家庭教師 キャンパスライフ

キャンパスライフ

「紀子、最近はどうしている?」涼子が聞いてきた。
「どうって、別に変わったことはないけど、何なの?」
 紀子は涼子に尋ねた。
「別に・・か。そうそう、私もパソコンを始めようって思ってんだけど、どう思う?」
 唐突に涼子は紀子にこう聞いた。
「どう思うって、別に涼子がやりたいんだったらいいんじゃないの」
「違うわよ。そんな答えじゃなくて、一也君よ」
「え、一也君?」
 紀子は素っ頓狂な声をあげて聞き返した。
「そう、一也君」
「何言ってんの、涼子は。何でそこで一也君が出てくるのよ」
「だって、彼ってパソコン詳しいし、いろいろ相談にのってもらおうって思って、それでね。紀子」
「何よ。私にまた一也君に聞いて欲しいって訳なの?」
「そう、そうなのよ。また今度、家庭教師に行くじゃない。それで、一也君の都合を聞いてきて貰いたいの・・・。紀子、お願い」
 そう言って涼子は紀子を拝むように両手を合わせた。
「まったく、こうと決めたら頑固なんだから、涼子は。仕方ないわね。一也君に聞いといたげる」
「サンキュー、紀子。それでこそ親友だ。ところで、今度の土曜日、紀子予定ある?」
「え、土曜日。別にないけど、何?」
「また、紀子んちにお邪魔してもいいかな?」
「いいけど、何?」
「うん、こないだの月曜日の続きなんだけど、またちょっと勉強したくって、また紀子悪いけど、付き合ってくれない?」
「いいわよ。土曜日ね。土曜日は昼の講義が終われば空いているし、いいわよ。時間は?」
「じゃぁ、3時でどう?紀子んちに3時」
「いいわよ。3時ね。予定が変わるようだったら携帯に電話頂戴よ」
「OK。じゃぁ、土曜日3時ね。それじゃ、私、行く所があるからバイバイー」
 そう言って涼子は席を外した。
 紀子は思った。
 まったく、涼子っていつも思い付きで行動するんだから、それでいて相手の都合をあまり考えないで人に物を頼んじゃうあの性格、私にはできないなぁ。
 まぁ、いいわ。一也君に聞くだけ聞けばいいんだし。それにしても涼子が急にパソコンに目覚めるなんてどうしたんだろう。まぁ、パソコンに興味が出てくるのは悪いことじゃないし、就職とかには有利だろうし、調べ物にも便利だし、ま、いいか。
 あ、もうこんな時間。そろそろ教室に行かないと講義に遅れちゃうわ。

 紀子はバッグを持ち席をたち次の講義のある教室に向かった。

 そして、家庭教師の日になった。
 紀子はいつもの様に自宅のマンションに一旦戻り、下着を着替え、鞄の中にコンドームを忍ばせて一也の家に向かった。

「ピンポーン」紀子は、いつもの様に一也の家のチャイムを鳴らした。
「はーい」中から女性の声が聞こえた。そして玄関の扉が開いた。
「あら、先生。ご苦労様です」そう言って一也の母親が玄関から顔を覗かせた。
「お久しぶりです。お仕事の方はもう落ち着かれたのですか?」
「ええ、おかげさまで、順調。ようやく軌道に乗り始めたところ。でも以前ほどバタバタしなくても大丈夫になったんです。先生も1ヶ月近くお構いできなくってごめんなさいね。でも、今日からは先生のいる時間は家にいられるんで、お茶とかもちゃんとお出しできますわ」
「そんな、お構いなく。それに、おばさまがいらっしゃらない時、一也君が気を使ってお茶とか入れてくれたりしてたんですよ」
「まぁ、そうなの。そんな事全然知らなくって。あら、ごめんなさいね。上がってください」
 そう言って一也の母親は紀子にスリッパを出した。
「おじゃまします」そういって紀子は出されたスリッパを履き一也の部屋のある2階へとあがっていった。
「トントン」ドアのノックの音。
「はい、どうぞ」僕は返事をした。
「一也君、今晩は」紀子はそう言いながら部屋に入ってきた。
「一也君、おかあさん仕事落ちついたってね。さっき下で話してたんだけど」
「はい、聞こえていましたよ。店の方も落ち着いてきたみたいで、最近は夜にはちゃんと帰ってきてます」
「そう、良かったわね。お母さんが家にいると安心でしょう」
「まぁ、安心は安心ですけど、ちょっとお小言がうるさいのがたまにきずですけどね」
「そんな事、言うもんじゃないわよ。お母さんだって一也君の為を思って言うんだから」
「まぁ、それはそうですけど。ちょっとの間の自由時間ももうなくなった感じがしてそれで、ちょっとね」
「まぁ、贅沢ね。さぁてと、勉強を始めましょうか」
「はい、ちょっと聞きたいことがあったんで、先生、いいですか?」
「うん、何?」
「紀子は僕の催眠のとりこ」僕はそう言うと紀子は、すぐに眼を閉じて
「わたしは、あなたの催眠のとりこです。」と言った。
「紀子、良く聞くんだ。下にはおふくろがいるから今日はうるさくしてはいけないからね。それに、おふくろがこの部屋に入ってきても紀子が僕の奴隷であることは絶対にばれてはいけないよ。それは分かっているね」
「はい、ご主人様。ご主人様のお母様にばれない様にいたします」
「よろしい、いい子だ。それにちょっとこれからは小さめの声で話すようにしなさい。でないと下にいるおふくろに聞こえてしまう可能性がある。いいかい?」
「はい、ご主人様。これぐらいの声でいいですか?」そう紀子は囁いた。
「うん、OKだ。ちょっと待って・・・。これでよしと」
 僕はそう言って階段に向けて取り付けたセンサーのスイッチをONにした。
 これで、誰かが階段から上がってきたらチャイムが鳴ってわかるという訳だ。
「それじゃ、紀子。今日は全部脱ぐんじゃなくてちょっとスカートをずらして下着をちらっと見せてごらん」
「はい、ご主人様。こうですか?」紀子はそう言ってスカートを少しずらすとパンティをわざと見えるように足を組み直した。
「よろしい、それじゃ」そう言いながら僕は紀子の体を陵辱した。
 衣服を着たまま、紀子を陵辱するこのシチュエーションはいつもに増して官能的だった。
 下におふくろがいる状況もばれてはまずいという緊迫感がより一層一也と紀子の官能に火を付けていた。
「ああ、ご主人様。ああぁっ・・・」
 紀子は声を出さない様に自分の指をかんだ。
 その様子を見て僕はますますエキサイトした。
 紀子のブラウスの下から手を入れてブラジャーを弄んだ。そして、ブラジャーの中の形のいい乳房を手で楽しみながらその先端の硬くなった乳首を指で摘まみながらオッパイを揉み出した。
「ああ、ああ、ご、ご主人様・・・。ああ」
 紀子は声をころしながら悶えていた。
「紀子、このままでするよ」
 僕は、そう言って紀子を立たせて僕のイスの前にして机に両手をつかせてバックからスカートをたくし上げてパンティをめんどぐさげにずり下ろし、バックから犯した。
「ああ、ご主人様。いい、いい」
 紀子は明らかにこの状況を楽しんでいた。ご主人様の実の母親がいる家でご主人様にバックから犯されその上、いつその母親が来るかもしれないというスリリングな状況を紀子は淫乱な雌犬のように犯されながら感じていた。背徳と羞恥心と緊張感で紀子はいうもより一層快感を感じているのだった。
 一也もこの状況を楽しんでいた。涼子をものにしてからというもの、以前の一也が持っていたある種異常とも言える慎重さが欠けていた。
 両手を机についている紀子を背後からオッパイを揉みながら紀子のオマ○コに僕のモノを入れて僕はいつもより激しく前後に動かしていた。
 やがて僕は、上り詰めた。
「紀子、いくよ」
 そう言って僕は紀子の中で果てた。
 紀子もいつもより早くいった僕に少し遅れてオーガズムを迎えた。
「ああ、ご主人様・・・」そう言って紀子は机の上に倒れ込んで果てた。
 僕は、しばらくしてティッシュで自分のモノを拭いてきれいにすると紀子のオマ○コをティッシュで優しく拭いてあげた。
「ああ、ご主人様。ありがとうございます」
「いいよ、紀子。今日はいつもより感じてしまって、じっとして」
 そう言いながら紀子のオマ○コをティッシュで拭うとそれをビニール袋につめてごみ箱に捨てた。
「さぁ、パンティを履いて身繕いしなさい」
「はい、ご主人様」紀子はそう言うと身繕いをしてイスに座り直した。
 紀子が来て40分が過ぎていた。
 そろそろおふくろがお茶とかを持って来るかもしれない。
 そう思って僕は、部屋の窓を開けて空気の入れ替えを行った。
「あんまり分からないかもしれないけれど、一応空気の入れ替えをしておくよ」
「はい、ご主人様。念には念を入れておくんですね」
 紀子はそう言って僕に微笑みかけた。
 5分ほど窓を開け、空気の入れ替えを行った後、僕は紀子に言った。
「さぁ、紀子、紀子は僕の奴隷のままで英語の家庭教師をするんだ。いいね。さっきも言った通り、僕のおふくろにはばれない様にするんだよ。いいね?」
「はい、ご主人様。紀子はご主人様の奴隷のまま家庭教師をします。それにご主人様のお母様には絶対にばれない様にします」
「よし、それじゃぁ、紀子せんせい。勉強の続きをしましょう」
 そう言って、傍目からは紀子が催眠状態で奴隷に成っているとは分からない様に英語の勉強を始めた。
 しばらくすると、おふくろが上がってきた。「トントン」ドアをノックする音が聞こえた。
 僕は、「はーい、どうぞ」そう言った。
「上北先生、ご苦労さまです。お茶が入ったので、きりのいい所で一服どうぞ」
 そう言ってお茶ののったお盆ごと僕の部屋のパソコンがおいてある脇机に置くと部屋を出ていった。
「さっき、お父さんから電話があって、ちょっとお店に行かなきゃいけないから一也後お願いね。先生、私そういう訳でちょっと出かけますのでお構いできませんが、勉強の方、よろしくお願いします」
 そう言うとおふくろは部屋から出ていった。やがて、玄関のドアの閉る音が聞こえて鍵がかかる音がした。
 僕はしばらく耳を澄ませながら下の音に注意を向けた。やがて僕は、紀子に言った。
「ちょっと待っていてください。下の様子を見てきますから」
 そう言って、僕は部屋から出て下の階に降りていった。1階の様子を見渡して玄関の戸締まりを確認すると僕は紀子のいる2階の僕の部屋に上がっていった。
「紀子、おふくろはいない。今家にいるのは二人っきりだ。紀子、服を脱ぎなさい」
「はい、ご主人様。ありがとうございます。ご主人様がそう言われるのをお待ちしておりました」
 そう笑顔で答え、紀子は着ている物をすべて脱いだ。
「さぁ、僕のを口で大きくしなさい」僕がそう言うと、紀子は
「はい、ご主人様。失礼します」と言って僕のズボンのチャックをおろし、僕のオチ○チンを取り出し、口に含んでフェラチオを始めた。僕のモノも紀子のおかげで次第に大きくなりだした。
「紀子、ベッドに」そう僕が言うと紀子は「はい、ご主人様」そう言って僕のベッドに行き、紀子は自分のオマ○コを両手で広げて僕を誘った。
 僕ははだかになって紀子のオマ○コに自分のイチモツを挿入すると、激しくピストン運動を始めた。
 紀子も家に二人きりという安心感かいつもより多くよがっていた。
「ああ、ああ、ああーん。いい、いい。ご主人様、ああああ・・・・」
 やがて、僕は絶頂を迎えると紀子の中にザーメンをぶちまけた。
「ああ、ご主人様のが入っているのが分かります。ああ、気持ちいいです。紀子はご主人様に生でやっていただけて幸せです」そう、紀子が言った。
「そうか、もうピルを飲み始めて2週間以上経っているからもう大丈夫だろう。紀子、コンドームを付けた方と生とではどっちの方がいい?」
「はい、ご主人様。ご主人様にしていただけるのでしたらどちらでもすごくいいのですが、あえて言わせて頂けるとしたら、生の方です」そう言うとぽっと頬を赤く染めてうつむいた。
「まぁ、いい。僕もコンドームを付けるよりも生の方が気持ちがいい。紀子も気に入った様だし、しばらくピルを飲み続けて生でやろうか。いいね、紀子?」
「はい、ご主人様。ご主人様はご主人様のやりたい様にやればいいんです。紀子はただ、ご主人様が望まれる事にお応えできればそれで構いません。ご主人様の望まれることが、私の望みです」
 そう言って紀子は照れるように笑った。その笑顔はあくまでも純で屈託の無い笑顔であった。
「そうだな。紀子、僕の言う事は紀子の一番の願いだものな。うん、そうだな」
 僕はそう頷いてその言葉を胸の中で反芻した。

「ご主人様、ちょっとよろしいですか?」しばらく物思いにふけっていた僕は紀子の呼びかけで我に返った。
「ああ、何だい、紀子?」僕は紀子に尋ねた。
「涼子が、言っていたんですが、涼子もパソコンを始めたいそうで、それでご主人様に相談に乗ってもらいたいって言っていました。これって涼子に公然と会う理由になりますよね」
 そう紀子は言った。
 そう言われて僕も納得した。もちろん、涼子に会う口実の暗示なんかを考えなければいけないなぁと思っていた矢先だったので、渡りに船の状況である。
「なるほど。そうだね、紀子」
 僕は、紀子を見てにっこり微笑んだ。
「涼子に定期的に会う必要があるからパソコンを教えるというのはいい理由になるな。そうだ、紀子。これから毎週紀子のマンションで紀子と涼子にパソコン教室を開くと言うのはどうだ?」
「はい、ご主人様。私は構いません。ご主人様のなさりたい様になさってください」
「よし、決めた。紀子、涼子に言っておいてくれ。とりあえず今度の土曜日に紀子の家に集合だ。それで、ふたりにパソコンを教える。いいね」
「はい、ご主人様。涼子もきっと喜ぶと思います」
「それじゃ、紀子。この事は催眠が解けた後でも覚えておくんだ。いつものように心の奥底の無意識のうちにも覚えておくんだ。でも、催眠が解けた後の普段の紀子も覚えておくことだ。いいね」
「はい、ご主人様。いつものように心の奥の無意識のうちにも覚えておいて、普段の私も覚えておきます」
「そうだ、いいよ。紀子。普段の紀子は、涼子と一緒にパソコンの勉強をする約束を今日したと言う事を覚えておくんだ。僕はその約束を聞いて了解した。だから、紀子は涼子にその事をちゃんと伝えておくんだ。いいね」
「はい、ご主人様。私は催眠から醒めた後でも、今度の土曜日に涼子と一緒にご主人様にパソコンを教えてもらう事を覚えています。そして、明日この事を涼子に伝えます」
「よろしい。紀子。さらに今日は紀子に新しく覚えてもらうことがあるんだ」
 僕は、そう言うと紀子の額に手を置いた。
 紀子はすぐに眼を閉じ、その場に崩れるように脱力した。
 僕は、紀子に涼子のように毎晩自己暗示をかける様に指示することにした。
「さぁ、紀子、良く聞くんだ。今日から君は夜寝る前に一人っきりになると必ず鏡を見るんだ。そして鏡に写る自分の顔をじっと見詰めてその鏡に写った自分の眼をよーく見るんだ。よーく見ていると段々と君の瞼は重くなって来てどうしても開けられなくなって自然に今のように深い催眠状態になるんだ。そして深い催眠状態になると自然と頭の中に言葉が浮かんでくる。いいね」
「はい、ご主人様。私は寝る前に一人になると鏡を見つめて今のように催眠状態になります」
「そうだ。そして、紀子、この言葉が頭の中に浮かんでくる。『紀子はご主人様の奴隷』この言葉を繰り返し頭の中で言うんだ。決して口に出して言う事はしない。そして、この『紀子はご主人様の奴隷』という言葉を頭の中で繰り返して言う時には必ずもう一つの言葉も自然と頭の中に浮かんでくる。『紀子は僕の催眠のとりこ』という言葉を聞くと私はいつでもどんな時でもご主人様の奴隷になれる。ご主人様の奴隷に成ることは幸せでうれしい。わかったか?」
「はい、ご主人様。私は寝る前に一人になると鏡を見つめて今のように催眠状態になります。そして、頭の中に浮かんでくる『紀子はご主人様の奴隷』という言葉を繰り返し頭の中で言います。そして、『紀子は僕の催眠のとりこ』という言葉を聞くと私はいつでもどんな時でもご主人様の奴隷になれる。ご主人様の奴隷に成ることは幸せでうれしい。と繰り返して頭の中で言います」
「よろしい。紀子、今言ったことはいつもの様に心の奥の無意識のうちに覚えておいて普段は忘れてしまうんだ」
「はい、ご主人様。紀子は一人っきりになって毎晩催眠状態になってご主人様が言われた『紀子はご主人様の奴隷』という言葉を繰り返し頭の中で言います。そして、『紀子は僕の催眠のとりこ』という言葉を聞くと私はいつでもどんな時でもご主人様の奴隷になれる。ご主人様の奴隷に成ることは幸せでうれしい。と繰り返して頭の中で言います。この事は、心の奥の無意識のうちに覚えておいて、普段は忘れてしまいます」
「紀子、それでいい。それで、さっきの様に繰り返し頭の中で繰り返し言い続けるのは2,3分の間だけでいい。でも、毎日続けるんだ。毎日2,3分の間続けるんだ。そしてこの事はいつもの様に覚えておくんだ。いいね」
「はい、ご主人様。紀子は一人っきりになって毎晩催眠状態になってご主人様が言われた『紀子はご主人様の奴隷』という言葉を繰り返し頭の中で言います。そして、『紀子は僕の催眠のとりこ』という言葉を聞くと私はいつでもどんな時でもご主人様の奴隷になれる。ご主人様の奴隷に成ることは幸せでうれしい。と繰り返して頭の中で言います。これは毎日2,3分の間繰り返します。この事は、心の奥の無意識のうちに覚えておいて、普段は忘れてしまいます」
「よし、紀子、それでいい。今から3つ数を数えると君は眼を覚まします。でも、君がいるのは自分の部屋で今から眠ろうとしている所です。そして、君の部屋には誰もいません。僕が見ていますが僕の事はまったく見えません。さぁ、3つ数を数えます。1、2、3、はい」
 紀子は少しの間ぼーとしていたが、すぐにイスに座り直した。そして、鏡台の前に座っているように自分の顔をじっと見つめていた。やがて徐々に瞼が下がってきて、全身の力が抜け、イスにリラックスした様子で座っている。僕は、その様子を1分ほど観察し、紀子に声を掛けた。
「紀子さん聞こえますか?」
「はい」紀子は意志のない声でこう答えた。
「私が3つ数を数えるとあなたはあなたの頭の中に浮かんでいる言葉を口に出して言えるようになります。1、2、3、はい」
「紀子はご主人様の奴隷。『紀子は僕の催眠のとりこ』という言葉を聞くと私はいつでもどんな時でもご主人様の奴隷になれる。ご主人様の奴隷に成ることは幸せでうれしい。紀子はご主人様の奴隷。『紀子は僕の催眠のとりこ』という言葉を聞くと私はいつでもどんな時でもご主人様の奴隷になれる。ご主人様の奴隷に成ることは幸せでうれしい。・・・・・・」
 紀子はそう何度も繰り返し言い続けていた。
 紀子も涼子同様に自己暗示による催眠深度の深化と催眠暗示の持続性の維持は上手く行きそうだった。
 僕は同じ言葉を繰り返して独り言を言い続けている紀子の額に手をあてた。
 紀子は、独り言をやめて体の力を抜いた。
「もうひとつ君に大事な事を教えなくてはいけない。よく聞くんだ。紀子。紀子、君は僕に携帯電話をプレゼントしたい。そして、その携帯電話を今度の土曜日までに用意しておくんだ。これは、いつか紀子が言っていたお礼だ。お礼の為に僕に携帯電話をプレゼントするんだ。別に高くなくてもいい。10円やそこらで売っている物で構わない。それを、用意して、土曜日に僕に渡すんだ。そして、ここからが重要だ。良くお聞き、紀子、君は自分のマンションに帰る前には必ず、その携帯番号に電話を掛けるんだ。そして、僕が出て話を終えてから、マンションに入るようにするんだ。もし、その携帯電話に僕が出なかったり、連絡が取れない場合は、必ず、ひとりでマンションに入って、自分の部屋の扉を開けたら、自然に頭の中に『紀子はご主人様の奴隷』という言葉が浮かんでくる。そして、頭の中に浮かんできた言葉は僕に『紀子は僕の催眠のとりこ』と言われたのと同じように今のような催眠状態になって君は僕の奴隷になるんだ。そして、紀子、催眠状態のまま君は、君のマンションの部屋中を見て僕を探すんだ。もし、僕が見つからなければ、また、玄関に戻って、マンションの扉を開けた直後に戻ってしばらくすると催眠状態から醒めるんだ。催眠から醒めた後は、僕を探していたことや、頭の中に『紀子はご主人様の奴隷』という言葉が浮かんで来たことなんかは全て忘れてしまう。そして、たった今帰って来たばかりだと思って行動するんだ。催眠状態になった空白の時間の事には全く気がつかない。この事は、いつものように心の奥底の無意識のうちに覚えておいて普段は忘れてしまうんだ。いいね?」
「はい、ご主人様。私は、ご主人様に今度の土曜日までに携帯電話を用意しておいてそれをプレゼントします。そして、私は自分のマンションに帰る前には必ず、ご主人様にプレゼントする携帯番号に電話を掛けます。そして、ご主人様と話を終えてから、マンションに入るようにします。もし、携帯電話にご主人様が出なかったり、連絡が取れない場合は、必ず、ひとりでマンションに入る様にします。そして、自分の部屋の扉を開けたら、自然に頭の中に『紀子はご主人様の奴隷』という言葉が浮かんできて、その『紀子は僕の催眠のとりこ』という言葉は、ご主人様に言われたのと同じように奴隷の紀子になります。そして、私は、催眠状態のまま自分のマンションの部屋中にご主人様がいらっしゃらないかどうか探します。もし、ご主人様を見つける事が出来なかったら、私はまた、玄関に戻って、マンションの扉を開けた直後に戻ってしばらくすると催眠状態から醒めます。そして、催眠から醒めた後は、ご主人様を探していた事や、頭の中に『紀子はご主人様の奴隷』という言葉が浮かんで来たことなんかは全て忘れてしまいます。そして、催眠状態になった空白の時間の事には全く気がつかないで、たった今帰って来たばかりだと思って行動します。このことは、いつもの様に心の中の無意識のうちに覚えておいて普段は忘れてしまいます」
「よろしい、紀子」
 そう言って、僕は時計を確認した。もう少しで家庭教師の時間が終了する時間に成っていた。
 僕は、紀子を催眠から解き、今まで英語の勉強をしていたと言ういつもの偽の記憶を埋め込んだ。
 それから、僕は紀子にこう言った。
「紀子、それじゃぁ、3つ数を数えると、君は催眠から目覚めて普段の紀子になる。1、2、3、はい」
 紀子は、2、3度瞬きをした。
「先生、そろそろ時間ですよ。それで、さっき言ってた、涼子さんの事ですけど、土曜日の2時頃でどうですか?涼子さんに都合を聞いておいてくださいよ。いずれにしろ、僕の方はOKですから涼子さんの予定次第と言うことですね。先生は、土曜日でOKなんでしたよね」
「ええ、私は土曜日で構わないの。一也君が土曜日の2時なら私の方もOKよ。それじゃ、涼子にはそう伝えておくわ」
「分かりました。それじゃ、土曜日に先生のマンションに伺いますよ」
「ええ、いいわ。待ってるから」
 紀子はそう答えると笑顔で答えた。
「それじゃぁ、今日はここまでにしておくわね」
 そう言うと、紀子は机の上の自分の持ち物を片づけて帰り支度を始めた。
 そして、下の階に降りていって僕は、玄関の扉を開けた。
「それじゃ、先生さようなら。また」
「さようなら、一也君。また今度ね」
 そう言って紀子は帰っていった。

< 続く >

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