3種の神器 第19章

第19章 魔力の謎は謎のまま

 GW初日の今日、いつも通学に使っているリムジンに乗り込んで伊豆の祖父の元へ向かう。メイドたちは一緒に行きたがっていたが伊豆の隠居所はさほど広くないので行くのは俺と公子さんで運転手の彩さんもいったん帰る。
 祖父から伝えられた3種の神器の魔力だが、聞いていたのとは違いがいくつかあるのでもう少し詳しく聞いておいた方が良いだろうと考えての事だ。俺と二人きりで過ごせる事に浮かれる公子さんがはしゃぐ車中で魔力について考える。
 『睨む』魔力を使った池田若菜はフェラで精液を飲ませた事で僕となった上に『見つめる』魅了の魔力で精神の安定を取り戻した。相変わらず他の級友たちには厳しいが俺に対しては意識過剰なくらいの反応を示す。
 思春期の級友たちは池田若菜が俺を好きになったと勘違いして噂が広まったりしているが、否定すればするほど広まるのが恋の噂なので無視して放置している。

 馬鹿でかいリムジンを彩さんが慎重に運転して中伊豆の高台にある祖父の隠居所に着く。加藤さんを初めとする使用人たちが勢揃いして俺を迎える。トンボ帰りする彩さんを見送り、公子さんを連れて祖父の部屋に向かう。相変わらず達者な姿を見て一安心して取りとめの無い挨拶を交わしてから公子さんと加藤さんに席を外してもらい二人きりになる。
「お元気そうで何よりです」
「魔力をお前に渡してからは体力も落ちたがの」
「その魔力についてですが」
「使いこなせるようになったか?」
「試行錯誤している段階ですね。それより・・・」
 俺は交わらなくても精液を飲ませれば僕にできた事、『見つめる』魅了の魔力とは違った『睨む』ことによって精神はそのままに身体だけ操れた事を告げる。
 祖父は興味深そうに聞いていたが、祖父が曾祖父から魔力を受け継いだのが戦時下で、重傷を負った曾祖父からほとんど説明を受けずに魔力だけを継いだので俺に語った以上の事は知らないとの事。俺に告げた魔力の内容も祖父自身が試した事から推測したものであって先祖から伝わったものではないとの事。魔力を使っているうちに第6感が慣れてきて使いやすくなっていき、魔力を後継者に引き継ぐ事を決めてからなんとなく魔力を人に渡せるようになったそうだ。
 使っているうちに慣れてくる。結局それに行きついてしまった。
 祖父に聞いても分からないなら自分でこれからも試行錯誤していくしかないと決心して、それを祖父に告げる。
 すっかり人の良いお爺さんになってしまった祖父と昼食を共にする。伊豆の海で取れたばかりの魚を飽食して久しぶりの和食を楽しむ。食後は昼寝をするという祖父を部屋まで送ると公子さんが隠居所の車を借り出してドライブに誘う。
 来たがっていたメイドたちへの土産(もちろん公子さんに内緒で和夏や美奈子先生たちの分も)を買ったり、白いワンピースの公子さんと砂浜で追いかけっこしたりして休日を楽しむ。5月の穏やかな海辺の道を二人でドライブし恋人気分で公子さんも楽しそうだ。
「たまにはドライブもいいですね。成樹様」
「運転疲れない?」
「都内だと渋滞で疲れますけれども、景色が良くて空いていれば楽しいですわ」
 いつもきっちりとスーツを着ている公子さんだが今日は白いワンピースがよく似合っている。細いうなじやノースリーブの肩から伸びるこれまた細っそりした腕が色っぽい。
「改めて見ると公子さん美人だね」
「嬉しいですわ」
 助手席で手持ち無沙汰な俺はつ。いつい運転している公子さんにイタズラをしてしまう。可愛いおっぱいをツンツンしたり、ワンピースの裾をめくってみたり。

「運転中は駄目です。危ないですから」
「だってー」
「成樹様は都合が悪くなると厨学生になるんですから。危ないから駄目です」
「おねーたんがおこったー。こわいよー」
「お願いですから幼児退行しないでください」
「ばぶー」
「赤ちゃんまで戻らないで下さい」
「パイパイ、パイパイ」
「運転中はおっぱい駄目です!」
「えーんえーん」
「はぁ」
 ため息をつく公子さん。その公子さんが急に叫ぶ。
「あった。ありました!」
「え、なになに」

 公子さんが指差す方向を見るとお城のような建物が・・・

「・・・あれ?」
「あ・れ・で・す・わ。な・る・き・さ・ま」

 艶やかなピンクのルージュを塗った公子さんが舌なめずりをして答える。

「お城みたいだねー。遊園地かなー」
「そうでちゅよ、お姉さんと遊びましょうねー」
「え、あの、遅くなると心配するし」
「大丈夫です。夕飯は7時。今はまだ3時前ですから」
「いや、バナナワニ園行ってみたいな」
「バナナとワニがいるだけです!」
「いのしし村に」
「猪がいるだけです!」
「ドッグランドに」
「犬が!着きましたわ、成樹様」

 生まれて初めてのラブホテルに連れ込まれる。公子さんも初めてのはずなのだが素早く空き部屋を選んで俺を引っ張って部屋に連れ込む。

「うわー、ベッドが丸いよ」
「お風呂が大きいですわね」

 二人でラブホテルの中を歩き回る。ベッドから見える大きなお風呂のドアが素通しのガラスなのに感心していると風呂にお湯を張り始めた公子さんがポーチを持ってトイレに篭城する。

「しばらくかかりますから適当なところでお湯を止めておいてください」
「僕もトイレー」
「駄目です。待ってください」
「漏れちゃうよー」
「男の子はトイレでなくても出来ます!」

 風呂を確認するがまだまだ時間がかかりそうなので部屋の中を探索する。ベッドの枕もとのスイッチで丸いベッドが回転するのに感心したり、部屋の隅に大人のおもちゃの自動販売機があったので買ってみたりする。20分ほどすると風呂の用意が出来たのでお湯を止める。公子さんもトイレから出てきたので俺が入ろうとすると真っ赤になった公子さんが俺の袖を掴む。

「あの、まだ臭いますから駄目です」
「えー、でもー」

 抗議する俺をキスで口封じした公子さんがキスしたまま俺の服を脱がせる。素直に脱がされてから俺も公子さんのワンピースを脱がす。背中のジッパーを下げて肩をずらせば邪魔な?でっぱりはないのでストンとワンピースが落ちる。白いワンピースに合わせたレースのブラとショーツも脱がせてキスしたまま風呂場に入る。俺の首に手を回してしがみつく公子さんを抱えたまま湯船に飛び込む。10人は一緒に入れそうな大きな湯船に公子さんがはしゃぐ。

「すごい広い。泳げそう」
「さすがに泳ぐのは無理でしょ」
「成樹様は泳げます?」
「クロールで50メートルくらいなら」
「私は平泳ぎで遠泳が得意なんですよ」
「なるほど」
「え、何がですか?」
「抵抗が少ない分泳ぎやすいのかと」
「もー、気にしてるんですからおっぱいの大きさのことは言わないで下さい」
「可愛いおっぱいも好きだよ」
「大きいおっぱいもお好きなんでしょ」
「ええ、まあ」
「手術しようかしら」
「え?」
「豊胸手術。成樹様のお好きなサイズにできますし」
「公子さんはその可愛いおっぱいがいいのに」
「本当ですか?」
「うん」
「それより成樹様。おトイレは大丈夫ですか?」
「さっきからずっと我慢してる。もうトイレ行ってもいい?」
「駄目です。臭いが残ってますから」
「漏れちゃうー」
「でしたら責任取りますわ」
「責任?」
「公子が成樹様のおしっこを飲みます」
「え?汚いよ」
「大丈夫です。空気に触れなければおしっこは飲んでも平気ですから」
「だっておしっこだよ」
「成樹様のなら飲めます。飲んでみたいんです」
「どこで覚えたの?」
「成樹様に喜んでいただこうとビデオを観て勉強しました」
「いいの?」

 コクンと頷いた公子さんに促されて風呂を出る。立った俺の股間に膝立ちになって公子さんがペニスを咥える。意識するとなかなか出ないのだが、公子さんの舌がいたずらするように亀頭をつつくと出始めて止まらない。それほど我慢していた訳ではないのだが大量に出て行く。最初のうちは尿を飲みながら舌を使っていた公子さんも目を白黒させながら必死で飲み込んでいくのだが、飲みきれずに溢れてしまう。

「ごめんなさい。全部飲めませんでした」
「無理しなくてもいいのに」
「成樹様のためなら何でもしてあげたいんです。次は全部飲めるように頑張ります」
「次も?いいよ無理しなくて」
「あの、飲みながらすごく感じてしまって」

 言われて下を見るときれいに剃りあげた公子さんのお○○こから愛液が垂れている。

「変態だった思って嫌いにならないで下さいね」
「そんなこと無いから安心して」
「空気に触れたらもう駄目ですから流しちゃいますね」

 シャワーで二人の体にかかった尿を洗い流す。ついでにうがいもして微笑む。

「ちゃんときれいにしないと成樹様にキスしてもらえないから」
「んー、そこまでしてくれるのは公子さんだけだよ」
「愛してくれるのも私だけならいいんですけど」
「ごめん」
「その代わり今日はいっぱいしてくださいね。夜は無理ですから」
「了解!精一杯頑張ります」
「最近お口で奉仕するばかりで辛かったんですから」
「公子さん上手だからついつい」
「ピルを飲むときに悲しくて」
「今日は思いっきり出すから」
「お尻をきれいにするのも大変なんですから」
「そちらも楽しませて頂きます」
「2回だけ?」
「もっと?」
「私が上で1回、下で2回、向かい合って3回、お尻で4回は欲張りですか?」
「そんなに頑張ったら帰りの運転ができないでしょ」
「残念ですわ。成樹様に2本用意したんですが1本は私が飲んで頑張ります」

 ブランド品のバッグから高そうな栄養ドリンクを出してにっこり微笑む公子さん。言われるままに1本目は自分で飲み、2本目は口移しで公子さんに飲ませる。大量の尿と一緒に摂取しても栄養ドリンクは効果があるのだろうか?
 俺の疑問をよそに公子さんは俺をベッドに連れて行き、横たわった俺に跨る。枕もとのスイッチを入れてベッドを回転させながら気合を入れる。気がつくと天井が鏡張りになっている。壁にも鏡があり俺のペニスを咥え込もうとする公子さんの動きが色んな角度で楽しめる。充分に濡れている公子さんは一気に俺の上に座り込むようにしてため息をつく。

「ああ、久しぶり。成樹様が私の中に」

 噛み締めるようにじっとしてから上半身を倒して俺にもたれかかる。

「成樹様」
「ん?」
「一生懸命しますからいっぱい出してくださいね」
「うん。公子さんもいっぱい感じてね」
「はい。では動きます」

 俺に跨ってじっとしている間も鏡に映った公子さんのお尻が物欲しそうに動いているのが見える。そして公子さんの愛液まみれのペニスが顔を出しては飲み込まれる。上体を伏せたまま腰だけを動かす公子さんが徐々に高まって背中やお尻まで上気してピンクに染まる。

「成樹様。おっぱいを可愛がって」

 小さいけれども感度抜群のおっぱいを優しく揉みながら公子さんの上体を起こして動きやすくする。せめてCカップあればおっぱいを掴んで上の女性を揺する事もできるのだがBカップでも小さ目な公子さんだと乳首を摘まむようになってしまう。公子さんが夢中で腰を振ると俺が摘まんだ乳首が引っ張られてしまう。

「おっぱいが痛いです。成樹様」
「ごめん強かった?」
「痛いのも気持ちいいですけど、ちょっと強すぎます」
「じゃあこういうのは?」

 公子さんのおっぱいを包み込むように手のひらを当てあがって公子さんの腰の動きで俺の手のひらと乳首が擦れるようにする。

「あ、いいです。腰が止まらなくなっちゃう」
「小っちゃいけどちゃんと揺れるのが可愛いよ」
「あん、意地悪」
「ホントに可愛いよ」

 爪先で摘まむのは痛がるので指の股に乳首を挟んで公子さんを揺する。

「あ、駄目。最初は好きに動きたい」
「気持ち良くない?」
「い、い、いっちゃう。すぐにイッちゃうからまだ駄目」
「いいよ、先にイッても」
「一緒に、一緒にイキたいんです」
「それなら僕も動くよ」

 下から突き上げるようにして腰を動かす。

「駄目、イッちゃうから」
「僕もイクからちょっと我慢して」
「駄目、もう駄目」
「もう少し我慢して」
「もう、もう」

 公子さんがイキそうになるので腰を掴んで浮かせて入り口を浅くピストンする。

「やだ、やだ、もうイカせてー」

 鏡の中の公子さんの肛門までが物欲しそうにうごめいている。俺が腰を掴んで公子さんがイカないようにするのだが公子さんの腰は必死に動こうとしている。覚悟を決めて公子さんの腰を自由にすると猛烈に腰を上下させてイッってしまう。

「イキます。イキます」

 激しい腰の動きが止まり、激しく締めつけながらイッた公子さん。少し遅れて俺も射精感が高まる。俺の上に座り込んで余韻に浸る公子さんのおっぱいというよりも胸を掴んで上下に揺さぶる。

「駄目、駄目。イッったばかりなのに」
「もう少しだから」
「もう、もう、もういい」
「あとちょっと」
「嫌、嫌、嫌ー」

 イッたばかりのところを休み無く攻められて悶える公子さんだが、お○○こは再びペニスを締めつけて快感を貪ろうとする。公子さんは言葉にならない悲鳴のような声しか出せなくなった所で根元まで入れて射精する。声も無く伸びてしまった公子さんだがお○○こはうごめいてペニスを締めつけ続け、鏡に映る肛門もうごめいている。

「一緒にイキたかったのに」
「公子さんがすぐにイッちゃうから」
「ごめんなさい。久しぶりだから止まらなくて」
「いっぱい出しました」
「はい、いっぱい出るのが分かりました」
「まだ欲しそうに締めつけてくる」
「いや、言わないで」
「抜くよ」
「こぼれちゃう」
「ラブホテルだからいいんじゃないの」?
「そうなんですか?」
「僕も初めてラブホテルに入ったんだけど」

 ちょうどベッドが回転して用意されたティッシュが枕元に来たので公子さんが手早く数枚とってから引きぬく。ティッシュをあてがっていたのだが、大量に溢れてくる精液と愛液でティッシュが足りない。濡れたティッシュをあてがった公子さんが手で押さえながら風呂場に入っていく。俺も新たに取ったティッシュでペニスを拭って風呂場に入っていく。公子さんの中を洗い流し、俺のペニスも公子さんの口とシャワーで洗い流して再び風呂に入る。

「さっきはすごかったです」
「いつもより感じた?」
「感じすぎて恐いくらいです」
「じゃあ今日はこれでお仕舞いにする?」
「駄目です」
「んー、公子さんは欲張りだから」
「私って淫乱ですか?」
「淫乱までは行かないけど、充分好き者ですな」
「成樹様がそうしたんですよ」
「いやいや、充分素質がありましたので」
「そんな事よりもせっかくの広いお風呂なんですから」
「だから?」
「あの、お風呂の中でも」
「中でも?」
「お風呂の中でも可愛がってください」
「よしよし。でもちょっとこちらの準備が」
「お口で元気にしましょうか?」
「それより!」
「何ですか?」
「公子さん平泳ぎが得意だって言ってたよね」
「はい、ですがいくら広くてこの中では泳げないって成樹様が」
「平泳ぎしてる公子さんのここが見てみたい」

 お○○こに指を入れる。というかさっきからイタズラしてるのだが。

「もう、恥ずかしい事ばかりさせるんですから」
「駄目?」
「見せたら元気になりますか?」
「うん!」
「でしたら」

 広い浴槽の角で両手で縁を掴んで脚だけ平泳ぎをする公子さん。透き通ったお湯のなかでお○○こが開いたり閉じたりするのが見える。もっとよく見ようとお湯に潜って間近で鑑賞する。ぴったり閉じたお○○こが脚の動きに合わせて動く姿にペニスは元気を取り戻す。お湯から頭を出し、浴槽の縁に座らせた公子さんの脚を掴んでいっきに根元まで入れる。

「あ、急に」
「お陰で元気になりました」
「でもこの格好だと私は動けないし、成樹様も動きにくいでしょう」
「んー、しかたない。俺の首に掴まって」

 公子さんに入れたまま再び浴槽へ、抜けないように気をつけながら動くがお湯の中だとイマイチ滑りが良すぎて気持ち良くない。

「お湯の中だと駄目だね」
「そうですね。どうしましょう?」
「立ったまま浴槽を掴んで脚を広げてみて」
「はい」

 中腰で浴槽の縁を掴んでお尻を突き出させてバックから入れなおす。この格好は普通に良かったが、感じてくると公子さんが立っていられなくて中断する。それからも色々工夫してみるのだが風呂に入ったままのHはお互いにイクまでいかずに断念する。

「やはりお風呂の中は駄目みたいですね」
「しかたが無いから出て洗い場で」
「さっきから中途半端で辛いです」
「今度はイカせてあげるから」
「お願いします」

 洗い場で四つん這いになった公子さんの腰を抱えて後ろから入れる。気持ち良さそうに背を反らせる公子さんのおっぱいに手を伸ばして優しく揉み上げる。身体を伸ばして公子さんの首筋や耳たぶを舐めるとキュっとペニスを締めつける。

「このまま続ける?お尻にする?」
「成樹様のお好きな方に」
「じゃあこのままで」
「はい、もう充分ですので早く下さい」

 浴槽での試行錯誤でじらされた公子さんはまたもや早めの射精を要求する。今度はタイミングを合わせるべく慎重にペースを作ってじわじわと公子さんを追い上げる。
 腰の動きに合わせておっぱいを優しく揉み、徐々に強く荒々しく揉み、時に乳首を強く摘まんで引っ張る。

「また、また良くなってきました」
「まだまだ」
「おっぱいをおっぱいを強く」
「こうかな?」
「あ、強い。強すぎるとイッちゃいまう」
「それならさわさわと」
「いい、それがいいです」

 公子さんも堪らずにお尻を押しつけてくる。まだしっかり四つん這いなので遠慮無く腰を振って公子さんの締め付けを堪能する。徐々に腕の力が抜けてお尻だけが持ちあがったようになると公子さんの絶頂も近い。

「いいです。下さい。いっぱい下さい」
「今度は一緒にイケそう」
「はい、一緒に、一緒に」

 今度はタイミングがあって二人一緒に絶頂に達する。ギリギリと締めつけてくるのに合わせて射精しながら腰を振りつづける。

「いい、いい、イキます」

 ギリギリと締めつけられるせいで射精が長く続き、しびれるような快感も長く感じる。公子さんの乳首を潰すように摘まんでいたのに気付いて指先から力を抜く。

「あん」
「ごめん。痛かった?」
「あの、痛いけど・・・それが気持ち良くて」
「そうなの?」
「急に指が離れるとかえって痛いというか、しびれるんです」
「今度は一緒にイケたね」
「はい、嬉しいです」
「満足した?」
「ええ」
「まだ締めつけてくるんだけど?」
「こうですか?」

 公子さんがお尻を振りながら締めつけるとわずかに尿道に残った精液まで絞り取られる感覚に俺は女のような悲鳴を上げてしまう。

「あ」
「感じます?可愛い声でしたけど」
「出したばっかりを刺激されると気持ちいいのか辛いのか分からなくなる」
「私もイッたのに続けて刺激されると気持ちいいけど辛いです」
「とりあえず2回頑張ったから一休みさせて」
「ベッドでお休みください。その前に」

 いつものように舌でペニスを清める公子さん。美味しそうに舐め取っては飲んでいく。俺の汗をシャワーで流し、下半身は特に念入りに洗い流す。

「では、先にベッドでお休みください」
「公子さんは?」
「たくさん出していただいたので私も奇麗にしないと」
「ごめん。先に出る」
「いえ、後1回頑張っていただきますので」
「・・・はい」

 俺は身体を拭くのもそこそこにベッドに戻り大の字になって寝転ぶ、喉も乾いているのだが強烈な快感とそれに伴う2回の射精で身体に力が入らない。魔力で体力は問題無いのだが、満足しきって性欲が満たされてしまう。
(後1回アナルで、これで公子さんは満足するだろう・・・満足して欲しいな)
 屋敷では2回連続は珍しくないというか2回以上も珍しくないのだが、公子さんとのHは密度が濃いというか、1回当たりの快感も疲労も大きい。今までは魔力を女性を僕にするために使ってきたが、性欲をコントロールする方にも活用しないと楽しいというよりも苦行になってしまう。素通しのガラス越しに公子さんを見る事もできるのだが見る気にもならない。
 魔力を使うために精神を集中して公子さんを操る。俺に対する恋愛感情はそのままに自分の性欲を満たすよりも、浮気な俺にけなげに尽くす事に精神的な満足感を優先させる。俺のイメージする『精神的』がうまく効果を発揮すればいいのだが。
 ほどなくして公子さんが風呂場から出てくる。バスタオルを巻いて俺の側に立つと

「お待たせしました」
「いえいえ、ゆっくり休ませてもらってます」
「大丈夫ですか?」
「喉がカラカラ」
「あら、気がつきませんでした」
「冷蔵庫から何か冷たいものを取ってきて」
「はい。お待ちください」

 バスタオルを巻いたまま冷蔵庫に行きコーラとオレンジジュースを持ってくる。

「栓を抜かないと飲めないよ」
「あ、ごめんなさい」

 慌てて冷蔵庫に戻って栓を抜く公子さんだが、左手にコーラを持ち右手で栓抜きを持って力を入れるとハラリとバスタオルが肌蹴る。

「きゃっ」

 少し前には全裸で絡み合い、数秒前まではゲンナリしていたのにペニスが元気になる。俺はガバっと起きてまじまじと肌蹴たバスタオルから見えそうになっている可愛いおっぱいに目を凝らす。胸の前で留めたバスタオルが肌蹴て可愛いおっぱいが、そして頂点のピンクの乳首が震えているのがチラチラ見える。両手が塞がっているので脇を使ってバスタオルが完全に肌蹴るのを防いでいるが小さいおっぱいがポロンとこぼれ出たのを恥ずかしがる公子さんが愛しい。コーラと栓抜きをいったん床に置いてバスタオルを巻き直した公子さんがジュースの栓も抜いて持ってきてくれる。

「どちらになさいますか?」
「君子さん炭酸苦手でしょ、コーラでいいよ」
「はい、どうぞ」

 ビンのコーラの強い炭酸が渇いた喉に心地よい。公子さんはオレンジジュースを飲まずにニコニコ見ている。

「飲まないの?」
「だってコップが無いと飲みにくいしお行儀が悪いですから」
「僕はお行儀悪くてもいいの?」
「男の方はいいですけれども、女はそんな訳にはいきませんから」
「女性って大変だね」
「その代わりに口移しで飲ませてください」
「はーい」

 甘ったるいオレンジジュースを口に含んで公子さんに飲ませる。喉を鳴らして俺の唾液の混じったオレンジジュースを飲む公子さん。飲ませるたびに舌を絡めあうディープキスになるので時間がかかるがなんとか全部飲ませ終える。

「美味しかった」
「ホントの甘いキスだね」
「こうして甘えているのが幸せです」
「意外に甘えんぼなんだね」
「いつもは成樹様が甘えてるんですから、たまには甘えさせてください」

 俺の胸に顔を埋める公子さん。横座りになので巻いたバスタオルの裾がめくれてほっそりした太ももが見える。手でバスタオルをめくると公子さんが恥ずかしそうに手を押さえるが強くはない。お○○こが見えそうで見えない位置までまくって公子さんの太ももを撫で回す。お尻も半分見えているので心いくまで撫で回す。完全に復活したペニスを公子さんが撫で回して尋ねる。

「あの?もう1回大丈夫ですか?」
「公子さんは?」
「知りません」

 俺の胸で甘える公子さん。11歳も年上なのに可愛らしい。ストレートのセミロングの髪を撫でながら

「どうしようかなー」
「成樹様が決めてください。あん」

 お尻を撫で回していた俺の手が急に公子さんのアナルを触ると甘く悶える。

「せっかく今日はこれで我慢しようと思ったのに」
「指だけじゃ駄目?」
「成樹様が辛いなら指で我慢します」
「夜自分で慰めるのかな?」
「知りません」
「んー、迷うなー」

 胸元で留めたバスタオルを引っ張っておっぱいを覗き込む。小さな可愛いおっぱいの先で乳首が立っている。右手の人差し指をアナルに、左手は人差し指と中指をお○○こに入れて浅くピストンする。

「あ、あ、そんなにされたら」
「どうなっちゃう?」
「我慢できなくなります」
「えー、もう辛いな。今日はこれで打ち止めにしようよ」
「でも、でも、成樹様の指が」
「うん。公子さんのでびしょびしょ」
「お願いです。いじめないでください」
「可愛がってるつもりなんだけど」
「もう1回おねだりしたくなっちゃうから」
「さてどうしよう?」
「無理ですか?」
「公子さん次第」
「え?どういう事ですか」
「ちょっと待ってね」

 公子さんから離れて先程買った大人のオモチャを持ってベッドにあがる。

「あの、それは?」
「大人のオモチャ」
「・・・」
「公子さんに使ってみたいなー」
「どうしてもですか?」
「うん!」
「ちゃんともう1回頑張っていただけますか?」
「うん!」
「恥ずかしいのに」
「公子さんが恥じらうと元気になっちゃう」
「嫌な成樹様」
「どうしても嫌ならあきらめるけど」
「そうして他の女性に使うつもりでしょ」
「ぎくっ」
「いいですわ。その代わり私専用にして他の方には使わないで下さいね」
「うん!」
「でも、どうやって使うんですか?」

 俺が買っておいたのは小さいローターと普通サイズのバイブを1個ずつ。まずはローターを四つん這いにさせた公子さんのお○○こに入れてスイッチを入れる。

「あ、何?」
「気持ちいい?」
「ちょっともどかしいです」
「それじゃあ」

 今度はローターを抜いてクリちゃんに当ててみる。

「ああ、駄目。強いです」
「感じてるみたいだね」
「そんな、成樹様の方がずっといいのに」
「そのまま自分で押さえてて」

 ローターを公子さんに任せてバイブをお○○こに入れる。

「いやー、変な感じ。成樹様のじゃなくちゃ嫌です」
「でも僕のは後ろに入れるから」
「りょ、両方は無理です」
「キツかったら抜いていいから」
「そんな、無理です」
「それじゃいくよ」
「駄目、抜いてから」

 まだバイブを入れたまま公子さんのアナルにペニスをゆっくりと入れる。

「き、きついです。無理です」
「もうちょっと我慢して」
「は、はい。でも苦しいです」
「緑のバイブが刺さってるのがとってもいやらしくて素敵だよ」
「もう抜いていいですか?」
「あと3分」
「辛いだけです。成樹様」
「もう少しだ我慢して」
「はい。でも3扮たったら抜いてくださいね」
「うん。その代わりスイッチ入れるよ」
「え?」

 俺はバイブから伸びたスイッチを操作して一番弱く振動させる。

「え、駄目!駄目!駄目なのー」

 公子さんがペニスを強烈に締め付けながら暴れる。慌ててスイッチを切ってバイブを抜く。

「駄目です。辛すぎます」
「苦しかった?ごめんね」
「成樹様のじゃないと嫌です」
「バイブが強すぎるならローターにしてみる?」
「成樹様のだけで充分なのに」
「今度も苦しかったらすぐに抜くから」
「自分で抜きたいです」
「いいよ。だったら僕はこのまま入れてるから自分で入れてみて」
「はい」

 恐る恐るローターをお○○こに入れる公子さん。小さなローターなので今度は苦しくないようだ。

「これなら大丈夫?」
「はい、これなら苦しくはありません」
「じゃあ動くよ」
「はい、あの、いっぱい出してくださいね」
「うん。遠慮無く」

 ねっとりとしたキツキツの公子さんのアナルをゆっくりと腰を振りながら責めたてる。ぶらぶらとローターのリモコンが揺れて、可愛いおっぱいも揺れる。

「ああ、久しぶり」
「んー、最近使ってなかったからね」
「久しぶりだと最初の頃みたいにキツくて辛いです」
「でも公子さん最初からお尻でイッたでしょ」
「だって」
「公子さんって処女でキスもしない内にお尻で感じたんだよね」
「だって成樹様が」
「まだ一月くらいしか経ってないのにフェラも上手になったし、お○○こでもお尻でもイケるようになったし」
「それも成樹様が」

 ゆったりと腰を動かしているので公子さんも気持ち良さそうに答えている。

「そんな公子さんがおしっこを飲んで濡らすくらいになっちゃって」
「そういう女は嫌いですか?」
「好きだからこうしてるんでしょ」

 公子さんのお尻にぐりぐりと押しつける。

「あ、その動きも気持ちいいです」
「お○○ことお尻はどっちが気持ちいいの?」
「どちらも成樹様となら気持ちいいです」
「でも選ぶとしたら?」
「あの、お尻まで捧げる方が燃えます」
「お尻の方が感じるんだ」
「いえ、感じるのは前ですけれども、お尻は満足感が」
「へー、違いがよく分からないな」
「前はとっても感じて気持ちが良くて、お尻は成樹様に尽くしてる満足感でいっぱいになります」
「それじゃあ、ローターを使って両方感じたら?」
「嫌です。さっきは苦しかったんですから」
「ローターは小さいし、すぐに抜いていいから」
「どうしてもですか?」
「うん。どうしても。駄目?」
「あん、そうやって突きながら言わないで下さい」
「公子さんがいいって言うまでこうしちゃうよ」
「意地悪な成樹様・・・私がスイッチを入れて私が抜きますからね」
「うん!」
「恐いからスイッチを入れる時は止まってください」
「うん」
「ではいったん止まってください。私がいいって言うまで動かさないで下さいね」
「はーい」
「もう、ではスイッチ入れますよ」

 俺が腰を引いた状態で動きを止めると公子さんは恐る恐るスイッチを入れる。

『ジジジジー』

 公子さんの中にあるせいかローターの音は小さくくもぐって聞こえる。身体を硬くしていた公子さんが徐々に緊張を緩める。

「あの、これなら大丈夫です」
「苦しくない?」
「ええ、もどかしいくらいに弱いですから」
「動いてもいい?」
「はい、大丈夫です」

 公子さんはローターの動きがもどかしいくらいに弱く感じるらしいが、俺のペニスにはローターの振動がはっきり感じ取れる。腰を動かし始めるとローターの振動はよりはっきり感じられる。亀頭でローターが振動する部分を確認するように小刻みに動かすと気持ちいい。

「あ、じらさないで」
「公子さんは感じない?」
「気持ちいいですけれども、じれったいです」
「いや、ローターを感じない?」
「成樹様でいっぱいでそれしか」
「ふーん、僕はローターが気持ちいいよ」
「お願いです。もっと動いてください」
「こう?」
「もう少し強く奥まで」

 リクエストに答えて腰を強く動かしながら公子さんの腰を掴んで揺さぶる。

「あ、い、すごい」

 早い動きで感じ始めた公子さんは自ら腰を動かして貪欲に快感を貪る。俺が腰を止めても公子さんの腰は止まらない。

「あ、駄目。成樹様も動いて」
「公子さんのやらしいお尻を鑑賞してますから、お好きにどうぞ」
「やん、動いて。成樹様も」
「今日はこれで打ち止めなんだからじっくり楽しまないと」
「ああ、駄目です。止まりません。下さい」
「今出しちゃうと公子さんがもう1回っておねだりしそうだし」
「そ、そんなこと」
「あるでしょ?」
「だって、だって」
「その代わりにもう勘弁してって言うくらい感じさせてあげる」
「え、どうやって?」

 答えずに公子さんのお尻を掴んでペニスを抜いてします。

「あー、抜けるときも気持ちいい」
「何をしても感じちゃうんだね」
「だって、成樹様がそうしたのに」
「いやいや、公子さんの素質が良かったから」
「公子は成樹様の色に染められちゃいましたから」
「もっと僕好みにしちゃうよ」
「はい」

 本人の了承も得られたので体位を変えて楽しむ。足を投げ出した俺の上に後ろ向きに公子さんを載せる背面座位でアナルに入れる。

「あ、こんな格好恥ずかしい」
「公子さんのお尻は嬉しそうに締め付けてるけど」
「だって、成樹様がそういう体にしたから」
「こうすると可愛いおっぱいもツルツルのお○○こも触りやすいし」
「あん、鏡に映ってます」
「自分が感じる顔が見えるでしょ」
「成樹様もいやらしい顔してます」
「公子さんの方がずっといやらしいよ」
「知りません・・・」
「もっといやらしい顔にしてあげる」
「はい、もう我慢できませんから」
「それじゃあ、よいしょっと」
「きゃーー」

 俺は公子さんの膝を掴んで思い切り広げる。膝を広げたことで肛門も締まるし、鏡にはつるつるのお○○こがはっきり映る。

「いや、鏡に」
「やらしいのが映ってるね」
「恥ずかしいです」
「お○○こからはよだれが出てるし」
「・・・言わないで下さい」
「お○○こが寂しそうだよ」
「あの、お尻のままがいいです」
「お尻に出してほしい」
「・・・はい」
「でもお○○こも可哀相だよ」
「でも、お尻も可愛がってもらおうとトイレできれいにしましたし」
「真っ先にトイレに駆け込んだとき?」
「はい」
「それならお尻でイカせて出してあげる」
「はい、お願いします」
「ちょっと、お尻が動いてるよ」
「だって、堪らないんです」
「駄目だよ。ちょっと我慢して」
「もうイキたいです」
「すぐにイカせてあげるから」
「はい」

 なんとか宥めて公子さんをじっとさせる。入れたままだったローターを抜くと白濁した愛液にまみれている。

「うわー、中はすごい事になってるみたいだね」
「だって、イキたいのにさっきからじらされて」
「もうすぐだから」

 ローターのスイッチを切るとすばやくバイブに持ち替えてお○○こに入れる。

「いやー!」
「駄目です。キツいです」

 悲鳴を上げるがかまわずに奥まで入れてスイッチを入れる。ここで魔力を使って感じさせようとしたが。

「駄目、駄目、イク、イク、イク」

 公子さんはあっという間に絶頂に向けて燃え上がる。大きく脚を開いたままお尻を激しく上下させてペニスを締め付けて快感を貪る。

「イキます、イキます、イキます。イ、イ、イクぅー」

 激しくイッてしまう。俺が射精する間もない。俺も射精すべくイッたばかりの公子さんの腰を掴んで上下に揺さぶりながら腰を突き上げる。

「駄目、駄目、イッたの。ちゃんとイキました」
「も、もう駄目。イク、イク」
「ゆるして、ま、また。イク」

 絶頂の余韻に浸らせずに連続して責めてイカせ続ける。

「やら、もう、やら」
「ひ、ひ、ひく」

 連続してイキ続ける公子さんが数回目にイクのに合わせて射精する。3回目なのに加えて強く間欠的に締め付けられて小刻みに出ていくのが分かる。

「もう駄目です。力が入りません」
「僕も限界」
「オモチャは嫌なのに」
「でも感じたでしょ?」
「成樹様だけの方がいいです」
「僕も体力に限界あるから」
「大丈夫ですか?」
「公子さんこそ、帰りの運転できるの?
「少し休めば大丈夫だと思います。夜はゆっくり休めますし」
「時間は?」
「あと1時間くらいあります」
「じゃあ少しでも公子さんが休めるように」
「え?」
「公子さんをお姫様抱っこしてお風呂へ」
「いいんですか?」
「任せなさい」
「嬉しいです」

 公子さんをお姫様抱っこで風呂に連れていき身体も俺が洗ってあげる。俺も手早くシャワーを浴びて二人でベッドに腰かけてぎりぎりまで休む。せっかく買った大人のオモチャは公子さんがごみ箱に捨ててしまう。清算を済ませて車に乗り込むと夕日がまぶしい。

「さーてと、早く帰らないとお爺さんが心配するから」
「はい、渋滞しないといいのですが」
「どこに行ってた事にする?」
「え?」
「聞かれた時の口合わせしておかないと」
「さすがに浮気者の成樹様ですわ」
「いやー、それほどでも」
「誉めてないです!」
「はい、土産物買って海岸で遊んでドライブしてた事にしてください」
「はい。成樹様」
「バナナワニ園行きたかったな」
「本当ですか?」
「本当にバナナとワニだけなのか興味があった」
「それよりもお爺様が体調が優れないようなのですが」
「うーん、歳も歳だから」
「せめて成樹様が成人するまではお元気でいて頂かないと」
「いろいろ大変?」
「熊野グループの総帥という立場ですから」
「僕に勤まるかな?」
「加藤さんがいれば大丈夫でしょうけれども、私もお手伝いしますし」
「加藤さんってたまにしか会わないから良く知らないや」
「予定では成樹様に付きっきりで帝王学をお教えする筈だったのですが」
「お爺さんが体調崩したからね、しょうがないよ」
「ですが、成樹様のためには必要なスタッフですから」
「せめて月の半分くらいは東京にいて欲しいんです」
「月の半分も加藤さんと一緒は嫌だな」
「加藤さん苦手ですか?」
「公子さんの方がずっといい」
「加藤さんも成樹様が苦手みたいですよ。東京に用事があっても屋敷に寄らずに帰る事が多いですから」
「ふーん」
「やはり年下の成樹様にどう接していいか分からないのかと思います」
「僕だって加藤さんにどう接していいか分からないよ」
「私やメイドのみんなみたいにはいきませんからね」
「うん」
「加藤さんはキスしても言う事は聞いてくれませんし」
「勘弁してー」
「三好さんと筒井さんは気に入りませんでした?」
「いや、ふたりともきれいで優しいよ」
「でも手を出されてないですよね」
「うん。特に理由はないけど」
「気に入らなければ言っていただければ対処しますので」
「いや、その気になったら頂きますので」
「さらっと浮気するっておっしゃいますね」
「だって公子さんが二人をどうぞって」
「そうですけれども」

 多少の渋滞はあったが夕食には充分余裕を持って山荘に着いた。物静かな和服の女性が淹れてくれたお茶を飲んで寛ぎ、海に面した窓からの景色を眺める。時間になると祖父と共に夕食を取る。伊豆の港に上がったばかりの魚を中心とした和食を楽しむ。祖父はわずかな量をゆっくりと口にしている。俺にお茶を淹れてくれた和服の女性が祖父の世話を焼いている。俺から見ると公子さんは大人の女性であるが、それよりも大人な雰囲気が羨ましい。40は過ぎているのだろうがしっとりとした色気を感じる。刺すような視線を感じて振り向くと公子さんと加藤さんが視線を外す。他の女性を見つめていたのだから公子さんが俺を睨むのはわかるが加藤さんの視線がよく分からない。俺と視線を合わせないようして無表情にお茶を飲んでいる。俺も表情を変えずにさりげなく加藤さんを観察するがいつもの加藤さんである。
(気のせいか?)
 祖父に勧められて源泉から引いたというぬるい温泉で長湯をする。両親と姉に甘やかされて育ち、屋敷でメイドたちに世話を焼かれているのに慣れたので自分で身体を洗うのも面倒だ。頭からお湯をかぶっただけで洗わずに入浴を済ませて風呂を出る。仕方がないので自分でバスタオルを使い、公子さんが用意したらしい浴衣に着替えて宛がわれた部屋に戻る。何か大事な事を見落としているような予感はするのだが、望ちゃんたちとメールをして和夏と長電話をしているうちに眠くなってしまい布団に潜り込む。
 熟睡して目覚めてからは親孝行の真似事で祖父の肩を揉んだりして過ごし、昼前に迎えに来た彩さんも一緒に昼食をご馳走になり、祖父が用意した大量の伊豆土産を持たされて屋敷に戻った。

< つづく >

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