その1
-人間は他のいかなる行為よりも、多くの快楽を与える行為をしないではいられないものだ。-
スタンダール
そこは無駄に大きな公園だった、かなり大きなクセに、めったに人は通りかからない。そこを少年が歩いていた。
少年が足をとめ、後ろを振り向く。
「ここなら人も居ないし、さっさと出てきたら?」
そう言うと、どこからとも無く巫女装束の少女が現れた、少年と同じぐらいの歳だ、少し驚いた顔をしている。
「まさか、自分が殺そうとしている相手が自分より弱いと決め付けていた?馬鹿なことだね、僕の名前は・・・」
「現代の魔術師鈴木一郎、勿論偽名でしょう?」
少女は既に落ち着きを取り戻しているようだった。少年、一郎は「その通り、で、どうするの?」と微笑んだ。
「現代の魔術師、過去の力をうち消す存在、神々の力を失わせたりなんかしないわ、覚悟!」
少女がとんでもないスピードで近づいてくる。
一郎は落ち着いた様子で懐から筒のような物を取り出した、SF映画好きならこれを見た瞬間、これが何かはすぐ分かるだろう。
映画の登場人物になったつもりになる、この魔術はそれだけで十分だ。ぶぅぅぅんという鈍い音と共に筒から光が棒状になって飛び出した。
少女が投げてきた燃える呪札を吹き飛ばし少女に近づく、少女はどこからとも無く日本刀を取り出し切りかかってきた。
右、左、右・・・
SFの光の剣と術で守られし最高の刀が幾度も交差する。
ほぼ同等の戦いは数分続いた。
この同等の戦いの終わりは実にあっけないものだった。つまり、少女に一瞬の隙ができた、たったそれだけだった。
*
目が覚めた
頭がぼんやりとしている
見慣れない天井
見慣れない部屋
見慣れない・・・?
「おはよう、神々からの使者さん」
どこかで聞いた声
頭がハッキリしてきた
*
少女は一糸まとわぬ姿で横になっていた。気付いた少女がそれを隠そうとする、だが体が動かない。一郎はその近くで椅子に座り少女の裸体をスケッチをしていた。
「モデルは動かないものさ、大丈夫、あと少しで完成だよ」と無邪気な子供の顔で笑う。
描き終わったようだった。絵の少女はまるで生きているようだった、モデルの少女そのままといっても過言ではない。
「『類似の法則』って知ってる?」
そういいながら筆を取り出し、少女の絵の肌をなでる、「ひゃ!」何かでくすぐられる感触を受けて実際の少女がビクンと動いた。その動きにあわせ少女の絵も動く。
「うんうん、接続は良好、さて、どう遊ぶかな?」
一郎は少女をまじまじと見た。動かない体をどうにかしようと心の中でもがく少女、しかし体は一向に動く気配も無い。
一郎は何かを思いついたように鉛筆で少女の絵になにかを書き加えはじめた。
一郎は筆を止めた
「もう動けるよ」
一郎はまたあの笑いを見せながら言った。
「このっ!っ」
少女は怒りの形相で立ち上がった・・・がすぐにしゃがみこんだ、胸が変なのだ。
「はは、どう?結構気持ちいいでしょ?」
「はぁぁんっ!止めてぇぇ!やぁぁぁ!やぁぁ!」
胸が大きくなっていく、それと共に少女に強烈な快感が襲っていた。
「大丈夫、もうすぐ止まるよ」
一郎が嬉しそうにそう言った直後、乳房の肥大化がとまった、少女の体には不釣合いなほど大きい、スイカぐらいの大きさの乳房がついている。
「ひゃ・・・ひゃぁ・・・」
少女は快感によって、腰が抜け立てないようだった、それを見た一郎が更に絵に書き足す。
「これでフィニッシュっと」
一郎の顔は新しいおもちゃを手に入れた嬉しさでいっぱいだという子供の顔だった
少女の絵に何かが書き足された瞬間、少女は胸の奥から何か熱い物がこみ上げてくるのを感じた。
「あ?・・・ひゃ・・・・ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
巨大な乳房から白い母乳が噴水のように音を立てて吹き上げる、それは神秘的ともいえる、見たものを感動させるであろう光景。
少女は完全に術中に嵌ったのだ。
< 了 >