第3話・~矯めるなら若木のうち~
2020年4月・・・一人の青年が難関私立高校に入学した。
身長は171。体系はやや筋肉質といったところか。
彼の名は結城龍正。
入学して数ヶ月がたった。
私立高校ということもあり、自分が一人身でも虐めを受ける事は無かった。
(さすがに今更そんなくだらん事を気にする奴も居ないか・・・)
能力で金はたくさん持っていた。やはり絡んでくる奴らからせしめるのだ。
「どうせ汚れた金だろう。奪った金を奪ったとして一番悪いのはこいつらだ」
無論、そんなことは無い。
だが龍正にとってはそうなのだ。
だが、大金目当てでサラ金業者に乗り込んだときはさすがにやばかった。
暴力団にも睨まれ、不意を突かれて拉致されて手痛い歓迎を受けた。
拘束した事で能力を存分に使えたので、何とか全員を廃人に出来たのだが。
金持ちと分かると世界は一転した。龍正に寄り付いてくる人間は多かった。
金目当てという事は見え見えだが、あえて荒波を立てることも無い。
来る者は拒まず、去る物も拒まず・・・男女問わず・・・
そしてまた一人・・・今までと明らかに違うタイプの女子がやってくる・・・
龍正の運命に大きく関わる女子が・・・
一人になった龍正の机に、一人の女子がやってきた。
身長は163。髪は赤髪で痛んでおり、肌も荒れている。体はスレンダーという方か。
出るところも出ていない・・・だが、大きな瞳は綺麗だ。
「ねえ結城君。結構体格よさそうだけど何かスポーツでもやってたの?」
龍正は瞬時に警戒しながらも、普通のように接する。
「特に何もしてないぜ。主なのは喧嘩と筋トレだ」
「へえ~喧嘩の強い人って素敵ね。私のタイプよ。あ、私黒田優嘉。よろしく」
堂々と龍正がタイプだと言い放ったこの女・・・握手を求めてくる。
「・・・よろしく」(こういうときは必ず裏がある。「ライブラリー」発動!)
龍正は表向きは照れているように握手に応じた。
優嘉の心の中に入った龍正。
「さて、まずはお決まりのあれをやるか」
龍正は精神統一する様に、床に座って目を瞑った。
すると、龍正が2人現れた。
「3人寄ればってやつだな。時間もかなり短縮できるしリンクもしやすい。俺は状態の方を弄ってくる」
「じゃあ俺達は記憶の方を探ってくるぜ」
中学時代に覚えた「分身」。現在の限界は3人。
そのうち入る時から既に3人になれるんじゃないかと思っている龍正。
その通り。あと、作者がこの分身する描写を省く意図もある。
授業中も、龍正は優嘉の心に居た。
3人で記憶をひたすら読み進め、膨大な量の記憶が現実の龍正に伝わる。
(やっぱり金目当てか。特に売春やさくらがメインな様だな。ドラッグにも手を出して体はボロボロ。かなりSEXを重ねて、性器の色も真っ黒。自分では気付いていない様だが性病まで持ってやがる。かなりの淫乱女じゃねえか。何でこんな奴がこの高校に来れたんだ?)
龍正はさらに優嘉の記憶を辿る・・・・・
(そうか。親戚が理事長なのか・・・気にくわねえな。親戚の力で特をするだと?ふざけるんじゃねえぞ)
この女は何一つ不自由なく自由奔放に生きてきた・・・・・
このままだとどの道、脳がイカれるかもしれない。
しばらく対応を考える龍正・・・
シカトか・・・あしらうか・・・痛めつけるか・・・消すか・・・それとも・・・
(こんな奴なら俺がいただいてもかまわんだろう。さて、最短何分で書き換えられるか挑戦だ)
龍正は優嘉を自分の彼女に仕立てるようだ。
-キ~ンコ~ンコ~ンコ~ン-
あ、飯の時間だ。勿論アタシはずっと寝てた。
ここは実力で入った高校じゃないんだ。だから授業なんか分かるかよ。かったるいっつーの。
そうだ。今日はいい金づるを見つけたんだ。結城とか言ったっけな。
あんまりかっこいいって顔でもないけど、体格は結構良い。
あれでも彼女は居ないんだとさ。奥手なんだねえ。まだまだガキだな~。
その点アタシは数え切れない程の男に抱かれてきた。抱いてやった。
このぐらいの年頃ならちょっと誘惑すりゃ飛びついて来るんだ。
こいつ何でか知らないけど結構金持ちなんだ。
ホントの友達なんか居やしない。かわいそうな奴。
って金目当てで近づくアタシが言うなよ。
名目は奴の彼女になって、毎日高いもの貰って・・・楽しみだ。
ときどきヤれば気持ちが繋がってると思うだろ。ガキ相手は気が乗らないけど。
アタシは笑顔を作って金づるに話しかける。
へっへ~ん!笑顔には自身があるんだ!これで幾度も男達を・・・コホン。
「ねえ結城君。一緒にご飯食べようよ」
アタシは腕を組んで誘った。わずかに胸をくっつける。
いくらアタシが貧乳だからって、このシチュエーションなら・・・
ほら!ふふふ、奴めかなり動揺してるぞ。
購買部のパンをかじりながら他愛も無い会話を続ける。
(ああ~かったり~。これも金の為だ。そういや新しいブランド物のバッグ欲しかったんだよな~。隣町に出来たカフェも行きたいし・・・ちなみにアタシの好物はフルーツパフェ。普通の女の子だろ?こういう点だけな)
会話を続けるのに飽きて、金づるの顔をちらりと見た。
-トクン-
(あ?・・・何だ?この違和感・・・禁断症状かな。ドラッグの?SEXの?)
そんな事を考えながら再びパンにかじりつく。
時々さっきの違和感を確かめるように、龍正の顔をちらちらと盗み見る。
授業中、アタシはあいつの事を考えながら寝ていた。
どうやって金をふんだくろうか・・・どうやって気を引こうか・・・
気を引く?何の為?勿論金の為さ。
そういえば・・・あいつ・・・どんな女がタイプなんだろ?
ふと、いつもあいつと楽しそうに会話している女子の顔が浮かんだ。
すると、胸の奥がモヤモヤし始める。
なんでだろ?な~んか・・・イライラするなぁ・・・
休み時間、アタシはずっとあいつのそばでお喋りしていた。
寄ってくる女子は睨みつけて追い返した。
なんか私に文句言ってるけど知った事か。
アタシはこいつを虜にするんだ。金の為だけど。
かなり必死でしゃべってたと思う。
・・・なんでこんなに必死なんだ?たかが男一人じゃないか・・・
放課後、アタシが目を離した隙に彼は帰ってしまったようだ。
まずい!アタシは猛ダッシュで追いかける。
「はぁっはぁっ」
やっぱ体力には自身がねぇな・・・不摂生してるからだな・・・
それでも、校門のあたりで彼に追いついた。
彼はぜえぜえ言いながら走ってきた私に気付いて振り返った。
「どうしたんだ?そんなに急いで」
「はあっはあっ・・・一緒に・・・帰ろうと思って・・・」
わざわざ走ってきた事に彼は驚いたようだ。アタシへの好感度上がったかな?
「いいけど・・・黒田さん、方向どっち?」
「え?え~っと・・・結城君はどっち?」
私は先には答えない。
「俺は右」
「あ、奇遇だねぇ・・・私も右なんだ」
ホントは嘘だ。
でも、なんでここまでして一緒に帰りたかったのか分からない。
私はさっきの全力ダッシュのせいか、それとも彼の前で緊張しているのか、心臓をバクバクさせながら彼の横を歩いていた。
アタシは彼の手を握り締める。ちょっと汗かいてるかも。
今度はさっきみたいに腕組みできない・・・だって下手したら胸がバクバクしてるのがバレちゃうじゃん。
「あの、黒田さん?俺ここなんだけど・・・」
「・・・え?あっ!そ、そうなんだ。じゃあまた明日ね」
彼の言葉ではっとしたアタシは、彼が部屋に入るのを見ると逆方向へ帰った。
はあ・・・今日は色々ありすぎて精神的に疲れたな・・・
寮へ帰ったアタシは、いつも通り夜の街に遊びに繰り出す。
「あ~あ。なんであいつの気を惹くのにこんなに必死なんだろ・・・」
ぶらぶらと金稼ぎのためにふらついていた。
しばらく街を歩いていると、なんと結城を発見してしまった。
「ヤバッ!バレたらきっと嫌われる・・・今日は帰って寝るか・・・」
結城に嫌われると思ったアタシは、急いで家に帰った。
ん?なんであいつのために自分の遊びまで我慢しなきゃいけないんだ?
そそくさと寮に帰る。
「どうしてだよ・・・」
結城の顔を思い浮かべると、なんだか身体が疼いてきた。
「ん・・・はぁ・・・溜まってるのかな・・・」
そして結城をオカズに夜を過ごした。
その日はそのまま気持ちよく眠りについた。
翌日、とりあえず結城に挨拶をしようと近寄る。
「結城君。おは・・・」
「あ、おはよう黒田さん!」
-キュン-
アタシが返事する前に挨拶をくれた。それも笑顔で。
その行動に胸が熱くなる・・・嬉しい!
って何アタシも本気になってんだよ!金のためだろ!金の・・・ため?・・・
休み時間になってもアタシは結城に話しかけられずに居た。
近寄ると胸がバクバクして、頭が真っ白になって、まともに顔も見れない。
まるでアタシが別のアタシに止められてるみたいだ・・・
ホント、どうしちゃったんだろ・・・アタシ・・・
結城のこと・・・本気になってるのかな・・・・・・
意識しだしたそのときから、頭の中から彼が離れない・・・
もっと話したい・・・もっと知りたい・・・本気で付き合いたい・・・
どんどん気持ちは惹かれてく・・・
放課後、アタシは勇気を出して結城君に話しかけた。
「あ、あの。結城君・・・私と・・・」
ヤバイ。また胸がバクバクして顔を見られない。
でも言わなきゃ!彼が・・・結城・・・くんが・・・好き・・・
「付き合ってください!」
・・・・長い間だ・・・断られたらどうしよう・・・
自分の激しい鼓動が全身を打つ・・・
「・・・ごめん。君の事は好きだけど、友達としてしか見られない。中途半端な気持ちで付き合いたくないんだ。すくなくとも今は」
「そっか・・・そうだよね・・・でもありがとう」
仕方ないか・・・昨日初めて知り会ったんだもんね・・・
でも断られたショックより、「今は」という可能性を秘めた言葉が嬉しく思う。
当然だよ。最初は金目当てで近づいたんだから・・・
今は・・・本気なんだよ?
よ~し!これから頑張るぞ!待っててね結城くん!
数日後、アタシは友達としていい関係を続けている。
勿論アタシはこれ以上の関係を望んでいる。
けど、今の関係を失うなんて怖いから考えられない。
そうそう、アタシ、ドラッグも売春も止めたんだ。
当然だよね。この身体は結城君に捧げるんだ。もう処女じゃないけど。
でも本番のことを考えたら、オナニーなんてできないよ。我慢できちゃうんだ。
アタシはホントに恋する乙女になっていた・・・
食欲が無かったり、ため息をついて遠くを見つめたり、突然フフフと笑い出したり・・・
皆がその変貌振りに驚いていた・・・
更に数週間後、私は周囲も驚くほどの変貌を遂げた。
勉強もまじめに受けている。
私自身が驚いたのは身体の変化だ。
肌が綺麗になり、綺麗なセミロングのウェーブのかかった赤髪になった。
結城君が綺麗な子が好きだって調べて、毎日手入れしているからだと思う。
それだけじゃない。胸が少し大きくなったんだよ?74から82になった。
恋したら美しくなるってホントなんだね!
乳首とアソコの色素も薄くなって綺麗なピンク色になった。
綺麗な身体になったら、今度は無性に龍正君としたくなった。
ああ・・・オナニーだけでもしたいよぅ・・・
もう無理。欲しい・・・欲しいよ・・・
・・・結城君の家に行こう。
龍正はその人物を待っていた。ここまで変貌させた自信作だ。
自分の手で作り上げた最高の人物。
-ピンポーン-
その人物はドアを開けると龍正の首に腕を絡め、抱きついてきた。
「龍正君!もう私限界なの!・・・抱いて・・・」
もう興奮しているのが目に見えて分かる。
「ようこそ優嘉・・・中に入りなよ」
龍正は優嘉をベッドまで連れて行く・・・
まず俺への恋心を持たせる。
そして俺好みの性格に変わるように仕向ける。
その間、わざと性欲は封印させる。
ボロボロになった身体を、細胞バランスなどを調整して、最高速度で修正する。(胸は小さかったんでオプションとして少しだけ大きくした)。
合計で1ヶ月半ぐらいか・・・これからの参考にしよう。
そして・・・
理想的な龍正の彼女が今ここに誕生した。
「あっ・・・あん・・・ふぅん・・・いいっ!・・・いいのっ!」
-パンパンパン-
(ふははははは!中学では我慢してたからな!これからは思う存分こいつで遊んでやる!)
「だ、出すぞ!」
「あぁっ!・・・・い、いく・・・・・っっっっっ!!」
-ドクンドクン-
・・・・・・
しばらくして、優嘉が意識を取り戻した。
「今日は泊まっていくか?」
「え?は、はい!!」
(いいの?嬉しい!ついに私、結城君・・・いえ、龍正君の彼女になれたのね!)
その夜、龍正が寝ていると下半身にまとわり付くものが・・・
「ん・・・ふ・・・・あ・・・・」
(何だ?眠れやしねえ・・・・・・っておい!)
「・・・何してんだお前は!!」
「!!!・・・・だって我慢できないもの・・・今までの我慢した分がまだ溜まってるのよ。今日は朝までやらせて!」
とびっきりの上目づかいで、フェラをする女・・・
再び元気を取り戻す下半身・・・
「やった!大好きよりゅ~せ~君!」
(やっぱりこういうオチなのか・・・)
こうして高校生活を女一人で乗り切った龍正。
信じられない事に優嘉は、大学まで同じところの同じ学科に入学した。
龍正と離れたくない一心で、必死に勉強したようだ。
その上達振りは凄まじく、ギリギリではあったが難関大学に合格できるまでになった。
引っ越す時に、龍正の元に同棲したいと強く迫っていた優嘉だった。
身体が持たないと思った龍正は、なんとか同棲だけは免れた。
-ピンポーン-
「い!?また来たのか?おかしいな・・・頻繁に来ないようにしたつもりなんだが・・・」
頭のどこかで、「あまりりゅ~せ~君の家に行っては迷惑だ」と私にブレーキをかける。
でも私は、そんな声にも負けないぐらいの気持ちを持ってる。
今日もその声を簡単に消し飛ばし、りゅ~せ~君の家へと鼻歌混じりに向かう。
二人の奇妙な関係は続く。
< つづく >