビクッビクッとアリサの体が震える。湧き上がってくる快感にアリサは動きを速くする。
熱い吐息がアリサの口から零れる。ハアハアと息を荒くしてかずいを見上げるアリサの瞳には狂気に近いものが含まれていた。
その瞳に応えるようにかずいも腰を動かす。溢れ出る快感。近い絶頂にアリサは体を大きく震わせた。ひくひくと膣が蠢き、かずいのものを求めていく。
その感覚にかずいの快感も増えていく。ぞくぞくと体が震え、かずいは求めに応えるように白濁液を吐きだした。
「ーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
体中に走る快感。アリサは射精を感じ、絶頂へと押し上げられた。アリサの体がびしりと固まり、ずるずると脱力していく。
イヴがアリサの細胞から作られたというのならば、イヴはやがてアリサのようになるだろう。
しなだれかかってくるアリサを眺め、かずいは未来を夢想した。
< 終 >