とある王国の悲劇 剣姫編2

剣姫編 2

 姫が屋敷の正門から出ると、40名程の戦士が整列していた。
 もしここに何も知らない者が居たら違和感を覚えただろう。
 まず武装だ。剣、槍、斧……。各々バラバラなのだ。
 鎧も同じ物を着けているが、これも各自手直しが目立ち、統一感が無い。
 騎士団というより傭兵団という印象だった。 
 姫の姿を見て大きな歓声が上がる。 
 一様に疲れが見えるが、その顔は達成感に満ちていた。
 それもそうだろう。王国の危機を救ったのだから。
「皆、ご苦労だった。損害は?」
「はっ! 重傷者3名、軽傷者12名……死亡者3名です」
「……そうか」
 姫は馬車の荷台に寝かせてあった布袋に歩み寄った。
「私の力不足であった。せめて、安らかに眠ってくれ」
 そう言って目を閉じ、頭を下げる。
 それは今回の任務で命を落とした者の亡骸であった。
 他の戦士達もそれに倣う。
「姫、それは違いますぞ」
 1人の年配の戦士が歩み出た。
 部隊の副官を務める歴戦の古強者である。
「相手が手強いのは初めから分かっていた事。なのに何故このような若年兵達を隊へ入れたのか……」
 言いながら感情が昂ってきたのだろう、声が大きくなっていった。
「彼らが死んだのは」
「――言うな」
 姫が遮る。その顔には何も表情が浮かんでいない。
「それ以上は許さん」
「はっ! 出過ぎた真似をしました」
 納得はしていない顔で引き下がった。
 姫とて納得などしていない。今回の事は間違いなく自分への嫌がらせだ。
 自分が城内で疎まれているのは知っている。
 ……その理由も。
 だが、それが若年兵と何の関係があろうか?
 姫は内心憤りを感じていた。
 しかし、それを表に出してはならない。
 指揮官たるもの、本音を晒せばそれだけで死者が出る事もあるのだ。
「出発する。日没までには町に着きたい」
「はっ!」
 皆が馬に飛び乗り、隊列を組み動き出す。
 姫もたま馬に乗り、それに加わる。
 貴族の別荘だったらしい屋敷は山の中腹にあった。
 こんな不便な場所に広大な屋敷を建てるとは、何という贅沢か。
 どれだけの人数が働かされたのか。また、その集め方は?
 姫は考えるだけで憂鬱な気分になっていた。

 途中馬を急がせたお蔭で、日が暮れるまでに町に到着できた。
 直ちに負傷者の手当てをしたいが、そこに思わぬ邪魔が入った。
「姫様、あれはもしや……」
 副官の言葉にやや声を低くして答える。
「姉上の部隊だな」
 50騎程の騎士団が討伐隊へと近付いてくる。
 こちらは対象的に煌びやかな揃いの鎧を纏い、長槍で武装していた。
 一糸乱れぬ行軍で、絵に描いたような騎士団だった。
 討伐隊の前で一斉に止まると、1台の豪華な馬車が進み出た。
 姫の前で止まると扉が開く。
「あらあら、随分と慌ただしいのねぇ」
 高く美しい声。
 馬車から見目麗しい女性が降りてきた。
 絢爛豪華な衣装で体を包み、優雅な仕草で歩み寄ってくる。
「姉上」
 姫は片膝を付き、頭を下げた。他の者もそれに倣う。
「随分と早い帰還ですけど、賊は成敗できたのかしら?」
「はい」
「剣姫と名高いお前の事だから、犠牲は無かったのであろう?」
 その言葉に姫の表情が曇る。
「……いえ、3名が亡くなりました」
「ほぅ、それはそれは、お前らしくもないねぇ」
 ――全く白々しい。
 副官は苦々しい想いで聞いていた。
 第一王女である彼女から見れば、国民から慕われる姫が目障りだった。
 姫に向けられる目、声、表情、どれをとっても愛しい妹に対する物では無い。
 込められているのは嘲りと憎悪。
 しかも、賊が逃げ込んだ屋敷の最寄の町までわざわざ来ている。
 王女がここに来た目的は明らかだ。
 万一姫が失敗しているようなら、賊の討ち手柄を横取りする。
 姫が相手をした後ならば、賊とて無事のはずは無いのだから簡単だろう。
 成功して帰ってきたのなら、必ず出ている犠牲をネタに嬲る。
 どんな戦いでも犠牲は付き物である。
 ……が。
「お言葉ながら、王女様」
 副官が抗議を試みる。
「今回の犠牲は姫の所為ではございませぬ。元はと言えば未熟な若年兵を無理やり……」
「――お黙り、薄汚い犬めっ!」
 王女が辛辣に言い放つ。
「私はお前の様な下賎な者と話してるのではないわ。可愛い妹と話してるのよ」
 汚い物でも見る様な目付きで副官を睨む。
「横から差し出口など増長にも程があるわ。控えておれっ!」
 瞬間、戦士達に緊張が走る。
 こうもあからさまな侮辱を受けて、黙っていられようか?
 ましてや相手は親愛する姫すらも嬲って楽しんでいる!
 その気配を察したのか、騎士団が一斉に槍を構えた。
 正に一触即発の危機だった。
「――よせ」
 姫が静かに、しかし確かな強さの篭った声で言った。
「……申し訳ございませぬ」
 副官は唇を噛み締めながら引き下がった。
「いい手際ねぇ」
 王女も騎士団を手で制しながら嘲った。
「よく懐いている様だけど、躾はもっと厳しくする事ね」 
「以後気を付けますので……」
 姫が言いかけると王女は笑い出した。
「あはは、冗談よ、冗談。そんなに硬くならないでよ、愛しい妹よ」
 その顔は決して冗談とは言っていないし、愛してもいなかった。
「まぁ、せいぜい疲れを癒すといいわ。その汚れた体も洗いなさいよ」
 王女はクルリと振り返ると馬車へと乗り込んだ。
「もっとも、そのお前の汚れた血は洗えないでしょうけどね。あははははは」 
 見送る討伐隊の前で、騎士団と共に町の奥へと消えて行く。 

「皆、不愉快な思いをさせてしまったな。すまない」
「とんでもごさいません!」
 姫の謝罪に若い兵から声が上がる。
「しかし姫も姫です。何故あそこまで言われて黙っているのですか!」
 同様の声が複数上がる。
 特に若い兵達が不満を爆発させているようだ。
 副官が皆を静めようとした時、
「――身内だ」
 姫の声が皆を黙らせた。
「だからって……」
「よさんか」
 尚も言い募ろうとする兵を副官が遮った。
「こう言った問題は、外から口を出しても拗れるだけだ」
「……わかりました」
 兵達は渋々ながら納得したようだった。
 それを見た後、そっと姫に近付き小声で話しかける。
「よろしいのですか?」
「ああ」
 姉上の目的は最初からわかっていた。
 自分に嫌味を言う為だけに現れたのだ。可愛らしいものである。
 大して危険な人物では無いのだ。
 ……しかし、今回ばかりは度が過ぎている。
「姫様さえその気になれば、我々はいつでも」
「――言うな。皆の忠誠は疑わぬが、それ以上は王家への反逆だ」
 姫はやや表情を崩して言う。
「今回は私に任せてくれ。まぁ、うまくやってみせるよ」
「わかりました」
 副官は頭を下げた。その為、姫の顔が見えなかった。
 ……その姫らしくない妖艶な笑みを。

 王女は町で一番大きな屋敷を貸しきって使っていた。
 仮にも王国第一王女である。
 この町に逆らえる者は居ない。
 王女は屋敷に帰るとすぐに湯浴みの準備をさせた。
 汚れを綺麗にしたい気持ちもあるが、一番の理由は気分転換だった。
 今回こそは妹も噛み付いてくるはずだった。
 その為に策も施した。 
 なのに、あの妹は噛み付く所か終始冷静だった。
 大事な部下を罵ってみても、眉1つ動かさなかった。
 ――あれは本当にあの妹なのかしら?
 思わずそんな事すら考えてしまう。
 もしかすると、誰よりも姫の事をわかっていたのは王女なのかも知れない。
「誰も近付けてはならぬぞ」
 護衛の騎士にそう声を掛けると王女は1人脱衣所に入った。
 普段なら使用人が身の回りの世話をするのだが、今は1人になりたい気分だった。
 衣服を脱いだ王女の裸身は美しかった。
 完璧と言ってもいい、魅惑的な大人の女の姿だった。
 広い湯船に身を沈める様は、さながら妖精のようだった。
「やはり、おかしいわ……」
 ゆっくりと寛ぎながら、今日の違和感を思い出していた。

 ――その時浴室の外では。
「誰だ!」
 気配を感じ、誰何の声を上げながら腰の剣に手を掛ける。
 が、すぐに気配の正体に気付き、姿勢を正した。
「姫様……」
「姉上と話がしたい。中に入れては貰えぬか?」
 きちんと正装した姫がそこに居た。
 質素な印象の礼服だが、それ故に姫の美しさが引き立つようだった。
「誰も近付けるなと厳命されております。お引取り下さい」
「そうか」
 だが、姫は引き下がる様子は無い。
 騎士に緊張が走る。
 姫の強さはこの国の人間で知らない者はいない。
 定期的に行われる王家主宰の武闘大会で、無敵の強さを誇っている。
 騎士もその戦い振りを何度も見ていた。
 とても剣士には見えない小柄で華奢な体。
 ……それなのに。 
 まるで舞を踊るかのように軽やかに避け、斬りつける姫。
 かと思えば獣の如き咆哮を上げ、正面から相手を圧倒する姫。
 思い出すだけで身震いがした。
 いくら丸腰とはいえ、その姫を止められるのか?
 自分とて第一王女の近衛騎士、腕に自信はある。
 ……が。
 騎士は背中に冷たい物が流れるのを感じた。
「そう硬くなるな」
 姫が微笑しながら言うと、その言葉で騎士はほっとした。
 ――その瞬間、姫が騎士に気を放った。
 騎士は指一本動かす事が出来なくなった。
「ひ……めぇ……さ、ま……?」
 呻き声を上げるのが精一杯の騎士に姫が近付く。
 姫の目を見ていると心まで縛られていくようだった。
「私は姉上と仲良くしたいだけなのだ。入れてはくれぬか?」
「……は……い。どぅ……ぞ……」
 生気の無い目で騎士がぎこちなく脇に退く。
「ありがとう」
 姫はゆっくりと王女の居る浴室へと足を踏み入れた。

 王女が湯船に浸かり悶々としていると、誰かが入ってくる音がした。
「私も御一緒してよろしいですか?」
 声のした方を向くと、そこには一糸纏わぬ姫の姿があった。
「何故お前が! 外の者は何をしておる!」
「私が姉上と仲良くしたいと申したら、快く入れてくれましたよ」
 言いながら歩み寄る。
「私はお前と仲良くする気など無いわ!」
 王女は憤慨した様子で立ち上がり、叫ぶ。
「去りなさい! 汚らわしい下賎な女めっ!」
 その言葉に姫の歩みが止まる。
「そうですか……。なら、仕方ないですね」
 憤怒の形相を浮かべる王女の顔を見ると、先ほどと同様に気を放った。
 鍛えられた騎士ですら金縛りになったのだ。
 王女に抵抗できるはずはなかった。
「ひっ! こ……れは……?」
「……居縮の術。剣士でない姉上は知らないでしょうね」
 再び王女に向けてゆっくり歩きだした。
「本来は剣気を叩き付け、相手を金縛り状態にする秘技です」
 どこか楽しんでいるような口調で姫は話す。
「ですが今の私なら、この程度の事はできます」
 言い終わると同時に王女の体がゆっくりと動き出した。
 だが、それが王女の意思では無い事は、その驚愕の表情を見れば明らかだ。
「こ……れは……いっ……た……い……」
「これでは話も儘なりませんね。口は自由にしましょう」
「――はっ! いったい何を! やめなさい!」
 途端に王女は喚き立てる。
「ですから言ったでしょう? 仲良くしたいと」
 姫がどこか誘い込まれるような微笑で言う。
「まずは、体から解してあげますね」
 それを合図とするかのように、王女の両腕がスッと動いた。
 ――胸と秘部に。
「体が……勝手に!」
 王女は必死に止めようとするが、まるで動きを止めてはくれない。
「わ、私に……自慰をさせようというのか!」
「そうです。心を開いてもらうには、まず体から、でしょう?」
 腕は王女に逆らうように豊満な胸を揉み、秘部を蠢く。 
「あ……あぁ……」
 王女の指が形を確かめるかのように、じっくりと触る。
 その動きから生まれる妖しい感覚に、体が揺らめく。
 信じられない程の快感だった。 
 思わず口からは甘い声が漏れる。
「あぁあん……」
「姉上、もう感じていらっしゃるのですか?」
 姫が揶揄するように問う。
「お、お前がぁ……ぁあぁ……ぁさせてぇ……るん……でしょ!」 
「いえ、もう少し抵抗してくれるかと思ったのですが……」
 姫は残念そうに言う。
 そもそも姫と王女では違い過ぎた。
 普段から心身の鍛錬を欠かさぬ姫に対し、王女は己の美にしか興味が無かった。
 第一王女という身分もあり、蝶よ花よと大切に――あるいは我侭に――育てられた。
 美しい花でも、野に咲く花と温室育ちでは強さが違うのだ。
「仕方ありませんね。では、私も楽しませてもらいます」
 そう言うと姫は王女の体を抱きしめ、激しく口付けをした。
「むぅっ!」
 急な事で王女は驚いたが、すぐに甘い快感に飲まれた。
 侵入してくる舌に放浪されるままだったが、次第に自分からも絡ませた。
 恋人同士の熱い接吻そのものだった。 
「はぁぁぁ……」
 感触を存分に楽しむと姫は口を離した。
 王女は恍惚の表情を浮かべ、放心していた。
「姉上の初めての接吻、ご馳走様です」
 姫が妖艶な笑みを浮かべながら言う。
 王女は第一王女である。気軽に異性と関係を持てるはずが無かった。
「私を辱めるつもりか……」
「いえ、私は嬉しいのですよ。姉上の全てを頂けるのですから」
「何を……言って……」
「見てください。嬉しさから私も興奮してきましたよ」
 そう言うと姫は体を離す。
 やや苦しそうに身悶えすると、姫の秘部に変化があった。
 みりみりと音を立て、何かが秘部を割って出てくる。
「あぁああぁぁぁん!」
 甘い喘ぎと共に体がびくり、びくりと震える。
 その度に何かがゆっくりと出てくる。
 その様子を王女は絶句しながら見ていた。
「ぁあぁぁああぁぁあっぁぁぁああぁ!」
 一際大きな声が上がり、姫の体が弓なりに反り返る。
 その時姫の秘部にあったのは、男性器だった。
 いや、それを男性器と呼んでいいのか。
 姫のそれは明らかに異常だった。
 長さ、太さ共に通常の3倍はあったのだ。
「どうですか? 素敵でしょう?」
 姫が誇るかのように言う。
「それは……いったい……」
 愕然としている王女に姫は優しげに答えた。
「これは死亡した部下の男根を集めて、私の中で1つにしたものです」
 姫の目に憎しみが宿る。
「そう、姉上が無理やり参加させた、哀れな若年兵のね」
 王女は青ざめていた。
「姉上にとっては取るに足らない下賎な犬でしょう。ですが私には大切な仲間です」
 姫の目に今度は悲しみが宿る。
「いくら命令とは言え、私は彼らを犠牲にしてしまいました」
 悲しみの為か、姫は顔を伏せる。
「ですが、いい事を思いついたんです!」
 跳ね上がった顔には笑顔が浮かんでいた。満面の笑みが。
「彼らにも楽しんで貰えばいいんだと! それも姉上も一緒に!」
 今にも踊り出しかねない勢いだった。
「ですから、楽しませてあげて下さいね。姉上」

 王女の体が動き、姫の前に跪く。
 そして愛おし気な手付きで男根に触れる。
「やっ! やめてっ!」
 抵抗しようとするが無駄だった。
「さぁ姉上、舐めて下さい」
 言われると王女は顔を近付け、舌を伸ばす。
 先端をチロチロと小刻みに舐め、手で優しく竿を愛撫する。
「あぁぁ……」
 姫から切なげな声が漏れ、男根がさらに大きくなり隆々と起き上がる。
 王女は竿をゆっくり舐めたり、手で緩急を付けて愛撫する。
 その度に姫から甘い声が漏れ、びくっびくっと痙攣した。
「ぁぁあぁ……気持ちぃ……いいですぅ……よぉ、姉上ぇ……」
 姫が恍惚とした表情で言う。
 すると王女は豊満な胸で男根を挟み、上下にしごき始めた。
 最初は優しく、徐々に激しく。
 その動きに姫の官能が高まっていく。
「お……上手でっぇ……すよぉ……ぅ、姉……上」
 確かに王女の動きは高級娼婦も敵わないものだった。
 無論、恋愛経験すら無い王女がこんな技術を身に付けているはずが無い。
 全て姫がやらせているのだ。
 王女の顔に浮かぶ、屈辱や苦痛な表情がそれを訴えていた。
「ぁ姉上ぇぇ、そろそろぉ……咥え……てくれぇま……せんかぁ?」 
「こんな大きなもの、口に入る訳が……」
 王女は抗議したが、聞き入れられるはずが無かった。
「大丈夫ですよ」
 王女の口が独りでに開いていく。
 あまりに大きく開いていく為、王女の顔が歪み、目から涙が溢れた。
 そのまま巨大な亀頭を口に含む。
 それだけでもう口の中は一杯だった。
「さぁ姉上、動きましょう」
 王女の頭が前後に動き、吸い上げていく。
 あまりに動く為、喉の奥深くまで先が当たり、王女が苦痛と嘔吐感に咽ぶ。
 思わず目で姫に苦しみを訴えたが、逆に姫の嗜虐心を煽った結果になった。
 王女の心が絶望に沈みそうになる。
 その時、王女の中で変化が起こった。
 第一王女たる自分はいつも他人に傅かれるのが当たり前の立場だった。
 それが今は跪き、他人に奉仕している。
 それもあの忌々しい妹に!
 いつも凛々しく冷静だった妹が、自分の奉仕で恍惚をした表情を浮かべている。
 ――堪らなかった。
 王女は倒錯した快感を覚えていた。
 その証拠に王女の秘部は独りでに潤い、床に水溜りを作っていた。
 妹が乱れるのをもっと見たい。
 王女は抵抗を止め、寧ろ積極的になった。
「ぁあっ! 姉上っ! 私、もうっ!」
 姫が達しようとしている。
 それだけで王女もまた、絶頂を迎えそうになった。
「もうっ! 出るっ!」
 姫が王女の頭を引き寄せると同時に、口の中へ大量の精液を放つ。
 王女の口内で納まりきる筈も無く、逆流し口や鼻から大量に溢れ出した。
 姫が王女の頭を離すと、王女は力無く仰向けに倒れこんだ。
「はぁぁぁ……姉上……素敵でしたよ」
 姫が満足そうに言う。
 その言葉が、息も絶え絶えな王女には、何故か嬉しく感じていた。

「では、そろそろ本番といきましょうか」
「……えっ?」
 見ると姫の男根が一度放出したにも関わらず、猛々しくそそり立っていた。 
 更に一回り大きくなったように見えた。
「今までのは準備運動のようなものです。もっと楽しくしましょう」
 姫が新しい玩具を与えられた子供のような顔で言う。
「さぁ、姉上。足大きく開いて下さい。入れやすいように、自分で持って広げてね」 
 言われた通りに体が動き、王女の秘部は全て丸見えになった。 
「綺麗ですよ、姉上。ふふっ、私も興奮してきました」
 姫が淫蕩な微笑を浮かべ、王女に覆い被さっていく。
「無理よ……そんなに大きなの……入らないわ……」
 王女が恐怖とも、期待とも取れる表情で言う。
「大丈夫です。さぁ、力を抜いて……」
 王女の体から力が抜けた。
 ――くちゅ
 先端が秘部に触れ、ゆっくりと押し広げながら進んでいく。
「はっ! あぁっ!」
 侵入してくる異物のあまりの圧迫感に息すら出来なくなる。
 このままでは裂ける!そんな恐怖もあった。
 だが、男根は確実に奥へと進んで行く。
 すると何か抵抗を感じた。
「あぁ……姉上ぇ、わかぁり……ますぅか? 処女膜……ですよ」
 姫が男根で突付くように刺激する。
「少ぉし……痛い……ですが、我慢ん……して下ぁ……さいね」
 優しげな声が返って恐怖を増長する。
 姫は腰を少し引くと、一気に突いた。
「あぁああぁぁぁあぁぁあああぁっ!」
 王女の悲痛な叫びが上がる。
「おめでぇ……とう……ございまぁす、ぁ姉上。これでぇ……女になれまぁしたよ」
 姫からの祝福。しかし、あまりの激痛に王女には聞こえていなかった。
「ではぁ、進み……ますねぇ」
 さらに王女の奥を目指し進んで行く。
 王女は白目をむき、口を大きく開けたまま動かない。
 構わず進み、遂に全てを王女の秘部に納めてしまった。
「はぁぁぁぁ……すてぇ……きぃ……」
 姫は頭が蕩けそうな快感を感じていた。
「姉上もぉ……感じてくれてますか?」
 しかし王女は細かく痙攣するばかり。
 やはり処女にこの巨大な男根は荷が重かったようだ。
「……仕方ないですね」
 姫は溜息を付くと指先から針を出し、王女の体に注射した。 
「ひぁああぁっぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁぁっぁあああああぁぁぁぁああ!」
 王女が挿入された状態で激しく反り返る。
「なぁぁっ! にぃぃを……した……ぁぁの……ぉおおぉっ!」
 今まで感じていた激痛が、全て快感に変わっていく。
 王女は自分がどんどん欲情していくのを自覚した。
 私はどうなってしまうのか? 
 恐怖すら覚える凄まじい快感だった。
「気持ちよくなってもらえる様に、少し手助けをしました」
 姫が楽しげに答える。
「これから母親になる姉上に、ちょっとした贈り物です」
「――え?」
「ですから、孕んでもらいます」
 王女はすぐには意味がわからなかった。
「姉上の中に部下の精液を出して、受胎させます」
 姫がうっとりと言う。
「大丈夫です。今の私なら確実に身篭っていただけますから」
「どぉっう……しぃ……てぇ?」
 王女が青ざめながら問う。
「若過ぎた彼らは恋も知らず、こんな素敵な体験も無かったでしょう」
 姫が寂しげに答える。
「ですから死地へと送り込んだ姉上と、素敵な体験をしてもらいました」
 思い出したのか、男根がぎちっと震えた。
「次は彼らの生きた証として、子を残してもらおうと思うのです」
 改めて王女に覆いかぶさり、目を見ながら言う。
「姉上の嫌悪する妹によって、下賎な血の流れる子供を生んで下さいね」
 王女は精神に受けた衝撃の大きさに、思考が停止した。
 その目は何も映していない。
「……いきますよ」
 姫が動き出した。 打ち付けて、引き抜く。その繰り返し。
「あぁぁ! あぁぁぁぁっぁあああっぁぁぁっぁああぁぁ!」
 単調な動きだが、王女は快感の声を高らかに上げる。
 姫によって高められた性欲は、いとも簡単に王女の理性を打ち消した。
「姉上ぇぇ……気持ちぃぃ……いい……ですぅかぁ?」 
「いいぃぁぃっ! いぃ……っ! のぉぉ!」
 姫は激しく腰を振り、打ち付けあう肉の音が響く。
 愛情など微塵も無い強引な性行為だが、今の王女はそれすらも快感だった。
「もぉう……少しぃ……楽しまぁせてぇ……もらぁいぃ……ますね」
 そう言うと姫の肛門がひく付き、触手が生えてきた。
 触手はスルスルと伸び、王女の肛門に触れた。
「そぉこ……はぁちがぁ……ぁううぅぅ!」
 そんな王女を無視して、触手は肛門に侵入していった。
「あっ! ぁあ……っあぁぁああぁ! ああぁっ!」
 前と後ろを同時に犯され、王女が未知の快感にのた打ち回る。
「姉上! すぅ……てぇぇきっ! ですぅ……よっ!」 
 凄まじい快感に王女の目は焦点を失い、口からは涎が流れていた。
 2つの肉棒が王女の中で蠢く。
 王女は翻弄され、狂ったように腰を振り続けている。
 2人の生み出す嬌声と、肉の打ち付ける音だけが空間を満たした。
 蛞蝓の交尾の様な、おぞましくも扇情的な光景だった。
 そしてどの位の時間が経ったのか、遂に終わりがやってきた。
「いぁいいっ! きっ! ま……っすぅ……っよぉっ!」
 姫が王女の子宮の中に、大量の精子を注ぎ込む。
「あぁっぁぁぁぁぁぁっぁああぁああぁぁぁぁああぁあぁ!」
 激しく達する王女の上で、姫は体を仰け反らせ、射精を続ける。
 逆流した精子が2人の間から噴出した。
 2人は力が抜けたように、折り重なった。

 しばらくして姫が目を覚まし、まだ気を失っている王女に声を掛けた。
「お疲れ様でした、姉上」
 添い寝しながら王女のお腹を優しく撫で回して、微笑んだ。
「はっ!」
 その時王女が目を覚ます。
「わ、私は……いったい……」
 自分の体の状態と、隣の姫に気付いて愕然とする。
「いやぁぁぁぁ! いやです! 下賎な者を孕むなど!」
 王女が発狂したかのように叫び出す。
 涙を流し、大声で叫び、手足を振り回して暴れだした。
「死なせて……いっそ殺してぇぇぇっ! ああぁぁぁぁあぁぁあぁ!」
「姉上、胎教によくないですよ。落ち着いて下さい」
 姫が王女を押さえ込み、動きを封じた。
「困りましたね。居縮の術では時間と範囲に制限がありますし……」
 姫はしばらく考え込むと、1つの方法を思い付いた。
「姉上にも、わたしを少し分けてあげますね」
 そう言うと姫の口の中に黝いモノが蠢いた。
「ひぃっ! 何です、それは!」
「すぐに分かりますよ」
 そう言うと押さえ込まれて動けない王女とすばやく唇を合わせた。
 そして、モノを注ぎ込む。
「がぁ! ああぁぁぁあ! ごぁっ! うぉあぁああうぉうぁ!」
 王女の喉が動き、モノが流れ込んでいく。
 少量の為、すぐに王女の中に入っていき、王女はぐったりとした。
「姉上」
 姫が語りかけると、王女は大人しく顔を向けた。
 その目に意思の光は無かった。
「姉上は子供を生まなければなりません」
「……はい」
「自分や子供を傷付ける事は出来ません」
「……はい」
「子供を大切に育てますが、愛する事は出来ません」
「……はい」
「今日の事を、誰かに伝えたり、記録に残す事は出来ません」
「……はい」
「それ以外は今まで通りで構いません」
「……はい」
「もういいですよ」
 そう言うと、王女の目に意思の光が戻る。 
 が、自分の心を弄られた事に嫌悪感を隠せない。
「……私は、お前を許しませんよ!」
「構いませんよ」
 姫は微笑で答える。
「姉上はどこの馬の骨とも知らない、下賎な身分の男の子を産むのですから」
 そして、蔑んだ目で言った。
「お体、大事にして下さいね」
 そう言うと、泣き崩れた王女を残し、浴室を後にした。

 姫が討伐隊の野営地に戻ってくると、それに気付いた副官が駆けてきた。
「姫様!」
「今戻った」
「ご無事で何よりです」
 副官は心底安心したようだった。
「で、王女様とはどうなさいました?」
「あぁ、ますます嫌われてしまったよ」
 姫は苦笑しながら言う。
「だが、身分の違いの事を少しは理解してもらえたと思う」
 副官は驚いた。
「あの王女様が? いったいどんな手を使ったので?」
「なに」
 姫は悪戯っぽく笑い言った。
「身内の話だ」
「はぁ」
「そんな事よりもう休みたい。明日も朝一番で出発するぞ」
「はっ!」
 副官は一礼すると、自分の場所へ帰って行った。

 目指す王城まで、あと少しだった。 

< つづく >

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