第三話
■ ウシロ、千尋、宮子
ある夕方、小さな喫茶店で綾はお客さんのこない時間を同じウェイトレスと賑やかに話しながら過ごしていた。
「だ~か~ら、そんなだらしない格好しない。お客さんが来たらどうすんのよ」
「え~、こんなに早くに誰もこないよ。もう準備おわっちゃたんだしどうしててもいいでしょ」
「よくない、お仕事の時はちゃんとしてないと駄目! 近江(おうみ)先輩もなんとか言ってください!!」
「う、う~ん。でもこう見えても初美ちゃんお客さんがいるときはすっごく働いてるよ?」
「ほらほら~、先輩もこういってるじゃん? 私ってば働き者~」
「そういう問題じゃないの!」
まったくもう、先輩はいっつも初美に甘いんだから、そんなんだからこの子が調子に乗っちゃうんですよ。
ガランガラン!!
そんなやり取りをしているうちに扉が開いて鳴り子が大きく鳴った。
もうっ、油断してたらお客さん着ちゃったじゃん。
急いで初美に注意しようとしたら本人は何食わない顔でフロアを巡回してる振りをしてた。
……本当に調子いいんだから
「いらっしゃいませ!! 3名様でよろしいでしょうか?」
近江先輩が大きな声で接客に向かう。
入ってきたのは南学園の生徒だった。
容姿は一人が軽そうな男子にもう一人は綺麗系のイケメンあとの一人は女子だった。
「は~い、よろしくお願いします! ところでお姉さん可愛いですね、ここらへんの学校だったりするんですか? 教えてくれません?」
男子の一人が突然大きな声で先輩に話しかける。
初めて見るお客さんだけどいきなりナンパかよ……
しかも歳私とたいして変わんないっぽいのに先輩にナンパとはいい度胸だな。
「……もうしわけございませんお客様、ただいま営業中ですので私語厳禁なんです~」
さすが先輩だ、うざいお客にも笑顔で対応とは……
「え~、いいじゃないですか、いいじゃないですか。他にお客さんいないしちょっと位お話しちゃいましょうよ。今彼氏いるんですか? 学校とか教えてくれません? とりあえず軽いお付き合いからはじめてみませんか?」
う、うぜえ……
「お、お客様、私仕事なのでこの辺で失礼して宜しいでしょうか?」
さっきと同じでやっぱり先輩は大人の対応を続けてる……ように見えるが心なしか肩が震えてるし頭に血管が浮いてきてるような
「うっわ~先輩がガチで怒ってるのはじめて見たかも……」
気づけば初美も作業をやめてやり取りを見守っていた。
「初美そろそろフォローしにいってよ、こういうの得意でしょ?」
「え~あの人なんかしつこそうだし私パス。後ろのイケメンだったらいってもいいけどさ。綾ちゃんがいけばいいじゃんか」
「わ、私もああいうお客さまはちょっと……」
「だよね~」
私たちがそんな会話をしている間にも軽そうな男子は尚も先輩にアピールを続けていた。
さっきから軽く流していた先輩もそろそろ我慢の限界みたいだ。
無意識のうちにか足が床を叩いている。
こ、これはさすがにフォローに行かないと……
そう思って先輩の方に向かおうと思った瞬間に男子の後ろから一緒に来た女の子が前に出てきた。
「あの、そろそろいいですか? 中に入りたいんですけど」
一言、彼女はポツリと呟くように言った
澄みわたるような声とでも言うのだろうか、初めて聞いた美しいと表現できる声。
なんでもない言葉なのに一瞬店内の時間が止まった様に思った。
隣を見ると初美も目を丸くしている、彼女の声に驚いたのだろう。
というかあの子良く見たらすごい綺麗じゃん、しかも西学の制服着てる!?
なんであんな男子と一緒にいるんだろ……
「あ、えっと。それじゃあ3名様でよろしいですね? よろしければお好きな席にお座りください」
先輩も一瞬止まってたがすぐに笑顔に戻り接客を再開する。
あの女の子のフォローで軽い男もお喋りを止めて大人しくなっていた。
やれやれ、今日は最初のお客さんから大変だな
私はまだ何もしてないけど気合を入れなおそうとノビをする
そのあとお客に向き直ってみると3人はまだ中に入らず入り口付近でなにやら話し合っているようだった。
女子の発言に二人がすこし首を傾げたように見える、そのあと了承する素振りをみせて二人の男子は耳を塞ぐ。
……なにやってんだろ、話聞きたくないアピール?
これって話に割り込んじゃっていいのかな?
なんて思ってたら女の子の方がこちらに向き直る。
振り向き様に髪が揺れる……やっぱり美人だ
同じ女子なのに少しだけ見惚れてしまった
いかん、いかん。仕事しないと。
そう思って今度こそ振り返ろうとして……ぞっとした。
彼女の整った顔、そのなかで目のパーツだけがとても虚ろでこちらのことをまるで物かなにかのように見据えていたからだ。
驚きで思考が止まり
『全員、なにも考えるな』
さっきも聞き惚れた彼女の言葉
それに従ってそのままずっと思考が停止したままになった。
「あのさぁ、いきなりやるのやめてくれません? ちょっとびびったんですけど」
「やるっていったじゃないですか……」
「話に前置きがなくてびびったんだよ! お前は話に序列を作れよ!」
あ、初めてかっこいい方の男の子の声を聞いた
「別に、必要なことだからやったんですが」
「へ? なんかこのお店に用があったんですか? 飯食べに来ただけだと思ってたんですけど」
「いや、タダ飯が食べたくて」
「俗物さに躊躇がない!?」
「やべえ、冷や汗が止まらねえぜ……」
男子たちの文句を無視して女子は言葉を続ける
『さて、と。私たちはお客様だから貴方達は私たちの注文に絶対に従うこと。絶対に変には思わない。わかったら返事』
「「「はい、わかりました」」」
3人の声が重なる
あ、近江先輩も初美も私みたいにぼぉ~と立ってる
『それと、今日は貸し切りにすること。もちろん代金はタダで』
「宮子ちゃんって金払いいいのに妙なとこせこいですよね……」
「そういやこいつといてまともな買い物した覚えねえわ」
「うわぁ……」
『それじゃあ、あとは思考を再開していいですよ』
3度目の頭に響くような声が聞こえた後、霧が晴れたように頭がスッキリしていくのを感じた。
えっと……なにがあったんだっけ?
「それじゃあ、適当に座りますね」
「あ、はい。それでは注文をお決まりになりましたらお呼びください」
そうだ、そうだ。
今日は貸しきりのお客さんがいらっしゃるんだった。
なにぼんやりしてたんだろ……
とりあえず、注文表は初美が取りに言ったから私は厨房に戻らないと。
「あ、行っちゃう前に制服のボタン全部外してください、あとYシャツの方も」
「はい、承知しました」
制服のボタンを上から全部取っ払う、下には学校の制服のYシャツを着込んでいたからそっちも全部外してしまう。
これで前は全開状態になってしまう。
お気に入りの青いブラも丸見え出しでそのまま厨房に向かう
年頃の高校生にあるまじき格好だし、普段なら絶対にしない格好だけど今日は特別だ。
「あ~でもやっぱりこういうのはいいですね。そっちにいった子胸強調しながら歩いてください!」
後ろから野次みたいな注文がとぶ。
私はあんまり胸が大きい方ではないから恥ずかしかったが、胸を手で絞ったり、胸を張りながら左右に揺らしてみたり、胸を揉みながら歩いてみた。
そして、私が胸を見せつけるたびに軽いほうの男子が色々な感想を言ってくるのですごい恥ずかしかった。
もう、お客様じゃなかったら男子にこんな格好絶対にしないのに……
「それでは、注文お決まりでしょうか?」
「……その前に、名前聞かせてください。それと喋り方は畏まらなくていいですよ。楽しくいきましょう」
「了解、私の名前は五十嵐初美ね。そっちの名前は?」
「私は最上宮子、でそっちの軽そうなのが青山、もうひとりは蓬原」
「へー、青山君に蓬原君ね、蓬原ってちょっと変わった苗字だね」
「ですかね、注文の前にスカートめくって口で咥えてもらえますか?」
「はいは~い、えっとスカートめくって……口でっと」
初美は女の子に言われるままにスカートを捲って、端を固定している。
同姓でも恥ずかしいのか初美の頬少し赤くなっていた。
「白だな」
「白ですね」
「白とは結構意外」
3人が初美のショーツを見ながら感想を述べる。
特に青山さんは目を輝かせて観察しているため顔が初美の股間近くまで近寄っている。
3人の言葉を受けて初美の頬が更に赤くなる。
うわ、あの子が動揺するとこなんてはじめて見たかも。
「それじゃあ、私は和風ハンバーグとイタリアンスパゲティ魚介カレーと狸うどんとサイコロステーキとラージライス3つ持ってきてください」
「おい……おい」
「やばいですよ、タダってことを差し引いてもやばいですよ……」
「なんですか?」
え、すごい量の注文だったけどまさかあの子一人で全部食べるんだろうか……
さすがに周りの2人を引き気味だった
「それじゃあ、お願いします」
コクン、コクン
初美は口がスカートで動かせないので首で返事をする
そのままお尻を見せたまま初美も厨房に戻ってきた。
さてと、大事なお客様だ、頑張らなくっちゃ。
◇
その後、宮子は追加でポテトとどでかいパフェを注文しタダであることをまるで気にする様子もなくひたすら食べ続けた。
男二人も最初は唇が引き攣って固まっていたが次第に言っても無駄だと感じたのか自分の食事に集中し始めた。
「ちょっと、綾お腹でてきたんじゃないの?」
「そ、そんなことないって! 気のせいだから!」
「えー最近やけにお腹のあたり気にしてるとおもったらそのせいなんじゃないの?」
「ち、ちがうって! もう……えい!!」
「え、いきなり胸に……ってなに描いてんの!?」
「ちょうペチャ胸……母乳まだでません……っと」
「なっ! あ~や~」
「べーっだ!!」
「……じゃあこっちはおまんこに淫乱初物って描いてやる!」
「な、なんで知ってんのよ!!」
「っちゅぷ………あの、千尋君……ぺろ……っんん……これで……ぺろ……本当に、気持ち……ああんっ……いいんですか?」
そしてウェイトレスの3人の内2人が制服をはだけて下着も殆ど晒しながら向き合ってお互いの体に隠語を描きあっている。
もう1人はテーブルの下で千尋の肉棒をしゃぶりながら上目遣いで機嫌を伺っていた。
もちろん初体験も経験したことのない普通の女子学生3人が進んで男性にこんな行為を行うはずがない。
全て千尋とウシロが命令してやらせてることである。
ちなみにこのような行為に至る原因となった宮子は淫靡な行為をまるで気にする風もなく食事を黙々と行っている。
命令を行ってから『お互いの体にエロい格好しながらエロいことを書きまくること』とウシロが命令したのが20分前。
それから二人は永遠と油性のサインペンで隠語を書き殴っている。
共学だが今まで浮いた話もなく、日々真面目に勉学とバイトに勤しんできた綾は胸を丸出し、ショーツを右手に掛けて、ブラジャーも床に放り投げた格好で、テーブルの上に座っている。
ウシロに見えやすい格好を要求されたので足を大股開きにしたまま尻だけで踏ん張っている格好だ。
体は初美に描かれた文章が並んでおり、胸には『←Dカップ、超敏感ちくび(ハート)』、お腹には『ちょっとでてます』、おへそから股間にかけては『陰毛ボーボー』そして女性器には『毎日オナニー頑張ってほぐしてます、よければつっこんでね』という文書が書かれている。
自分を貶める文章も書かれている時は否定はしているもの、拒絶している様子はなく、むしろ描かれている内容が愉快なものだという風に笑いながら淫語を受け入れている。
綾と同じ学校に通って、二人でいるといつもからかい役だが、責任感は強く、それとなく綾をフォローしていた初美は制服のスカート一丁で下着もつけず、しかもそのスカートもチャックを全開にしてほとんどなにも隠せていない状態で、綾に向き合うようなポーズをとってじゃれ合っている。
彼女にとっては今の状態はいつもと同じで自分が綾をからかっているだけと感じているかもしれないが、おへそにかぶせる様に『中だし大歓迎』、『セックス料金0¥』と書かれながらも男に二人一緒に媚びている様子は到底普段の彼女ではない。
その後も二人は親友の体に卑猥な落書きを描き続けていたがついにスペースがなくなり、最後には互いのショーツに『浅間綾 ただいま無料オマンコサービス中です』 『大城初音 ただ今セールス期間中だし何回でもOK』と書き込み、ショーツを値札のように腕にさげて足をVの字に上げて小陰唇を大きく開いたポーズをとった。
ウシロはその様子を食事をしながら、たまに野次を入れながら笑って眺めていた。
近江の方はといえば料理をする関係で1人出遅れたとはいえ、命令されてからもう10分も千尋にフェラを続けている。
18歳で受験を控え、勉強しながら進学する資金を自分で負担するためにバイトをこなしている近江も今自分の人生で一番大切なものはこれだといわんばかりに千尋の肉棒をしゃぶり続けている。
性的なことに興味もなく、自分を慰めることも殆どなかった彼女だが、今は勤勉性をいかして千尋がどうすれば気持ちよくなってくれるのかだけを考えて奉仕している。
「ペチャ……ペロ、ペロ…………おいしい…………千尋君のチンポ」
チンポという言葉自体普段の彼女であれば口にしないであろう。
だが、今の彼女に必要なのは千尋の肉棒だけであり、年下の少年である千尋にまるで奴隷のように仕えていた
(はあっ……おいしい……千尋君のチンポおいしいよぉ……このまま一生しゃぶってたい……)
いままで自分が正しいと思う生き方を続けていた彼女だが、今は頭の中まで千尋の肉棒で埋め尽くされ、汗を大量に流し、息が切れても千尋の下から離れようとはしていなかった。
◇
――食事の途中
「あのですねえ、千尋君ってもしかして不感症なんですか?」
「はあ? なんでだよ」
「だってさっきからそんな可愛い女の人にフェラしてもらってるのに顔色ひとつ代えないじゃないですか」
「……いや、さっきから何度か出してるけど」
そういいながら千尋は近江の髪を引っ張って近づけ、強引に口の中に射精する。
近江自体は乱暴な扱いを受けても目の色さえ変えず、むしろ恍惚とした表情で口の中の精液を舌で遊んでいる。
「だからですね。俺が言いたいのはなんで表情かえずにそんなことできるんですかってことなんですよ!」
「ああ、昔これ練習したからな」
「やばいですなあ、まるで意味がわかんない…」
「そのまんまの意味」
「……フェラされる練習ってこと……なんでしょうか?」
「そっ、昔舐められたときどうしても表情崩れんのが悔しくてさあ。んで、クラス全員条件付けして女子に授業中ずっと舐めさせてた」
「やべーこいつやべー」
「そんで最終的には顔色かえないで射精できるようになったぞ、1ヵ月くらいかかったけどな」
「そ、そうですか……す、すみません、僕こんなんで……」
「なんで控えめだよ」
「あ、いえ……まじすんませんでした」
「なんで謝罪なんだよ……」
ウシロは身の程を教えられていた。
◇
「ごちそうさまでした」
滝に打たれている修行僧のように無心で食べ続けていた宮子がようやく完食する。
目の前には山のようなお皿が積み上げられていた。
箸を置いて手を合わせる、そこでようやく気づいたかのように店内の狂乱に目を向ける。
「あんっ、み…みてください! 綾のおまんこ大安売りですっ!! ……はあっ…はあっ…こ、こんなっ…指三本もはいっちゃって……ああんっ…ガ…ガバガバなんですけどっ! もしよければ……だれか挿れてくれませんか……ク、クリトリスも…乳首も超敏感で…勃起しちゃってます!!」
「んんっ…た、ただ今大木初音の…処女マンコセール中です!! い、今までセックスのこととか考えたことなかったんですが…こ、これからはっ…ああんっ…毎日オナニーして…どんなチンポも入れられるように頑張りたいと思ってます!! お、おけけも……生えてない…きゃっ…つるつるマンコですが…よければ試してみてください!!」
綾と初音は床にひっくり返って大声で卑猥なセックスアピールをしている。
よこになりながらも片足を大きく天井に向けて大きく股間を露出し、今までしたことがなほど激しくオナニーを行っている。
二人とも指を高速でピストンさせながら、時に乳首を、時に肛門を刺激して快感に浸っている。
勢いが強いのですぐに達してしまうが、少し放心した後、また義務感に駆られるかのようにオナニーを繰り返すのだった。
「ま、前どころか…後ろの穴もガバガバなんですがっ……だれかくっさいお尻か毛深いおまんこ試してみませんか!?」
「あはんっ…わ、私は胸が小さいですけどオマンコの穴は誰より大きいつもりです!! よ、よければ使ってみてください」
自分を貶める言葉を叫びながら、二人のオナニーはどこまでも加速していく。
「…なにやってんですかこれ?」
宮子が呆れ顔でウシロに尋ねる。
「いやーせっかくアピールポイント描いてもらったんで、折角だから自分達で紹介してもらおうかと。オナニーは俺の趣味ですけど」
ウシロの言うとおり、二人は先ほど自分たちが描いた卑猥な落書きにそって自分を大安売りしていた。
「まあ、いいですけど……そろそろでますので準備してください」
「はーい」
返事をして、ウシロは鞄を担ぐ。
「で、蓬原の方は…」
「俺はもう準備できてるぜ」
「ん、準備いいですね?」
「だろ?」
千尋はとっくにフェラと騎上位での本番を終わらせて身支度をしていた。
「あなたがフェラさせてた人はどうしました?」
「なんだよ、一応見てたのかよ……ほらあっちにいるだろ」
千尋は奥のテーブルを指差す
「ペチャ…ペチャ…おいしい……ペチャ……ああんっ…千尋君の精液…最高…おいしいよー」
近江はテーブルの上に全裸で座りながら猫のように皿を舐めている。
正確には皿にいままで受け止めた精液を吐きだして、また味わうかのようにそれを啜っていた。
口は顔に近づけて、精液を口と皿を行き来させて。指はついさっき初めて出された精液を貪欲に膣のなかから掻き出して皿に塗りつけて、それが無くなってもまだ探索するように指を中へ中へと無造作に進めていく。
「悪い趣味ではないですね」
「だろう?」
二人とも発情期全開の近江の姿をみても特に気にする様子もない。
『今日のことは全部家に帰れば忘れること』
宮子が後始末のために能力をのせた声を発する。
ちょっと考えてからもう一言付け加える。
『それと、閉店までは今やってることをつづけること』
3人の方から「は~い」、「わっ…わかりました~」だのといった気の抜けた声が聞こえてくる。
「あ~もうちょい楽しみたかったですね」
「十分だとおもいますが…」
「じゃあな、近江先輩」
それぞれ適当な言葉をかけながら狂態を晒している3人を後に店をでる。
3人が帰ったあともお店の中では閉店まで錯乱した声が響いていた。
■紅部早紀
私はお昼休みになると友達の誘いを断って庭のベンチで考えごとをしていた。
お題はこれから私がどうするべきか、だ
今制服のポケットにはいってるMCフォン(名前がないと不便なので適当につけた)を指で漁る。
もちろんこれを使ってやりたいとは思っているし、特に躊躇もしていなんだけど…
実際にクラスメートの何人かは実験として使用したことがある(その時はノーパンで授業を受けてもらってその後確認もさせてもらった)
だが、本格的にこの学園で使おうと思えば話は別なのよねー。
やることを中途半端にする気はない、やるんだったらとりあえず学園制覇を目標に行動したいかな。
ここらへんでは一番のお嬢様学校のここなら目標として不足はないし。
ただ懸念要素もある。
まず私がMCフォンで相手を支配しようとした場合相手の名前とメアドを知らなくてはならない。これが結構難関で名前なら学校の名簿見れば一発だけどメールアドレスはそうもいかない。元来携帯で深いコミュニケーションをとる性質ではないので、生徒会長といってもそれほど多くのアドレスを登録しているわけじゃない。
それに宮子も千尋もいないこの学園ではすばやいフォローを期待することができないのでそれなりの慎重さも求められる。
大規模な動きは避けていきたい。
ということは手始めにやることはメアド集めってことになる。いくら古めかしいお嬢様学校でも携帯を持ってないということは考えにくいが、もしそういう子がいたらそのときだけ千尋か宮子を頼ればいい。
手順を考えてみる。
仮に私がアドレスを知っている子をひとり操ってその子が別の子のアドレスを聞き出す。これを順繰りやっていく。これをやっていけばいずれ全員を支配することができるだろう。まあ、妥当な案だ。
だが、私はあえてこの考えを棄却した。
理由はひとつ、事務的すぎるからだ。
私は義務や使命でこんなことをするんじゃない、単に私の個人的な理由だ。
ならば、楽しむためには私が動いたほうがいい。もしその過程で困難がおきてもそれも楽しみの一つだ。
こんな考えは宮子なんかには笑われるかもしれないが私はこうやって生きてきたし特に変える予定もない。
「よし、いくか」
考え事を終えてベンチを立ち上がる。
ひとまず誰かにやらせるのではなくメアド集めは自分でやろう。
息抜きはやってる途中ですればいい。
時間を無駄にする気もなく、半分を過ぎた昼休みだがこれから即行動できるよう私は頭に浮かんだ場所に移動することにした。
◇
5分も掛からず目的の場所に到着する。
この学校では恐ろしいことに部活棟というものがあり4階建ての別校舎が存在している。もっとも体育館や音楽室も併設されているので部活オンリーとまではいかないが、それでも各部活にそれぞれ専用の部室が用意されていている上にまだ10を超える部屋が余っているというこの学校のすさまじさを見せ付けられる場所だ。
すくなくとも私が知っている限りまず他の学校には部活専用の部屋というものは存在しないのだが。この学校はあらゆる意味で別世界なので一々自分だけ気にすると疲れるということを入学当初に学び私はつっこむのを諦めていた。
私が立っているのはその多く存在する部室の前だ。
表札に『新聞部』と書かれている通り、新聞部が利用している部室だ。
最初にここに来た理由は3つ。
ここの部長は2年生で私と同じクラスのため顔見知りだし、突然訪れてもそう邪険にされたりはしないだろうと踏んだのが1つ。
それと彼女は部活に熱心なため時間があれば大抵部室にいるということが2つめ。
最後に、これが一番重要なのだが彼女はお嬢様ばかりのこの学園ではかなり活動的な性格で、新聞部という性質も相まって他人との連絡網が広いだろうと踏んだからだ。
ここで大量にメアドをゲットしておけば後々楽になるだろうと考えたのがここに来た理由だ。
トントン
ドアを軽くノックする
「はーい、どうぞー」
了承を得たので中に入る。
部室の中はあちこちに本やら紙やらが散乱していてホワイトボードにもメモが所狭しと貼り付けられている。机の上にも本が山積みになっていていつバランスを崩してもおかしくないような状態で重ねられていた。
…ま、まあ部の個人設備だしどうつかおうといいけどね
といっても生徒会長がこういうの見逃すとやっぱりまずいんだろうか?
「おじゃまするね」
「いらっしゃいませー、何の用事かわからないですけどもうすぐこっち終わるのでそこ座って待っててもらえます」
この部屋の主、新聞部部長の小野寺るいはこちらにPCの背を向けてキーボードを高速で入力していた。
一応来客に返事はしたが一度も顔を上げていないので多分誰が来たかもわかってない。
「なんだかな…」
昼休みはまだあるし、あせることもないか。
とりあえず言われたとおりに椅子に座ろうとしたところで、るいはキーボードをたたき終えて体を上げた。
「よし! 終了!!」
「あ、終わったんだ」
やれやれ、座る必要もなかったか。
引き出しかけてた椅子を戻す。
「ってあれ!? か、会長じゃないですか、すみません! ろくろく挨拶もしなくって。それでわざわざこんなところまで何のようですか? もしかしてこの前の取材の件のお返事ですか? いやーいつもはろくに話も聞いてくれないから諦めてたんですけど人間なんでも試してみるもんですねー」
私を認識するや否や目を煌かせて機関銃のように言葉を浴びせてくる。
小野寺るいはこのやかましさが彼女の特徴で、可愛らしいくりくりの瞳も、綺麗に整った頭髪も、結構スタイルのいい体も全部の印象を覆い被せるほど強い喋り方だ。
実際彼女の評価というのはお嬢様らしくないから好感が持てるかお嬢様らしくないから苦手の2つに大きく分かれているという話だ。
かくいう私もこのマシンガントークは自分の幼馴染を彷彿とさせるので苦手としていた。
というか、なんで学校でまであいつの顔思い出さなきゃならないんだ。
「えっとね、るいさん。今日はあなたに頼みたいことが」
「この学校で会長のことを詳しく知っている人は0だと伺っています。それなのに2年生ながら生徒会長になられるとはいやほんとうに立派な方で! そんな会長にお聞きしたかったことはそれはもう山のように積まれているわけですよ」
「あの…え~と……頼みたいことが」
「まずは家族構成教えてもらっていいですか? 学園の寮も無料で借りられたのになんでわざわざ学外に住んでいるのかという疑問の声は絶えないんですよ。それと学園初の奨学生ということなんですがなぜわざわざ進学校へ進まないで中央にきたのかというのも気になるところなんですが」
「……話が」
「奨学生ということで金銭にこまってらっしゃるということだと思うんですが、なぜ進学の際有利にならないここを選んだのかって言うのはやっぱり理由があるんですよね? あ~聞ききれないな~。そうだ! 放課後空いてませんか!? できればここでさわりだけ聞いて後で質問用でまとめてお答えしてもらえると助かるんですが」
「あるんですけど…………」
だ,駄目だこれは。
話ながいし、ぶしつけだし、遠慮がない上にこっちのはなしはまるできいてないし…
今まであんまりまともに話したことないけどこの子…ウシロに似すぎててやだ…
あんなやつ1人で十分だ、本気でそう思う。
「…………」
「というわけで、最初の質問なんですがずばり! 進学動機は……ってあれ? 会長さっきからだまっちゃってます? ……な、なんか気に障りました?」
目の前の子をウシロに重ね合わせて苦笑いをしていたらいつの間にか会話が途切れてしまっていた。
まあ、もとから一方通行だった気はしていたが。
「え、いやべつに。なんでもないんだけど」
「あ、ちょっと私喋りすぎちゃいましたかね!? す、すみません会長が自分から来てくれたの初めてでちょっと興奮しちゃって。その、なにか聞きたいことがあったんですか? どうぞなんでも聞いてください!」
さっきまでこちらのことまったく気にせず喋っていたくせに私が黙ったとたん急に気にし始めた。
よくわかんないけど、とりあえず今生じた疑問を聞いてみるか。
「るいさんってもしかして私のこと嫌い?」
こっちの質問もかなり不躾だったが彼女相手にそれほど気遣う必要を感じなかったので聴いてみた。
るいのほうは聞かれている事柄が理解できない、とでもいうかのような表情で固まってその次の瞬間前にもまして勢いをまして喋りだした。
「……な、何を根拠にそんなこと仰るんですか!? 私は別に、その会長のこと嫌いだなんて思ったことないっていうか、むしろその逆っていうか!! …ああ、何いってんだ落ち着け私。な、なんでそう思ったんですか!?」
「ん~、なんとなくそう思っただけなんだけど…」
普通なんで金持ち学校に奨学生として入ってきたのかとか訊かないでしょ、気になったとしても。穿ち過ぎかもしれないが貧乏人がなんで背伸びしちゃったんですか? って意味に聞こえるし。まがりなりにもお嬢様のるいが誰にでもそんな態度とってると思えないし。それじゃあ私に他意があるんじゃないかな~ってことにならないのかな?
「そ、そんなことないです!! す、すすす、すみません。あの、その、いつも話す機会なくて、それで初めて来てくれたのが本当嬉しくって、それでなんか話さなくちゃってなっちゃって……それで…その…」
なにこれ、なんでるいは急にそんな小動物みたいな態度になったの?
普段の彼女のイメージと違いすぎてちょっと驚いちゃったんだけど…
「あ、あの…るいさん? 別に責めてる訳じゃ…」
「ご、ごめんなさい、私すごく失礼だったですよね…会長を怒らせたかったわけじゃなかったんです。それで…や、やっぱり私駄目だ…。テンパっちゃってでも気づかれたくなくて、それであんなこと…」
さっきまでひたすら前向いて大声で喋ってたのに、今度は下向いて消え入りそうな声で喋り続ける。
これなんなんだろ…
私はどうしていいかわからず取り繕うような言葉で適当にフォローを入れる。
「そういえばいつも話し掛けられてばっかりで、こっちから話したことなかったかもね? そっか、るいさんでもそういう緊張とかってあるんだ」
「ち、ちが…ちがうんです…会長と仲良くしたいなって思ってたから…ぐす…頭まっしろに…なっちゃって…口が勝手に喋っちゃってて…うぅ…」
泣いちゃってる。
あのるいが、目にいっぱい涙浮かべて、頬赤くして。
なんなのよ、これ。
もしかして全部私のせいなの?
「な、なんでも…なんでもします!! さっきのこと全部あやまります! ……だ、だから……あ、あの…すんっ…わ、わたしのこと……ぐす…嫌いにならないでくださいぃ」
もはや泣いてる姿を隠そうともせずに真っ赤な目で嗚咽交じりに訴えられる。
いや…嫌うも何もそんな感情持つほどあなたと関わった記憶がないんだけど…
正直に言ってしまいたかったが、さすがにこの状況でそれはないと思い直した。
「嫌わないですよ。私がるいさんのこと嫌いになるわけがないじゃないですか?」
この台詞妥協点にしてくれると非常に助かるのだけど…
さすがに私もこれ以上愛想良くはなれない
「ほ…ぐすぅ…本当ですか?」
どうやらセーフだったらしい。
るいは上目遣いでこちらの機嫌を伺うような様子で涙目の顔を上げる。
「当然じゃないですか、私るいさんのこと嫌いじゃないです。だっていつも部活動頑張ってるじゃないですか。そういう所憧れてたんですよ」
「……」
るいはなにも喋らない。
な、なによ、なんか私が喋ってること間違ってる?
「さっきのは私がいじわる言っちゃいましたね。ごめんなさい」
「……ぐす」
この子全然なにも喋らないし!
気まずいし、暗いし!
私こんな子知らないんだけど!
この子誰よ!!
私の対応間違ってないはずだから!
多分正しいから!
なんて思ってるとようやくるいが声を出してくれた
「ほ、本当に怒ってないんですか?」
やっぱり対応あってたし。
私間違ってないし!
なんていう胸中はおくびにもださず優しく語りかける。
「もちろん。ほら、涙拭いてください。折角の可愛い顔が崩れちゃってますよ」
ポケットから無地のハンカチを出してるいに渡す。
彼女は少し躊躇してからそれを受け取って涙を拭った。
ふぅー、ようやくわけわかんないやり取りも終わったようだ。
ほんと、私がなにしたって言うのよ…
それからるいが「す、すみません! 立て直すんでちょっと時間ください!」
と言ったので更に5分ほど教室の壁に背を向けて待つことになった。
さすがに昼休みも終わっちゃうんだけど…
「あ、ありがとうございます。お見苦しいところお見せてほんとすみませんでした!!」
るいは完全に立て直した様子で勢いをつけて頭を下げる
それにしてもこの子この短時間に何回謝ったんだろ…
そんなペコペコされるような人間じゃないよ私は…
「ううん、こっちもさっき言った通りこっちも悪かったしお互い様だね」
「そ、そういって貰えると大変助かるんですが…でも、やっぱり会長は悪くないですよ。私が無神経に聞きすぎちゃったから…」
ええ、その話まだするの…
「そういえばさっき思ってたんだけどなんで私のこと会長って呼ぶの?」
「え? そ、それはやっぱり会長は会長だから…」
「同じ学年なんだし役職呼びはやっぱり堅苦しいよ。私もるいさんのこと新聞部部長さんって呼ぶのは変だし。名前で呼んでくれない?」
「で、でも…さっきも失礼なこといっちゃったし。そんな馴れ馴れしいこと…」
「私がそう呼んで欲しいんだけど、それでも嫌?」
「そ、そんなことないです! っていうかずっとそうしたかったというか……その……早紀…さん?」
「ありがと、るいさん」
華麗に話題をそらす私
さすがに訳もわからず2度も泣かれるのは私も辛い。
「えっと、それで…早紀さんはなにか新聞部に用事があってきたんですよね」
名前呼びにまだ戸惑いがあるのか喋り方がぎこちない。
しかも私ここに来た理由がすっぽり抜け落ちてたし…
そうだった、別にるいを泣かせに来たわけじゃないだ。
「まあね新聞部っていうか、るいさんに用事があって来たんだけど」
「え、そうだったんですか!? な、なな、何でも言ってください!! なにすればいいんですか!?」
自分に頼みと聞いて突然張り切りだするい
いや、熱意は嬉しいけどそんなたいした用ではない
「たいしたことじゃないんだけど、るいさんのメールアドレスって教えて貰える?」
「え? わ、私のメアドですか? いいですけど…なんでか訊いていいですか?」
「うん、るいさんと連絡とれるようにしたいなって思って。ほら、私あんまり携帯使わないからさあ、いざというとき不便かなって思って」
「ああ、確かに生徒会長が部長と連絡とれないと不便かもしれないですね。なるほど、了承しました」
本当は違うんだけどね
ちょっとほんとのこと言っちゃおうかな
「ふふ、るいさんに訊きに来たのは個人的な理由だよ。生徒会長としてとかじゃなくてね」
「そ、それってどういう意味ですか!?」
るいは突然顔を真っ赤して質問をしてくる
表情ころころ変える子だな…
「別に? そういう意味」
「…………」
るいは湯気が出るくらい顔を赤くして、信じられないという表情をしていた。
格別変なこと言ったつもりないんだけど、私また変なこといったの?
その後のるいはやけに素直でそのままお互いのメアドを交換した後、なんとか力を振り絞ってという様子で「それじゃあ…またあとで…」というと、先ほど座っていた机に顔を突っ伏す形で座ってしまった
後はもうここには用は無いんだけど、折角だし今手に入れたメアドさっそく使っちゃうか。
『紅部早紀に中央学園の生徒のアドレスを全部まとめて送る』
これでいいかな。
彼女の情報網にかかればかなりの人数のアドレスを知れるはずだ。
あ、でもちょっと遊んでみるか
メールに少し付け足しをした後送信する。
直ぐにるいの携帯が受信をしらせるメロディが流れる。
次の瞬間、机に体を預けていた彼女の体がロボットみたいにガバっと起き上がり、すごい速さで携帯のボタンをたたき始める。
私に送るためのメールを作成してくれているのだが、携帯を見つめるその目には生気が宿っていなくて少しぞくっとする。
ちなみに携帯をとんでもなく速くタイピングしているのは彼女が元々持ってるスキルだ。
このMCフォンは無理やり動かすことはできても、個人の能力の幅を超えることはできない。
まあ、これも実験で分かってることだ(陸上部の子に100メートル走ってもらってタイムで確かめた)
結構な作業量があったはずだが、るいは直ぐに手を止めて私にメールを返信してくる。
確認してみると学年とクラス分けされた名簿のようなものが送られている。
やっぱり、数は結構多い。全校の5分の1位は入っているのではないだろうか。
「はあっ……あんっ……」
しばらく送られてきたメールを吟味していると奥の方から喘ぎ声が聞こえて来る。
私へのメールを送り終わったるいが次の命令に従っているのだ。
メールには先ほどの内容に加えて『周りをまったく気にしないで、普段のようにオナニーをする』と書いておいた。
そのためるいは私がいることも気にせずに、自分の部屋にでもいるつもりでオナニーに浸っている。
しばらく見ていると、るいはスカートをめくりあげて、制服のボタンを上からはずしていく。
両手をそれぞれ下着の内側に突っ込んで右手で胸を左で恥部にあてると、ゆっくりと擦り始める。
普段通りという指示のためか、それほどあせる様子も無く楽しむように自分を高めて行く。
この子普段から結構やってるな…
「あっ……んん……そんな……そんなとこ見ないでくださいっっ」
しかもイメプ入ってるし…
普段どんなオナニーしてるんだ…
少し興味が湧いたが先ほど予鈴が鳴ったのでそろそろ教室に戻らなければならない。
るいは多分遅刻だろうが、まあいいだろう。
気持ちよさそうだし。
「それじゃ、私は教室もどるね」
聞こえてないだろうが挨拶をして私はドアを開けける。
出るときに一際大きいるいの喘ぎが聞こえてくる
「や、やだ……そんな恥かしいところ見ないでくださいっ……早紀さん!!!」
…………………………え?
◇
放課後になると私は再び新聞部を訪れた。
理由は1つ、今日は新聞部と遊ぶことにしたからだ。
るいは部員全員のアドレスを知っていたので、私は全員に指示を出すことができる。
しかもこの学校の部室は防音性の高い個室だ、とくればもはや躊躇する理由はない。
ちゃららーらら、ちゃららららら
携帯の着音がなる
るいからのメールだ、あらかじめ部員が全員あつまったら伝えるように命令しておいたのだ。
「よし、それじゃあ始めよっかな」
新聞部全員に向けて命令文を送信っと、これで今日の新聞部は私の意のままだ。
楽しんでいこう。
「あ、会長。こんにちはー」
「会長いらっしゃーい」
「こんにちは、紅部先輩」
部室に入るとみんなから明るい声で迎えられる。前もって私が新聞部の部室でなにをしても気にしないよう命令してあるので、突然私が入ってきても誰も驚きはしない。
「こんにちは、早紀さん!! ささ、そこらへん座ってください!」
大声で話し掛けてきたのは部長のるいだ。
昼休みのことがなんだったのかと思うほど元気がいい。
いや、まじでなんだったんだろあれ…
「それじゃあ、今日は次の記事の調査をしたいと思います!」
部長の元気のいい声が響くと、周りから「おー」というのりのいい声が聞こえてくる。
評価が分かれているるいだが、すくなくとも新聞部では慕われているようだ。
「今度の新聞では私たち新聞部の実体験をもとに記事を書きたいと思います!! テーマは『エッチ』です。なので! 今日はみなさんに色々とやってもらいたいことがあります」
今度も「おおー!」と盛り上がる。
もう言わなくても分かると思うがこれもあらかじめ命令しておいたことだ。
『次の新聞には新聞部のエッチな姿を記事として載せる。そのことには一切疑問を待たずに協力する』
と言うのが内容になっている。
「それじゃあ、とりあえず1年生の二人は下だけ脱いで前に出ちゃってください」
指名された二人はきびきびとスカートとショーツを脱ぎ捨てると、みんなの目の前に出てくる。
疑問を感じていないので戸惑いは無いが、年頃の女の子として自分の体をみんなに見せるのが恥ずかしいと言う気持ちが強いのか二人とも手で大切な部分を隠すようにしている。
「それじゃあ、今からお互いのこと見てオナニーしてみてください。やり方はどうでもいいですけど記事に書くので自分がどう思ってるのかは声に出してくださいね~」
「はい! わかりました。それじゃあ、がんばろうね秋音ちゃん」
「う、うん…がんばろう。和ちゃん…」
二人ともそれほど経験は無かったのか、初めの方は恐る恐る体を触るような感じだったが段々とヒートアップしていって、仕舞いにはお互いの名前を呼びながら叫ぶようなオナニーになってしまっていた。
「…ひゃっ…ま、またイっちゃいました! あ、秋音ちゃんのすごいエッチなところ見てたら、私のアソコすごいぐじゅぐじゅになっちゃってまたいっちゃいました。これで4回目ですが全然オナニー止まらないです。こんなの初めてで、すっごく気持ちいいです」
「わ、私もっ……イ、イきました。……こ、これで私は6回目のオーガニズムです…和ちゃんのアソコ見てると、すっごいどきどきして、すっごく気持ちいです!! む、胸もすっごく張っちゃって痛いくらいです!」
一年生の仲良し二人組がお互いを視姦しながら、激しく叫んでる。
記事にするという目的のために自分たちが何を思っているのか隠すこともできない。
「あ、秋音ちゃんの胸とか見ながらだとっどんどんエッチな気分になっちゃいます。そ、それに私の体みて秋音ちゃんもエッチになっちゃってるのかとおもうとそれだけで体が熱くなってますっ!!」
「き、気持ちいいところは、お豆さんこりこり触ってあげることです。いままで触ったこと無かったんですけど、すごく強く擦ってあげると電気が流れるみたいにな感じになってすごく刺激的です」
お互いの秘密もどんなことも自ら暴露する。
それにしても…
他の子を見るとみんなまじめな顔でメモ帳に二人の報告を纏めてる。
多分今日のことは記事にならないからそんな真剣にメモらなくてもいいわよ…
その後ローテーションのように2年生の番が回ってきてるい以外の2年生が前に出る。このまま進行をるいに任せるのもよかったかもしれないけど、私も楽しみたかったのでここからは私の進行で議題が進められる事になった。もちろんのことだけど反対意見は無かった。
◇
その後早紀の指揮下でエッチを題材とした新聞部の調査が始まった。
2年生の二人は女の子のアソコはどんな匂いがするのだろうかということを調査することになった。順番にスカートの中に顔を突っ込んでまずはショーツの上から匂いを嗅ぐ。いつも溌剌としている紀乃さんは自分の下着から汗の匂いが強いといわれると、「あ~やっぱりそうなんだ」と感心していた。同じクラスで誰とでも大会社の娘ながら人当たりのよい空香さんは下着がおしっこ臭いと指摘されると顔を赤くして下を向いてしまった。面白かったので自分でも嗅ぐように指示すると、自分のショーツを顔に押し付けて大きく息を吸った後「や、やっぱり、臭いかも……です」と恥ずかしげに報告した。下着の匂いを確かめた後は直で匂いを確かめる。一人がスカートを大きくめくって、自分のアソコを丸出しにした後、もう1人が股間に鼻を鳴らしながら近づいていく。普段なら頼まれても確かめようとはしないはずだが、二人とも積極的にアソコの匂いを吸って感じたことを自分の見つけた特ダネだとでも言うかのように誇らしげに報告してくれた。特に紀乃さんは「すっごい臭いよ、空香さんのアソコ」なんてなにも躊躇いもなく喋ってしまって、更に空香さんの顔が赤くなってしまった。
一通り調べたのでこれで終わろうかと離れようとした二人だが私が「次は味も確かめてみようか」というと急いで履きなおしていた下着を脱いでノーパンに戻る。紀乃さんは一生懸命舌を伸ばしてなるべく奥のほうの味を確かめようとする。紀乃さんの顔が勢いをつけて前後する度に空香さんは声が漏れそうになっていたが、それでも我慢して激しいクンニを受け入れていた。空香さんは初めて舐めるアソコの味に顔をしかめて、離れてしまいそうになっていたが紀乃さんに「ほら、頑張って!!」と股間を押し出した格好で応援されると「う、うん。すごく臭くて不味いけど、頑張ってみるね…」とおずおずと再開した。
最後は自分の体の気になってる所を調査することになった。制服を全部脱ぎ捨てると、みんなの前で紀乃さんは地面に座って足の裏を見せ付けるポーズをとる。全裸なので必然アソコも丸見えだがそんなことを気にする人は1人もいない。両方の足を器用に動かして、足の裏を舐めたり、匂いを嗅いだりする。「えっと、私の足の裏は…すごく蒸していて、気持ち悪いし…あ、あとすごくしょっぱくてとても臭いです!!」と言っていたが紀乃さん自身は疑問が解消されてとても晴れやかな顔をしていた。空香さんは自分の両手を頭の上で組んで腋をむき出しの、グラビアアイドルのようなポーズをとる。自分の顔を腋まで近づける体勢は辛そうだったが、健気に何度も自分の腋の調査を行う。「わ…わたしの腋は最近毛が生えてきちゃって気になってたんですが、や、やっぱり汗臭くて嫌な匂いがしてあんまりよくないみたいです。そ、それと…舐めるとジャリジャリして気持ち悪いし、おいしくはないみたいです」と遅れてきた成長を確かめていた。
新聞部唯一の3年生である小野寺先輩には自分のお尻の穴を調べてもらうことにした。
これまで通りみんなの前に下着とスカートを脱いで立つと全員に見て貰えるように白い肌のお尻を大きく開く。まずは人差し指を躊躇無く挿入すると、触診でもするみたいに中をひっかき回していく。迷わず行動しているのでなんでも一見なんでもないように見えてしますが、指を動かせば動かすほど、先輩の顔は我慢するような表情に変わっていく。
自分の指を取り出すと、先ほどのように匂いを確かめるべきだと思ったのか、少し汚れついている指を鼻に近づけると一気に顔色を青くする。涙目になりながらも報告は続けてくれる。「す、すごい…臭いだと感じました。な、泣くほど臭いので、みなさんは試さないでください」前にならって味も確かめようとしたが(死にたそうな顔をしていた)私の最後の良心でそれはさすがに止めてあげた。その後、再びお尻に指をいれると今度は探るような指使いでどうすればお尻で気持ちよくなれるのかを調査してもらうことにした。
後輩の前でお尻を突き出して中で指を動かしている光景はシュール極まりないが、元々何事にも真剣に取り組む小野寺先輩は大真面目でどうやれば気持ちよくなれるのかを調べていた。いつまでたってもこそばゆいばかりで気持ちよくはなれないようだったが、20分ほどしてようやく指をゆっくりと回しながら抜き差しすると快感が得られると気づき、嬉しそうな顔でみんなにおしえてくれた。
最後は部長のるいの番だ。るいの調べることは自分のアソコは何本指が入るのか? だ。だが、ここに来てるるいが初めて指示された内容に戸惑いをみせた。
「あ…あの。早紀さん…その、もちろん調査するのはやぶさかではないのですが…その…」
え、なに?
も、もしかして効き目が薄くなった…とか?
考えられるファクターは時間かもしくは個人差
や、やば…時間は調べたことなかったかも…
もしMCフォンが効かなかった場合どうするべきかをフルパワーで考えていたが、るいはそんな悩みを知らずとんちんかんなことを口にする。
「わ、わたし…その……しょ、処女なんですよね」
へ?
いや、それはまあ。
この学校の生徒は大抵そうなんじゃない?
「も、もちろん自分でやってもいいんですよ!? ええ、新聞部部長として調査をおろそかにするなんてあってはなりませんからね! た、ただ…その…なんていうか…」
最初は強い口調だったくせに最後の方は言葉を濁す。
な、なにが言いたいの?
「も、もしよかったら……本当によかったらですよ!? 早紀さんが嫌じゃなかったら初めては早紀さんにやってもらいたいというか…」
しどろもどろになりながら、なんとか言いたいことは言えたらしい。
沸騰しそうな顔でこっちも見つめる。
他の子からは「きゃー。先輩大胆!」だのなんだのはやし立てるような声が聞こえる。
えっと、私に処女膜破って欲しいってこと?
「は、はい。そ、そういうこと…になります…です」
MCフォンが効いてなかったわけじゃない…のかな?
な、何でそんな熱い視線こっちに向けるの?
「ほ、本当にいいんですかっ!? 嫌だったら無理しなくていいんですよ!?」
いいわけないが断ると面倒くさそうだし、さっさとやってあげることにした。
るいはそのまま、「やって欲しいけど、でも…」みたいなニュアンスのことをひたすら喋り続けてたので、少し強く体を引っ張るてるいの体を壁際に立たせ、左手を壁につったてて、るいの逃げ道をふさぐ様に置く。
「ちょっと、黙ってて」
るいは尚もなにか言おうとしてたが私の目を見た後、口を結んで下を向く。顔は今にも沸騰しそうなほど赤くなっていた。
「じゃあ、挿れるから。何もしなくていいから力だけ抜いてて」
こくこく、と首だけ動かして了解を伝えてくる。
特に気遣いが必要とも思わなかったので、指だけ口で濡らすと躊躇わないで膣に指を2本挿入する。るいの体が一瞬飛び上がりかけるが、自分の制服を強くつかんで動くのを我慢してくれた。自分のスカートの端ギュっとをつかんで、耐えている仕草には結構心動かされた。
へえ、そういうかわいいところもあるんだ…
気が乗ったので下から顔を近づけて、お互いの唇を触れ合わせる。舌を使ってるいの唇を舐めた後すぐに顔を離す。その瞬間黄色い歓声があがるが特に気にならなかった。
るいは魂の抜けた顔で私の顔を見る。
一応にっこりと笑っておいた。
後はスムーズに2本の指を奥に入れるだけだった。なにが琴線に触れたのかしらないが、るいのアソコは最初から少し濡れていたので、それほど痛みのないまま挿入できたはずだ。
指で思いっきり突き上げると、腰がぐいっとあがり、声は抑えようと思っていたらしいが少し漏れてしまっていた。
指を抜くと私の指先に浅黒い血がついていた。
「おつかれさま、るいさん」
「はあっ……はあっ……あ、ありがとう…ございます…」
興味が湧いたので、指についた破膜の血をペロりと舐めてみる。
鉄を舐めたような味…
悪くも無いとだけ思った。
◇
るいはしばらくの間、腰が言うことを聞かずに立ち上がれないようだったが、回復した後は元の新聞部部長の顔に戻って自分の与えられた責務を全うしてくれた。
特別にテーブルの上に下半身を晒す格好で上がって、指を自分の秘所に一本、また1本と入れながら解説をしていく。
「あっ…はっ…え、え~と…後ろだと見にくいかもしれなけど今…はんっ…3本目が入りました…私のアソコ…く、比べたことないので分からないですけど…そ、そんなにはっ、あんっ!! ……せ、狭くないんじゃないでしょうか? ……気、気持ちですか? …い、今の気持ちは…すごく気持ちよくて…エッチな気持ちです…はぅ…あ、はい、そうです…さっきまで処女だったんですが…今は指3本入れても…全然痛く無くて…感じちゃってます…はんっ!」
指をピストン運動させながら喋ってるので、会話の途中にも何度も達してしまってる。
私の依頼でエッチな言葉使いも無理なく受け入れてくれて、すごい淫乱な学生に見えてしまう。さっきまで処女だったのにね。
それにしても指を3本もいれられるなんて毎日やってるとガバガバになっちゃうんじゃないのかしら?
「さ、さすがに4本目は無理みたい…です。わ、私のさっきまで処女だったあそこは指3本が限界みたいです。そ、それと…な、中はすごい濡れちゃってて…あ、ほら見てください! エッチなお汁がだらだらに垂れちゃってきてます!」
…やらせてみるか
「そ…それではそろそろ調査を…え? はい…そうですね。えっと、この調査は企画ものとしてこれからも続けていくことになりました。今はまだ3本しか入らないきつきつのオマンコなんですが、これから毎日広げていくことになりました。今日の夜から頑張って拡張オナニーをすることにします。普段からペンとかを入れて大きなオマンコになるように頑張ります! …それ、じゃあ…第一回の記事は指が3本入ったけど今後に期待! という感じでいきたいと思います」
みんなも部長の大きな目標に、大きく頷いていた。
これ、忘れさせるつもりだったけど私専用の新聞つくってもらおうかな。
みんな必死にメモとってるし…
その後るいが5度目の絶頂に達して今日の部活は終了した
◇
時間はどっぷり日の暮れた午後7時。
遊ぶのはいいけど宮子達に無断で待ち合わせに遅れたのはまずいなあ…
とりあえず電話かけてみようかしら
プルルルルルル、プルルルル…ピッ
「もしもし、宮子? うん、ごめん、無断でぽかしちゃって」
「いえ、別に構いません。こっちもたいしたことしてるわけじゃないですし」
「そう? それでさあ、さらに申し訳ないんだけどしばらくバイトもいけないかも? 大丈夫かなあ?」
「構わないです。2人にも伝えておきますね」
「ありがと。というか二人は今一緒なの?」
「ええ、まあ」
「何してるの? ウシロまた変なことやってない?」
「二人の女性に変態行為をさせてます」
「えー」
「蓬原は今フェラされながら食事中です」
「えーー」
「他になにかありますか?」
「と、とくにはない…かな、はは。あっ!! そういえば頼まれた『仕事』のほうはいつやればいいの!?」
「ああ、あれそんな急ぎじゃないですよ。これから青山に説明して……1週間後の予定です」
「なんだ、結構余裕あるんだね。それじゃあしばらく遊んでて大丈夫かな?」
「ええ、ただあんまり派手な行動は気をつけて…といっても早紀はあんまり心配してないんですけど」
「あはは、ありがとね。それじゃあおやすみ」
「おやすみなさい」
プツ
よし、宮子に連絡もしておいたしこれで一週間は遊べるし。
明日の目標はクラスメートのコンプリートね。
さっさと帰って明日に備えないと。
< 続く >