女の子たちが扇風機で涼むだけのお話

 ミーンミーン……ジジジジ……。

 蝉の声がけたたましいほどに響く窓の外では、アスファルトから立ち上る蜃気楼が周囲の景色を歪めている。

 窓から容赦なく照り付ける日差しが、じりじりと体のあちこちを蝕んでいく。座ってじっとしているだけでも、皮膚のあちこちから玉のような汗がじわり、じわりと噴き出してくる。

 

「ちょ……ちょっと今日、いくらなんでも暑すぎじゃない?」

 

 七海はぐったりと床に座り、ぱたぱたと掌をうちわのようにして水色のキャミソールの上に羽織った紺色のアウターから覗く首筋を扇ぐ。短めのキュロットから覗くすらりとした脚にも、じんわりと汗が滲んでいた。

 

「しょうがないでしょ……浩一の部屋のエアコンが急に壊れちゃったんだから。文句言ったって涼しくなるわけじゃないんだから、黙ってなさいよ……」

 

 美沙は呆れたようにつぶやくが、その声にも覇気がない。部屋に籠った熱気のせいで、体に力が入らないのだ。よく見れば、美沙の白いブラウスもわずかに汗で素肌に張り付いているのが分かる。

 

「ああもう、なんだって今日、浩一の部屋に遊びに来ようなんて思ったんだろ……おまけに本人は何か冷たい物買ってくるって出て行ったきり、全然戻ってきそうにないし──」

 

 Tシャツにミニスカートという元気いっぱいのコーデに身を包んだ悠麻も今回ばかりは参ってしまったようで、力なく床に座り込んでいた。

 

「……とにかく、このままじゃ熱中症にでもなっちゃうわ。文句を言うよりも、部屋にあるもので何とか涼を取りましょう」

 

 美沙が提案する。確か浩一が出かける際に『部屋の中にあるものは好きに使って涼んでもいい』と言っていた筈だ。

 といっても、エアコンが壊れた状態で涼を取れる道具など限られている。何か使えそうなものはないかと部屋の中を見回していた美沙だったが──ふと、部屋の真ん中に設置された『あるもの』が目に留まった。

 

「ねえ──この扇風機、もしかして使えるんじゃない?」

 

 何故こんな目立つものが部屋の真ん中に置いてあることに今まで気づかなかったのか。だが、そんなことは今の3人にとっては些細な事だった。大事なのは、これで涼むことができるという事実だ。

 3人は示し合わせるでもなく部屋の真ん中に集まると、扇風機をまじまじと観察する。

 高さは1メートル弱、ちょうど人が座り込んだくらいのサイズだろうか。ボディの部分には、恐らくは製品番号であろう『K-01』という文字が印字されている。

 

「『K-01』って──これ最新の超高性能モデルじゃない!」

「ええ、そうね……私も実物を見るのは初めてだけど」

 

 扇風機を観察していた七海がコメントすると、美沙も頷いた。

 『K-01』。音声認識や人感センサーといった最新技術の粋を結集した扇風機であり、その機能はこれまでの扇風機の概念とは一線を画す、まさに扇風機界における革命的な存在であった。

 そう言えば、どこでそんな情報を知ったのだったか。恐らくテレビCMか何かだろう。

 

「じゃあ、遠慮なく使わせてもらおうよ! 浩一も部屋にあるものは好きに使っていいって言ってたし、別に怒られたりしないでしょ……えっと、K-01、『スイッチオン』!」

 

 悠麻が我先に扇風機の正面を陣取ると、スイッチを入れる合言葉を発した。

 

 ぶわっ。

 

 扇風機からファンの回転とともに冷たい空気が目の前の悠麻に対して勢いよく吹き付ける。

 

「あああ~、生き返るー! 涼しい~!」

 

 満面の笑みを浮かべて扇風機に顔を近づける悠麻。

 大げさではない。扇風機のファンから自分に向けて風が発せられた瞬間、一瞬にして全身の汗が引き、今までの暑さが嘘のように吹き飛んで爽やかな清涼感が全身に広がったのだ。

 これだけの風量にもかかわらずモーター音が全くしないというのも驚きである。

 これまでエアコンという文明の利器に頼りっぱなしだったせいで長らく使う機会がなかったが、扇風機というものはここまでの進化を遂げていたのかと悠麻はいたく感心する。

 叶うならば、このままずっとこの風を浴び続けていたい。

 

「ん-……」

 

 うっとりとした表情を浮かべた悠麻は少しでも風を全身に受けようと、知らず知らずのうちにその顔を扇風機のファンに近づけていく。

 3センチ、2センチ、1センチ。目を閉じた悠麻の唇が、今にも扇風機のヘッドに触れそうになり──

 

「ちょっと悠麻、独り占めしないでよね! そんな真正面に陣取られたら、私と七海が涼めないでしょ!」

 

 夢見心地になっていた悠麻の意識を引き戻したのは、少し苛立ちの籠った美沙の声だった。

 風を受けている悠麻からすれば涼しいのかもしれないが、そのせいで全く美沙の方に風が来ないのだ。

 おかげで美沙にしてみれば扇風機を使う前と何も変わらない──いや、自分が暑い思いをしている横で悠麻だけが涼んでいるのを見せつけられるという意味では、先ほどの方がまだマシだった。

 険悪になりそうな空気を宥めるために助け舟を出したのは七海だった。

 

「えっとさ、暑いのはみんな一緒だから、仲良く3人で並んで使わない? K-01って、確か暑そうな人を感知して自動的に風を送ってくれるんだよね? それなら、3人で公平に涼めるんじゃない?」

「うー……まあ、いいけど……」

 

 渋々と、扇風機から距離を取る悠麻。反対したいのはやまやまだが、七海の方が正論である以上は大人しく引き下がるほかなかった。

 

「K-01、『首振りモード』!」

 

 七海が指示を出すと、K-01のヘッドがゆっくりと左右に振れはじめる。

 最近の扇風機には部屋全体に風が行き渡るように、首振り機能が標準搭載されている。

 だが、この機能には弊害もある。ほとんどの場合、あくまで設定した範囲を機械的に往復する機能しか持たないため、せっかく自分の方を向いていた扇風機があらぬ方向を向いてしまい、人間の方がその動きに合わせて追いかけるといった本末転倒な状況に陥ってしまうこともあるのだ。

 だが、この『K-01』は驚くべき方法でその課題を解決していた。何と、人感センサーによって暑そうにしている人間を自動的に感知し、そちらの方を向いてくれるのだ。

 

「うわぁ……本当、嘘みたいに涼しい……!」

 

 K-01が七海の方を向くとまるで強力な冷風機にでも当たっているかのように、体にまとわりついていた不快な暑さが一気に吹き飛び、体の芯まで一気に冷えるのが分かる。

 もしかしたら本当に空気を冷やす機構が内蔵されているのかも知れないが、七海にとってはどちらでも良かった。大事なのは、この風が自分にとって至福の瞬間を提供してくれるという事実だ。

 

「ああ……こんなことなら、もっと早くこの存在に気付いていれば、暑い思いなんてしなくて済んだのに……」

 

 K-01の首がさらに回転して美沙の方を向くと、先ほどまで眉間にしわを寄せていた美沙までもが緩み切った表情を浮かべる。

 ああ、もう少し、あと1秒だけでもいいからこの風に当たっていたい。だが美沙のその願いは残念ながら叶わなかった。

 数秒の間、美沙の方を向いていたK-01の首が方向転換し、再び七海の方にその首を向けたのだ。

 

 むわっ。

 

「っ……!」

 

 その瞬間、信じられないほどの不快感が美沙を襲う。

 まるで、扇風機によって吹っ飛んで行った熱気や湿度が、反動をつけて一気に美沙に襲い掛かってきたかのように。

 一度天国を知ってしまった今、再び地獄の苦しみに耐えられるはずがない。

 だが、扇風機を独占していた悠麻を叱った張本人として、同じような真似などできるはずもない。結局、美沙は身を焼くような暑さに耐えながら再びK-01が自分の方を向いてくれるのを待つしかなかった。

 

 そして、それは七海と悠麻も同様だった。扇風機の風という天国が味わえるのはほんの数秒。それが過ぎると、灼熱地獄に逆戻り。その拷問のようなサイクルが延々と繰り返される。

 

 その状況に最初に音を上げたのは、悠麻だった。

 

「あー、もう……我慢できないっ!」

 

 悠麻は耐えかねて、自分のミニスカートの裾を掴むと、少しでも涼しくなるようにぱたぱたとはためかせる。当然、ミニスカートの裾が持ち上がるたびにその下からピンク色の下着がちらちらと覗くが、そんなことを気にしている場合ではなかった。どうせこの部屋には女子しかいないのだ。

 

 ──が、次の瞬間。

 

 ぐいんっ!

 

 これまで左端にいた美沙の方を向いていたはずのK-01が、一瞬にして方向転換し、右端にいる悠麻の方に向き直ったのだ。

 束の間の清涼感を全身で味わっていた美沙は、突然ボーナスタイムが終了したことに思わず声を上げる。

 

「なっ……!?」

「はぁ~……。何か知らないけど、ラッキー……♪」

 

 思わぬタイミングで訪れた冷風に身を任せながら、悠麻はその風を自分のスカートの中に送り込むかのようにぱたぱたと持ち上げる。もはや完全に吹っ切れているようで、悠麻がスカートの裾を持ち上げる度に、スカートの下からピンク色のショーツが繰り返し顔を覗かせていた。

 

「ちょ、ちょっと悠麻、アンタだけズルい……じゃなくて、はしたないでしょ!」

「えー、いいじゃん、どうせ女子しかいないし、それに、これくらいしないともう暑くて我慢できないんだもん」

 

 生真面目な美沙は友人の行動をたしなめるが、悠麻はお構いなし。乙女の恥じらいなど、この全身を包む快感に比べればチリ紙ほどの価値もなかった。

 

「もう、悠麻ってば……ん?」

 

 ここで、七海はふと違和感に気付いた。先ほどから、K-01が悠麻の方を向いたきり、動いていないのだ。結果的に、七海と美沙だけがいつまでも炎天下の部屋の熱気に包まれていた。

 まさか、首振り機能の故障? いや、違う。確かこのK-01の機能は、『暑そうにしている人を検知して、自動的にそちらの方を向く』だったはずだ。ならば、そもそも『暑そうにしている人』というのはどんな基準で決まっているのだろうか?

 ここまで考えた七海は、一つの仮説にたどり着いた。そして、その仮説を検証してみる価値は十分にあった。

 

「……でも確かに、悠麻の言うとおりだよね。本当に、蒸し暑くて嫌になっちゃう……」

 

 七海は大きな声で呟きながら、アウターに手をかけて脱ぎ捨てる。その下から現れたのは、薄手の水色のキャミソール。その下からは、白のブラジャーの肩紐も顔をのぞかせている。

 

 ぴくり。一瞬、K-01が反応すると、まるで七海のその姿に興味を持ったかのように首がそちらに向き始める。

 

 やはり。七海は自分の仮説が正しいことを確信した。K-01は、高度なセンサーによって、最も暑そうにしている人間──つまり、最も薄着の人間に首を向けるようにプログラムされているのだ。

 いや、単に薄着になるだけではなく、人前であればはしたないとされる格好であるほど、価値が高く判定されている可能性が高い。だからこそK-01は、スカートをめくって下着を見せた悠麻の方に首を向けたまま動かなかったのだ。

 

「ふぅ……これで、少しは楽になったかな」

 

 キャミソール姿になった七海は大きく伸びをする。七海のスレンダーなボディラインが布地越しにはっきりと見て取れるとともに、まるで男子がチラ見でもするかのようにK-01が七海の方を向き、再び七海の全身が涼しさに包まれる。

 これでよし。少々恥ずかしいが、どうせ浩一も当分の間は戻ってこないのだ。少しくらい脱いだって構わないだろう。

 風を自分の方に向ける方法を見抜いたことに内心でほくそ笑む七海だったが、そのアドバンテージも長くは続かなかった。

 

「ちょっと二人とも、そんな……。……そんなことされたら、私も我慢できなくなっちゃうじゃない……うぅ」

 

 自分以外の女子2人が脱いでいるというシチュエーションに加えて、自分一人だけK-01の風を受けることができない状況に、美沙がいつまでも耐えられるはずもなかった。

 刻一刻と増していく蒸し暑さに耐え兼ね、とうとう美沙までもがブラウスのボタンを一つ、また一つと外し始める。三つ外して、胸の谷間が見え始めても美沙の手は止まらない。

 

「ああ……もう、限界っ!」

 

 美沙はとうとうブラウスのボタンを全て外して大きく開け放つと、青のボーダー柄のブラジャーが大胆に露出する。

 

「おぉっ!」

 

 K-01がぐるんと美沙の方に首を向けると、涼しい風が一気に美沙の方へと押し寄せ、全身がひんやりとした感覚に包まれていく。美沙は大きく腕を広げて風を一身に迎え入れる。

 

「あぁ……気持ちいいっ……!」

 

 ここに至り、察しの悪い悠麻もようやくカラクリにたどり着く。

 

「え……? もしかして、『暑そうにしてる人の方を向く』って、そういうこと!? だ、だったら──こっちだって、負けないんだからっ」

 

 Tシャツを一気に脱ぎ捨て、ショーツとお揃いのピンク色のブラを丸出しにする悠麻。

 もはや、あの清涼感を味わうためには、形振り構っている場合ではなかった。

 

「……っ、そっちがそのつもりなら、受けて立つわよ! あー暑い暑い!」

 

 七海はキャミソールの下から背中に手を回すと、ぷちんとホックの外れる音が鳴る。

 数秒後、七海の白いブラジャーが部屋の床に落ちると、七海の控えめな胸の膨らみの真ん中、つんと立った頂点が、水色のキャミソール越しにはっきりとその存在を主張していた。

 

「ちょっ……ダメっ! こっちの方、向きなさいよっ! ほら!」

 

 K-01の首が自分の方向を離れていくのを察した美沙も、二人に対抗するように自分のフレアスカートの正面を掴むと、胸の高さまで大きく持ち上げる。

 ブラとお揃いの、水色のボーダーのショーツが完全に丸見えになるが、K-01の風を自分に向けるためならば安いものだった。

 

 ぐいん。ぐいん。

 三人がシャツを脱ぎ捨てたりスカートをめくり上げたりするたびに、K-01の首がむち打ちを起こしそうなほどに右へ左へと忙しなく揺動する。

 

 もはやエスカレートした3人の争いは、完全に歯止めが利かなくなっていた。

 周囲に女子しかいないという安心感に加えて、自分以外の2人も率先して脱いでいるということで生じる対抗意識によって、自制心がブレーキとして機能しないのだ。

 

 3人の頭の中にあるのは、一つだけ。何とかして、K-01を自分の方に振り向かせたい。

 

 スカートの中に手を突っ込んで、するするとピンク色のショーツを下ろす悠麻。

 キュロットを脱ぎ捨て、ショーツにキャミソールだけというあられもない格好を晒す七海。

 ブラジャーを放り捨て、ノーブラの状態でブラウスの前を大胆に開く美沙。

 

 完全にエスカレートした3人のストリップは、もうとどまるところを知らなかった。

 

 

……

………

 

「……くす、そろそろいいかな……3人とも、『ただいま』」

 

 ぱん!

 

 手を叩く大きな音が、部屋の中に鳴り響く。

 

「にゃ……?」

「ふぇ……?」

「は……?」

 

 ショーツを足首まで下ろした状態でミニスカートの裾をたくし上げた悠麻も、薄手のキャミソールを大きくめくり上げて成長途上の控えめな胸の頂点に咲くピンク色の突起まで晒していた七海も、ブラウスの正面を自らの手で限界まで開いて豊満な双丘を露わにしていた美沙も、いつの間にか部屋の持ち主である浩一が目の前に帰っていたことに気付き、一斉に悲鳴を上げる。

 

「な、なななっ……浩一、戻ってきたならそう言いなさいよっ!」

「いや、部屋の前で呼びかけたんだけど返事がなかったから……熱中症にでもなってるのかと心配して開けたんだけど、もしかして、お楽しみ中のところだった?」

「~~っ!? ち、違うわよ! これはその、K-01のせいで……!」

「……? 『K-01』って……何のこと?」

「何って、もちろん──あれ?」

 

 勢いに任せてまくし立てていた美沙は、そこでふと我に返る。

 

 ──『K-01』って、なんだっけ?

 

「だって──え? ……あれ? 私、なんで浩一の部屋でこんな格好……?」

 

 先ほどまで確かに頭の中に存在していたはずの物が、思い出そうとすればするほど急速に霧散していく。まるで目が覚めた瞬間に幻のように搔き消えてしまう、午後の授業の微睡みの中で見ていた白昼夢のように。

 はっきりと覚えていることはたった一つだけ。あまりの暑さに、女子たち3人で競い合うように衣服を脱ぎ捨て、あられもない姿を浩一の部屋で晒していたということだ。

 自分たちのしでかした失態を思い出して押し黙ってしまった美沙たちの格好を眺めまわして、呆れたようにかぶりを振る浩一。

 

「はぁ……まったく、年頃の女の子が揃いも揃ってだらしなく脱ぎ散らかして。そりゃ、確かに好きに涼んでいいとは言ったけどさ……」

「っ……そ、そうよ! そもそも、出かける時に『好きに涼んでいい』って言ったのは浩一の方でしょ! だったら、私たちがどんな格好してようと私たちの勝手じゃない! そうよね、二人とも?」

 

 咄嗟に浩一の発した言葉尻を捕らえて、自分たちの行為の正当化を試みる美沙。もちろん、いくら暑いからといって人様の部屋であられもない姿を晒してしまった自分たちの落ち度なのは分かっているが、それを素直に認めるのは癪だった。

 

「え、えっと、うん。確かに脱ぎ散らかしたのは悪いとは思うけど、後でちゃんと片付けるつもりだったし、ね……?」

「そ、そうそう! 別に女子同士だったらこれくらい普通だしね! むしろ浩一の方こそタダで目の保養ができたんだから、ありがたく思いなさいよっ」

 

 どこか釈然としない表情を浮かべながらも、美沙に調子を合わせる七海と悠麻。

 しかし口に出しているうちに、3人の中で今回の出来事はすっかり『暑さのあまり、つい女子同士の悪ノリが高じて脱ぎ散らかしてしまった』ということで落ち着いたようだ。

 

「はいはい、分かったよ……まあ、元をただせばこの暑い中で待たせてたのは僕の方だしね。

 お詫びと言うのもなんだけど、さっき買ってきたスイカを冷蔵庫にしまったからみんなで食べない?」

「「「食べるっ!」」」

 

 渡りに船とばかりの提案に3人の返答がきれいに揃う。気まずい記憶など、おいしいものを食べて忘れてしまうに限る。

 浩一に連れられてキッチンにたどり着いた頃には、3人の中で先ほどの一連の記憶はすっかりと彼方に消え去っていた。

 

 大玉のスイカを包丁で切った4人はその後、クーラーの効いた浩一の部屋で、芯までキンキンに冷えたスイカをたっぷりと堪能したのだった。

 

 <おわり>

 

6件のコメント

  1. 読ませていただきましたでよ~。
    ピクシブで・・・あるのは知ってたけど読めてなかったw

    なんて高性能な扇風機・・・まさか薄着なのを感知して向くとはw
    どこにそんなセンサーがw
    きっと本体の上の方の丸っこいところの中心にあるデュアルカメラでぅねw

    そしてどうやって涼ませてるのかと考えてあそこをブルンブルン回している図を思い浮かべて「それなんてガツン?」と自己つっこみをしてしまいましたでよw
    実際には相対したら涼しく感じるとかそんなところなんでしょうけれど、液体を引っ掛けてる説もちょっと頭をよぎったりw

    であ、次回作も楽しみにしていますでよ~。
    うちにもK-01一台・・・いらないでぅねw
    73や33、U0あたりなら欲しいかも?

    1. >みゃふりん
      感想ありがとですー。
      まあ、女の子が扇風機に向けてスカートを持ち上げて涼んでるシーンとかを見ると
      「催眠で扇風機だと誤認させて目の前の光景を堪能したい」って思うのは催眠フェチなら当然ですよね。(クソデカ主語)

      涼ませてる方法は作中に書いてはいませんが割と単純で、エアコンで涼しくしてます(物理)。
      冒頭の暑さの感覚自体が催眠暗示で与えたものなので、あとはK-01が相対しているかどうかで感覚のスイッチが切り替わるシンプルな仕組み。

      私の場合はかかりたい欲望の方が強いので、「チートじみた催眠術が使える男子」と、「そのへんにいる女子」だったら、前者の方が欲しい……。

  2. 事情により永慶さんが書き込めないため、コメントを代筆いたします
    ——————————————
    ティーカさんの1ネタで丁寧に微エロや中エロくらいを書ききるタイプの作品、大好きです。
    品があってチラリズムのようなそそり方で、心に残って、結局何度も読み返すんですよね。
    最後の部屋の説明も、ニヤリとしてしまいました。
    暑い夏を楽しめる清涼感ある作品。ありがとうございました!

    1. ありがとうございますー!
      自分があまり下品なのを書くのが苦手っていうのもあって、基本的に作風もこんな感じが好みなのです。
      「女の子を可愛くMCする」を座右の銘としております。(今考えた)
      ふへへ、ちょっとしたオチで種明かしする展開も大好きです。

  3.  おつかれさまあでした。
     モーターなんでしたっけ。

  4. おつかれさまでしたあ。

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