きれいな石 第1話

第1話

「ちょっとそこのお兄さん」とある街の繁華街で易者風のおじいさんに呼び止められた。
「あんたちょっとこっちへ」普通に声を掛けられただけだが、なぜかその声に従った。
 普段の俺はそんな呼び込みにはまるっきり応じず無視して通り過ぎているのに。
 何分間だったろうかまるで何時間も話を聞いていたような気もするし、ほんの2,3分だったような気もする。俺はボーっとしたまま自分のマンションに帰宅し、そのまま就寝した。
 翌朝俺は珍しくすっきりと目が覚めた。ここ最近、目覚ましにたたき起こされるというのが癖になっていてそれから考えるとまるでうその様にすっきりとした目覚めだ。
 そう考えると目覚ましが鳴った。ジャスト1分前に目が覚めたことになる。
「おお、今日はなんか良いことが起こりそうな予感。早起きは三文の得って言うしな」
 そんな事を考えていつもの様にトイレに入った。
 そー言えば昨日の夜どうしてたっけ?トイレに座りながらそんなことを考えていた。
「そー言えば変なじいさんに呼び止められてそこから・・・・、よく覚えていないな。ま、酔っ払って昨日の事を良く覚えていないなんて事は良くあることだし、まぁ、いいか」
 俺は顔を洗い、いつもの様に身支度を整えスーツを着て玄関の鏡の前に立った。
「あれ?」上着のポケットが妙に膨らんでいるのに気がつき俺はポケットに手を入れた。
 硬いつるっとした物が指先にあたり、俺はポケットからそれを取り出した。
 それは、きれいな石だった。きらきら光る水晶のような物で中をのぞくと細かな模様が浮かびあがった。俺はそれに吸い込まれるように見つめていた。
 その時、不意に昨日のじいさんの声が聞こえた。しかも鮮明に。
「お前さんにいいものをやろう。これは人に見せるだけでその見せた人間を深い催眠状態にさせる不思議な石じゃ。名前?名前などどうでも良い。好きに付けるがいい。重要なのは使い方じゃ。まず、この石を見ながら自分の事を石に覚えてもらうのじゃ。そうしないと石は言うことを聞いてくれん。そのキーワードは、こうじゃ。『汝、我を受け入れよ。その後、我に従え。』そう言えばよい。後は、お前が好きに使うがいい。石に問いかければその都度石が答えてくれるわい」
 俺は思わずあたりを見渡したが、あたりには誰もいなかった。ま、自分の部屋に他の人間がいたら怖いが、目の前に昨日のじいさんがいるかのようにはっきりと聞こえた。
 俺は、何かに取り付かれた様にじいさんが言ったキーワードを言った。
「汝、我を受け入れよ。その後、我に従え」そう言うと頭の中に直接話しかけられるように声が響いた。「パーソナルデータインプット完了。あなたを使用者として登録しました」
「何?」俺は驚いて声を上げた。すると、また頭の中に声が響いた。
「声を出す必要はありません。あなたは既に使用者として登録していますので、あなたの思考を読み取れます。あなたはただ考えるだけで私と会話できます」
「それってまるでテレパシーみたいだな」そう思うと「そう考えていただいて結構です」
 と声が響いた。
「お前は何者だ?」俺はその石に聞いた。「私の名前は、あなたたちには正確には発音できません。
 ただ、過去、私の事を賢者の石や魔石とか呼んでいた人間がいました。好きに呼んでいただいて結構です」
「賢者の石?魔石?」「はい」
「昨日、じいさんが言っていたけれども、これは人に見せるだけでその見せた人間を深い催眠状態にさせる不思議な石って言っていたけれども、本当か?」
「はい、本当です。99.998%の人間に対して有効です」
「99.998%?それはつまり10万人に2人かからないつまり、5万人に1人の確率でかからない人間がいるってことだな」「そうです」
「その99.998%以外の0.002%の人間には絶対に無理なのか?」
「そういう訳ではありません。3,4回の繰り返しによってその確率は、99.999999%まで上がります」
「それじゃぁ、ほとんどの人間に聞くのか」
「そう考えていただいても問題ありません」
「話だけ聞くとほぼ無敵と聞こえるが、欠点はないのか?」
「ありません」「正しい使用方法をとる限りこの確率で深い催眠状態にさせる事が可能です」
「正しい使用方法?」
「正しい使用方法は、対象となる被験者に対して直接私を見せること。映像などの媒介を通すとその確率は極端に落ちます。例えばTV電波を媒介すると確率は12%まで落ちます。その他、映像の解像度で結果は変化しますが、インターネット等では2%程度まで低下します」
「後、対象に対しては正しくその対象者がわかる言葉で内容を確認しながら暗示をしないと深い催眠状態ではあるが、暗示が有効に働かないという結果になります」
「つまり、ほぼ対面で施術した場合の確率だって事が言いたいわけだな」
「そうです」
「うん、俺は時計に目をやった」ここまで頭の中での会話だったのでかなり短い時間であったがもう家を出ないと遅刻する時間だ。
 俺は、石をポケットにしまって出かけることにした。
 俺は何度か会社で使ってしまおうかと思ったが、流石に会社でやって失敗すると目も当てられないので会社では普段どおりに何の行動もとらずにいた。そして日々の時間が過ぎた。
 俺は、この石の効力を確かめるために定時に退社し、また繁華街へと向かった。
 繁華街でぶらぶらしていると前から一人のOL風の女が歩いてきた。顔もプロポーションもよく、ちょっとした美人だ。俺はその女をターゲットにして実験をすることにした。
 怪しまれない程度に距離を空け、人気の無いちょっとした空間を探してその女の後をついて行った。やがて人気のない公園の脇にさしかかった。
 俺はその女に声を掛けた。「ちょっとすみません。これ落とされませんでしたか?」
 そう言って俺は例の石を取り出した。女は振り向き俺の方に振り向いた。
 俺は、その女の目の前に差し出した。女は、差し出した石をじっと見つめた。
「これですけど、よく見てください」「はい」女は意思の無い声でつぶやいた。
「あの、これ落とされましたか?」俺は当り障りのない事を聞いた。
「いいえ、違います」女はロボットの様になんの感情も交えずに答えた。
 俺は、更に質問を重ねた。
「失礼ですが、お名前は?」「山下香織です」
「年齢は?」「24歳です」
「よっし、これ完全にかかっているよな?」そう思った瞬間、「99.98%の確率で催眠状態です」と石が答えた。
「さぁ、ちょっとそこの公園のベンチまでついてきて」女はコクンとうなづいて俺について夢遊病患者のようにふらふらついてきた。
「さぁ、ここに座って」そう言うとコクンとうなづいてベンチに座った。
「香織さん聞こえますか?」コクン。とうなづく。「香織さんは僕の質問に答えるときはちゃんと声に出して答える事ができますよ。いいですね」
「香織さん、聞こえますか?」「はい、聞こえます」
「あなたは今ふかーい催眠状態です。僕が今から3つ数を数えると更に深い催眠状態になります。そして僕の言う通りになります。あなたは僕の言う事を聞いているととても気持ちが良い。何も考えずに僕の言う通りにしているとものすごく気持ちがいい。さぁ、何も考えずに僕の言う通りに従いましょう。そうするととても気持ちがよく非常に安らかな気持ちになります」
「僕の言う事を聞いているととても幸せ。とても気持ちがいい」
 そう俺は畳み掛けるように暗示を施した。香織はにっこりとしながらベンチに腰掛けている。
「ちょっと僕にキスしてみて」「はい」そう言うと香織は僕の方に目を瞑りながらキスをしてきた。
「さぁ、僕が3つ数を数えると君は僕の恋人だ、僕らは恋人同士だよ」
「1、2、3、はい」「さぁ、香織、僕についてきて」「え、どこに行くの?」
「ついてくれば分かるって」「もー、いっつもそんな風なんだから」
 そう言いながらしばらく歩いてホテル街の方に歩いていった。
「ここでいいか」そう言って俺は適当に部屋を選んで入っていった。
「香織、ちょっと休んでいこう」そう言って俺は香織をホテルの部屋に連れこんだ。
 最初は難色を示していた香織だが、石を見せるとおとなしく従った。
「さぁ、これを見つめて深いところに落ちていく。深い深い、さぁ、深い催眠状態になると君はすごく幸せ、気持ちがいい」
 一般に暗示を与える場合、静かなリラックスできる空間が必要だ。それは催眠深度を深める意味でもとても重要だ。でも今回は、石を使っているので場所はあまり重要ではない。
 とはいえ、暗示を確実に与えるためにも静かな落ち着いた場所、つまりホテルのような二人きりになれる場所が必要になる。
 俺は、早速暗示を仕込むことにした。さらに石の力でどこまでコントロールできるかの見極めを香織で行う。
「さぁ、香織さんあなたは深い催眠状態です。3つ数を数えるといったん目が覚めますが、僕の指先を見て僕が催眠誘導すると今よりもっと深い催眠状態になります。今よりずっと深く気持ちがいい。さぁ、3つ数を数えると必ずそうなります。1つ、2つ、3つ。はい」
 俺は香織の目の前に指を差し出し、香織の眉間に近づけていった。香織はぼーっとした表情のまま、指先をじっと見つめていた。そしてまぶたがピクピクと痙攣した。
 その瞬間、俺は暗示を仕掛けていく。
「さぁ、まぶたが重い。まぶたが痙攣してきて目を開けていられない。目を閉じて。目を閉じると同時に意識がずーっと深いところに落ちていく。頭の中が真っ白。何も考えられない。深ーい所に落ちていく。3、2、1。深い。体も心も非常にリラックスした状態です。もう、あなたはさっきより深い更に深い催眠状態です。あなたは目を開けることができますが、何もわからない。周りのことも自分の事も何も考えられない。全然気にしないし気にならない。さぁ、3つ数を数えると目を開くけれど、何もわからない。あなたはお人形さんになりますよ。1、2、3、はい」
 香織は、ゆっくりと目を開けたが焦点が定まっていない。俺は香織の目の前に手をやり視線を遮る様に手を振ったが反応は無かった。
「あなたはお人形ですが、私の声は聞こえます。それに私の声にはちゃんと反応することが出来ます。私の言うことはどんな事でも正しいです。それにあなたは私の言うことに素直に従います。それに、言う通りにしていると楽しくてとても幸せな気持ちになります。うれしくってしょうがない。私の言う通りにすると気持ちがよくってうれしくなります。それに、私の質問や命令に対しては返事や答えを口に出して言うことができます。私が、『何々したくなります。』や『何々しなさい。』と言うとあなたは、『私は、何々をします。』と私の言った事を復唱して私の言った通りに実行してしまいます。今から3つ数を数えると必ずそうなります。1、2、3、はい」
 俺は、暗示が聞いているかどうか確認するために次々と質問することにした。
「香織さん、聞こえますか?」「はい、聞こえます」おお、ちゃんと暗示が聞いているな。
 それでは、さっそく。
「香織さん、今からあなたに色々な質問をしますが、あなたはそれに正直に答えます」
「はい、私は正直に質問に答えます」
「あなたの年齢は?」「24歳です」「家族は?」「父と母、あと弟が一人います」
「あなたの職業は?」「Ox産業のOLです」
 さて、ここからが本番だ。
「あなたの男性経験は?」「・・・」何の反応もない。生気のない様子でベッドに座っている。
「香織さん、正直に答えましょう」
「さぁ、あなたは答えたくてたまらない。答えたい。さぁ、あなたは今まで男の人とS○Xをしましたか?」
「3人です」今度はすぐに答えた。俺は不思議に思い、更に聞いた。
「香織さん、さっきは何故すぐに答えなかったんですか?」
「正直に答えましょう」「はい、男性経験の意味が分からなかったので答えられませんでした」
「うん?」俺はちょっと考えた。
 別にかまととぶっているわけでもないな。S○Xの数を答えたからな。
 質問の内容が唐突過ぎたかな?まぁ、いいか。かなり深くかかっているみたいだし。
 不思議な感じがしたが、別に些細な事なので気にせず質問を続けた。
 家族の事、恋人の事など個人情報保護法などお構いなしにプライベートな事を根掘り葉掘り聞き出した。
 郊外の住宅街に家族と住んでいる24歳のOL。男性経験は3人なので、まぁ、普通の今風のOL。
 俺はいたずら心が芽生えたので、いろいろ質問している最中、香織人形で楽しむことにした。
 等身大の着せ替え人形状態の香織の上着を脱がした。香織は何の対抗も無く意思の感じられないうつろな目をしてされるがままに体をいじられたが何の反応も示さなかった。
 人形と言う暗示によって触られても何も感じない、何も考えない等身大の人形だった。上着を脱がした後、ブラウスの上から香織のおっぱいを揉んだ。
 香織のおっぱいは、柔らかく少し大きめで俺の手のひらにはちょっと納まりきれない程だった。俺は、なんの反応も示さない香織人形をもてあそぶのに少し興奮してきた。
 ブラウスのボタンをひとつづつはずすと、やがて豊満な胸を包むブラジャーが出てきた。
 はじけるような胸をぎゅっと束ねるように押さえ込んでいる。俺はそのままブラジャーをずらしておっぱいを出した。おっぱいは弾力があり、はだけたブラウスとずれたブラジャーでなんとも言えない感じだった。香織のおっぱいはぷりんとしたロケット型で、乳首は薄いピンク色でそれほど使い込まれた感じはなかった。焦点の合わない目を開けぼーっとしておっぱいをさらけ出す香織はなんとも言えない色気をかもし出していた。
 俺は今度は香織のスカートを脱がしにかかった。
「香織さん、立ち上がりなさい」「はい、私は立ち上がります」そう言うとふらっと立ち上がった。香織は服がはだけていることも気にせず無表情のまま立ち上がった。
 俺は香織のスカートのホックをはずしスカートを脱がした。香織はパンストを履いていた。
 俺はパンストをずらしパンティを脱がした。
 香織は意外と毛深く大事な秘所は大切に隠されていた。
 俺は脱がしながらも香織の体をさわったり、揉んだりしてして散々いじくったが、香織はその間中も無表情のまま立ちすくしていた。パンティを脱がした後、香織に少し足を広げさせた。
 香織の大事な部分に指を入れて香織の具合を触診した。
 今度は香織をベッドに寝かせて人形のまま犯した。先程の触診で多少香織の大事な場所は潤っており、俺は自分の息子を挿入するのにそれほど苦労はしなかった。
 香織の豊満な胸に顔を埋め正常位で一勝負を終えた。
 ひと通り楽しんだ後、俺は更に香織で実験を行った。
「さぁ、香織さん、あなたは私が3つ数を数えたらかわいい子犬に成りますよ」
「はい、私は3つ数を数えたら子犬になります」
「1、2、3、はい」
 香織は一瞬、びくっとした表情をしたが、すぐさまよつんばいになり、「わんわん」と鳴いた。
「さぁ、お前はかわいい、僕のペットだ。こっちにおいで」
「わん」そう言うと香織は舌を出して俺の足元にじゃれ付いてきた。
「くん、くーん」鼻から抜けるような声を出して潤んだ瞳で俺を見ている。しかも服は中途半端にはだけていた。
 やがてわずらわしいのか、香織は犬のしぐさで自分の服を脱ぎだした。
 おそらく、服を変に着ているのがうっとおしくなったのだろう。犬は別に服が脱げ掛けていてもそのままだろうし、わずらわしければ脱ぐ。香織は今は犬なのでわずらわしいと感じ犬の思考でじゃまだから脱ぐとなったんだろう。
 俺は、香織をなでてやりお手、チンチン、お預けなど、一通りの芸をやらせ犬になった香織を弄繰り回した。
 それから今度は香織を盛りのついた状態にした。
「さぁ、香織、よくお聞き。今から僕が3つ数を数えるとあなたは、さかりのついたメス犬になります。いいですね」
「はい、私はあなたが3つ数を数えるとさかりのついたメス犬になります」
「よろしい、1つ、2つ、3つ。はい」俺が、そう言うと香織はとたんに舌を出し、はぁはぁと大きな息遣いになった。
「くーん、くーん、はぁ、はぁ、はぁ」さっきより潤んだ目をし腰を振りながら俺に体を摺り寄せてくる。
 わずかに赤みがかった顔で俺におねだりしている。
 よく見ると香織の秘所は、びしょびしょで何時でも俺を迎えられる様に濡れていた。
 俺はよつばいになっている香織をバックで犯した。メス犬香織は涎を垂れ流しながら、「くんくん」あえいでいた。
 本人は犬になっているので、決して絶頂を迎えても「いく」とは言わないでたとえようの無い獣の鳴き声で果てた。俺は、しばらく休憩し、再び香織に暗示を与えた。
 香織は、床で倒れたように果てている。俺は香織を起こした。
「香織さん、あなたは今から僕が3つ数を数えると元の香織さんに戻ります。でも、元の香織さんに戻りますがあなたは深い催眠状態のままです。3つ数を数えるとあなたは元のあなたに戻りますが、深い催眠状態のままです。
 いいですね」「はい、私は元の状態に戻りますが、深い催眠状態のままです」
「さぁ、3つ数を数えるとあなたは元の人間に戻りますが、深い催眠状態のままですよ。1つ、2つさぁ、3つ。深い催眠状態のままです」香織は軽く目を閉じそのままだらりとした格好で横たわっていた。
「さぁ。香織さん。私が手を貸しますからベッドに腰掛けましょう。さぁ、立って」
「はい、立ちます」そう言うとのろのろ俺に手を引かれるままにベッドに腰掛けた。
「さぁ、ベッドに腰掛けるとさらに気持ちが良くなってあなたは、更に深いに催眠に落ちていきます。さぁ、スーッと深いところに落ちていく、落ちていく。落ちていく」そう俺が言い終わると、香織はベッドにスーッと倒れてベッドに横たわった。「そのまま体の力が抜けていく。何も考えられない。頭の中が真っ白。とてもいい気持ちで、ゆっくりとくつろいでいる。そうしていると、心も体もリフレッシュしてくる。香織は催眠が気持ちよくてたまらない。
 癖になっちゃいそうだ。催眠は気持ちがいい。いつまででも催眠にかかっていたいそんな気持ちになってくる。
 気持ちいい、すっごく幸せ。さぁ、3つ数を数えるとあなたは、私の奴隷になります。催眠奴隷です。
 香織さん、あなたが、催眠にかかっているのは僕の奴隷になるためです。それに僕の言うことに従っていると、とても気持ちが良い。いいですね」
「はい、私はあなたが3つ数を数えるとあなたの奴隷になります。あなたの言うことに従うのが気持ちよくなります」
「よろしい。さぁ、香織さん、3つ数を数えると僕の奴隷に生まれ変わります。僕の言う命令には何でも従います。命令されるのがうれしい。3つ数を数えると僕があなたのご主人様です。かならず、そうなります。1つ。2つ、3つ」
「さぁ、ゆっくりと目を開けて、ご主人様に挨拶しなさい」
「はい、ご主人様」香織は立ち上がると俺の目の前で正座し、3つ指をついてあいさつをした。
「ご主人様、香織です。何なりとご命令くださいませ」そう言って深々と頭を下げた。
「よろしい、香織。さっそくだが、これを良く見るんだ」そう言うと俺は石を再び香織の目の前に差し出した。
 香織はすぐに固まり石をじっと見つめている。
 俺は石に聞いた。「この女は、催眠に掛かっているとは思うけれども、この効果は言ったいいつまで持つんだ?」
「催眠に掛かっている確率は99.997%です。この状態でほおって置けば70%の確率で2,3日後には催眠からさめます。更に暗示が消える確率は1ヵ月後で98%半年後で90%1年後で60%2,3年後には20%の確率で暗示は消えてしまいます。この確率は個体差があるため、この被験者がどのパターンで暗示に掛かっているかとその後の外的要因等で確率はかなりの幅でぶれます」「つまり、2,3ヶ月ぐらいだと暗示は残っているけどそれ以降は保証の限りではない。と、いうわけか」「はい、概ねその通りです」
「後は、後暗示だが、どれくらいの期間有効かな?」「それも先ほどの暗示の忘却率によります」
「じゃぁ、2,3ヶ月程度ってわけだな」「はい」
「まぁ、いいか。せっかく手に入れたおもちゃだ。飽きるまで遊ぶのも悪くないな」
 俺はそうつぶやくと香織に暗示を与えた。
「さぁ、香織さんこの手帳にあなたの住所と携帯の番号、携帯のメールアドレス、名前、生年月日、とかを書いて」
「はい、私はこの手帳に住所や名前を書きます」
「まずは、名前ね」「はい」そう言うと黙々と俺の手渡した手帳に名前や住所、携帯など、次々と書き込んでいった。
 これで、よしと。これで香織には何時でも連絡がとれるな。
「えーっと、香織、お前の休日はいつだ?」
「はい、私のお休みの日は土日と祭日です」
「いつも何時ぐらいに帰宅するんだ?」
「何もなければ、7時には帰宅したいます」
「なるほど」じゃあと俺はチラッと時計を見た。ホテルに入ってから1時間半が経とうとしていた。
「さぁ、香織さん。もう一度深い催眠に入りましょう」
「今から3つ数を数えるとあなたと私は恋人同士になりました。きっかけは、あなたが酔っ払いに絡まれているのを助けてそれから意気投合して付き合うようになった。あなたは、そのことを覚えている。いいですね。それから、普段は私とあなたは付き合っているので連絡をするのはごく自然な事です。しかし、まだ付き合って時間が経っていないので、家族とか周りの人間には私の事は内緒にしておきましょう」
「私は、あなたの恋人です。でも周りとか家族にも秘密です」
「よろしい、それじゃ、3つ数を数えます。あなたは私の恋人になりますよ。そしてこの事は催眠から目覚めても覚えておきます。1つ、2つ、3つ。はい。あなたはもう、僕と恋人同士です。催眠から目覚めてもそれは覚えていますよ」
「はい、私とあなたは恋人同士です」
「そうです。それと、今から言うことはあなたの心の奥底にしまって置いてください。いいですね」
「私はあなたが今から言われることを心の奥にしまっておきます」
「はい、では、よく聞くてください。あなたは、何時でもどんなときでもどんな状態でも私が、『香織、眠れ』と言うと、今のように深い催眠状態になります。香織さん、あなたにとって今のように深い催眠状態になることは非常に気持ちの良いものです。あなたは催眠が大好きです。そうですね?」
「はい、香織は催眠が大好きです」「それじゃぁ、私が、『香織、眠れ』と言うとどういう風になりますか?」
「私は、あなたが『香織、眠れ』と言うと今のように催眠状態になります」
「そうだね。香織は今のような催眠状態が大好きだもんね。気持ちいいよね。またこんな気持ちよくなりたいね」
「はい、成りたいです」「そうだ、僕が『香織、眠れ』と言うと何時でも今のように気持ちいい催眠状態になれるよ」
 さぁ、3つ数を数えるとそうなります。しかし、この事はあなたの心の奥深くに刻み込まれるから普段は全く覚えていません。しかし、この『香織、眠れ』と言う言葉を聴くとあなたは、何をやっていてもどんなときでも今の催眠状態を思い出してすぐにその気持ちの良い、催眠状態になることができます。いいですね」
「はい、私は普段は忘れていますが、いつでもどんな時でも『香織、眠れ』という言葉を聴くと今の催眠状態になれます。このことは普段は忘れています」
「そうだよ、普段は忘れているんだが、『香織、眠れ』と言う言葉を聴くと香織の大好きな催眠状態になれるよ」
 そういうと香織はにこっとしながらうなずいた。「さぁ、3つ数を数えるとこの『香織、眠れ』と言う言葉は、あなたの深層心理、心の奥底に刻み込まれますが、普段は思い出せない。ただ、『香織、眠れ』という言葉を聴くと必ず催眠状態になる。1つ、2つ、3つ。はい」
「さぁ、今の事は心の奥底に刻み込まれました。でも、『香織、眠れ』と言う言葉であなたは、催眠状態になります」
 ここで、おれは、一息ついた。さて、これから恋人の香織を起こして今の暗示が有効かどうかを確認しよう。
「さぁ、3つ数を数えるとあなたは気持ちよく目が覚めます。1つ、2つ、3つ。はい、気持ちよく目が覚めます」
「香織、どう気持ちよかった?」
「え?」香織は狐につままれた様な表情をしている。
「何が『え?』だよ、さっき散々愛し合ったじゃないか」
 俺はそう言うと香織は思い出したように顔を赤らめた。
「なんか、よくわかんないけど私、どうしたのかしら?」
「何、言ってんの。あまりの気持ちよさに記憶が飛んでるんじゃないの?」
「えー、ちょっと待って・・・・」俺は香織が考え込んだその瞬間、こう言った。
「香織、眠れ」「え?」と一言発したかと思うとすぐに香織はうつろな目になった。
「香織、よくお聞き、あなたはさっきまで僕と激しいS○Xをしていた。いいね」
「はい、私はさっきまであなたと激しいS○Xをしていました」
「さぁ、3つ数を数えるとそのことを思い出して目が覚めるよ。1つ、2つ、3つ、はい」
「なんだよ、香織どうしちゃったの?」
「え、何でもない。私どうしちゃったんだろう。さっきあんなに激しかったから、混乱したのかしら」
「どうでもいいけど、もうそろそろ帰らないとまずいんじゃない?」
「あぁ、そうだわ」そう言うと香織はシーツで体を隠してシャワールームに入って行った。
 俺は、その間、香織の服を揃えてシャワールームの脱衣所に持って行った。
「香織、服、ここにおいとくぞ」
「サンキュー」シャワーの音に混じり香織の声が聞こえた。
 さぁ、段取りは整った。とりあえずおもちゃがひとつ手に入った。
 俺は、一人ホテルの中でほくそえんでいた。

< 続く >

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