第4章
「ただいまぁ」
「こんばんわ」
教室のドアが開くと同時に、いつもの明るい声が聞こえてくる。
その声に顔を上げると、山村あすかと瀬野崎加奈が並んで教室に入ってきたところだった。
今日は普段よりも少し早めの到着だ。
あすかはあったかそうなファー付きの白いダウンの中に黒いニット、バーバリーチェックのミニスカートに茶色のショートブーツと今時の若者らしいファッションに身を包み、きれいな黒髪は後ろでまとめてピンで留め、ゆるくポニーテールのようにしている。
一方の加奈は、ベージュ色のコートに茶色と黄色の柄のマフラー、白のカットソー、下は黒のタイトミニにブーツという、少し落ち着いた大人の女性という印象の服装だ。
今日は眼鏡をかけておらず、コンタクトを入れているようだ。
普段制服を見慣れているせいもあってか、二人ともいつも以上に可愛く見える。
「こんばんわ。二人とも今日はおしゃれさんだね・・・てことは今日からがテストだったっけ?」
オレは二人が私服で来たことで、今日から彼女たちが試験だったことを思い出す。
「そうだよぉ~この前にも言ったじゃん~!教え子の試験日を忘れるなんてダメだよぉ」
あすかがぷくっと頬を膨らませ僕に訴える。
「そうだったなぁ、ゴメンゴメン・・・で、お二人さんの手ごたえはどうだったのかな?」
「まっ、いつも通りかなぁ?まあまあじゃない?」
「ふ~ん・・・なるほどねぇ・・・」
僕の疑うような反応にあすかの表情が曇る。
「・・・もしかして信じてない?」
「いやいやそんなことないよ・・・あすかちゃんのまあまあは信用できるからねぇ~」
オレはわざと嫌味っぽく言う。
「うっわ~絶対嘘だぁ!信じてない顔してるもん!」
あすかはそう言うと、ダウンを脱いでオレの座っている教卓の前の席に座る。
黒いニットセーターの胸元で、銀色に光る十字のネックレスが揺れる。
「ホントに結構出来たのになぁ・・・」
椅子に座って教科書を出しながら、まだぶつぶつ言っているあすか。
「あすかちゃんのこと信じてますよ。こう見えて教え子のことはちゃんとわかってるつもりだよ」
オレは少し真顔で答える。
「もう・・・知らないからねっ!さ、勉強しよ~っと・・・」
オレの言葉に照れたのか、あすかは頬を真っ赤に染め、いそいそとノートを広げる。
ホントに可愛い子だ。その心は純粋で、透明なガラス玉のように美しい。
・・・まあそれが落とし穴だけどな・・・
・・・くく・・・くくく・・・
「・・・それで加奈ちゃんはどうでした?」
あすかの隣に立ったまま、無言で僕とあすかのやり取りを聞いていた加奈に尋ねる。
コートはすでに脱いで、隣の机の上に畳んで置いている。
「・・・はい・・・大体は・・・出来ました・・・」
何か気がかりなことでもあるのか、加奈の表情は冴えない。
「どうしたの?」
オレは加奈に問いかける。
「・・・先生・・・なんだかいつもと雰囲気が違う気がします・・・」
加奈はそう言って少し怯えたような瞳でオレの方を見る。
「いつもと違う・・・?そうかなぁ?」
オレはわざとらしく両手をプラプラさせたり、肩を回したりして自分の体をあちこち探る仕草をする。
「もぅ加奈ったら・・・何言ってるのよぉ?どっからどう見てもいつもの先生じゃん!」
あすかはそう言って笑う。
しかし、それでも加奈の眼差しはあきらかにオレを探っている。
その瞳には・・・疑心、不安、恐怖、困惑・・・オレに対するあらゆる負の感情が見て取れる。
ふむ・・・もう疑問を持ったのか・・・どうやら加奈の勘は冴えてるようだな・・・もう少しこの甘ったれた空気を堪能してみたかったんだが・・・残念だな・・・
「く・・・くくく・・・」
オレは自分の体を探るのをやめ、低い笑い声を漏らす。
「そうか・・・いつもと違うか・・・くく・・・」
オレの態度の変化にあすかも気付いたようだ。
「先生・・・?」
オレはあすかの隣に移動すると、不思議そうな顔でオレを見上げるあすかの目を手のひらで覆う。
驚いたあすかは一瞬ビクッと体を硬直させる。
「えっ・・・?せんせ・・・い?」
「お前の体から力が抜ける・・・どんどん抜ける・・・頭の中も真っ白だ・・・もうあすかは何も考えられない・・・そして俺の声だけが頭の中に響く・・・」
「あ・・・」
オレが耳元でそう囁くと、あすかの全身から力が抜け、そしてそのまま椅子の背もたれに体を預ける格好となる。
ミニスカートから覗く白い脚が力なく投げ出され、両手も椅子の左右に力なく垂れ下がる。
「あ、あすか!先生っ!なにを・・・」
「黙ってろ」
加奈の叫び声をオレの命令口調の一言が制する。
その一言で、加奈は親に怒られた子供のように押し黙ってしまう。
「あすか、お前はオレの奴隷だ・・・オレの命令に従うことがお前の幸せ・・・オレがお前のご主人様だ」
そう言って手を離す。
あすかは半開きになった口の端から涎を垂らし、虚ろな瞳を彷徨わせている。
その表情はオレの支配欲をさらに刺激する美しさを引き立て、興奮を煽る艶やかさを醸し出す。
「わたしは・・・どれい・・・」
「そうだ。お前はオレの奴隷だ」
「・・・はい・・・わたしは・・・ご主人さまのどれい・・・」
あすかは虚ろな瞳をオレに向ける。
「いい子だ・・・さぁ奴隷のあすかはオナニーしたくなる・・・今すぐしたい・・・我慢できない・・・」
「あ・・・う・・・わ、たし・・・オナニー・・・したい・・・」
「そうだ・・・もうだめだ我慢できない・・・あすかはオナニーをここでしたい・・・オレや加奈に見られたほうが気持ちいいからな・・・ほら・・・二人にお願いして、お前のオナニーを見てもらおう・・・」
「あ・・・ご主人様・・・加奈・・・わたしのオナニーを・・・見てください・・・んぅ・・・」
あすかの左手は胸に、右手はスカートの中に消え、弄り始める。
「あぅ・・・んっ・・・はぁはぁ・・・」
その瑞々しい唇から、すぐに喘ぎ声が洩れ始める。
「あすかっ・・・!」
あすかの変化を目の当たりにし、加奈が驚愕の表情で叫ぶ。
オレは素早く加奈に近づくと、こめかみのあたりを両手でガシッと掴みその澄んだ瞳を覗き込む。
加奈は顔を背けてその手をはがそうと必死にもがく。
「やっ・・・!」
「オレの目を見ろ・・・」
加奈の顔をグッと引き寄せる。
「あっ・・・」
加奈の怯えた瞳がオレの目と合った瞬間、一気に暗示を入れていく。
「ほらもう何も考えられない・・・加奈の心は空っぽ・・・」
オレは低い声で、あくまで断定的に加奈の心に暗示を染み渡らせていく。
「あ・・・ぁ・・・い・・・ゃ・・・」
加奈の瞳から徐々に生気が抜け、暗く曇り始める。
「さぁ・・・何も考えるな・・・何も・・・何も・・・」
オレの言葉が加奈の意識を削り取る。
もはや立っていることさえままならず、ふらふらと揺れる加奈の体を支えて椅子に座らせる。
トロンとした瞳が、オレをより興奮させる。
加奈には徐々に深い催眠の闇へと堕ちてもらおう。
せっかくだから楽しまないとな・・・
あすかはすぐに堕としたが、オレはこういう堕とし方が一番好きだ。
徐々に女の意思を奪い、心を支配し、体を弄ぶ・・・くく・・・最高じゃないか・・・
オレは加奈の背後にまわり、頭をゆっくりと回しながら、深い催眠状態に導く。
「加奈・・・聞こえるか・・・?」
「・・・はい」
ゆっくりと加奈が答える。
「お前の心は深い闇の中だ・・・でも不安でもなく、怖くもない・・・この状態はむしろ気持ちがいい・・・」
「・・・はい・・・気持ち・・・いい・・・」
「加奈は気持ちいいことは好きか?」
「・・・はい・・・すき、です・・・」
「もっと気持ちよくなりたいか・・・?」
「・・・はい」
加奈はとても安らいだ表情を浮かべる。
「いい子だ・・・加奈はもっと気持ちよくなりたい・・・そうだよな・・・?」
「・・・はい・・・気持ちよく・・・なりたいです・・・」
オレは加奈の思考を徐々に塗り替えていく。
「そうだよな。だけど、もっと気持ちよくなりたかったら、オレの奴隷にならないといけない・・・そうしないと気持ちよくはなれないんだ・・・」
「ど・・・れい・・・?」
「そうだ・・・お前の心も体もオレの意のまま・・・オレの操り人形になるんだ・・・そうすればお前は気持ちよくなれる・・・今よりももっとだ」
オレの言葉が、加奈の意思を強制的に変化させる。
「今より・・・もっと気持ちよく・・・?」
「そうだ・・・そうなりたいだろう?」
「あ・・・はい・・・で・・・も・・・わたし・・・」
ぎりぎりの所で理性を残す加奈に、最後の一押しをしてやる。
「気持ちよくなりたいんだろう?」
「・・・はい・・・なりた・・・い・・・です」
加奈の思考は、気持ちよくなる事を第一に考えてしまうように捻じ曲げられ、その思いに支配される。
俺の言葉に加奈の意思が塗り替えられていく。
「じゃあ今から言うことをお前の心に刻み込め・・・そしてオレに誓うんだ・・・加奈はオレの奴隷・・・オレがお前のご主人様だ・・・」
「ど・・・れい・・・わたし・・・は・・・どれい・・・せんせい・・・は・・・ごしゅじんさま・・・」
加奈はうわ言のように何度も何度も呟き始める。
「そうだ・・・お前は奴隷だ・・・オレの為に生き、オレの為に奉仕し、オレに身も心も捧げるんだ・・・」
「はい・・・わたしは奴隷・・・ご主人様の為に生き、ご主人様の為に奉仕し、ご主人様に身も心も捧げます・・・」
オレの暗示によって自ら奴隷であることを宣言したこの美しい少女は、もはや生きる人形と化した。
これから先、オレのため、気持ちいいことのためなら何だって喜んでするようになるだろう。
「あぅ・・・あふ・・・」
小さな喘ぎ声にふと隣を見ると、あすかが足を机にかけ、椅子にもたれ掛かりながら自慰にふけっている。
大きく開かれた脚の付け根部分を覆う、白地に青のボーダー柄の幼いパンティの中心には、快感によって滲み出る愛液で染みが広がっている。
時々ビクッと体を震わせながらオナニーを続けるあすか。
もう何度となくイキながら、それでも悦楽に堕ちた心が、快感を求めてあすかの指を動かしているようだ。
オレはそんなあすかの様子に満足し、加奈に視線を戻す。
「ふふ・・・加奈はいい子だな・・・じゃあ立ってごらん」
加奈はふらふらと立ち上がる。
オレは加奈の前に移動し、命令を下す。
「スカートを捲れ」
「・・・はいご主人様」
オレの命令に加奈は頷くと、タイトスカートの端を掴みするすると上げていく。
太腿が露わになり、続いてその奥の薄ピンクの布地が曝け出される。
無表情な顔でスカートを捲っている加奈の姿が、オレの股間を熱くする。
「そうだ・・・いいぞ加奈・・・」
オレは加奈の脚を少し開かせる。
そして布越しにそっと割れ目に指を這わせる。
「んっ・・・」
突然のことに加奈は少し腰を引くが、そのままオレの指遣いに身を任せる。
「あっ・・・んぁ・・・」
甘い吐息が洩れ始める。
華奢な体が微かに震える。
オレは可愛らしいパンティを少し横にずらして、刺激に敏感なソコを直接擦ってみる。
「あんっ!・・・あぅ・・・はぁ・・・ん」
されるがままの加奈の喘ぎ声がだんだんと荒くなる。
「気持ちいいか・・・?加奈・・・」
「・・・はい・・・き、もちいい・・・です・・・はぅ・・・ん・・・」
オレは加奈を近くの机に腰掛けさせ、前の席の椅子に足を掛けて開くように命じる。
加奈が命令どおりに体勢を変える間も、オレの指が加奈の股間を弄ぶ。
しばらく弄っていると、加奈の腰は更なる刺激と快感を求めて悩ましく蠢き始める。
「おやおや・・・もっと気持ちよくして欲しくて、腰が動いてるよ・・・加奈は淫乱だなぁ」
「あぁ・・・そんなぁ・・・あんっ!だって・・・気持ちいい・・・いいんですぅ・・・あっ!・・・」
快感に蕩ける、うっとりとした表情を浮かべる加奈。
「お前は淫乱だ・・・オレに弄られて、自ら腰を振るんだからなぁ・・・」
「あっ・・・あぁ・・・わたし・・・いんらん・・・」
「そうだよ・・・淫乱だ・・・ほら・・・淫乱な加奈はすごく感じてしまう・・・オレの指がお前を凄く気持ちよくしていく・・・」
オレは暗示の混じった言葉を掛けながら、加奈の膣内へと中指を侵入させ、ゆっくりと掻き回す。
「はぁぁ・・・!いいっ・・・!感じるぅ・・・わたしっ!・・・はぁん・・・おかしくなりそう・・・あふぅ・・・」
加奈の瞳にはうっすら涙が浮かぶ。
唇の端からは涎が一筋垂れ落ちる。
「そうか・・・そんなにいいか・・・ならおかしくなっちゃえよ」
そう言って加奈の膣を一気に激しく掻き回す。
「あんっ!はぁ!んんっ!いやっ、いやぁ!きもひぃぃいぃぃぃ!だめっ!は、はげしっ!あっ、い、イクっ!イッちゃう!!」
半狂乱で悶える加奈。
「まだだ。オレがいいと言うまでお前はイクことが出来ない」
「あぁ・・・!そんなぁ・・・イかせて・・・!・・・くださ・・・ひゃう!?」
オレは左手の人差し指と中指で、可愛らしく自己主張するクリトリスをキュッと摘む。
「しっかりお願いしろ。『淫乱な加奈をイかせてくださいご主人様』だろ」
オレは二本の指で摘んだクリトリスを、加奈を焦らすように引っ張ったり、指先で挟んで捏ね回し、これまで以上に性感を生み出したりを繰り返す。
「ひぅぅ・・・!い、いんら・・・んな・・・加奈・・・を・・・あぁぅ・・・イかせ・・・て・・・イかせてくださいぃ・・・ごしゅじんさまぁ・・・ひぁぁ・・・!」
自分の言葉にすら感じてしまう加奈のうっとりとした表情を見つめる。
そこにいるのは、ただイクことだけを考えている淫らな一人のメス奴隷だった。
「ふん・・・まぁいいだろう・・・イケよ」
オレは掴んだクリトリスをグイっと捻る。
同時に、膣内に挿入している指を一気に深く挿し込み、膣壁の前側を激しく擦る。
「あはぁあぁぁ!?くるぅ・・・っっくるぅぅぅううぅぅぅぅぅ・・・!」
その瞬間、膣内は細かくビクビクっと痙攣し、オレの指を締め上げる。
加奈は体を反らせ、グッと硬直させると、絶頂へと導かれていった。
「はぁはぁ・・・」
荒い息を吐きながら脱力した加奈は、うっとりとオレの顔を見つめる。
濃度の濃い薄黄色の液がオレの指を伝う。
オレは加奈から指を引き抜く。
「あぅ・・・!はぁはぁ・・・ごしゅじんさま・・・わたし・・・」
オレは無言で、べっとりと濡れた指先を加奈の目の前に差し出す。
加奈はまだ少しボーっとしていたが、快感に蕩けた瞳で自分の愛液で濡れたオレの指を見つめると、そのまま口に咥え込み、愛おしそうにしゃぶり始める。
「はぁむ・・・ん・・・あふ・・・」
ぴちゃぴちゃと音を立て虚ろな眼差しで一生懸命に舐める加奈。
指をきれいに舐めさせたオレは加奈の前の席に腰掛け、次の命令をする。
「加奈・・・服を脱げ」
「はい・・・ご主人様」
オレの命令に加奈の両手が白いカットソーに伸びる。
そしてそれを脱ごうとした、まさにその時。
コンコン。
不意にドアのノックされる音が響く。
・・・ちぃっ・・・!誰だ・・・!!邪魔しやがって・・・くそいまいましい・・・!!!
オレは慌てて加奈に囁く。
「加奈・・・今の命令はキャンセルだ。今からお前は普段のように振舞うんだ。ただしオレの催眠からは覚めない。オレの命令には絶対に従う奴隷のままだ」
「・・・はい、ご主人様」
「おっと、今からオレがいいと言うまで先生と呼べ。いいな?」
「はい・・・先生・・・」
加奈は従順に答える。
オレはあすかにも自慰をやめさせ同じように告げる。
教卓にあったティッシュで二人の愛液で濡れた股間を乱雑に拭いてやり、服の乱れを直させて席に座らせる。
オンナの蜜の鼻をつく匂いはするが、それだけなら何とか誤魔化せるはずだ。
コンコン。
二度目のノックの音。
「・・・どうぞ」
オレは楽しみを中断されたイライラを隠し、出来るだけ平静を装ってドアに声を掛ける。
「あの、すみません・・・」
ガラガラとドアの開く音がして、半分ほど開かれたドアの陰から一人の女子生徒がそっと顔を覗かせる。
遺伝なのか自分で染めたのかはわからないが、少し茶がかったショートカット。
美しい顔立ちを隠すかのような、フレームの太い、赤い眼鏡をかけたその女子生徒は、先ほどまでオレが弄んでいた瀬野崎加奈の一つ年下の妹、瀬野崎奈々だった。
オレはそれまで抱いていた苛立ちを忘れた。
そして、自ら現れた新たなターゲットを見つけた喜びで、最高の笑みを浮かべ、彼女に中に入るようにと勧めるのだった・・・
< つづく >