馴奴 五

「それでは、中間テストの時間割ができたので配布しますね」

 担任の木下佐知子(きのした さちこ)はプリントされた時間割を配布していく。

「じゃ、きょうのホームルームは終わり。みんな頑張って勉強するのよ」

 そう言って佐知子は微笑むと、教室を出ていく。

「あああっ、中間テストまであと2週間よっ!ううう、数Ⅲが初日の1時間目!?絶対に無理いいいぃ!」

 放課後のざわめきが教室に広がる中、如月若菜(きさらぎ わかな)は頭を抱える。

「ええ!?なにこの二日目の、化学、英語、古典って凶悪な並びは!?い、嫌がらせだわっ」
「そんなこと言ってたら全部駄目じゃない、若菜ちゃん」

 突然降ってきた声に若菜が見上げると、栗原由佳(くりはら ゆか)が微笑みながら見下ろしていた。

「うっ、ゆ、由佳」

 小・中・高とずっと同じ学校に通っていた若菜と由佳は一緒にいることが多かった。もっとも、人見知りのひどい由佳の方が、いつも若菜についていっていたと言う方が正しいのだが。
 いつも、若菜の側にいておどおどしていた由佳なのに、新年度になってから急に大人びた雰囲気になって、そして、女の若菜が見ても思わずどきっとするくらいキレイな表情を見せるようになった。
 以前は話し方も自信なさげで、どもりがちだったというのに、最近の由佳ときたら、どこか自信に満ち、はきはきした話し方になって、しかも、ときどき若菜がたじろぐくらいに弁が立つ。

「そ、そう言う由佳はどうなのよ?由佳だって数学と理科が苦手じゃないの」
「うふふ、私は大丈夫」

 口を尖らせる若菜に、笑みを浮かべたままで由佳は答える。

「え~、なんで~?」
「私は毎日保健室で勉強してるもの」
「ど、どういうことよ?」
「私は保健委員だから放課後は保健室にいるでしょ」
「そういえば、今年になってから由佳はいっつも保健室に行ってるわよね」
「うん、そこで竜泉寺先生のお手伝いをしてるんだけど、いつも用事があるわけじゃないし、何もないときは保健室で机を借りて勉強してるの」
「ふーん、そうなんだ」
「で、ときどき竜泉寺先生にわからないところを教えてもらってるってわけ。すごいわよ、竜泉寺先生は。理系科目はなんでも教えてくれるんだから」
「ずっるーい!そんなの、タダで家庭教師してもらってるみたいなもんじゃない」
「だったら若菜が保健委員やればよかったのよ」

 そう言うと、由佳はクスッ、と声をあげて笑う。

「いや、だって普通、保健委員は保健医の先生に勉強教えてもらわないって」
「そう?」
「そうよ~」

 肩をすくめ、とぼけたように言う由佳に、若菜はジト目で返す。

「それに、竜泉寺先生に集中して勉強に取り組める方法を教わったから、家での勉強もはかどっちゃって」
「ええっ、なによっ、それ!」
「うふ、ちょっとした、集中力を高めるトレーニング」
「そんなのがあるの!?」
「それがあるのよ。それに、そのトレーニングをすると、人前で緊張しなくする効果もあるんだって。だから、リラックスして、楽に話もできるようになったの」
「むむむ、引っ込み思案だった由佳が今年になって雰囲気が変わったのにはそういう訳があるのね」
「ふふふ、そういうこと」
「ちょっと、由佳!その集中力を高めるってトレーニング、私にも教えてよ!」
「うーん、どうしようかな~?」
「もうっ、教えてったら教えて~!」
「きゃっ!わかった!教える!教えるからっ!」

 若菜が立ち上がって由佳の肩を掴み、ブルンブルンと揺さぶると、キャハハハ、と笑いながら由佳が首を縦に振る。

 もう、クラスのみんなは、めいめいに帰宅したり部活に行ったり、いつの間にか、教室にいるのは若菜と由佳のふたりだけになっていた。

「ええっとね、これを使うのよ」

 そう言って由佳が取りだしたのは、紐をくくりつけた5円玉だった。

「え?これ?」
「うん、なんて言ったらいいのかな、普通は自己暗示の練習に使うんだけどね」
「自己暗示?」
「そう、わかりやすく言えば催眠術みたいなことかな」
「じゃ、じゃあ、この5円玉を目の前にぶら下げて揺らすとか?」
「それをどうやって自分ひとりでやるのよ?」
「あ、そうか」
「これはね、こうやるのよ」

 そういうと、由佳はルーズリーフを一枚取りだし、器用に大きめの円を描くと、その中に十字の直線を引く。

「それじゃ、これを持って5円玉が十字の中心に来るように合わせて」
「う、うん」

 由佳に言われた通りに紐を手にとって5円玉をぶら下げる。

「ええっとね、肘は机について、その方が楽だから。で、十字の中心に真上に5円玉が来るように、そうそう。じゃ、いい?まず、手は動かさないで、5円玉が縦の線に沿って動くように強くイメージしてみて」
「え?5円玉が縦の線に沿って?」
「そうよ。意識して5円玉と十字の縦の線を見つめて、その線に沿って5円玉が振れるようにイメージするの」

 ふたりの他に誰もいない静かな教室の中。
 由佳に言われるまま、若菜は真剣な顔で5円玉を見つめる。
 そうやって、じっと5円玉を見つめていると、ほんの少しだが、5円玉が縦に動いた。

「えええっ!どうしてっ!」

 驚いた声をあげる若菜。しかし、その拍子に5円玉がグラグラと大きく揺れてしまう。

「もう、だめだよ若菜ったら。そんなに大きく動いたら」
「ごめんごめん。でも、本当に驚いちゃって。だって、私が手を動かしてないのに勝手に5円玉が動いたんだもん」
「それはね、別に不思議なことじゃないのよ。人はね、自分の意志で体を動かすことができるけど、たまにそんなつもりじゃなくても体が勝手に反応することがあるでしょ。ずっと同じ姿勢をしていると、痺れてきたり、ピクピク震えたり。他には、レモンを見ると勝手に唾が出てきたりするでしょ。人が、自分の意志で動かせる動きを随意反応、そして、自分の意志で動かせない動きを不随意反応って言うの」
「……由佳、なんか難しいこと言ってる」
「うん、まあ、竜泉寺先生の説明そのままなんだけどね。で、先生の説明だと、こうやって5円玉を指先でぶら下げてると、意識はしなくても指先が緊張してきて、本人は動かしているつもりはないのに筋肉が小さく震えてくるらしいのよ。これが不随意反応ね。ただ、集中してイメージすることで、その不随意反応の方向をコントロールできるみたいなの」
「どういうこと?」
「さっき、若菜は縦の線に沿って5円玉が動くってイメージしたでしょ。そう集中することで、指先の震えを無意識のうちにコントロールして、若菜が手を動かしたつもりがなくても5円玉が動いたの」
「へえ、そうなんだ」
「で、若菜のイメージ通りに5円玉が動いたってことは、それだけ若菜が集中できてたってことなのよ。だから、これは集中力を高めるトレーニングになるっていうわけ」
「ふーん、なんか、理屈はよくわからないけど、私がちゃんと集中して5円玉が動くイメージをしたらその通りに動くってこと?」
「そうそう。じゃあ、もう一度やってみようか」
「うん」

 若菜は、再び5円玉を十字の中心に合わせてじっと見つめる。
 真剣な顔でそうしていると、また、5円玉が縦に振れだした。

「ほら、もっと大きく振れるようにイメージして」

 由佳の言葉に返事もせずに、若菜はじっと5円玉を見つめ続ける。
 すると、5円玉の振れ幅がどんどん大きくなった。

「うん。じゃあ、今度は5円玉が止まるのをイメージしてみて。うん、そうそう。ね、自分で動かそうとしてないのに、イメージ通りに5円玉が動いて、止まったでしょ?」
「うん」
「じゃあ、今度は横に振れるようにイメージして」
「わかった」

 そう頷いて、また5円玉をじっと見つめる若菜。
 すると、今度は横の線に沿って5円玉が動き始める。

 そのまま、若菜は由佳の言う通りに縦と横の動きを何度か繰り返す。

「うん、だいぶ慣れてきたわね。じゃあ、今度は十字の外の円に沿って5円玉が回るようにイメージしてみようか、じゃあ、まず時計回りに動くのをイメージしてみて」
「うん」

 若菜が5円玉に集中すると、ゆっくりと時計回りに動き始める。

「うんいいよ。はい、じゃあ止まるイメージ。そうそう、じゃ、次は反対に回るイメージで」
「なんだか不思議な感じ。自分で動かしてないのに、イメージ通りに動いてる。なんていうの、テレキネシスってのあるよね、あんなのみたい」

 もう、だいぶ集中してイメージするのに慣れたのか、話をしても5円玉は反時計回りに回っている。

「若菜ったらすごいね。私がやったときは、こんなにスムーズに動くようになるまでもっと時間がかかったのに。じゃあ、もっと集中力を高める練習をしようか」
「もっと?」
「そう。もっと集中してリラックスできる練習。じゃあ、いい5円玉を見ながら、私の言うことをよく聞いていてね。さあ、5円玉をじっと見つめて。5円玉が回っているのをじっと見ていると、どんどん気持ちが楽になってくるよ」

 若菜は、じっと5円玉を見つめたまま。
 見た目には、さっきまでと変わらないように見える。

「5円玉を見ていると、とっても気分が楽になって、リラックスできるよ。そう、ぐるぐる回るのを見ていると、どんどん楽になっていく。ほーら、すっごく楽な気持ち」

 よく見ると、5円玉を見つめたままの若菜の瞳が、すこしぼんやりとしてきていた。

「5円玉がぐるぐる回ってる。若菜の気持ちもどんどん軽く、楽になってくる。ほら、5円玉がぐるぐる回って、心がふわりってなってくる」

 若菜の目が5円玉が回るのを追って小さく動いている。しかし、そのぼやけた瞳に、本当に5円玉が映っているのか、ときどき焦点が合わなくなっているようにも見える。

「ほーら、5円玉がぐるぐる回るのを見てると、気持ちがどんどん軽くなって、気持ちが軽くなると、ほーら、なんだかまぶたが重くなってくるよ」

 ぽかんと口を半開きにして、薄笑いさえ浮かべている若菜。だんだん目がトロンとしてきて、いかにもまぶたが重たそうな様子だ。

「ほーら、とても楽な気持ちだね。すごく楽になって、なんだか、もう、目を開けていられなくなるよ。ほーら、まぶたが重くなって、もう、目を閉じちゃおう」

 由佳がそう言うと、若菜のまぶたが気怠げに下がってきて、やがて、ゆっくりと目を閉じた。
 それでも、まだ5円玉は手に持ったままだ。

「ほーら、どんどん気分が楽になって、何も考えられなくなるよ。体の力が抜けていって、すごく気持ちよくなる。ほら、すうーって、力が抜けて、どんどんいい気持ちになるよ」

 目を閉じて、薄笑いを浮かべた若菜の体がぐったりとなるのを由佳が支える。
 5円玉が、机の上に落ちる鈍い音が聞こえた。

 由佳は、若菜の体を優しく抱き留めながら囁き続ける。

「ほーら、そこは若菜の心の一番深いところ。だから、そこにいるととっても気持ちいいでしょ」

 由佳の言葉に、目を瞑って笑みを浮かべたまま若菜が頷く。

「そこは、若菜の心の一番深いところなんだから、今聞こえているのは、若菜自身の声なの。だから、若菜はこの声の言うことには絶対に逆らえない。どんなことでも、この声の言うとおりにしてしまうよ」

 また、若菜が目を瞑ったままでこくりと頷く。

「じゃあ、まずは自分で座ってみようか」

 由佳がそう言うと、ぐったりしていた若菜の体が、ゆっくりと起きて、自分で座る姿勢になる。

「気持ちいい、若菜?」

 若菜がこくりと頷く。

「そう。良かったね。この、気持ちいいところにいつでも来たいでしょ。だから、ここに来る方法を教えてあげるね。『かわいいお人形の若菜ちゃん』っていう言葉を聞くと、いつでもこの気持ちいいところに来ることができるから」

 若菜がこくりと頷き、ふっ、と笑みを浮かべる。

「そして、『おめめぱっちり若菜ちゃん』っていう言葉を聞くと、目が覚めて、いつもの若菜ちゃんに戻るから。いい、わかった?」

 由佳の言葉に黙って頷く若菜。

「うん。それじゃあ、目を開けてみようか」

 由佳がそう言うと、ゆっくりと若菜の目が開く。
 だが、その瞳は濁り、虚ろな表情を浮かべている。

「何が見えるかな、若菜ちゃん?」
「教室の中……由佳が……いる」

 虚ろな瞳で由佳を見て、ぼそりぼそりと、抑揚のない声で若菜が答える。

「うん、そうだね。じゃあ、立ち上がって由佳の後に付いていこうか」
「……うん」

 由佳が立ち上がると、若菜もゆっくりと立ち上がった。
 そして、由佳に手を引かれて、ふらふらと教室を出ていったのだった。

* * *

 由佳に手を引かれた若菜がやってきたのは、保健室だった。

「いらっしゃい」

 ふたりを出迎えた保健医の竜泉寺岳夫(りゅうせんじ たけお)に、由佳はにっこりと微笑みかける。
 そして、若菜を竜泉寺の前に立たせる。

「何が見えるかしら、若菜ちゃん?」
「竜泉寺……先生」

 ぼんやりとした目で竜泉寺を見つめたままで若菜が答える。

「いい?これから言うことはとっても大切なことなの。だから、よく聞いて、心の一番深いところに大切にしまっておいてね」
「……はい」
「若菜は、竜泉寺先生のおちんちんが大好きなの」
「わたしは……竜泉寺先生の……おちんちんが……大好きです」
「だから、若菜は、自分のアソコに竜泉寺先生のおちんちんを挿れてもらうと、すごくすごく気持ちよくなれるの」
「わたしは……自分のアソコに……竜泉寺先生のおちんちんを挿れてもらうと……すごく気持ちよくなれます」
「若菜は、自分のいやらしいアソコに竜泉寺先生のおちんちんを挿れると、今まで感じたことがないくらい気持ちよくなって、とても幸せな気分になるの」
「わたしは……自分のいやらしいアソコに……竜泉寺先生のおちんちんを挿れると……今まで感じたことがないくらい気持ちよくなって……とても幸せな気分になります」

 虚ろな瞳のまま、抑揚のない声で由佳の言葉を繰り返す若菜がふやけたような笑みを浮かべる。

「じゃあ、早速気持ちよくしてもらいましょうね」

 由佳がそう言うと、竜泉寺がにやつきながらベルトを外し、下着ごとズボンをずり下げる。

「何が見える、若菜ちゃん?」
「竜泉寺先生の……おちんちん」

 竜泉寺の股間にぶら下がったものを見つめながら若菜は答える。

「そう。若菜の大好きな竜泉寺先生のおちんちんね。だけど、このままじゃ若菜のアソコに挿れてもらうことはできないの」

 由佳がそう言うと、虚ろな瞳のままの若菜の表情が少し曇ったような気がした。

「でも大丈夫よ。若菜は竜泉寺先生のおちんちんをしゃぶるのも大好きだから、ぺろぺろしゃぶって、おちんちんを大きくすることができるの。そうしたら若菜のアソコに竜泉寺先生の太くて大きいおちんちんを若菜のアソコに挿れてもらえるの」

 その言葉に、今度は若菜の顔に笑みが浮かぶ。

「じゃあ、これから竜泉寺先生のおちんちんを大きくしましょうか」
「はい」

 若菜は、腑抜けた笑みを浮かべたまま膝をつくと、竜泉寺の股間のものを口に含む。

「んふ、んむ、ん、んふ」

 竜泉寺のものを口の中に含み、舌で弄ぶようにでもしているのだろうか。

「ん、んふう、あふ、んむ」

 だが、やがて見てそれとわかるほどに竜泉寺のそれが膨らんでいく。

「あむ、んふ、んっ、えろ、ぺろ、ぺろろ」

 すぐに、若菜の口からはみ出すほどに大きくなった肉棒を、濁った目元を緩ませて若菜はしゃぶり続ける。

「えろ、んふ、ん、あむ、あふう、んん。あ……」

 由佳に引っ張られて、口を肉棒から離す若菜。
 肉棒と若菜の口の間に唾液が糸を引いた。

「ほら、もう竜泉寺先生のおちんちんはこんなに大きくなってるわよ。もう、若菜ちゃんのアソコに挿れてもらえるんじゃない?」
「あ、はい」

 目の前の屹立した肉棒を眺めて、死んだ魚のように濁った瞳で、若菜は口を半開きにしたままの腑抜けた表情を蕩けさせる。
 
 竜泉寺が立ち上がると、ふらふらと若菜もついていく。
 そして、竜泉寺がベッドの上に仰向けになる。

「いい?先生のおちんちんが大好きなのは若菜なんだから、自分の方から挿れないといけないわ」
「はい」

 制服姿のままでベッドに上がり、竜泉寺の腰を挟むようにして膝立ちになってスカートをたくし上げる若菜。

「若菜は先生のおちんちんが大好きだから、痛みも何もないの。ただ、すごく気持ちいいだけ。そして、とても幸せな気持ちになるわ。だから、さあ、先生のおちんちんをアソコに挿れましょうね」
「はい。……ん、んんんん」

 虚ろに蕩けた表情のまま、ショーツをずらすと、若菜はいきり立った肉棒を自分のアソコに宛うと、何のためらいもなく腰を沈める。
 口を半分開いたまま、恍惚とした表情が浮かぶ。

「さあ、体を動かしてみて。そうしたらもっと気持ちよくなるわよ」
「ん、んん、ん、ふん、んん、ん、ふん」

 由佳に言われるまま、腰を動かし始めると、若菜の口から、鼻に掛かったような鈍い声が洩れはじめる。

「ん、ふん、ふ、ふん、ん、んん、ふ」

 竜泉寺の腰の上に乗り、鈍く喘ぎながらうつけた笑みを浮かべて若菜は腰を動かし続ける。

「どう?気持ちいい?」
「ん、ふぁい、ん、ふ、ふん、ふ、ふっ、んっ、ふんっ」

 由佳の方に、だらしなく崩れた笑顔を向けて返事をすると、若菜は次第に腰の動きを大きくしていく。
 制服姿のままで肉棒を咥え込み、腰を上下に動かす若菜。
 その動きに合わせて、髪をツインテールに結んだ若菜のトレードマークである赤いリボンもぽんぽんと軽く跳ねている。

「んっ、ふんっ、ふっ、んん、んんっ、ふっ、ふうっ、ふんっ」
「どうですか、先生?若菜ちゃんのアソコは?」
「うん、結構いい締め付けだな。なかなかいい感じだ」
「私よりも気持ちいいですか?」
「そんなの聞くまでもないだろうが。由佳の方が気持ちいいに決まってる。だいたい、踏んでる場数が違うからな」
「ありがとうございます。じゃあ、次に進みますね、先生」
「ああ」

 虚ろな笑みを浮かべて腰を動かし続ける若菜を横目に会話を交わす由佳と竜泉寺。

「いい?若菜は竜泉寺先生のおちんちんをアソコに挿れるのが大好きだから、目が覚めてもとっても気持ちよく感じるの」
「ん、ふっ、ん、ふんっ、ふぁいぃ、ん、ふん」
「だから、目が覚めても、とても気持ちよくて、止めることができないのよ。いい?」
「んっ、んふう、ふ、ふん、ふぁい、ふっ、ふん」

 腰を上下に揺らし、鼻に掛かった声で喘ぎながら、若菜は由佳の言葉にひとつひとつ頷く。

「うん、いい子ね。『おめめぱっちり若菜ちゃん』」
「ん。んっ!?えっ!?えええっ!?はあああっ!やっ、なにっ!?ああああっ!」

 由佳がキーワードを言うと、若菜の瞳に光が戻る。
 自分の置かれた状況が咄嗟に理解できずに、派手にうろたえている。しかし。

「あああっ!やっ、なんでっ!?こんなっ!ああっ!でもっ、気持ちいいっ!」
「すごーい、若菜ったらこんなにエッチだったのね」
「ちがっ、えっ!?どうして、由佳っ!?あああっ、こんな!」
「ホントにすごいよ、若菜のアソコ、くちゅくちゅっていってるよ」
「いやっ、だめっ!こんなのっ、だめなのにっ!気持ちいいっ!気持ちよくてっ、止まらないいいいっ!」

 戸惑いと快感の狭間で訳も分からないまま、自分で腰を動かすのを止めることができない若菜。

「なんでっ、わたしっ、先生とっ!ああっ、気持ちいいっ!だめえっ、気持ちいいようっ!ああああっ!」
「そう、そんなに竜泉寺先生のおちんちんが気持ちいいんだ?」
「気持ちいいっ!こんなのだめなのにっ、絶対おかしいのにっ!あああっ、気持ちいいいいいっ!」

 言葉とは裏腹に、肉棒を咥え込んだまま、若菜は体の動きを激しくしていく。

「くっ、如月さん。そんなに激しくすると、もう、僕は出そうになってしまうよ」
「いやっ、だめっ、中に出したらだめえっ!」

 腰を激しく動かしながら、涙目になって若菜は首を大きく横に振る。

「だったら、止めたらいいじゃない。自分からいやらしいことをしてるのは若菜の方なんだよ」
「それはっ、ああっ、いやっ、だめなのにっ!あああっ、気持ちいいっ!中に出したらだめなのにっ、気持ちよくてっ、あああっ、止まらないいいっ!」

 嫌がりながらも快感を口にして、若菜はさらに激しく腰を動かしていく。

「ううっ、きっ、如月さんっ!それ以上したら、くううっ!」
「いやああっ、出したらだめっ!でも、気持ちいいっ、気持ちいいのっ!あっ、出るっ、だめえっ!」

 だめと叫びつつも、若菜は自分から腰を上下に動かすのを止めようとしない。
 若菜は、腰の動きを一切緩めることなく、竜泉寺の肉棒を刺激し、射精を促す。

「あああっ、出てるっ、中に出てるううっ、ああああああああああっ!」

 射精を受けて若菜の体が仰け反り、ようやく腰の動きが緩くなる。

「いやああっ、中に出されて、わたしっ、ああっ、気持ちいいいいいいいいっ!」

 ボロボロと涙を流しながらも、絶頂に達する若菜。そして、射精を受けて固まっていた体からがくりと力が抜ける。

「ああ、なんで、わたし、こんな、ああ、いや、まだ、気持ちいいぃ」

 いまだに、自分の身に起きたことが理解できないでいる様子だ。
 そこに、由佳が声をかける。

「『かわいいお人形の若菜ちゃん』」

 すると、たちまち若菜の瞳から光が失せる。

「気持ちよかった、若菜ちゃん?」
「ん、ふぁいいぃ」

 由佳の問いに、若菜は呆けた笑みを浮かべる。

「そう、よかったわね。じゃあ、ちょっと若菜のアソコ、きれいにしましょうか」

 由佳は、竜泉寺の上から若菜を退かせると、ガーゼを使って若菜の裂け目をきれいに拭いていく。

「じゃあ、服を整えて、若菜」
「……はい」

 裂け目を拭き終わると、由佳に言われるまま制服を整える若菜。

「また今度、竜泉寺先生のおちんちんに気持ちよくしてもらいましょうね」
「……はい」
「じゃあ、教室に戻りましょうか」
「……はい」

 若菜は、虚ろな表情のまま、再び由佳に手を引かれて保健室から出ていく。
 そのふたりの姿を、腕を組んで笑みを浮かべた竜泉寺が見送っていた。

 3年2組の教室。

 教室に戻ると、由佳は若菜を机に座らせる。

「いい?私が手を叩くと、若菜は眠ってしまうの。そして、私が起こしたら、もとの若菜のままで目が覚めるの」
「……はい」
「若菜は集中力を高めるトレーニングの途中で眠ってしまったの。そのまま、教室でずっと眠ってたのよ。でも、さっきのことははっきり覚えてるの。だって、あんなに気持ちのいい夢を見たんですもの」
「……はい」
「それと、勉強する前に私が教えたトレーニングをすると、なんだか勉強に集中できるような気がするわ」
「……はい」
「じゃあ、いい」

 由佳が、パン、と手を叩くと、若菜の体は机に突っ伏す。

「若菜、もう、若菜ったら」
「ん、んん……」

 由佳が体を揺すると、若菜はゆっくりと目を開く。

「ん、由佳?」

 ぼんやりと由佳を眺め、目をこすっている若菜。

「えっ、由佳っ!?ひゃあああああっ!」

 いきなり立ち上がって、驚いた表情で由佳を見つめている。

「ん?どうしたの?」
「どうしたのって、私っ!えっ、えええ!?」

 一度、首を傾げる由佳を見た後、周りを見回して、また素っ頓狂な声をあげる。

「ここは、教室よね?」
「そうよ。若菜ったら、集中力を高めるトレーニングをしている最中に寝ちゃって。なに?変な夢でも見たの?」
「夢?あ、そうかぁ。あっ、いやっ、えへ、えへへへっ」

 若菜は顔を真っ赤にして、何かごまかすように笑っている。

「なによー、若菜ったらへんなの」
「いや、昨日夜更かししたから、眠くなっちゃったのよね、きっと」
「で、どうだった?トレーニングの感想は」
「あ、いや、寝ちゃったからよくわからないかな」
「もう!若菜ったら!」
「ごめんごめん!」
「じゃあ、これ渡しとくから、家でやってみなさいよ」

 そう言って、由佳が若菜の手に紐の付いた5円玉を握らせた。

「ええー、でも、途中で寝ちゃうトレーニングなんか効果あるのかなぁ」
「勉強の前にちょっとやってみるだけでいいんだから。それに、もし寝ちゃってもリラックス効果があるし、リフレッシュできるよ、きっと」
「うん、まあ、なんか、すごく気持ちよかった感じもするし……」

 若菜は、そう言うとまた顔を赤らめる。

「なんなの?ホントに今日の若菜ヘンよ」
「いやっ、なんでもないのっ」
「なにうろたえてるの?」
「だから何でもないって!ほらっ、もうこんな時間じゃん。早く帰らないと!」

 若菜は鞄を手に取ると、勢い良く立ち上がった。
 気付けば、早くも傾きはじめた夕日が教室の中に射し込んできていた。

「なんか怪しいなー」
「怪しくなんかないって。さ、帰ろ帰ろ」
「はいはい」

 他愛のない会話を交わしながら、若菜と由佳は教室を出ていく。

 ふたり並んで下校する姿を、物陰から眺めていた白衣の男がいた。
 言うまでもなく、保健医の竜泉寺である。

 若菜と由佳が校舎から出ていくと、含み笑いを浮かべて立ち去っていった。

* * *

 夜、若菜の部屋。

 晩ご飯の後、若菜はテストに備えて机に向かうが、気になるのは放課後に見たおかしな夢のことだ。
 それに、気のせいか、なんだかアソコの辺りがズキズキと痛むような気がする。

 なんだろう?まだあの日じゃないのに。
 それに、生理の時の鈍い痛みとは何か違う。
 きっと、あんな変な夢を見ちゃったからだ。

 あの夢のことを思い出すとまだ顔が真っ赤になる。
 でも、あれは絶対に夢だ。それはわかる。

 だって、私、自分から竜泉寺先生の上に乗ってた。
 そして、あ、あんなエッチなこと……。
 私が自分からあんなことするなんて、絶対にあり得ない。だからあれはきっと夢に違いない。

 ……でも、すごく気持ちよかった。
 夢なのに、それだけははっきりしてる。

 それに、何で竜泉寺先生なの?
 私、竜泉寺先生が来てから保健室に行ったことはないし、話をしたこともほとんどないのに。
 どうして、あんな夢を見たんだろう?

「あーっ、もうっ、わけがわかんないようっ!」

 ぶるんぶるんと頭を振り、頭をかきむしる若菜。

「もうっ、夢で見たことを気にしてもしょうがないわ!勉強しないと!」

 なんとか気持ちを建て直そうと、若菜は鞄から教科書を取り出す。
 するとその中から、チャリン、と音を立てて紐の付いた5円玉が出てきた。

 そうだ、鞄の中に突っ込んだままだったわ。

 5円玉を拾い上げ、ぼんやりと眺める若菜。

 そういえば、由佳は勉強の前にやると集中できるって言ってたよね。

 若菜は、ルーズリーフを1枚採りだし、放課後に由佳が書いて見せたように十字と円を描く。
 そして、紐をつまむと5円玉を吊り下げ、十字の真ん中に持っていく。

 ええっと、確か5円玉が動くようにイメージするのよね。まずは、縦から。

 吊り下げた5円玉が動くようにイメージして、若菜はそれをじっと見つめる。
 意識を5円玉に集中して縦に動くように強くイメージをする。そうしていると、少し気が紛れる。

 本当に効果があるのかどうかわからないけど、こうしてるとあの夢のことを気にせずにすみそうだわ。

 そのまま、黙って5円玉を見つめ続ける若菜。
 しばらくすると、ゆっくりと5円玉が縦に動き始めた。

* * *

 翌日。

「どう?あのトレーニングやってみた?」

 放課後、若菜の机まで由佳がやってきた。

「うん」
「で、どうだった?」
「うん。由佳の言ったとおりだった。なんかいつもより集中して勉強ができるみたい」

 若菜がそう言ったのは本当だった。昨夜、あの振り子のトレーニングをしてからは、あの夢のことも気にならなくなってテスト勉強に集中できた。

「でしょ。あのトレーニング、本当に効果あるんだから」
「そうみたい。本当に勉強がはかどりそう」
「良かったね。じゃあ、今日もやろうね、『かわいいお人形の若菜ちゃん』」

 由佳がその言葉を口にすると、若菜の瞳から光が失われる。

「それじゃ、保健室に行こうか」
「……はい」

 ぼんやりとした表情のまま返事をすると、若菜は立ち上がり、ふらふらと由佳の後についていく。

 保健室。

 昨日と同じように、由佳に連れられて保健室に入ってきた若菜を竜泉寺が迎える。

「若菜、今日も気持ちよくなりたい?」
「……はい。気持ちよく、なりたいです」
「じゃあ、今日は自分でやってみましょうね」
「……はい」

 由佳の言葉に頷くと、若菜はふらふらと竜泉寺に歩み寄り、ベルトに手をかける。
 そして、ゆっくりとズボンをずらし、次いでトランクスもずらすと、剥き出しになった股間のものに顔を近づけていく。

「ちゅ、ん、ぴちゃ、ぺろ、ん、ちゅっ」

 くぐもった声と共に、湿り気のある音が若菜の口から洩れ始める。

「ん、んふ、んむ、あ、あふう、ぺろろ、ちゅる、あむ、んふ」

 濁った瞳で、しかし熱心に若菜はそれをしゃぶり続ける。
 
「んふ、ん、んっ、んん、むふう、じゅる、えろ、あふ、む、んん、ちゅう」

 すぐに、むくむくと大きくなってきた肉棒を咥え、時には舌を伸ばして舐める。
 若菜の吐息と、舌を使う湿った音だけが響き続ける。
 放っておくと、そのままいつまでもしゃぶり続けていそうな勢いだ。

 頃合いを見て、由佳が声をかける。

「ほら、若菜ちゃん。そろそろいいでしょ。もう先生のおちんちんは準備万端よ」
「ん、んふ、あむ。……あ、はい」

 由佳の声に反応して、ようやく若菜は肉棒から口を離す。

「じゃあ、今日は若菜の方から誘ってみましょうか。ベッドに上がって、若菜が一番いやらしいって思う格好で先生を誘ってみるのよ」
「……はい」

 若菜はふらりと立ち上がると、ゆっくりと制服を脱ぎ始める。そして、スカートも。
 だが、下着は脱ごうとはしない。
 そして、下着姿のままベッドに上がると、竜泉寺に向かって大きくももを開いた。
 そのまま、片手を自分のふとももにかけてMの字に股を開き、もう片方の手でショーツをずらす。

「私の、ここに、先生の、おちんちんを、挿れて、下さい」

 ぼんやりと竜泉寺の方を見つめ、若菜は抑揚のない声で訴える。
 その、さらけ出した若菜の裂け目から、たらりと雫が滴り落ちた。

「なるほど、それがきみが思う一番いやらしい格好ってわけか」

 竜泉寺は、満足そうに頷いて自分もベッドに上がると、股を広げた若菜の両膝に手をかける。
 そして、そのまま下半身を滑らせるようにして若菜の裂け目に肉棒を挿入した。

「ん、んんんっ」

 肉棒を挿れられた瞬間、若菜の体が軽く反り、くぐもった声が洩れた。

「ん、んふっ、ん、んんっ、ふん、ふ、ふう、ふん」

 竜泉寺が腰を前後に動かし始めて、肉棒が若菜の中を出入りし始めると、鼻に掛かったような声がリズミカルにあがる。

「んっ、ふっ、ふうっ、ふっ、ふっ、ふっ」

 頭の横にだらしなく両手を投げ出し、竜泉寺の動きに合わせて若菜の体も動く。

「どう?竜泉寺先生のおちんちんは気持ちいい?」
「んっ、ふっ、ふうっ、ふっ。……はいぃ、きもち、いい、です」
「そう、良かったわね、『おめめぱっちり若菜ちゃん』」
「んっ、んんんっ、ああっ!?あああっ!」

 由佳の声に、若菜の顔に表情が戻る。

「えええっ!やっ、どうして!?ああっ、んっ、またっ、夢なのっ!?あああああっ!」

 戸惑いながらも、若菜は心地よさそうな喘ぎ声をあげている。

「なんでっ、こんなエッチな夢ばっかりっ!?あっ、あんっ、ふあっ、気持ちいいっ!」
「可愛らしいよ、如月さん。それに、とてもいやらしんだね」

 快感に悶えている若菜の体に覆いかぶさるようにして腰を打ち付けながら、竜泉寺が声をかける。

「あっ、やんっ、夢でもっ、そんなのっ、はずかしいっ!あんっ、あああんっ!」
「でも、誘ってきたのは如月さんの方だよ」
「ああっ、やっ、そんなことっ!ああんっ、やっ、やっ、先生っ、激しいっ!ああっ、気持ちよすぎるううっ!」

 竜泉寺が腰の動きを激しくすると、若菜が派手に体をよじらせてよがり声をあげる。

「ああ、すごいよ如月さん。どんどん締め付けてくる」
「あんっ、あふうっ、そんなのっ、ああっ、気持ちいいっ、気持ちいいっ!」
「くうっ、そんなに締め付けると、出そうになってしまうじゃないか」
「あああっ!やっ、夢の中でもっ、やっぱりそれはいやっ!あううっ、でもっ、気持ちいいのっ、止まらないよううっ!」

 若菜の腰に手を回して竜泉寺が力強く自分の腰を打ち付けるたびに、若菜の体がビクンビクンと跳ねる。

「くううっ、出そうだよ、如月さん!」
「えええっ!出るのっ!?また夢の中で出されちゃうのっ!?ああっ、ふあああっ!」

 快感に流されながら、それでも慌てた様子の若菜。

「ああっ、中で、ビクビクッてしてるっ!あふっ、あっ、来るっ、来るううっ!あああっ、気持ちいいいいいいっ!」

 竜泉寺が目一杯深く肉棒を打ち付けると、若菜が体を弓なりに反らせて絶頂に達した。

「んっ、ああっ、また、夢の中で、出されちゃった……」
「ふふ、気持ちよかった、若菜?」
「んん、由佳……」

 若菜は、トロンとした瞳で由佳の顔を眺める。

「良かったわね。『かわいいお人形の若菜ちゃん』」
「あ……」

 由佳がその言葉を口にすると、再び、若菜は虚ろな表情で動かなくなる。
 竜泉寺が肉棒を若菜の体から引き抜くと、白濁した液体がどろっと流れ出てくきた。
 すると、由佳がそれを指ですくって口に運ぶ。

「ん、おいしい」

 嬉しげにそう呟くと、もう片方の手に持っていたガーゼで若菜の裂け目の周りを拭き取っていく。

「さあ、制服を着ましょうか、若菜」
「……はい」

 一声返事をすると、のろのろと若菜が起き上がり、ベッドから降りて制服を手にする。

「どうですか?先生?」

 若菜がゆっくりと制服を身につけている間に、由佳が竜泉寺に話しかける。

「うん。キーワードによる催眠状態の切り替えといい、快感の感じ方といい、今のところ満点だよ」
「ありがとうございます」
「で、課題の方は?」
「振り子を使った誘導法ですね。ちゃんとクリアしています。ちょうどテストが近いですから、勉強の役に立つ、集中力を高めるトレーニングだっていうことにして」
「ふんふん、なるほどね。上出来だ」

 由佳の返答に、竜泉寺は満足げに頷く。

「それは、先生に出された中間テストですもの。頑張っちゃいました。このところ、ずっと催眠術の勉強をしてきたんですから」
「うん。まあ、催眠術の勉強を頑張るのはいいけど、本当の中間テストの方はどうなんだい?」
「もちろん、そっちも大丈夫ですよ。私の志望はG大学の心理学科ですから、中間テストくらいで慌てたりしません」
「G大の心理か。結構な難関だぞ」
「ええ。でも、そのくらいのところに行かないと、将来、先生のお手伝いができませんから」
「そうか。それで、夢だと思ってるみたいだけど、それが解答かい?」
「はい」
「なるほど、考えたね」
「ありがとうございます」
「確かに、すっかり夢と思い込んでいるようだね、彼女」
「まあ、若菜は昔から素直で、人の言うことを信じやすい性格ですから」
「この分だと、明日には仕上がるかもしれないな」
「任せておいてください。しっかり満点の解答を出して見せます」

 そう言うと、由佳は胸を張って笑う。そして、ぼんやりと立っている若菜を見る。

「若菜、制服はちゃんと着られた?」
「……はい」
「じゃあ、教室に戻りましょうね」
「……はい」

 そして、昨日同様、若菜はふらふらと由佳の後について、保健室を後にする。

「ちょっと、若菜。若菜ったら!」
「ん、んん。由佳?あっ、うわああああ!?」

 机に突っ伏して寝ていた若菜は、目を覚ますと、素っ頓狂な声をあげる。

「……て、ここは、教室?」
「もう、また居眠りしちゃって。昨日の夜いつまで勉強してたのよ」

 きょろきょろと周りを見回して首を傾げている若菜に、由佳は呆れた表情を見せる。

「それに、若菜ったら昨日からなんか変よ」
「えっ?あ、いや、そんなことないって!」
「変、絶対変よ」
「もう、何言ってるの、由佳ったら。さ、早く帰りましょ」

 そう言うと、顔を真っ赤にした若菜は鞄を手にそそくさと立ち上がる。
 そのまま、由佳の顔も見ずに先に教室を出ていく。

 由佳は口許に、ふっ、と笑みを浮かべると、若菜の後を追いかけて教室を出ていった。

 夜、若菜の家。

「あーあ、またあのおかしな夢見ちゃった」

 机に肘をついて、何度も首を傾げている若菜。

「なんで、あんな夢見ちゃうんだろう?」

 それに、なんで竜泉寺先生なんだろう?
 自分は、あの先生のことはよく知らない。それなのにどうして?
 由佳が、竜泉寺先生に勉強を教えてもらって成績が上がったって言ったから?
 でも、なんで、あんな、え、えっちなこと……。

「ああ、もう!あんないやらしい夢を見てたなんて由佳に言えないよう!」

 はあ、とため息をついて机に突っ伏す。

「でも、なんか、すごい気持ちよかったな」

 あんなにはっきりと気持ちいいのを覚えている夢なんて初めて見た。
 私、竜泉寺先生と、せ、セックスして、そして、すごく気持ちよくなって。
 夢の中だから気持ちよかったのかな?
 それとも、本当に男の人とセックスしてもあんなに気持ちいいの?

「中に出されちゃったよね、私……夢の中でだけど」

 あの瞬間、ものすごく気持ちよくて、体が熱くて……。

「そうよね、夢なんだから、ちょっとくらいいよね。気持ちよくなっても」

 頬を赤らめて、ぼそりと呟く若菜。

「さ、勉強しないと……」

 若菜は体を起こし、ごそごそと鞄から教科書とノートを取り出す。

「そうだ。今日も、あのトレーニングをしとこうかな」

 そういって、机の引き出しから十字と円を描いたルーズリーフを取り出すと、5円玉に結びつけられた紐をつまむ。
 そうして、手から吊り下げた5円玉に若菜は集中し始めた。

* * *

 3日目、保健室。

「ん、ふん、んっ、ふっ、んっ、んっ、んっ」

 ベッドの上で四つん這いになって、背後から竜泉寺に肉棒を突き入れられながらくぐもった声をあげている若菜。
 この日も、昨日、一昨日と同じように、催眠状態のままで保健室に連れてこられ、竜泉寺の肉棒をしゃぶり、犯されている。
 しかし、ぼんやりと光の失せた瞳は心なしかトロンと蕩け、嬉しげな表情を浮かべているようにすら見える。

「んっ、んっ、んっ、ふんっ、んっ、ふっ、ふっ」
「どう?気持ちいい、若菜?」
「ん、んんっ。……はいぃ。んっ、ふんっ、んっ、んっ、んっ」

 竜泉寺の動きに合わせて鼻に掛かった喘ぎ声をあげながらも、若菜は由佳の方に顔を向けて返事をする。

「いい子ね。『おめめぱっちり若菜ちゃん』」
「んっ、はあっ、あっ!またっ!んんんっ!あうっ、ふあああああっ!」

 キーワードで意識の戻った若菜の喘ぐ声が急に大きくなる。
 だが、その表情はこれまでとは少し違っていた。
 昨日までの戸惑った表情はなく、涙目になって自分から腰を動かし始めている。

「あふうっ、ああっ、気持ちいいっ!気持ちいいですっ!ああうんっ!」
「すごいね、如月さん。締め付けがきついよ」
「あふうっ、ああっ、夢の中でこんなに気持ちいいなんてっ!ああっ、んっ!」
「くうっ、すごいよ、如月さん」
「あうんっ、私もっ、すごく気持ちいいですっ、ああっ、先生っ!」

 完全に夢の中だと思い込んでいる若菜は、快感にまかせて自分から大きく腰を前後に動かしていく。

「あんっ、すごいっ!竜泉寺先生のおちんちんっ、気持ちいいですっ!あうっ、ああーっ!」

 シーツをぎゅっと握り、歯を食いしばって、それでも若菜は腰を動かしてぐいと竜泉寺にぶつけるようにする。
 頭をぶるんと振るたびに、赤いリボンも大きく揺れている。

「ああっ、もっと、もっと気持ちよくなりたいですっ、あうっ、はああっ!」
「くううっ!如月さんっ、そんなにするともう出してしまいそうだよっ」
「あんっ、出して、出して下さいっ、先生!」

 そう叫んで振り返った若菜の目は潤み、睫毛が小さく震えていた。
 夢の中だという安心感が、若菜を大胆にさせていた。

「んんんっ、ああっ、どうぞっ、先生っ!私のっ、中にっ!」

 若菜が腕を折り畳むようにして腰を突き上げる。

「くうっ、如月さん!」
「ふあああああっ、出してっ、出して下さいいいっ!あっ、あああああああああああっ!」

 若菜が体を反らせるのと同時に、その腰を掴んだ竜泉寺も体を反らせ、肉棒を思い切り深く打ち付ける。

「ああああっ!出てるっ、中に出てるっ!ふああああああっ!あぁ……」

 体を反らせたままで固まっていた若菜がそのままぐったりとベッドの上に伏せる。

「ん、ふああぁ」
「若菜?聞こえてる?若菜?」
「ん、んん……」

 由佳が呼びかけても、若菜からの反応はほとんどない。
 少し困ったような表情で、由佳が竜泉寺の方を見上げる。

「うん。まだ完全に意識を失ってはいないようだね。もし、由佳の暗示が完全なら、キーワードに反応するだろう。きみのかけた暗示がどれほどのものか見せてもらうよ」

 竜泉寺のその言葉に頷くと、由佳は意を決したように若菜の耳元で囁く。

「『かわいいお人形の若菜ちゃん』」

 すると、若菜がビクンと体を震わせて、ぼんやりと由佳を見上げる。

「聞こえる?若菜?」
「……はい」

 虚ろな瞳で由佳を見上げる若菜からは、聞き慣れた抑揚のない返事。

「じゃあ、制服を着て、若菜」
「……はい」

 由佳の声に返事をすると、若菜はゆっくりと体を起こす。
 そんな若菜の様子を見て、由佳は安堵の表情を浮かべる。

「さあ、これからが仕上げだ。気を抜くんじゃないぞ。明日、結果を見せてもらうからな」
「はい」

 竜泉寺の言葉に緊張の面持ちで頷く由佳。
 そして、ようやく制服を着た若菜を連れて、由佳は保健室を出ていく。

 3年2組の教室に戻ると、由佳は、若菜を机に座らせる。
 虚ろな表情のままで座っている若菜に、由佳は仕上げの暗示をかける。

「聞こえる?若菜?」
「……はい」
「今夜、若菜は勉強の前に、5円玉を使って、集中力を高めるトレーニングをします。そうしたら、夜、若菜は竜泉寺先生とエッチなことをして、とても気持ちよくなる夢を見ます」
「……はい」
「その夢を見たら、若菜は夢と現実の区別がつかなくなってきて、実際に竜泉寺先生とエッチなことをしてもいいと思うようになります」
「……はい。私は……夢と現実の区別がつかなくなってきて……実際に……竜泉寺先生と……エッチなことをしてもいいと思うようになります」
「うん。いい子ね。じゃあ、私が手を叩くとそのまま若菜は眠ってしまう。そして、起こされると、すごくすっきりした気分で目が覚めるわ」
「……はい」

 そこまで言って由佳が手を叩くと、若菜が机に突っ伏した。

「若菜、若菜」
「ん……由佳?」

 由佳が体を揺さぶると、若菜が机から顔を上げる。

「もう、また寝ちゃったの?」
「えへへ、ごめんごめん」

 若菜は、昨日までのように慌てた様子は見せない。
 その代わり、ちょっと照れたような笑いを浮かべる。

「なんなの、若菜?」
「あ、いや、うん、なんでもないよ」

 何か隠し事でもするように下を向く若菜。
 しかし、耳の先まで赤くなっているのがわかる。

「だいたい、こんなに毎日居眠りするなんて、どれだけ夜遅くまで勉強してるわけ?」
「それは由佳のせいだよ」

 若菜の言葉に、由佳が少しびっくりした表情を見せる。

「由佳が、集中力を高めるトレーニングを教えてくれたから、夜遅くまで勉強しちゃうんだよ、きっと」
「あ、そうなんだ」
「そうだよ。さあ、そろそろ帰ろ、由佳」
「うん」

 鞄を手に立ち上がり、若菜が先に教室を出ていく。
 由佳は、一瞬不安そうな表情を浮かべると、首をひねりながら若菜の後を追っていった。

* * *

 若菜の部屋。

「いったいどうしちゃったんだろう、私?」

 夜、いつものように机に肘をついてぼんやりと物思いにふける若菜。

 今日もまた夢を見た。
 夢の中で私、あんな恥ずかしい格好をして、あんないやらしいこと言ってた。
 夢だっていう安心感もあったけど、まるで自分じゃないみたいにいやらしかった。

 学校で由佳に起こされた時には、なんだかふわりとするような、幸せな感じがしていたけど。
 家に帰って落ち着いて考えると、自分が夢の中でとんでもなくいやらしいことをしていたように思える。
 なんであんな夢ばかり見るようになってしまったんだろう?

 でも、本当に気持ちよかった……。

 夢でのことを考えていると、アソコが、じん、と熱くなってくる。

「ひゃうっ!」

 無意識のうちに手がアソコに伸びて、ショーツの上から敏感な部分をなぞっていた。
 その刺激で思わず飛び上がりそうになる。

 私、こんなにいやらしい子だったの?

 どうして急にあんな夢を見るようになってしまったのか、それに、どうして竜泉寺先生なのか、全然わからないけど。
 でも、夢を見てしまうのはどうにもできないし、夢の中で気持ちよくなってしまうのも止めることができない。

 私が、こんなにいやらしい子だなんて、そんなこと、由佳には言えない。

「……勉強しなくちゃ」

 ぽつりと呟くと、力なく鞄を手にする。
 教科書とノートを広げたまま、またぼんやりとしている。

「だめだめ。集中しないと」

 若菜は、引き出しからルーズリーフと5円玉を取り出す。
 紐を手にとってじっと見つめていると、吊り下げられた5円玉がゆっくりと動き始める。

 こうしていると、少しの間、夢のことを忘れていられる。

 若菜は、イメージ通りに動き続ける5円玉をじっと見つめ続けた。

「んっ、ああっ、ああんっ!」

 ……これは?また夢?
 あ、目の前に竜泉寺先生の顔が見える。
 私、先生と抱き合って、またエッチなことしてるんだ。

「ああっ、はああんっ!」

 んっ、やっぱり気持ちいい。

「あふんっ、ああっ、り、竜泉寺先生いぃ!」

 先生のおちんちんが、私のアソコに入って、すごく気持ちいいよ。

「んふうっ!ねぇ、竜泉寺先生っ、私にっ、いやらしいことっ、もっといっぱい教えて下さいねっ!」

 やだ、何言ってるの、私ったら。

「由佳にばっかり教えるのなんてっ、ずるいですようっ!はんっ、あふううっ!」

 いや、それが私の本心なの?
 先生の首に腕を絡めて、なんていやらしい声で囁いてるの、私。

 あ、先生の顔がこっちを向いて……。

「ねぇ、先生。ん、んむ」

 ああ、私、キスしちゃった。

「ん、んむ、んっ、んん」

 唇、柔らかくて暖かくて気持ちいい。

「んっ!んんんっ!」

 ああっ、そんなに下から突いたらだめっ!
 あ、違う。私が自分で動いてるんだ。

「んっ、んっ、んふうっ、んんっ!」

 竜泉寺先生とキスしながら、自分で腰を動かして、おちんちんを欲しがってる。
 なんていやらしいんだろう、私。

 ああ、もう、何がなんだかわからないよ。
 気持ちよくて気持ちよくて、ただただ気持ちよくて……。

「ん、あふ、あ、もう朝?」

 目を開くと、自分のベッドの中。
 もう外はすっかり明るくなっている。

 夜、あの夢を見るのは初めて。でも、やっぱりいやらしくて、とても気持ちよかった。

「ん、ああ?」

 起きあがろうとすると、アソコのあたりが冷たい。

「やだ、ショーツがこんなにぐしょぐしょになってる」

 手で触ると、ショーツがすっかり湿って冷たくなっていた。

「穿き替えないと」

 ゆるゆると起きあがると、ショーツを脱いで、新しいのに穿き替え、制服に着替えていく。

* * *

「あ、おはよう、若菜!」

 学校に行く途中、交差点で由佳が駆け寄ってきた。

「おはよう、由佳。今日はどうしたの?いつも始業のベルぎりぎりに来る由佳がこんなに早く?」
「うん、まあね。テストも近いし、早起きを心がけようと思って」
「へえ。感心じゃないの」
「ていうのは冗談で、本当は、おかしな夢を見て目が覚めちゃったのよね」

 由佳の言葉に、若菜が驚いたように目を見張る。

「由佳も?」
「え?私もって?」
「えっ、あっ、いやいや、何でもないの!でも、おかしな夢ってどんなの?あ、いや、話せない内容なら話さなくていいよ!」
「なによ、若菜ったら、今日は朝から変よ。まあ、別に話しても何ともないから言うけど。なんかね、目の前で目覚まし時計がずっと鳴っててね。スイッチを押しても叩いても、電池を抜いても鳴りやまないのよ」
「やだ、なによそれ」
「ね、ひどいでしょ。おかげで全然眠れなくて。だから、早く学校にでも行こうかなと思ったのよ」

 そんな、何気ない会話をしながら歩くふたり。
 少し顔を背けたときに、由佳が嬉しそうな笑みを浮かべたことに若菜は気付かなかった。

 そして、ふたりが学校に着いた、その時。

「あっ!おはようございます!竜泉寺先生!」

 その名前を聞いて、若菜は心臓が止まりそうになる。

 見ると、少し先に白衣を着た痩せぎすの保健医が立っていた。
 由佳が、小走りにそっちに駆け寄っていく。

「あ、ゆ、由佳、私、さ、先に教室に行ってるわ!」

 顔を真っ赤にして校舎に駆け込む若菜。
 バクバクと、心臓が飛び出しそうなくらいに高鳴っていた。

 そんな若菜の後ろ姿を眺めて、由佳が竜泉寺に微笑みかける。

 もうすぐ、予鈴が鳴る時間になっていた。

* * *

 放課後。

 今日も、ぼんやりとした表情で由佳に手を引かれて若菜が保健室にやってくる。

「さあ、今日も竜泉寺先生に気持ちよくしてもらいましょうね」
「……はい」

 呆けた笑みを浮かべて返事をすると、若菜は竜泉寺のズボンをずらして肉棒を引っぱり出してしゃぶりつく。

「ん、んふ、んむ、あふ、んちゅ」

「で、今日はどうする予定なんだ、由佳」

 若菜が湿った音を立てて肉棒をしゃぶるのにまかせながら、竜泉寺が由佳に尋ねる。

「はい。この後、保健室に木下先生を呼んであります」
「ほう」
「木下先生に『検診』をする姿を見せながら、最後の仕上げにしようと思います」
「なるほど」
「その前にまずは若菜からですね。若菜、もう先生のおちんちんは大きくなってるでしょ。さあ、ベッドに上がって。気持ちよくしてもらいましょう」
「ん、んふ。……あ、はい」

 若菜が肉棒から口を離し、ベッドに上がる。

「今日は若菜の好きな姿勢で先生を誘ってみましょうね」
「……はい」

 虚ろに返事をすると、若菜はベッドの上で仰向けになり、両手をふとももにかけて大きく股を広げる。
 その裂け目からは、もう、とろとろと蜜が溢れてきていた。
 半開きにした口許をだらしなく緩ませ、濁ってぼやけた瞳を竜泉寺に向けている。

 竜泉寺もベッドの上に上がる。そして、膝立ちになって若菜のももを持ち上げ、肉棒をその濡れそぼった裂け目に当てると、ゆっくりと挿し込んでいく。

「ん、んんんっ」

 すると、若菜は体を軽く仰け反らせて、鈍い鼻声で喘ぐ。

「ん、んふ、ふ、ふうっ、んんっ、ふんっ、ふっ、ふっ、んんっ」

 竜泉寺が腰を打ち付け始めると、若菜の体がリズミカルに揺れ、吐息のような、鈍くくぐもった声が上がる。

「ふっ、ふうっ、んっ、んんっ、ふんっ」
「どう?気持ちいい?」
「んっ、ふっ、んんっ。……はい、きもち、いいです。んっ、んんっ」

 由佳が尋ねると、ぼんやりと見つめ返して返事をする。

「そう、良かったわね。『おめめぱっちり若菜ちゃん』」
「んっ、んんんっ、ああっ、ああんっ!」

 由佳がキーワードを言うと、若菜の目に光が戻る。
 ここまでは、昨日までと全く同じ。

「ああんっ、はうっ、あっ、気持ちいいですっ、先生!」

 もう、戸惑うことなく快感に身をまかせ始めた若菜を満足そうに見た後、由佳は立ち上がって入り口の方に向かう。

「さあ、どうぞ入って下さい、木下先生」

 しばらくして、入り口の方で由佳がそう言っているのが若菜にも聞こえてきた。

 どうして?木下先生まで出てくるなんて、今日の夢はどうなってるの?

 内心、新たな展開に困惑しながら、もう若菜にはこの快感を止めることはできない。

「あうっ、あっ、すごいっ、気持ちいいっ、ですっ、あううんっ!」

 やだ、夢の中でも、木下先生にこんなところ見られるのは恥ずかしいっ!でも、止まらない、止まらないよう!

 羞恥と快感で頬を赤く染めながら、顔を背ける若菜。

 ベッドの脇に、誰か立った気配がした。

「あら、如月さんも竜泉寺先生の検診を受けてるのね!」

 自分にかけられた言葉の意外さに思わず見上げると、担任の木下が柔らかい笑みを浮かべて若菜を見下ろしていた。

 え?何?検診ってどういうこと?私がしてるのは、検診じゃなくて、せ、セックスなのに。

「んっ、あっ、あああっ!」

 驚いて木下を見上げていた若菜は、竜泉寺が突き上げた拍子に思わず切なげな声を洩らす。

「本当に気持ちいいのよね、竜泉寺先生の検診は。それに、先生のお薬は本当によく効くんだから」

 え?お薬?何言ってるの、木下先生?いくら夢だからって、こんなの訳がわからなすぎるよ。

 夢の中に木下が現れたことと、その発言の意味がわからなくて戸惑う若菜。

「はうっ、はああっ、あああんっ!」

 しかし、竜泉寺は容赦なく腰を突いてきて、若菜を快感に溺れさせる。

「ああっ、あっ!えっ!?ひゃああうんっ!」

 いきなり、木下が手を伸ばして若菜の胸をつかんだ。

「あっ、ちょっとっ!木下先生っ、ふああああっ!」
「うふ、私もちょっとお手伝い」

 木下が微笑みながら若菜の乳房を揉んでいる。

「あああっ、先生っ!だめっ、だめええっ!あああああっ!」
「気持ちいい、如月さん?竜泉寺先生の検診は気持ちよければ気持ちいいほど効果があるんだから、もっと気持ちよくなりましょうね」
「ひあああああっ!気持ちいいっ、けどっ、気持ちよすぎてっ、こんなのっ、はうっ!んっ、んむむむむっ!」

 木下が、若菜の唇を自分の唇で塞いだ。

「んんっ、んむむむっ!」

 や、なにか口の中に入ってくる、これは、木下先生の舌?

「んんっ、んむむっ、んっ、んんーっ!」

 木下に口を塞がれ、胸を揉まれ、竜泉寺に肉棒を突き入れられて、若菜は快感に悶える。
 竜泉寺が腰を突くたびに、若菜の体がビクッと大きく反り上がる。

 んん、気持ちいい。木下先生にキスされて、おっぱいを揉まれて、竜泉寺先生のおちんちんをアソコに挿れられて、気持ちよすぎて、私、おかしくなっちゃう。

 体をよじらせている若菜の瞳が小さく震え、焦点が合わなくなっていく。

「んむむっ、むふう。あっ、ふあっ、あっ、あっ、あっ」

 ようやく木下が口を離すと、若菜の口から短い声が上がる。

「あっ、ああっ、ふあっ、あっ、あんっ、あっ」

 もう、ほとんど意識がないのか、だらしなく開いた口から涎を垂らし、目は、ただ開いているだけで、どこを見ているのかわからない。
 それにも構わずに、木下は笑顔を浮かべて若菜の乳房を揉み、竜泉寺の腰が突くたびに、その体がビクビクと震えている。

「あっ、ああっ、ふあっ、あっ、あっ、あああああああっ!」

 竜泉寺が、ひときわ力強く腰を叩きつけると、若菜の体が固まり、ぶるぶると小刻みに震える。

「ああああああっ、ふああああああっ!あぁ……」

 頭で体を支えるように反らせていた若菜の体が、ぐったりと崩れ落ちる。
 そのまま、ピクリとも動かない。

 由佳が、毛布を手に近寄ってきて、若菜の体をベッドから降ろす。
 ベッドの横では、木下が自分の服を脱ぎ始めていた。

「若菜。起きて、若菜」
「ん、ああ、由佳」

 由佳に起こされて若菜は目を開く。

 今日もまた居眠りをして、あの夢を見てしまったんだわ。

「ええ?」

 いつものように、教室の机で居眠りをしていたのだと思って周囲を見回した若菜は、ようやくそこが教室ではないのに気付く。

「え?ここは?」
「ここは、って、保健室よ」
「ええ?じゃあ、まだ夢の中なの?」

 いつもなら、教室で目が覚めるはずだ。
 それが、保健室だなんて。

「何言ってるの?夢なんかじゃなないわよ」
「え?」

 夢じゃない?でも、私は保健室に来た覚えはないのに。

「私、保健室で何をして……ええ!?」

 若菜は、自分が裸に毛布を掛けられた姿で由佳に抱かれているのに気付いて、戸惑いの声をあげる。

「若菜は、ここで竜泉寺先生とセックスして、気持ちよくなりすぎて気を失っちゃったの」
「ええ?でも、それは夢のはずじゃ!?」
「だから、夢じゃないわよ。今日、若菜は保健室で竜泉寺先生とエッチなことをいっぱいして、気持ちよすぎて気絶しちゃったの」

 夢じゃない?でも。

「だって、私、保健室に来た覚えがないし!」
「覚えてないの?若菜が自分で保健室に来たんじゃない。きっと、気持ちよすぎて記憶が飛んじゃったのね」
「そ、そんな?」

 今日のは夢じゃない。だったら、これまでのも夢じゃないの?
 でも、昨日の夜、家で見たのは間違いなく夢よね。
 いったい、どこまでが夢でどこまでが夢じゃないの?
 わからない、全然わからない。

「ああああっ!気持ちいいっ、気持ちいいですっ、竜泉寺先生!」

 不意に、甘く切なげな声が聞こえた。
 声をした方に若菜が目を向けると、ベッドの上で四つん這いになって喘いでいる木下の姿が目に入った。
 そして、背後から木下の腰を掴み、腰を大きく動かしている竜泉寺の姿も。

「はああんっ!んあああっ、すごいっ、すごいですううっ!」

 竜泉寺の肉棒を受け入れながら、木下も嬉しそうに自分から腰を動かしていた。

「ええ?木下、先生?」

 呆然とした表情で木下と竜泉寺の姿を眺めている若菜。

「木下先生も、竜泉寺先生のおちんちんが大好きなの。竜泉寺先生とエッチなことをして、気持ちよくしてもらうのが大好きなのよ」

 そう言って、由佳は若菜に婉然と微笑みかける。
 そんな由佳の表情は見たことがなかった。若菜ですらどきっとするほどに艶っぽい笑み。

「木下先生も……?え?じゃあ、ひょっとして、由佳も?」

 若菜の問いに、笑顔を浮かべたまま由佳が頷く。

 由佳の笑顔と、竜泉寺とセックスをして蕩けそうな笑みを浮かべている木下の表情を、若菜はぼんやりと見比べる。

「くはあああっ!くださいいいいっ!竜泉寺先生のお薬っ、たっぷりとくださいいいいいっ!」

 保健室の中に、木下の嬌声だけが響く。

 木下先生も、竜泉寺先生とエッチなことして気持ちよくなるのが好きで、そして、由佳も……。

 ああ、どうでもいい。もう、夢でも現実でもどうでもいい。
 私も、竜泉寺先生ともっとエッチなことをして、いっぱい気持ちよくなりたい。

 若菜は、自分のアソコがドクンドクンと熱くなってくるのを止めることができなかった。

* * *

 翌日。
 放課後になると、由佳が若菜の机までやってくる。

「保健室に行く、若菜?」

 黙ったまま、由佳の言葉に若菜は頷く。
 そして、立ち上がると、ふたり連れだって教室を出ていく。

 そして、保健室。

 やっぱり、いくら思い出そうとしても、昨日自分が保健室に来たことは思い出せない。
 でも、もうそんなことはどうでもいい。今は、竜泉寺先生のおちんちんに気持ちよくして欲しい。

「さあ、まずは下準備よ」

 そう言って、由佳が竜泉寺のズボンをずらしていく。

「ええ?」

 そこから現れた肉棒を見て、若菜は戸惑う。
 こんなにだらんとぶら下がったものが、どうやって自分の中に入っていたのか?
 昨日は、いや、夢の中の感覚でも、もっと固くて大きなものが入っていたはずなのに。

「これからお口で先生のおちんちんを大きくするのよ」
「お口で?」
「そうよ」

 由佳が、若菜の顔を見つめて大きく頷く。
 お口で大きくするなんて?
 おちんちんを口の中に入れるの?

「さあ、若菜。これをしないと気持ちよくしてもらえないのよ」
「う、うん」

 若菜は、竜泉寺の前で膝立ちになり、おずおずと肉棒に口を近づけていく。

「ん、んん!んむ、んん?」

 おそるおそるそれを口の中に含んだ若菜は、意外な感覚に困惑する。
 なぜか、初めてという感じがしない。
 それに、全然気持ち悪くない。むしろ、なんだかそうしているとうっとりとした気分になってくる。

「んっ、んふっ、むっ、んむむっ、んふっ」

 気付くと、若菜は夢中になって肉棒にしゃぶりついていた。

「んっ、あふっ、んむっ、んっ、んんっ、んくっ!」

 夢中でしゃぶっていると、見る見るうちに若菜の口の中で、喉に当たるほどに肉棒が大きくなってきた。

「んむっ、むふうっ、んくっ、あふ、えろ、ちゅぱ」

 なんでだろう?おちんちんをしゃぶっているだけでこんなに気持ちいい。
 こんなことするの初めてなのに。
 こんなので気持ちよくなるなんて、やっぱり、私、すごくいやらしい子なんだ。

「んふっ、えろ、あむ、ちゅるっ、じゅるるっ!」

 もう、すっかり大きく固くなった肉棒をしゃぶり続けているうちに、その先っぽからヌルヌルした汁が滲み出てきた。

「もういい頃よ、若菜」
「んむ、んっ。……あ」

 由佳が、若菜の肩に手をかける。
 それでようやく口を離すと、目の前にあるそれは見違えるほど大きくなって反り立ち、ヌラヌラと黒光りしていた。

「これでアソコにおちんちんを挿れてもらえるね、若菜」
「うん」

 目の前の屹立した肉棒をじっと見つめて頷く若菜。
 それを見ているだけで、いやらしい気持ちが溢れてきて、アソコが熱くなってくる。

「さあ、服を脱いで、若菜」
「うん」

 由佳に促されるまま、若菜は服を脱いでいく。
 スカートを脱ぎ、ショーツに手をかけると、もうそれとわかるくらいぐっしょりと湿っていた。

「んっ!」

 そっと、自分のアソコに触ってみると、軽い刺激が走った。
 アソコの襞がドクンドクンと脈打っているみたいでなんだか熱い。それに、溢れてきたお汁でヌルヌルになっていた。

 そうかぁ。おちんちんからヌルヌルしたお汁が出て、私のアソコからもヌルヌルしたお汁が出て、だからおちんちんをアソコに入れると気持ちよくなれるんだ……。

「どうしたの、若菜?もう先生は準備ができてるわよ」

 由佳の声に我に返ると、竜泉寺は先にベッドに上がって胡座をかくような姿勢で座っていた。

「あ、ごめんなさい」

 若菜も、慌ててベッドの上に上がる。

「さあ、こっちにおいで、如月さん」
「はい」

 竜泉寺に呼ばれて、若菜はその足を跨ぐようにして立つ。

 ああ、これから私、気持ちよくしてもらえるんだわ。

 いままで、夢の中で感じたあの快感を思い出して、若菜の胸が高鳴る。
 もう、若菜の心は、いやらしい欲望と快感への期待で満ちていた。

「ほら、ゆっくり腰を屈めて、そうそう、そこで、僕のおちんちんを持って位置を調整するんだ」
「は、はい」

 竜泉寺の言うとおりに腰を屈めると、その肉棒に手を添えて、自分のアソコに当たるように位置を合わせていく。

「用意はいいかな?じゃあ、そのまま腰を沈めるんだ」
「はい。んっ、くああああああっ!」

 ゆっくりと、若菜が腰を沈めていく。
 すると、自分の中を竜泉寺の肉棒が貫く感覚と共に、凄まじい快感が駆け巡った。

 あああっ、すごいっ!今まで、夢の中では、いっつもおちんちんが入った後から始まってたから、こんなに気持ちいいなんて知らなかった。
 あ、でも、昨日のは夢じゃないんだから、この感覚は初めてじゃないのよね。
 こんなに気持ちいいのを忘れるなんて、なんてもったいないことをしたんだろう。

「ああっ、ふあっ、ふああああっ!」

 不意に、下から突き上げられて、思わず甲高い声が洩れる。

「んっ、ああっ、あああんっ!」

 ずんずんと下から突かれて、アソコの奥におちんちんが当たる感触。

「ああっ、はああんっ!」

 気持ちいいっ!そうよっ、この気持ちよさだわっ!

 若菜は、竜泉寺の首に手をかけ、必死でしがみつく。

「あふんっ、ああっ、り、竜泉寺先生いぃ!」

 アソコの奥の壁にゴツゴツとおちんちんが当たって、あまりの気持ちよさに意識が飛びそうになる。

「んふうっ!ねぇ、竜泉寺先生っ、私にっ、いやらしいことっ、もっといっぱい教えて下さいねっ!」

 あ、私、夢の中と同じこと言ってる。

「由佳にばっかり教えるのなんてっ、ずるいですようっ!はんっ、あふううっ!」

 なんていやらしい声。でも、そう、私はいやらしい子なんだもの。
 ほら、やっぱり、私、自分から腰を動かしてる。
 一昨日の夜見た夢と一緒。だったら、この後は、先生とキスを……。

「あふっ、ひゃあんっ!?」

 いきなり、背後から乳房を掴まれて若菜の首が跳ね上がる。

「ふああああっ!あ?由佳?」
「もう、何言ってるの、若菜。竜泉寺先生の独り占めはだめよ」

 いつの間にか、服を脱いで裸になった由佳が、若菜の背後から抱きついてきていた。

「ごめんごめんっ、由佳っ!あうっ、はあんっ、うああっ!だめっ、乳首っ、感じ過ぎちゃう!」

 由佳に乳首をコリッとつままれて、若菜は腰を跳ねさせながら体を悶えさせる。

「さあ、もっと気持ちよくなりましょう、若菜」
「う、うんっ、ああっ、ふあああんっ!」
「そして、若菜がすんだら、今度はポジションチェンジね。そうやって、一緒にいっぱい気持ちよくなろうね」
「うんっ、あうっ、あああああっ!」

 由佳の言葉に、真っ赤な顔で、涙目になって頷く若菜。
 髪がバサッと跳ねるのと一緒に、トレードマークの赤いリボンも大きく跳ねる。

「でも、昨日みたいに気を失っちゃったら、若菜は放っておいて、私と竜泉寺先生だけで気持ちよくなるからね」
「そっ、そんなのずるいようっ!んっ、んむむむっ!」

 抗議の声をあげた若菜の口を、由佳の唇が塞ぐ。

「むむっ、んむっ、むむむっ、んんっ!」

 由佳が舌を挿し込むと、若菜の目が大きく開く。

「んっ、んんっ、んむむっ、んふううぅ」

 ああ、気持ちいい、私の体の、全部が気持ちいいよう……。

 由佳に背後から胸を揉まれ、濃厚な口づけを交わしながら、それでも、若菜は肉棒を貪るように腰を動かし続けている。
 たちまち、若菜の目尻がトロンと下がり、焦点が合わなくなってくる。

「んふ、ぷふぁあ、ああっ、はああっ」

 ようやく口づけを終え、若菜はだらしなく舌を出して喘いでいる。

「うふ、気持ちいい?若菜ちゃん?」
「んはあ、ああっ、ふぁいい、きもち、いいっ、れすうっ」
「うん、いい子いい子。じゃあ、もっと気持ちよくなろうね」
「ふぁ、ふぁいいいぃ。あふっ、はあ、はあぁ、んふぅ」

 まるで、催眠状態の時のように若菜の反応が鈍くなっていく。
 だらしない表情で喘ぐその顔は、間違いなく彼女が快感に溺れていることを示していた。

 ああ、きもちいい、きもちいい、きもちいい、わらしのなか、きもちいいので、いっぱいだよう……。

 心の中を快感に埋め尽くされて、若菜は人形のように腰を動かす。
 その、鈍い喘ぎ声だけが保健室の中に響き続けていた。

 その後、テスト勉強に身の入らなくなった若菜が、かなりの数の赤点を取ったことは言うまでもない。

* * *

 実験記録 No.5

 対象:3年生、女子。

 今回は、由佳に課題を与えて全て自分でやらせてみる。いわば、個人的な中間テストだ。
 課題は、①振り子誘導方を使うこと、と、②対象に、性行為をそれと認識させた上で、暗示による口封じを使わずに、対象及び周囲にばれないようにごまかすこと、のふたつだ。

 振り子誘導方の方は難なくクリアしてみせた。まあ、ちょうど中間テストが近いこともあって、テスト勉強のために集中力を高めるトレーニングだと思わせる、という手法はこちらもある程度予想はしていたものではあるが。
 由佳が保健室に連れてきた対象の様子を見れば、その催眠深度も申し分ないのは一目瞭然だった。キーワードによる催眠状態と覚醒状態の切り替えも完全なものであったし、相手を深い催眠状態にして暗示を仕込むテクニックに関してはもう言うことはないだろう。

 ふたつ目の課題を、夢だと思い込ませることでクリアした発想は評価できる。
 対象本人は夢の中の出来事だと信じ切っているのだから、暗示を仕込んで口封じをする必要がない。それに、本人は、それをいかがわしいことだと認識しているから、そんな夢の話を他人に話す心配もない。こういう自由な発想ができると、将来いい術者になるだろう。最後の決め手に、佐知子を使ったアイデアもなかなか良かった。

 対象の反応も良好。由佳は対象のことを素直で人の言うことを信じやすい性格だと言っていたが、要はそれだけ単純だということだろう。今回はたった4日で完了したが、この期間に関しては、対象にする人間の性格によって個人差も出てくることは容易に予想できる。ただ、ターゲットとして、そういう堕としやすい相手を見抜くのも才能のうちだろう。もっと上達してから難しい対象を相手にすればいいだけの話だ。

 ただ、由佳のレポートでは、対象が本当に夢を見るように暗示を加えたとあるが、これはいただけない。暗示で本当に夢を見せることができる保証はないし、本当に夢を見たかどうかの確認も非常に難しい。今回は、状況から判断して上手くいったようではあるが、それは、単にそれだけ対象が単純だったというだけだ。実際には、もっと自然に対象が現実と夢の区別がつかなくなるまでじっくりと快楽漬けにするのが確実な方法だったのではないだろうか。相手が夢を見たかどうかカマを掛けるという真似もしなくてすむ。もっとも、催眠状態にして確認するなどという安易な方法を採っていたなら大減点にするところだったが。

 本人もその点は不安に感じていたようではあるし、以上を踏まえて、採点するなら、15点減点の85点といったところだろうか。

 20XX年、10月17日。竜泉寺岳夫。

< 終 >

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