ミーンミーン……ジジジジ……。 蝉の声がけたたましいほどに響く窓の外では、アスファルトから立ち上る蜃気楼が周囲の景色を歪めている。 窓から容赦なく照り付ける日差しが、じりじりと体のあちこちを蝕んでいく。座ってじっと
もっと読む「催眠」
被験者の記憶集4
短大生:梓(20) 7月××日(土) 私は催眠にかかるのが好きだ。 エロもエロなしでも好きだ。 だから通話でも対面でも、自分から相手を探すことはままある。ちょうと今みたいに。 ただ相手を探すことはまま
もっと読む被験者の記憶集3
大学生:Rana(21) 6月××日(木) これまで遊んでいたセフレが、未成年に手を出したとかで炎上して消えた。 まぁままある話だ。なんなら私もその頃から遊んでたし。 というわけで暇になったので、次の遊
もっと読む被験者の記憶集2
会社員:アキ(24) 6月××日(火) 暇だった。きっかけは暇だったこと。 普段からそれなりの頻度で、通話で催眠の相手してもらってた通話版セフレがいるんだけど、簡単に言うとマンネリ化した。 もともとお互
もっと読む被験者の記憶集1
大学生:前原恵(20) 5月××日(水) 最初は簡単な興味でした。 大学2年にもなって新鮮さは消え、いいサークルも見つからず、バイトにも慣れてきてしまって、新しい刺激が欲しくなったんです。 そしてたどり
もっと読むスパイラルトラベラーズ 3
その日の結沙たちは、いつものように崇泉院学園高校の文化サークル棟に足を運ぶと、部室のお掃除を始める。結沙たちが通う聖クララ女学院の授業が終わってから、バスに乗ってここまで来ているのだが、さすが崇泉院は偏差値の高さと歴史
もっと読むスパイラルトラベラーズ 2
学園祭の季節から3ヵ月もたった頃、結沙たち4人は、すっかり新しい生活のリズムにも、慣れつつあった。部活動といえば、『スパイラルサークル』のサポート活動。吉沢結沙にとっては、部員の男子たちに玩具のように弄ばれる、嫌な時間
もっと読む新装開店・喫茶ヒプノ5
「――メールを確認させてください。……はい、OKです。では好きなクジを引いてください。……はい、17番ですね。それが席の番号になるんで、座ってお待ちください」 年の瀬も押し迫る冬のある日。 数年ぶりとなる喫茶ヒプノに
もっと読むスパイラルトラベラーズ 1
「………結沙ちゃん、…………結沙ちゃんってば、聞いてる?」 親友である城崎野乃の声で、吉沢結沙は急に現実に引き戻される。今、彼女は崇泉院学園から家への帰り道。仲良しの野乃、梨々香、咲良との4人でバス停へと歩いている
もっと読む新装開店・喫茶ヒプノ4
「照明はこの辺でいいんです?」 「あー……もう少し右に……ストップ。いい感じです」 夏真っ盛り。朝霞とミナモは冷房の効いた店内でスタジオの構築をしていた。 冷房は効かせているけれど、備品をあれこれ動かしていると額
もっと読む新装開店・喫茶ヒプノ3
連日の酷暑が厳しい夏のある日。 喫茶店としては定休日。空調の効いた店内にミナモはおらず、朝霞ひとりだけ。 自分で淹れたコーヒーを飲みながら動画を編集してると、朝霞のスマホが通知で震える。 『お疲れ様です。無事合
もっと読むスパイラルサークル 第5話
本当は学校に来て、朝一番に親友たちと話をしたかった。けれど結沙が教室に着いたのが始業ギリギリというタイミングだったので、1時限目が終わってからの休み時間まで、4人での状況確認はお預けになってしまった。遅刻しなかっただけ
もっと読むスパイラルサークル 第4話
ガチャン、ガチャン、ギギー、ガチャン。 結沙の頭の中には、自分が手を振るたび、足を上げるたびに、錆びかけた金属のたてる音が鳴り響いている。結沙と他の3体のブリキの兵隊は今、意気揚々と文化サークル棟へ向かう小湊弘太
もっと読むスパイラルサークル 第3話
「ではせっかくですから咲良ちゃんに負けないように、皆、順番にラウンドガールになってもらいましょう。咲良ちゃんとは幼馴染みらしいです、城崎野乃ちゃん、ご起立くださーい」 右手を拝むように顔の前に出して、ひらひらと振り
もっと読む元気になっちゃう、おまじない
キーンコーンカーンコーン…… 「あうぅぅぅ……」 終わりのホームルーム後、僕は大きなため息をつきながら机に突っ伏した。 今日も里美先輩の催眠暗示のせいで恥ずかしい目に遭わされてしまったのだ。 「はぁ
もっと読むスパイラルサークル 第2話
「あ、アー、アー。皆さん、聞こえますね。………それではこれから、崇泉祭毎年恒例の、僕らスパイラル・サークルによる催眠術ショーを開催します。諸注意とか例年と同じなんですけど…………1年生の子たちとか、撮影厳禁でお願いします
もっと読む前に進めない催眠暗示に抵抗しようとする女の子のお話
「さて、それじゃあまずは、君のフルネームをこの風船に書いてみて」 浩一が目の前の少女にサインペンを手渡すと、真っ赤な風船を少女の目の前に差し出す。 「う、うん……こう?」 少女はキャップを外すと、慎重な手
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~11
第五章 季節は廻りBへと誘う。 俺は……持っていた鏡を夏帆に向けた。 「いやああああっ!」 鏡を向けられた夏帆は大きな悲鳴を上げたが、しばらくすると、そのまま石のように動かなくなった。 その瞬間、 (良くやった
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~10
第五章 季節は廻りAへと誘う 俺は……持っていた鏡を床にたたきつけた。 パリンと言う音と共に鏡が砕け散る。 その瞬間、 (そうか……残念だよ、志貴。だけど忘れるなよ、お前が俺を否定しても俺はお前の中に居続けるっ
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~9
第四章 夏の夜の夢(後編) -3- 夏帆姉ぇの話を聞き終えた俺は、ただ呆然とするしかなかった。 ……父さんも俺と同じ鏡を持っていた? それに夏帆を襲った……。 たまらなくなった俺は手元の鏡に向かって声をかけ
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~8
第四章 夏の夜の夢(前編) -1- その日はまさに、熱帯夜と言ってふさわしい夜だった。 ねっとりとした湿気が僕の全身にまとわりつき、着ているシャツも汗に濡れている。 「はぁ、はぁ、はぁ」 月はなく、街灯の明
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~7
第三章 冬の終わり(後編) -3- あの日、私は秋に入れてもらったコーヒーを片手に、夫と話をするために書斎へと向かった。 特にこれといった用があったわけではない。 ただ何となく、ここ最近の夫の様子がなんだか
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~6
第三章 冬の終わり(前編) -1- 学校の保護者参観に父さんが来てくれたことは一度としてなかった。 だから冬美さんが保護者参観に来てくれたときは、嬉しさよりも驚きの方が大きかった。冬美さんを初めて見た友人たち
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~5
第二章 春の目覚め(後半) -3- 最初から春香が僕たちのことをこっそり覗いていることはわかっていた。わかっていて、僕はわざと僕と秋の情事を春香に見せつけていた。 「あああっ! ご主人様! イキます、イキますぅ
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~4
第二章 春の目覚め(前編) -1- 僕の本当の母親は、僕が小学2年生の時に死んだらしい。 母親の記憶はあまりない。だから死んだことに対しては別段悲しくもない。だが亡くなった母がベッドに横たわっている姿と、母が
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~3
第一章 秋の収穫(後編) -3- 身体の上で気を失った秋をゆっくりとベッドにおろす。目の前で横たわっている秋を見つめながら僕は絶頂の余韻に浸っていた。すると頭の中で、 (どうよ、人間。念願かなって憧れの人に童貞
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~2
第一章 秋の収穫(前編) -1- 秋が僕の家でハウスキーパーとして働くようになったのは、僕が中学の頃だった。 大学病院の医師として働いていた僕の父は家を空けることが多く、母親を亡くたった一人で父の帰りを家で待
もっと読む催眠の季節 ~僕が義理の家族を犯した理由(わけ)~1
第零章 はじまりの季節 裸電球が天井で左右に揺れている。 さっきあいつが私を脅かそうと大きく動いたときに体でも触れたんだろう。 しばらく天井を見ている間に、電球の動きはゆっくりと止まった。 しばらくすると、あ
もっと読むスパイラルサークル 第1話
「ホントに行くんだね? 近くまで来て、やっぱりやめようとか、無しだからね?」 吉沢結沙がしつこく念を押すと、クラスメイトで親友の城崎野乃は、少しだけ顔を俯かせて、唇を噛んだ。決心を捻りだそうとしている時の、彼女の癖
もっと読むオバ催眠[シナリオ版] 後編
翌朝。 叔母さんはいつも通り俺を起こしにきた。 「………………ほら、さっさと起きた起きた!」 態度もいつもと変わらない。ただ、顔が少し赤く見える。 1階に降りて
もっと読むオバ催眠[シナリオ版] 前編
--------------------------------------------------- 深夜。 数分前に、友達の滑川からスマホに送られてきた動画を見て、俺は呆然としていた。 「
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験18
◆昇る陽を追って ――。 コンコン。 ノックの音が響く。うう、眠い。起きたくない。だってそうだよ、昨日はあの後ちゃんと夕飯を食べて、その後は結構遅くまで――。 ――。 「アイシャさ
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験16
◆ アイシャちゃんと遊ぼう ――退行催眠。 催眠療法などで用いられるものだ。結局は、若返ったり子供に戻ったりしたと、暗示で思い込むだけなんだけど……人間、不思議なもので。そうして、戻ったつもりになるだけで
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験17
◆ 代行者ラヒーシャ ――。 「っい、ったああああ、あいたっ、いたい、いたいッあああアアアアアア!!!!」 「アイシャ・バライ。司教様を受け入れることで、貴方の中に神の手が宿ることでしょう」 「っぎ、っ
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験15
◆ 交易都市にて 僕とミリちゃんの乗るヴィークルは、今日もやはり大賢者エンジン出力全開。シレニエラ街道を走りに走った。自分が運転するときはいつ事故で死ぬかと、熱風と蒸気の渦の中でさえ背筋が凍る思いだったが…
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験14
◆聖王騎士の催眠告解 その1 「暖かいですねえ……」 「MIRAIは現在の気温を知らせることでお役に立つことができます。現在の気温は摂氏24.2度です」 ミライさんの仰ることは今一つ良く分かりませんが、宮殿の中
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験13
◆ 恋人たち その1 ――さて。 「レシさん、どれ食べる?」 「あー、鶏肉の香草焼きいいね。これにしよ」 不安定になってしまったミリちゃんを催眠で落ち着かせて、ついでに大分悪さをして、こうしてまた、酒
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験12
◆ 女心と旅の空 その1 シレニエラ街道の宿場――と言っても、王都シレニスタに最も近い地点に位置する拠点だ。頑張れば歩いても一日で帰れる。今自分たちがいるのはどうやらそういう所らしい。 湯を使わせてもらっ
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験11
※この作品には一部フィクションが含まれています。 ◆48 爆走街道ふたり旅 「建物だ……宿だ!」 思わず昂奮気味に声を挙げてしまう。それは待ち望んだ光景で、ようやく、ようやく見つけた安息の地で。 「えへ♥
もっと読む始末屋ヒュプノの活動記録3
3話 ──草木も眠る丑三つ時。 山中にひっそりと立った小ぶりな豪邸の周りでは、数人の警備員たちが少し退屈そうな顔で欠伸を噛み殺しながら小声で話していた。 「なあ……本当に今夜、怪盗サイアミーズが現
もっと読む始末屋ヒュプノの活動記録2
2話 「でさー、そん時吉田の奴が……」 「ギャハハ、マジかよ! ありえねー!」 青蘭高校の休み時間。階段にだらしなく座り込んだ金髪の男子数人が、缶コーヒーを片手にたむろして大声で談笑していた。 もとも
もっと読む始末屋ヒュプノの活動記録1
1話 ジリリリリリ…… 展示品の盗難を知らせる警報機のサイレンが美術館に鳴り響く。 『こちら展示室! 警備にあたっていた警官が全員眠らされています!』 『犯人の姿はありません! 空調用のダクトから
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験10
◆それは騎士物語のように ――。 突然ですが。 「僕も人のことは言えないけど、催眠暗示はどういう結果になるかをよく考えなきゃいけない」 「というか私を巻き込まないで欲しいです」 「ごめんなさい……」
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験9
◆異世界侍女の催眠練習 その1 ――。 「――まず、催眠状態というのは、変性意識の一種なんだ。変性意識とは、意識が普段と違う状態になっていること」 「普段と違う……というと。確かに、催眠に掛かっている間は普
もっと読む新装開店・喫茶ヒプノ2
暖かな日差しが差す、ある春の日の昼。 少し暖かすぎるくらいの、ポカポカ陽気の喫茶ヒプノの店内。 ミナモは心配そうに、何度も何度も同じことを朝霞に訊いていた。 「本当に、ほんっとうに、未成年じゃないんですね?」
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験8
※この作品には一部フィクションが含まれています。 ******************************************** ◆夜 その1 ――。 「……どうしてここに来てるの?」
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験7
※この作品には一部フィクションが含まれています。 ◆催眠お悩み相談室 その1 「……うう」 気が重い。明日は凱旋式――つまり、北方戦線に出ていたあの女やアルスさんたちが帰ってくる。聞いたところによると、
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験6
※この作品には一部フィクションが含まれています。 ◆西の塔の剣士 ――ミリちゃんの魔術実験から3日。 「……ここでの暮らしにも慣れてきたなあ」 などと言ってみるが、実のところショックというか、困っ
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験5
※忘れているかもしれませんが、この作品は異世界冒険譚です。 ◆大賢者ミリセンティア 「ミライさん。度々で申し訳ありませんが、この地域の天気予報を教えていただけますか」 「MIRAIはユーザーである魔術師様の要望に応えるた
もっと読むリアル術師の異世界催眠体験4
※この作品には一部フィクションが含まれています。 ◆催眠人形で遊ぼう その1 ――。 さて、朝だ。 「んー……」 東の塔で与えられたベッドの寝心地は悪くない。だけど、昨日と違って今日はあまりすんなりと眠れていない。
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