DEOPET 第3話

3話・~軽挙妄動~

 龍正の自宅・・・
 翌朝・・・決戦の幕開け・・・
 しかし、龍正と麻衣は午後の行動に備えて寝ていた・・・
 というのも、能力を使い続けるのは体力の消耗が激しいからだ・・・
 前日の密着調査の体力消耗も激しかった。

 優嘉が龍正の寝顔を覗き込む。
(まだ寝てるよ・・・いつまで寝てるつもりなんだろ・・・)
 布団をかぶせ、起こさないようにそっとキスをする。
 いつもならここでフェラを始めるところだ。
(あ、そうだ・・・私も診療所の場所へ行ってみよう。昨日ネットで調べたんだよね~。起きた時に調査報告書があったらきっとりゅ~せ~も喜ぶよね!)

 優嘉は一人行動を始めてしまった・・・

 これが波乱を巻き起こす事になる・・・

 9:30・・・飛騨診療所
 優嘉はその場所に来ていた。
 帽子をかぶってサングラスをかけている。探偵ドラマの影響だろうか。
(ここね・・・飛騨診療所・・・うわぁボロいなぁ・・・患者も居ないようだし・・・ホントにここ病院なの~?)
 優嘉は電柱の影からじ~っと観察する・・・
 おそらく見つからないようにする為だろう。

 それが雄介の目に留まった。
「なんだあの女は?さっきからジロジロと・・・まさか・・・樹莉を探ってる奴等か?」

 優嘉は未だに隠れているつもりらしい。
「俺の友人の振りをして声をかけてきたのは20代ぐらいの若い男だと聞いていたが・・・あいつはその仲間なのか?・・・今までこんな周りをうろちょろされることはなかったからな・・・あいつを落とせば何か情報が入るかも知れんな」
 雄介の口の端が持ち上がる・・・
 そして奥の部屋へと移動した・・・

 10:00・・・同場所

「あの~すみません。飛騨先生に御用ですか?」
 優嘉は飛騨に声をかけられて驚く。
「え?あ、あの・・・」
(すでにアタシが居ることバレてるじゃない!凄い勘がいいのね!この人も)
 優嘉は相手を警戒する。が、飛騨は大して優嘉を警戒してはいない。
(いや~こんなに隠れるのが下手な人も珍しい・・・)
 飛騨は優嘉から目を逸らさず、話を続けた。

「あ、僕、先生の下で働いている看護師なんですよ。今患者さんいないでしょ?実は先生は今、問診に行ってるんですよ」
 雄介は看護師の振りをする。
「問診?今日は診察日じゃないんですか?」
「ええ。あの先生は結構身勝手なんで・・・気が向いたときに勝手に問診に行ってしまわれるんですよ」
(うむむむ。我ながら苦しい言い訳だ)
 飛騨は優嘉の反応を見ている。
 勘付かれたか・・・そうでないのか・・・

「あ、そうなんですか・・・じゃあまたにしようかな?」
 その言葉を聴いて飛騨は確信した。
 この獲物は楽勝だと。

「そうだ、先生も2時ごろまで帰らないだろうし、もし時間があるなら中で待ってたらいかがですか?少しぐらいのおもてなしも致しますよ」
(ふふふ・・・とびっきりのもてなしをな)
 雄介のどす黒い心の中は、表情には一切現れない。
(心をつかむには誠意を見せる・・・嘘だけど。害の無い人を演じる・・・これも嘘だけど。とにかく笑顔・・・またまた嘘だけど・・・)
 結構役者向きかもしれない。

「え?」
 突然の飛騨の提案に優嘉は考え込む。
(ど、どうしようかな・・・あんまり遅くなるとりゅ~せ~に怒られちゃうかも・・・でも飛騨がいないなら潜入調査のチャンスよね!内部調査だったらいろいろ出来ちゃうんじゃない?2時まで帰らないらしいし)

 優嘉は帽子をはずして飛騨に視線を合わせた。
「じゃあ待たせてもらおうかしら・・・2時までならぎりぎり大丈夫だと思うわ」
(飛騨が来る前に、時間が無い振りをして帰ればいいんだわ。うん。完璧な作戦!)
 優嘉は雄介の後をついて中に入っていく。

(普通こんな朝早く来て2時まで待つ患者もいないだろ・・・それに、患者に昼飯を用意するような親切な人がいるか?さっそく失敗したな?ククク・・・)
 優嘉に見えないように雄介が怪しい笑みを浮かべた。

 優嘉は奥の部屋に案内された。大きな一人用のソファが二つある。
 優嘉はその1つに腰掛ける。ブラウン管のテレビが側に置いてある。
 雄介はお茶とお菓子を持ってきてテーブルに置いた。
「じゃあ僕は仕事があるんで。何かありましたら呼んでください」
 にこやかな顔で好印象を与える。
 -バタン-

 優嘉もしばらく作り笑顔をしたのち、サングラスを外した。
(よし!調査開始よ!それにしてもあの人ずいぶん年季の入った看護師ね・・・)

 優嘉は置かれたお茶とお菓子に目をやる。
(・・・・ダメダメ。薬でも入ってたらどうすんのよ。常に疑いの心を持たないとね!)

 雄介はモニターで優嘉を監視する。
(あの菓子とお茶の中には睡眠薬が入っている。まさかそう簡単には飲まないだろうが、これで済んだら一番楽だからな。それにあいつバカっぽそうだし・・・)

「!!こ、これは・・・催眠術の実験結果?・・・それにこれって、狩野の写真・・・」

 机の引き出しや棚から、飛騨雄介の催眠術師としての裏の顔の資料が面白いように見つかる。優嘉が調子付く。
(凄い収穫だわ!これならりゅ~せ~の信頼も得られるでしょ!)

 ふと優嘉は、テレビの前にビデオテープが落ちているのを見つける。
(ん?テープだ・・・「狩野樹莉催眠奴隷計画」?これって!・・・本物かしら?)
 優嘉は置いてあったイヤホンをテレビに繋いでビデオテープを再生した・・・
 音を出したらばれると思ったからだ。

 そこには女性がソファに座った女性が映っていた。男の姿が映っているのだが、肝心の顔がぎりぎり見えない。しかし、あと少し動いてくれれば顔が見えそうだ。

 『なんだか怖いわ先生・・・』
 女性が答える。彼女が狩野樹莉さんなのだろう
 『大丈夫ですよ。怖ければ止めますから・・・さあ樹莉さん・・・目を閉じてこのメトロノームの音に耳を済ませてください・・・』
 『は、はい・・・』

(このビデオ・・・本物だ!この人が樹莉さんね。でもこの男顔が見えないし、機械で声を変えてる・・・ひょっとして知っている人だったりして・・・)
 この時点で飛騨雄介=看護師だと気付いていれば・・・
 -カチッカチッ-

 雄介はモニターの前で爆笑していた。
(あ、アホだろ?アイツ・・・あんなところにビデオテープが落ちてて、堂々とタイトルが貼ってあって・・・あからさまに怪しいと思わないのかよ・・・もっと時間をかけるつもりだったんだが・・・手間が省けたぜ!)
 飛騨は堂々と薬の入っていないお茶を飲んでいた。

 『そう・・・だんだん・・・メトロノームと私の声しか聞こえなくなる・・・』
(男は誰なの?・・・映りそうで映らない・・・)
 優嘉は画面に意識を集中する。
 『だんだんと気持ちよくなってきます・・・とってもいい気持ちです・・・この音を聴いていると、私の声を聴いていると・・・身体から少~しずつ・・・嫌な気分・・・ストレスや不安が・・・泡になって遠くに飛んでいきます・・・』
(・・・・・・あれ?やばい・・・気持ちいい・・・)
 優嘉の顔が知らず知らずにトロンとしていた。
 あわてて気を引き締める優嘉。
 -カチッカチッ-

 『だんだん力が抜けていきますよ・・・ほら、手から・・・足から・・・』
 優嘉の両腕がだらんと横に落ち、足がかすかに開く・・・
 『そこから身体の中心に向かってだんだん力が抜ける・・・そう・・・ほら頭も・・・』
(・・・これって・・・やばい・・・逃げなきゃ・・・)

 『緊張してるね・・・かかりたくないと思うほどリラックスしていい気持ちになる・・・そら・・・胸も・・・おなかも・・・肺も・・・心臓も・・・頭も・・・すご~くリラックスしていい気持ち・・・なにも考えられないよね・・・』
 優嘉はソファに身を預け、とても深い呼吸をしている。表情は緩んでいる・・・
(・・・力が入らない・・・・私の身体じゃないみたい・・・・それに・・・頭がぼ~っとする・・・・何かどうでもよくなる・・・って、まずいわよ・・・)
 -カチッカチッ-

 『10数えるとすうっと深いところへ降りていくよ・・・・・1・2・3・・』
(・・・ダメ・・・・・力が入らない・・・止めたいのに・・・)
 『・・・10!』
 優嘉はソファにもたれかかり、白く、やや汗が垂れた首を仰けに反らしている。
 そうとうの緊張からか、顔中汗だらけだ。
 -ガチャ-
 雄介が中へ入ってきた・・・
 雄介は優嘉のヘッドホンを外した。
 しかし優嘉がそれに気付く素振りは無い。静かに深い呼吸をしている。

 雄介は優嘉の頭に手を置き回しながら、催眠を深めていく。
(まじまじと見たら可愛い子じゃないか・・・俺に挑戦してきた馬鹿め・・・思い知るが良い!)

 ビデオは勿論、雄介が用意した罠だ。優嘉に気がついてから、わざとこの部屋が情報の宝庫であるようにみせた。
 ビデオは部屋に潜入されたときのことを考え、前日に急遽用意したものだ。
 そのため、ソファからイヤホンが届く位置にテレビがある。
 男の姿が映りそうで顔までは映らない・・・これは少しでも長くじっくり見てもらうように気を惹き付ける為だ。

 もう優嘉が帰ろうとする時間だった。
 現在13:00・・・・

 少し遡って10:00・・・龍正の自宅
 -ピピピピッ-
 ベッドから手が伸ばされる。
 しばらく手をバンバンやった後、ようやくその音源を手にした。
 -カチッ-
「う~ん。あ~よく寝た」
 龍正は背伸びすると、シャワーを浴びに行こうとする。
「お~い麻衣。起きろ~」

 麻衣の部屋に行くと、どうやら自慰しながら寝たようだ。
 龍正が麻衣の股間に見入る。
 パンツは足首まで下ろされ、愛液の痕が見られた。
「・・・・・・」
「あ、りゅ~せ~さん・・・?・・・あ!あの!これは!その・・・」
 視線に気付いた麻衣が慌ててシーツで身体を隠す。

「・・・あのなあ・・・体力回復と温存の為に寝てたのに体力消耗してどうすんだよ!」
 昨日龍正が、体力を温存させるためだと言って軽くしかセックスをしなかったからだ。
 ・・・とは口が裂けても言えない。
「だ、大丈夫です!数回しかイってません!」
「す、数回もやってたのか・・・」
 麻衣は顔を背ける。
「だ・・・大丈夫です・・・しっかり寝れましたから。元気満々です!」
「・・・ホントかよ・・・まあ良い。俺はシャワー浴びてくる・・・お前も来い」
「い、一緒にですか?む、無理です・・・朝から変な気分に・・・」
 麻衣の顔が赤くなる。
「はあ?何を勘違いしてるんだお前は」

 結局麻衣は龍正と一緒に風呂場に入った。
 龍正としては手間を省くとか簡単な意味なのだろう。
「りゅ、龍正さん・・・」
 麻衣は顔を赤く染め、バスタオルを外す。
「!・・・愛液・・・」
 龍正は麻衣の火照りに気がついた。

「龍正さん・・・いつも優嘉さんでばかり満足してます・・・」
「何が言いたい。仕方ないだろう。優嘉の方が上手なんだから」
「で、でも・・・たまには私で果てて欲しいです・・・」
 麻衣と龍正の動きは無い・・・
 ただ会話だけが響く。

「私・・・どこが足りないんですか?」
「どこが足りない?・・・別に足りないところなんか無い。そのままでいいだろ」

 麻衣は自分の手で胸を揉み始めた。
「な、何してるんだよ!」
「ふあ・・・んんっ・・・だ、ダメ・・・こんなこと・・・いけない・・・あっ」
 言いながらも動きは次第に激しくなる。
 膝が震えて立ってられなくなり、ふらりとよろめく。
「お、おい!」
 龍正が麻衣を支える。
 麻衣ははあはあと真っ赤な顔をして龍正の顔を見上げ、妖艶な笑みを見せた。

「ふふふふっ。私・・・エッチなんですぅ。龍正さんに会ってから変わってしまったんですぅ。龍正さんが変えてしまったんですぅ」
 そう言っておま○こに指を突っ込む。
「あ、ああっ!!いけないことしてるうっ!!」
 麻衣の媚声が響き渡る。

「・・・挿れたい・・・」
 龍正がぼそっと呟き、麻衣の身体に覆いかぶさった。
「はうっ・・・す、好きです・・・」
「何が?」
「龍正さんですよ・・・」
「・・・セックスの間違いじゃないのか?」
 2人はシャワーの音を背にキスをした・・・

「ほんっとうに挿れても良いんだな?」
 麻衣はこくんと頷く。
 そして龍正のペニスが麻衣に入り、そのままセックスに及んだ。

 ちゃちゃっと簡単な料理を作る龍正。さすが自炊暦が長いだけはある。
 もちろん、優嘉も上手だ。普段は優嘉が作る方が多い。
 だが麻衣は・・・地獄を作る・・・
 一回作った時に龍正と優嘉を3日寝込ませた。
 それからリベンジで作った時は変な発疹が現れ、かゆみに苦しませた。
 それから2人は誓ったのだ。もう2度と麻衣には作らせないと。

 さっきの風呂場でのセックスで会話が弾まない2人・・・
 ただ黙々と食事を口に運ぶ。

 龍正と麻衣が洗い物を流しに運ぶ。
「「あ・・・」」
 2人の手が蛇口で重なる。
「・・・その、変な事して・・・すみませんでした」
「嫌なら抱いてない・・・」
 2人の間に笑顔が戻った。

 13:00・・・同場所

「行くぞ。準備は良いか?」
「はい!おねがいします!」
 出かける支度をした2人は部屋を出る。
「まずは狩野の会社の近くで、女性2人がお喋りするのにいい場所を探す・・・」
「そこへ私が連れ込めばいいんですね?」

 15:00・・・狩野の職場がある駅前
 男女がぶらぶらと歩いている。
「ここら辺のバーなんかどうだ?」
 バーといえば樹莉が入り浸っていた場所。そして最初に操られた場所。

「え~?バーに来たのってストレス解消だったんですよね?今ならその必要も無いでしょうし、ここには来ないと思います」
「ん~そうか?とりあえずここらへんでいい場所を探そう」
「じゃあ、カフェとかファミレスとかですかね~?」
 ・・・・・・・・

 同時刻・・・飛騨診療所
「・・・目をあけるとあなたが最も信頼している人が現れますよ・・・1・・2・・3!」
 優嘉はだるそうに目を開ける。そしてしばらくぼ~っとしていた。
「あ・・・あれ?ここ・・・・」
「ああ。ここはこの僕の家だ。そうでしょ?」
「え?あ、ホント・・・どうしちゃったのかな。アタシ」
 優嘉は腑に落ちない顔をして雄介を見る。

「ところで、僕の名前をフルネームで言ってごらん」
「え?・・・」
(今日のりゅ~せ~・・・何か変・・・)

 飛騨は優嘉の表情から考えを汲み取る。
(う~ん?雰囲気が違うのか?)
「悪い悪い。冗談だ。さあ、俺の名前をフルネームで言ってみろ」

「もう。バカにしてるの?ゆ・・・?・・・」
(やっぱり何か・・・違う?・・・)
 優嘉が雄介を見ながら困惑している。
 彼は結城龍正だ、でも彼は結城龍正じゃない・・・

(・・・まだ早かったのか?・・・単純だと思ったがけっこう粘るな・・・そんなにそいつが大事なのか?)
「優嘉・・・眠れ」
「ぁっ・・・・」
 優嘉はソファに身を預ける。
(少し慣らしたほうが良いかもな)

 16:00・・・同場所
「すっと目が覚める・・・ハイ!」
 -パン-
「・・・ん・・・」(あ、あれ・・・私・・・!ここは!!)
 優嘉は起き上がろうとする。
「はい僕の目を見て・・・どんどん君の意思が吸い込まれる・・・」
「!?・・・・ぁ?・・・」(なにこれ・・・変な感じ・・・)
 優嘉は雄介の目から視線を外せなくなり、顔がトロンとし始める。
「はい眠る~」
「・・・・・」
 優嘉はソファに身を預ける。

 16:30・・・同場所
「すっと目が覚めて起き上がる・・・そのときまず最初に唇をなめるんだ・・・そして靴下を脱ぐ・・・これも覚えてないけど必ずそうなるよ・・・ハイ!」
 -パン-
「・・・ん・・・」
(あ、あれ・・・私・・・ここは?・・・)
 優嘉は舌を出してぺろりと唇を舐めた。
(あ、とりあえず靴下・・・脱ごう・・・・)
 そして靴下を脱ぎ去った。

(ふむ・・・自分の行動を疑問には思っていないようだな。もう少しか・・・)
「はい僕の目を見て・・・意識が吸い込まれて眠っちゃう・・・」
 優嘉はスッと倒れ、雄介に支えられた。

 16:40・・・同場所
「10!」
 その声で優嘉が目を開ける。
 しばらくぼ~っとした後、とすんと床に転がった。
(アタシは猫・・・かわいい子猫・・・)
「にゃあ~ん」
「ほらほら。遊んであげるよ」
 飛騨が紙をぴらぴらやると、優嘉が飛びついた。
「うにゃっ!」
「ほら、楽しいね・・・言うとおりにすればもっと楽しい・・・」
 優嘉の行動がどんどん積極的になる。

 飛騨が手で顎を撫でる。
「にゃあ~~」
 優嘉が幸せそうに顔を突き出している。
 すっかり猫になりきっているようだ。

「猫が服を着ているのはおかしいね~。脱がしてあげるからおいで」
 優嘉はおとなしく自分の服が脱げるのを見つめている。

(!!!な、何て綺麗な肌をしてるんだ・・・それにこの美乳・・・この性器・・・どれをとってもすばらしいぞ・・・)
 飛騨は優嘉の裸体を見て交わる事を決意した。
 飛騨はズボンを下ろし、ペニスを取り出した。
「ほら、これはとっても面白いものだよ。咥えてごらん。歯は立てちゃだめだからね」

 優嘉はそれを興味深そうに首をかしげながら見つめた。
 そして嬉しそうにしゃぶりついた。
「う・・・そ、そうだ。舌を使って遊ぶんだぞ」
 優嘉の天性のフェラチオセンスが手伝って、飛騨のペニスが一気に膨らんだ。

「で、出る・・・今から出るのはミルクだ。おいしいから大事に飲むんだぞ」
 次の瞬間、飛騨のペニスから精液が放たれる。
 優嘉は突然の事で驚くが、それをこくこくと飲み込んでいく。
 そして飛騨のペニスも舌で綺麗に舐め取る。
「お、おいしかったか?」
「にゃ~」
 優嘉は口をあ~っと開けて飲んだ事をアピールする。
「こ、こいつは樹莉に代わる奴隷になれるぞ・・・」
 飛騨は優嘉をも落とす事を決めた。

 17:00・・・同場所
「・・・10!」
「ぁ・・・」
(ここどこだろう・・・頭がぼ~っとする・・・)
 優嘉は宙を見つめている。
「優嘉。俺の名前を言ってみろ」
「あ、りゅ~せ~。何言ってんの?結城龍正でしょ」
(結城龍正か・・・)

「そうだな。じゃあ作戦の確認をするぞ」
「え?私にも仕事させてくれるの?」
(?こいつ、独断で来たのか?じゃあ結城とやらはこいつがここに居る事を知らないようだ。自分の奴隷の行動を把握できないなんてご主人様失格だぜ・・・安心しな。俺が責任を持ってこいつを飼ってやるよ)
 雄介はクククと笑みを浮かべた。
「ああ。作戦を変更する。まずは今までの作戦を言ってみろ」
「あ、うん。まずりゅ~せ~が・・・・」
 ・・・・・・

(心を書き換える結城龍正・・・テレパシーの羽山麻衣か・・・だったら樹莉に仕掛けた罠はかわされるかも知れんな・・・まあ代わりにこいつを仕込むか)

 17:30・・・樹莉の職場のある駅前
「狩野先輩!」
「え?」
 樹莉の元に麻衣がやって来る。
「え~っと・・・ごめんなさい。どちらさまでしたっけ?」
 自分を先輩と呼ぶその女性を見ながら考え込む。
「あ、覚えてませんか?私先輩と同じ私立京徳東高校の・・・バレー部の後輩の北山です」
「あ、え~っと確かそんな名前の子が・・・いたような・・・」
「私影薄かったから・・・」
 麻衣は悲しそうな顔をする。そうか、覚えていないのかと。
「あ、ごめんなさいね。思い出したわ」
 実は思い出したのは後輩に北山という子がいた事だけで、どんな子かは忘れていた。

 『よし、いいぞ!テレパシーはそのまま繋いでおけ。体力がつらいだろうが』
 龍正からの通信。麻衣は今、龍正との会話を常にオープンにしている。

 影の薄い人と再会したら、多少記憶が曖昧でも覚えている振りをするものだ。
 たとえ顔が違っていても詳しく覚えていないのだから。これが龍正の作戦だ。
 作戦通り、麻衣の誘いで樹莉もカフェに入る。

 樹莉の高校時代の話なら龍正が覚えている。テレパシーで麻衣に伝えているのだ。
 あたかも思い出話のように話す麻衣をしっかり北山だと思い込んだようだ。
 しかも樹莉の思うように話を合わせてくる。
 樹莉が嫌う話は嫌々。喜ぶ話は楽しそうに。悲しむ話は悲しそうに。
 この子とは気が合いそうだと思ったに違いない。

 17:40・・・カフェ
 龍正は外に居た。能力で色々探っている。
 樹莉と麻衣は昔話に花を咲かせている。

 順調に見えた。しかし、麻衣がトイレに立ったとき、樹莉の瞳が虚ろになった。
(なんだ?後催眠か!?)
 外からはよく見えない。そして麻衣が戻ってきた時、龍正にある予感が浮かんだ。

 麻衣がコーヒーを飲もうとする・・・
 龍正は樹莉が何をしたのかを予想した。
 そしてライブラリーの能力でその記憶を読み取った。
 『ま、待て!そいつには薬が盛られている!気づかれない様に別の話をしながら一旦テーブルの上に置くんだ』
 『く、薬?わかりました・・・』
「あ、そういえば先輩って県大会のとき・・・」
 ・・・・・・・・・・

 しばらくして、今度は樹莉がトイレに立つ。
 『麻衣!今だぞ』
 『わ、分かりました!』

 18:30・・・カフェ
「へえ。じゃあ北山さんは今・・・あれ?」
 樹莉の視界が歪む・・・樹莉が暗示で入れた睡眠薬。龍正は逆にそれを利用した。口紅の跡や残りの量などをうまく利用して。

 音を立てて床に倒れる。
 いきなり樹莉が倒れて周りの視線が集まる。

「大変!どうしよう・・・」
 麻衣は大げさに慌てる。
 そこに一人の男が入ってくる。龍正だ。

「どうしました?」
「あ、あの・・・お友達が突然倒れて・・・」
 誰かが救急車をとか言っている。
「いや、僕の近くに夜でもやっている病院があります。そこの方が近い!」
 龍正は手際よく樹莉を抱える。
「あ、あの・・・」
 麻衣は龍正に話しかける。
「え~っと・・・ああ、あなたが一緒に居たんですね?じゃあ一緒に行って状況を話して下さい」
「は、はい・・・」
 龍正と麻衣は、タクシーを拾って女性を連れて行った・・・

 『フフフ・・・上手く行きましたね』
 『ああ、今日一日でこいつを変えてやるぜ』
(飛騨・・・一気に幸福から絶望に突き落としてやるぜ!!)
 後部座席には一言も会話は無い。あるのはテレパシーの怪しい会話。
 タクシーは闇へ消えていく・・・

< 続くA 第4話へ >
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