~ノアの方舟 Noah’s Arc~ 前編 ―――遥か昔、全知にして全能の神は、彼らの住まう世界より彼方の下界に、新たな命を創り出した。神々のような偉大な力は持たず、身体も心も、敢えて未発達のまま生み出されたその命は、全
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キャッツ・アイ 第12章
第12章 ~The Sages 賢者~ 後編 カフェレストラン「あっとほーむ」PM13:30―――――― 岸田の返事を聞くと、ウェイトレスはお盆に乗ったパフェを三人の前に置いた。 「マスター・カラノ・センベツ・デス。オ
もっと読むキャッツ・アイ 第11章
第11章 ~The Sages 賢者~ 前篇 岡崎医院 12:10―――――― 午前中の診察を終えたところで、岡崎 直紀は院長室で白衣を脱ぎ、ワイシャツの上からスーツのジャケットを着た。書類の棚の一番奥に、隠すように仕
もっと読むキャッツ・アイ 第10章
第10章 ~ZEUS ゼウス~ 某所 使用人室 AM6:00―――――― 「ぐぅ! んっ! ごっ! おっ、おっ、むぅ!」 日の射してきた部屋に、異様な音が一定のリズムを刻んでいた。 アケミは男のモノを咥え、赤い猫の目
もっと読むキャッツ・アイ 第9章
第9章 某所 使用人室 AM0:00―――――― 窓の無い広めの部屋に、得体のしれない音が響いている。広めと言っても、ベッドが8つもあり、8人が寝泊まりするには狭い中途半端な広さであった。男がこの屋敷を手に入れた時、前
もっと読むキャッツ・アイ 第8章
第8章 某所 教育部屋 PM9:45―――――― ティーチャーは教育部屋の奥にある、膨大な量の冊子や物品が並ぶ戸棚に向かった。「教育」を受けた少女の通し番号、仲間入り後の名前と所属する群れ、奴隷猫となる前後の写真から、
もっと読むキャッツ・アイ 第7章
第7章 A区署 PM9:00―――――― 岸田は喫煙室のソファに横になっていた。眼は固く閉じられている。もう6時間ほど眠り続けていた。 岡崎と面談して署に帰ってくると、捜査ニ課長の山本が血相を変えて駆け寄ってきた。
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第6章 AM8:50―――――― 岸田は車のドアを開け、乗り込んだ。 「岸田さん、本当に岡崎が犯人だと思っているんですか?」 助手席に乗り噛んだ山口が、岡崎の話が終わってから続いていた沈黙を破った。 「容疑者の一人、
もっと読むキャッツ・アイ 第5章
第5章 AM6:00 某所:教育部屋―――――― 「あああああっ!あっ、ああっ、ああああああっ!!」 明美は十数回目の絶頂を迎えた。3時間前の、最初の絶頂から全く変わらない興奮が明美を襲う。明美の足元は明美が3時間放ち
もっと読むキャッツ・アイ 第4章
第4章 ティーチャーの後ろに従うまま、明美は「教育中」の少女達の間を歩いていった。 横に5枚ずつ2列、計10枚の、黒光りする壁の如く垂直に立てられた板に、少女達は裸で「大」の字に磔にされている。息を弾ませ、肌を紅潮さ
もっと読むキャッツ・アイ 第3章
第3章 某所、猫の館:大広間――― 男は左手で優雅にワインの入ったグラスを傾けた。右手は傍らで男に抱きつくようにしている一人の奴隷猫に伸びている。 レオタードを脱ぎ捨て、裸となったその猫は、男の首に巻きつくように腕
もっと読むキャッツ・アイ 第2章
第2章 「どうも、お疲れのところお邪魔致しました」美希の家の玄関で、体格の良い男、岸田が言った。横で細身の若い男、山口も並んで頭を下げた。二人は、美希の失踪を捜査するために来た刑事だ。先日から起きている、女子生徒の失踪事
もっと読むキャッツ・アイ 第1章
第1章 A市某所――カツ、カツ、カツ。革靴の乾いた音を響かせながら、男が長い廊下を歩いていた。ある部屋の扉の前で立ち止まると、ゆっくりとその扉を開いた。中は暗闇に包まれている。男は綺麗に髭を剃ってある、ほっそりとした顎
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