ガツン(?)

(『ガツン』は、ジジさんの作品です)  ──『ガツン』。  数年前から認知され、世間を騒がせている現象の通り名だ。  何の前触れもなく、町の住民の後頭部から鳴り響く、“ガツンッ”という音。それとともに、彼らは突然おかしな

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My Sweet Sweet Witch

 ……毎日が、面白くなかった。  繰り返される似たような、学校での日々。大学受験のことしか言わない、母親。ろくに眼を合わそうともしない、父親。判ったような口をききながら、結局他人の悪口でしか盛り上がれない、クラスの連中…

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夢の続き ending

ending  夢を、見た。  翠色の、夢。  物心ついた頃から何度も何度も見てきた、同じ景色。  どこかの森の中。高い壁に囲まれた、古い2階建ての大きな洋館。  僕は鉄柵でできた大きな門の外側から、いつもその建物を覗い

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夢の続き 第五話

第五話 「……あ」  目を、覚ました。  東向きの窓のカーテン越しに、穏やかな光が部屋の中へと射し込んでいる。  どこか遠くで、小鳥の鳴き声がした。 「センパイ…?」  部屋の中を見回すが、誰もいない。  僕は裸のまま上

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夢の続き 第四話

第四話  昼休み、学校の食堂はいつも通り混み合っていた。  キツネうどんを乗せたトレイを手に、僕は空いている席を求めきょろきょろと辺りを見回す。 「あ……」  空いている席を発見。  しかも、そこには知っている顔が座って

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夢の続き 第三話

第三話 “ぺちゃ……、ぴちゃ……”  静かな部屋の中に、淫らさを感じさせる水音が響いている。  翠色の夢の中、洋館の2階にある図書室。  ここにはいくつもの本棚が並び、そこにはびっしりと古めかしい本がたくさん並べてある。

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夢の続き 第二話

第二話  ……何かの音で、はっと目を覚ました。  あわてて周りを見渡す。  自分の、部屋だ。  制服のまま、ベッドに横になっていたらしい。  それが当たり前と思いつつも、どこか『ほっ』とする自分を感じる。  それほど、リ

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夢の続き 第一話

第一話 「おはよう、倉田くん」  高校の門のところで、聞き覚えのある声をかけられた。  後ろを向くと、やっぱり、見知った女子生徒が立っていた。 「あ、おはようございます。高島センパイ」  彼女の名前は、高嶋 由香里(たか

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