僕の部屋においで

「ただいま~」
学校から帰ってきたばかりの朋美(ともみ)は鞄をベッドの上に放り投げると、制服を脱ぎ捨てた。
下着姿のままでタンスに駆け寄ると中を覗き込む。わくわくした表情でそれを取り出すとぎゅっと抱きしめる。朋美の腕の中にあるのは、この前買って貰ったばかりのセーラー服だ。
少しの間、腕の中の感触を楽しんでいたが、両手をあげ頭からかぶると袖に腕を通す。最後に襟の中に潜り込んだ髪を外に出すと鏡にむかった。
見慣れた顔が自分に向かって笑いかけているが、今日はひと味違うと思った。
「よしっ!完璧」
もう一度、鏡に笑いかけると、駆けるようにして部屋を飛び出した。ちょうど背中にかかる位の髪がふわりと揺れた。
「お母さん。お祭りに行って来るね」
奥にいる母親に声だけかけると、いそいそと靴を履いた。
「あ、朋美」
ちょうど片方の靴を履き終わったところで、後から呼び止める声がした。
「健一も一緒に連れて行ってあげて」
濡れた手をタオルで拭きながら出て来た母親の香織が言った。
「えー。七海ちゃんと行こうと思っていたのに」
朋美は頬を膨らませる。
「一緒に、行けばいいでしょう」
「だって、健一ったら、私の影に隠れてばかりで、つまらないんだモン」
「お姉ちゃんなんか嫌いだ」
いつの間に部屋から出て来たのか、弟の健一が舌を伸ばしてあっかんべーをした。
「生意気、言わないの」
弟の頭に向けてゴツンとげんこつを喰らわせてやる。
「痛い!なにするんだよぉ」
健一は顔をしかめながらふくれっ面をする。
弟の健一はかなりの美形だ。どちらかというと女顔で、昔からよく女の子と間違えられた。
今でもそのことで、いじめられているらしい。
驚いたことに弟をいじめるグループの中心は女の子ということだ。やはり、男性である健一の方が自分達よりかわいいことに嫉妬しているのだろうか。
何時もおどおどしているし、生まれつきのおとなしい性格も手伝ってか、学校の無い日はほとんど家に閉じこもっていて外に出ない。
自分と正反対の弟の姿を見ていると、はがゆくて仕方が無かった。
「そんなこと言わずに連れていってあげなさい。それからお母さん、今日は遅くなるから。夕御飯は小夜さんにお願いしてあるからね」
小夜と言うのは朋美の家に通っているお手伝いさんのことだ。
背が低めでちょっとくだけた性格の人だ。見かけは幼い感じがするが、家事の腕前はかなりのものだ。それに、笑うところころと表情が変わるので一緒にいると楽しい気分になる。
「うん。わかった」
健一が靴を履き終わるまで待つと一緒に家を出た。
ちょうど、門をくぐったところで、買い物から戻って来たばかりの小夜とばったりと会った。
「朋ちゃんお帰り~♪」
「小夜さん。ただいま」
朋美の姿を見た小夜がニコッと笑いを浮かべる。
「それ、この前買って貰った服でしょ。とっても似合っているわよ」
小夜は、朋美の服を誉めてくれた。
「うん。ありがとう」
大好きな服を誉められてなんだか嬉しくなる。
「あっ!。ひょっとしてお祭りにいくの?」
小夜は急に気づいた様に言うと羨ましそうな声で聞いてきた。
「うん。七海ちゃんと待ち合わせしているの」
「いいなぁ。私も彼氏がいたら一緒に行くのになぁ」
残念そうな声を上げていたが、思い出した様に言った。
「あ、チョコバナナ買ってきて下さいね。私、大好きなんですよ。チョコのパリパリとした薄い殻の中の柔らかな食感が最高なんです」
よっぽど好きなのだろう。両手を合わせると、うっとりとした顔で空を眺める。
「うん、わかった」
「ぜったいですよ。忘れたら。御夕飯抜きですからね~」
「わかった。絶対に買ってくる」
冗談とは思えない小夜の真剣な表情に、思わず笑いを浮かべてしまう朋美だった。
朋美の家から、祭りの中心となっている神社までは、歩いていっても10分程しか掛からない。参道はお祭りに遊びに来ている人達でいっぱいになっていた。
七海との約束までの時間、健一を引き連れて、露店の中を覗きながら時間をつぶす。
何処で食べ物を買うか、何で遊ぶか、チェックに余念がない。
気がつくと、たくさんの虫カゴが並んでいる店の前で立ち止まった健一が、興味津々という表情で中を覗き込んでいた。
朋美も横から眺めると、いろいろな種類の虫が蠢いていた。知っている虫もあるが、ほとんどの虫が見たこともないモノだ。どうやら、ただのお店ではないらしい。珍しい種類を扱っている店の様だ。
「ねえ、ねえ、お姉ちゃん、コレってなに」
健一が服の袖の端を引っ張ると、見たこともない虫の名前を聞いてきた。
「何って、私に虫のことなんて、わかるわけないでしょう」
「寄生虫だよ」
朋美に代わって、店の後から出てきた店主が答えた。
「きせいちゅう?」
不思議そうな顔をした健一が朋美の顔を見上げた。説明して欲しいと目が物語っている。
「動物とか虫に寄生する悪い虫のことよ」
顔をしかめながら朋美は言った。
「寄生虫はな、他の生き物に卵を産みつけるんだ。そのうちに卵が孵る。そうすると何が起こるかわかるか」
「ううん。わかんない」
ふるふると健一は頭を振った。
「孵った幼虫が相手の身体を食べちゃうのさ。ある日、動物の身体を食い破って、成虫になった虫が生まれて来るんだ」
「そうすると、どうなるの」
「もちろん喰われた生き物は死んでしまう。だがな、本当の事を言うと、寄生虫と言っても、悪い虫ばかりじゃないんだぞ。たとえば、坊主のおなかの中にも寄生虫はいるんだ」
店主の言葉に健一の顔が真っ青になる。
「だが、心配はいらない。それは、いい寄生虫なんだ。共生関係と言って、住まわせて貰うかわりに体の為になることをしてくれる。ギブアンドティクって奴だな」
「へぇ。寄生虫って凄いね」
「気に入ったのかい」
しげしげと、虫達を眺める健一の姿を見て店主は言った。
「うん」
「よーし、特別に君に一匹分けてあげよう」
そう言いながら、奥の方から箱を取り出してくると、中からさなぎの様なモノを取り出した。
「これも、いい寄生虫だよ」
「おじさん。これ何に寄生するの」
「それは内緒だ。成虫になればわかるよ」
「ほんとに貰っていいの」
「ああ、もちろんだ」
「やめなさい健一。知らない人に物を貰ったら駄目ってお母さんに言われていたでしょう」
手を差し出す弟の体をさえぎる様にして朋美が前に出る。
「ええぇ・・。いいでしょ。お姉ちゃん」
「駄目よ。ダメ」
「そんなこと言わないで。お願いお姉ちゃん」
健一は泣きそうな声を上げながら朋美の顔を見上げる。
「こんなの育ててどうするのよ」
「欲しいったら、欲しいんだよ」
健一は朋美の腕を掴むとがくがくと震わす。
「欲しいんだよぉ」
せがむ弟の声に、周りの人の視線が集まる。
朋美は、自分達の方を見て笑っている人達に気づいて羞恥で顔が紅くなった。
「ねえ、ねえ。お願い。お姉ちゃん」
子供の頃、自分も同じことをしていたかと思うと、よけいに恥ずかしくなる。
焦る朋美の心とは裏腹に、健一は周りのことなど全く気にせずに騒ぎ立てるだけだ。
「しかたがないわねぇ」
朋美はしがみつく弟の様子を見てあきらめの声をあげた。店主の方を向くと、失礼なことを言ったことのお詫びも兼ねてペコリと頭を下げる。
「すいません。それ頂けますか」
「おー、いいとも、大切に育ててくれよな。これは明るい所が苦手な虫だから、なるべく暗い所で飼うんだぞ」
「うん」
健一はにこにこしながら、さなぎの入った袋を受け取った。

「健一、一日中、家にこもってばかりいないで学校に行きなさい」
家族3人で朝食をとりながら朋美は健一に言った。
あの祭りの夜から、健一が学校をサボる日が増えていた。家に帰ってくると直ぐに部屋の中に閉じこもる。
休日はどこにも行かない。部屋からも出てこない。
いじめがひどくなってから学校をサボることはあったが、こんなにひどくはなかった。
どうやら、あの虫につきっきりらしいのだ。らしいというのは、家族の誰にも見せようとしないし、部屋からほとんど出てこないのではっきりしないからだ。
「いやだ、家にいる」
わがままを言う弟の姿を見て、頭に来た朋美は健一の頭をげんこつで殴った。
「痛い!なにするんだよぉ」
「いい加減にしなさい。あんた男でしょう。そんなことだからいじめられるのよ」
「お姉ちゃんなんか、嫌いだ!」
何時ものセリフを吐くと、食べかけの食事を放ったままで、自分の部屋に駆け込んでいく。
朋美は後ろ姿を見ながら溜息をつく。
「ねえ。お母さん。健一のこと何とかならないかなぁ。このままじゃあ。本当に学校に行かなくなるかもしれないわよ」
健一の部屋の方を見ながら心配そうな声を上げる。
「困った子よねぇ。いいわ。今日は仕事も休みだし、ゆっくり話をしてみるわ」
「お願い。本当にあの子って幾つになっても心配ばかりかけるんだから、困っちゃう」
朋美はベーコンエッグをつつきながら、ぶつぶつとこぼす。
その時、香織がニコニコとした笑いを浮かべながら自分を見つめているのに気づいた。
「な、何。私の顔に何かついている?」
「ううん。なんか朋美ちゃんの方がお母さんみたいね」
「不甲斐ない弟の姿を見ていられないだけよ」
頬を赤らめながら朋美は横を向いた。

朋美は学校から帰って来ると、最初に台所に向かった。夏も終わり秋もそろそろ中頃という季節だが、まだまだ暑い日がつづいている。
冷蔵庫からミルクを取り出すと、特大のグラスについでから半分ほどを飲みほした。
からからに乾いた喉が潤されて気持ちよかった。
気がつくと机の上にメモが置いてあった。
『小夜さんと出かけます。夕御飯は用意してあるので、電子レンジで温めて食べてください』
「あれぇ、今日は一日中、家にいると思っていたのに、それに小夜さんも一緒なんだ」
残りのミルクを飲み干しながらつぶやく。相変わらず健一は部屋の中に閉じこもったままのようだった。
それにしても、お母さんはちゃんと健一に話をしてくれたのだろうか。
コップを流しに置くと、居間のクーラーのスイッチを入れた。
TVをつけると、昔の時代劇の再放送が映し出された。チャンネルを変えて面白そうな番組を探すが、どこも似たような番組ばかりで面白くない。結局、時代劇にチャンネルを合わせるとソファーの上に寝そべった。
しばらくの間、ありきたりのストーリーに見入っていたが、いつの間にか忍び寄っていた睡魔に誘われて、心地よい眠りに落ちていった。

朋美は浅い眠りの中を漂っていたが、誰かが体の上にのし掛かってきた衝撃で目が覚めた。
そいつは朋美の体を強く抱きしめて来た。顔が触れ合い、熱い息が唇にかかる。
突然のことに、自分に何が起こっているのか分からなかったが、反射的に腕を伸ばすと力いっぱいに突き飛ばしていた。
「痛!」
床の上に転げ落ちた相手が悲鳴を上げる。
ショックで完全に目が覚めた。突き倒した相手の姿を見ると、それは弟の健一だった。
「健一。どういうつもりよぉ」
腕を腰に当てると怒った顔で健一を睨み付ける。
「お姉ちゃんに、いいことをしてあげようと思ったんだよ」
健一が美しい顔を邪悪な表情に歪めながら言った。
「なっ!」
健一の言った言葉の意味に気づいた朋美の顔が怒りと羞恥で赤くなる。
「どういうこと」
じっと睨み付けながら同じ質問を繰り返す。

「だからさあ、お姉ちゃんに気持ちいいことをしてあげようと思って」
悪びれずに言う健一の態度に、朋美は背筋が凍るようなおぞましさを感じた。
その時、ここしばらくの間の健一のおかしな様子。それらが祭りの日に始まったことを朋美は直感した。
「あ、あの虫、あんたがおかしくなったのはあの虫のせいね。あんなのがいるから、こんなことするようになるのだわ。捨てましょう。それがあなたの為よ」
朋美は弟の部屋の方を見るとツカツカと歩き出した。それを見た健一の顔が急に蒼くなる。
「やだよぉ。もうしないから、許してよぉ」
急に気弱な声を上げると朋美にしがみついて来る。
朋美は、健一の身体を突き飛ばすと部屋の中に入り込んだ。
部屋のスイッチを押したが灯りがつかない。カーテンが閉めてあるのか、部屋の中を照らし出すのは廊下から差し込む光だけだ。
街灯の光を入れようと真っ暗な部屋を足探りで進む。
いきなり後ろでドアが閉まる音がして、部屋の中が完全な暗闇に包まれた。
「健一。何をするの!」
あわててドアの所に戻るとノブを廻したが、空回りをするだけで開かない。
この部屋に鍵など無い。どうやらドアの向こう側に何かが立てかけてあるらしかった。思いっきり押したが、ギシギシと音がするだけでびくともしなかった。
「健一、開けなさい。でないとひどいんだから」
どこかに行ってしまったのか、ドアの外は静まり返ったままだ。健一の異常な行動に思考が付いていかない。どうしてこんな事になっているのか、わけがわからなかった。
真っ暗な部屋の中で一人立ち尽くす。
静けさの中、鋭敏になった神経が暗闇のなかで何かが動いている気配を感じた。耳を澄ますとずるずると何かが這いずり廻る音がする。
「だ、誰かいるの」
息を止めて部屋の中の様子を伺うが人の気配はしない。だが何かがいるのは間違いがなかった。
その時、何かが朋美の体に飛びかかってきた。慌てて手を伸ばすと、ぬとぬとした握りこぶしくらいの大きさのものに指先が触れた。
気持ち悪い感覚に背筋が震えるようなおぞましさを感じた。
「な、何!」
慌てて跳ね除けたが、再び同じものが飛びついて来る。
「ヒッ!」
思わず悲鳴を上げる。
それをきっかけに、何匹ものそれが朋美の身体にまとわり突いて来た。そのうちの何匹かは服の隙間に潜り込んでくる。
「なに、何よぉ。気持ち悪い」
体中を這い回る不気味な感触に背筋の神経が逆立った。
それは下着の中にも潜り込んで来た。ねっとりとした感触が気持ち悪かったが、そんなことを言っていられる場合ではなかった。気持ち悪さを堪えてそれを押しのける。だが、それは想像以上に身軽で、朋美の手の上を乗り越えると奥へ奥へと入り込んでくる。
「いやぁ、いや、いや、いやぁ。健一、健一。お願い。ドアを開けて、お願いだからドアを開けてぇ」
悲鳴を上げて、なりふりかまわず助けを求めるが、ドアの向こう側は静まり返ったままだ。おまけに開いた口の中にまで入り込まれた。
「あ、あ・・・・」
口を閉じることも、吐き出すことも出来ない。とうとう悲鳴さえあげることさえ出来なくなった。
これが、弟の飼っていた寄生虫の正体だったのだ。もちろんこんな生き物が存在するなど、聞いたことなど無かった。だが、これが夢でないことは確かだった。
真っ暗な部屋の中で、一人おぞましさに体を震わす。
体を這うモノを振り払う事も出来ず、声すら漏らすことが出来ない。絶望的な状態は、朋美から体を動かす気力を奪い、それが体中を蹂躙させるのに任せた。
股間の割れ目、お尻の穴の中にまで、それは入り込んでくる。閉じられた場所を無理やり開いて入り込まれる感覚に、涙がぽろぽろと伝って床の上に垂れる。
ついには、喉の奥にまで潜り込んで来たが、朋美は放心した表情のままで受けいれた。一瞬の間、食べ物を飲み込んだ様な感触が走った。
口の中は自由になったが、もう悲鳴を上げる気力すら消えていた。
一体、何匹のそれが朋美の体に入り込んだのか、無数のそれに入り込まれたことだけを意識していたが、どうしようも無かった。
気が付くと身体が熱くなっていた。
開いた口からはぁはぁと熱い息が漏れる。
全身が性感帯になったかの様に敏感になっていた。それが体中を這う感覚が心地よい響きとなって全身を駆け巡る。
私どうしたの。
こんなに気持ち悪いモノに襲われて喜んでいるの?
自分に問いかけるが、答えは明らかだった。
「うはぁ・・・・」
ぞくぞくとした感覚が走り、思わず喘ぎ声を上げた。
股間がべっとりと濡れて気持ち悪い。それが寄生虫の体液ではなく、自らが分泌した液体であることを意識していた。
膣の中で寄生虫が蠢く度に、恍惚感が走る。
「あ、ああぁ・・・」
指先が股間に伸びる。べっとりと濡れたそこに触れると、電流が駆け抜けた。
「あはぁあ!」
快感が体中の神経を刺激して力を奪っていく。いつの間にか、下半身が麻痺をしたかのように動かなくなっていた。
唯一自由に成る両腕で胸の膨らみをギュッと握り締めた。親指で乳首の頭を擦ってやると痺れるような心地よさが走る。
股間まで反対の手を伸ばすと蜜を溢れさせる股間をまさぐった。
「あはゃあ、気持ちいい・・・・気持ちいいぃ・・・」
部屋の中で一人、全身を覆う快楽に身を震わせる。心地よい感覚に酔いしれた声だけが唇から響き渡っていた。

一人、自分の体を慰め続け、時間の感覚がなくなった頃、ガチャリと音がしてドアが開かれた。虚ろな目つきで見上げた朋美の目に廊下の光を背に受けた健一の姿が映った。
「どう、おねえちゃん。僕の虫は気に入ったかい」
弟は下半身裸だった。
股間から異常と思える程に巨大なサイズのペ○スが生えていた。そびえたったそれはどう見ても人間のモノではない。
朋美は弟のあられもない姿から思わず目を反らしたが、自分の身体にまとわりついているのと同じ物が、弟のペ○スの周りに貼り付きうねうねと蠢いているのに気づいていた。
「そいつはね。僕の精液で成長したんだよ」
一人話し続ける健一は、あんなモノにまとわりつかれているにも関わらず、まったく気にしていないようだ。
朋美の体は、とろけるような快感に身体を支配されたままだ。健一に見られているにもかかわらず、自らの股間に当てた指先を離せなかった。
「どう、お姉ちゃん。僕のこれ凄いでしょう」
健一が自慢げに腰を突き出す。
「ど、どうしてそんな体に」
朋美は、口から溢れそうな喘ぎ声をぐっと堪えると、たどたどしく声を漏らした。
「僕のおちんちんはね。こいつらが食べちゃったんだよ」
そう言いながら、いとおしそうな目で股間に貼り付いているモノを見る。
「それでね。代わりに生えてきたのがこれなんだ。これ凄いんだよ。本物よりずっと大きいし、それに、すっごく気持ちいいんだ」
「そんな」
目の前で見せつけられている非常識から目を反らせない。
「そいつね。もうすぐおねえちゃんの身体に寄生するから」
「そんなの。嫌よ。お願い、コレを取って」
健一の言葉に、朋美は泣きそうな声を上げた。
「そうすると、どうなるかわかる?。お姉ちゃんにもこれと同じモノが生えるんだ」
そう言いながら、自分のペ○スを指さして見せた。朋美の懇願など耳に入っていないように話し続ける。
「もう、わかっていると思うけど、すっごく気持ちいいんだ。その内にね。快感で頭の中がやられちゃって、僕の言うことを何でもきくようになるんだよ。お姉ちゃんは僕の奴隷になるんだよ」
健一はニヤケた笑いを浮かべる。
「何を言っているの。早くコレを取って、取らないと一生遊んであげないから」
健一がこの生き物の支配権を握っている。そう思った朋美は最後の掛けに出た。
「お姉ちゃんは僕の言うことを信じてないんだね。それじゃあ、僕の友達を紹介するよ」
いつから居たのか健一の後に二人の女の子が立っていた。
一人は高級そうな服を着た長い髪の女の子だった。細い腕をスカートの前で組んでいる。もう一人は髪を頭の両端で止めて、ツインテールにまとめた活動的な感じの女の子。
二人ともかなりかわいい部類に入るだろう。
健一と同じ位の年齢だ。だが、二人とも見かけの歳以上に胸が膨らみ、あどけなさの中に過剰な位の色気をかもし出していた。
彼女らを見ていると同姓であるにもかかわらず、抱きしめ、愛したい。そんな気持ちになってくる。
何となく、健一をいじめていたのがこの二人の様な気がした。
「紹介するよ。僕の奴隷の美奈子ちゃんと和代ちゃんだよ。美奈子ちゃんはね。すっごいお金持ちの家のお嬢さんなんだ」
自慢げに話す健一の姿。
「ほら、僕のお姉ちゃんに見せてあげてよ」
健一は、二人の肩に手を掛けると朋美の方に押し出した。
「はい、けんいちさま」
「はい、けんいちくん」
二人は口々に言うと、スカートを胸までめくり上げた。するとパンティの薄い生地が不自然に膨らんでいるのが見えた。
彼女らは無言でパンティの端に指をかけると床の上にまで引きずり降ろした。かがんだ体を起こした時、彼女らの下半身に健一と同じ、それでいてあってはならないモノが生えていた。
「な、なによ。それ。健一、あんたこの子達に何をしたのよ!」
女の子達は、朋美の叫びなど気にかからない様子で、股間のモノの先端に手をふれると、ぐいぐいと擦りだした。細い指が前後に動く度に、先端の部分の皮がめくれ、ピンク色の粘膜があらわになる。
「ひゃぁ、あはぁ、気持ちいい、気持ちいいのぉ」
美奈子と呼ばれた少女が、綺麗な顔を恍惚な表情に染めて喘ぎ出す。
「健一様のお姉さんの前で、こんなことしているなんて、とっても感じちゃう」
和代は舌を犬のように伸ばしながら甘美な声をあげる。
「あなた達、やめなさい。健一の言うことなんか聞く必要なないのよ」
二人の少女の痴態に朋美は声をはりあげた。
「ううん。私達は自分の意志で健一様の言うことを聞いているの」
朋美に言い聞かせるようにして、美奈子が言った。
「前から健一君と仲良くしたかったの。でも、いつもおどおどしていて、私達の相手をしてくれなかったんだもん。それがこんな関係になれてとってもうれしいの」
恍惚として呟くその表情は、異常とも思えるほどの歓喜に満ち溢れていた。
「私達だけなんだよ。健一君に気持ちよくさせて貰えるの」
口々に言う二人の言葉に朋美は声を失った。健一の言う通り二人の精神は壊れているのだ。
全てが解った気がした。
二人とも健一の事を好いてくれていたのだろう。だが、他人を怖がってばかりの健一は二人から逃げ出したのだ。それが、二人の目には激しい拒否として映った。
好意を受け止めて貰えないことが、二人の心を傷つけ、結果としていじめに走らせていたのだ。
凄まじい快感。そして、健一に受け入れて貰えたという思いが二人の精神をここまで陥れてしまったのだろう。
自分が同じ状態になる直前であるにもかかわらず、あんなモノを生やし、精神すら壊れてしまった二人のことを悲しく感じた。
だが、体を支配している心地よさは次第にその強さを増していく。
心の中の思いなど関係なく、今感じている快感に身を投げ出したい。二人と体を絡み合わせ快楽を貪りたい。そんな欲求が心の奥底から湧き上がってくる。そんな思いに比例して股間のモノをまさぐる指の動きが激しくなっている。
二人の股間から生えているものに頬を触れさせ、唇に含みたいと思った。
朋美の中で本能が暴走し完全に制御から離れていく。
「ああぁぁぁ・・・出る、でちゃう」
「朋美さまぁ。あたしのイクとこ見ててくださぁい」
二人の少女の起こす痴態を魅入られた様に直視する。
やがて、少女達の疑似ペ○スの先端がびくびくと震えると、先端から真っ白な液体が飛び出した。
「あふぁあ。おちんちん。おちんちん気持ちいい・・・・」
「でるぅ。出ちゃいますぅ。でちゃう、でちゃうぅ」
二人の体から飛び出た液体が、朋子の前の床をぴちゃぴちゃと音をたてて汚した。すると朋美の周りを這っていた虫達が、飛び散った液に向かって殺到する。
「どう、おねえちゃん。そいつらは人間の精液が大好きなんだよ。こいつらはいい虫だからね、代わりに僕をとってもいい気持ちにさせてくれるんだ。この虫をくれたおじちゃんが言ってただろ。ギブアンドテイクって奴だよ」
「どうして、どうしてなの」
体はもう快感に溺れきっている。心の底に僅かに残った理性の欠片が、朋美の壊れ落ちそうな心を繋ぎ止めるだけだ。
涙がとめどめもなく溢れてくる。
もうだめだと思った。自分もおかしくなれば、もう悩まなくて済む。そんな気分になりかけた時だった。
「ただいまぁ。遅くなったわ」
玄関の方から母親の声が聞こえた。
激しい安堵感が朋美の心を包み込んだ。この異常な状況から逃れられる。そう思うと体が力をとり戻した。
廊下を近づいてくる足音が朋美の心を元気づける。
朋美は 動かない体を無理やり立ち上がらせると、健一の横をすり抜けるようにして部屋を飛び出した。
廊下を出た所に、両手にデパートの包みを下げた母親と小夜が立っていた。
朋美は二人の所に駆け寄ると大声で叫ぶ。
「お母さん。健一が大変なの。助けて」
「どうしたの。朋子ちゃん」
朋美の焦った声に相反して香織の返事はのんびりとしたままだ。
「健一が大変なの。寄生虫が・・・・・・・・」
その時、初めて二人の様子がおかしいのに気づいた。二人共、自分を見る目がどことなく虚ろで、動作もけだるげだ。
頭の隅にいやな予感が走る。
決定的だったのは、服の上からでもわかる胸の膨らみだった。小さくて幼い体型の小夜など、洋服の胸元の切れ目から、はち切れんばかりに膨らんだ胸が見えていた。
健一の奴隷となってしまった少女達。
彼女達と一緒だった。
目の前の現実を認めたくないと思った。しかし続いて香織の口から放たれた言葉が、朋美の希望を完全に打ち砕いていた。
「朋美。あなたも健一の奴隷になりなさい。そうすれば、いっぱい気持ちいいことが出来るわよ」
「そうですよぉ。こんなにいいモノが貰えちゃうんだから」
そう言いながら二人はスカートをめくりあげる。
二人とも下着をつけておらず、足の付け根から健一と同じモノが生えていた。
「とっても、気持ちいいのよぉ」
小夜が異形のモノに手を触れると朋美の前でまさぐった。気持ちよさそうな顔をすると朋美に見せつけるようにして擦り出す。
「本当ね。これぇ。これ、擦ると気持ちいいのよねぇ」
母親も一緒にペ○スの先端に触れると指先でそっと包み込む。
「そうよぉ。朋美、気持ちいいのよぉ。ああっ!あはぁ。気持ちいい。気持ちいいぃ・・・」
優しい目つきを快楽にとろけさせ、頬を紅く染めながら喘ぎ声をあげる。発情した牝となって、ひたすら快感に酔いしれる。
「あはは、お母さんは僕が、小夜はこの二人が堕としたんだよ。二人とも最初の内は抵抗していたけれど、堕ちた後は凄かったよ。お母さんなんか、僕がやめさせるまで、チ○ポを喰わえて離さなかったんだから。おまけに何度もなんども射精するもんだから、寝室の中が精液臭くなっちゃって困ったよ」
実の母親のことをおかしそうに話す健一の姿に朋美は今まで以上の恐怖を感じた。
急に、露店での店主の言葉が頭に思い浮かぶ。
「これは、いい寄生虫なんだよ・・・」
何がいい寄生虫なんだろう。健一が最初に、つづけて母親も小夜もおかしくなった。
もうすぐ、自分もおかしくなるだろう。
あの時、周りの事など気にせずに、断るべきだったのだ。
自分の判断の過ちが招いた結果がこれなのだ。
朋美の唇の端に思わず自虐的な笑いを浮かぶ。
「で、お母さん。僕に言われて、家をあけていたわけだけど、小夜と一緒にどこに行っていたんだい」
「で、デパートに・・・」
「ふう~ん、で、買い物でもしていたの」
「いいえ、トイレの中で待ち伏せをして、入ってきた人とSEXをしていました。みんな最初はいやがるんですけど、これを入れてあげるとスッゴク気持ちよさそうに喘ぐの。私も気持ちいいから、いっぱい射精しちゃいました」
今まで、自分がしていたことを思い出したのか、うっとりとした声を漏らす。
健一の質問の内容がどんどんエスカレートしていく。
「何人位としたの」
「ああっつ!、10人、10人位です」
「小夜さんは何人くらいとヤッたの」
「私も奥様と同じ位です。いいえ、もっとたくさんかもぉ」
「あはぁ、思い出すだけで、気持ちよくなっちゃう。もう我慢できないわ。ああぁ、いっちゃう。精液でちゃうぅ」
「奥さまぁ。私もイッちゃいますうぅ」
二人の指の動きが激しさを増した。はあはあと甘ったるい喘ぎ声を鳴り響かせながら、テンションを限界にまで高めていく。
「ああっつ!イク、イク、イクゥ!」
「私も出ちゃう。昼間あんなに出したのに、まだまだ出ちゃうぅ。もう限界いぃ、あ、はぁあああん」
そして、二人のペ○スから吹き出た白濁液が、シャワーの様に降り注ぐと朋美の顔をべっとりと濡らした。
「あはぁ。私の精液が朋美にかかって、凄いぃ」
「あ、ああ・・・・朋美ちゃんもいっしょに楽しみましょうよ・・・」
こんな時にも変わらない小夜の快活さが、逆に朋美の心を暗くしていく。
愕然とした表情で立ちつくす朋美に向かって健一が言った。
「お姉ちゃんわかった?お母さんも小夜も、これの虜なんだよ。お姉ちゃんも早く僕らの仲間になりなよ」
絶望が朋美を叩きのめし、全てのよりどころを失った朋美の心にピシリとヒビが入った。
そう、快感に全てをゆだねればいい。こんな気持ちいいことを拒否する方がおかしいのだ。
それに、みんなに生えているアレ、アレを生やしたらもっともっと気持ちよくなりそうだった。
朋美は惚けた表情で舌を伸ばすと、顔についた白濁液をぺロリと嘗める。
「ああぁ・・・おいし」
胸のあたりがもぞもぞとしていた。
急にブラがきつくなり、胸がぱんぱんに張りつめた。次いで、股間に違和感を感じた。それは少しづつ膨れ上がり形を整えていく。
「あはぁ、私も、私も仲間にいれてぇ」
朋美はとろけた表情で股間に手を伸ばした。スカートをめくり上げると、寄生虫によって作られた新たな器官に手を伸ばす。
パンティの上からそれに触れただけで、ビリビリと電流が走った。
「あ、あはぁ、これ、気持ちいい。気持ちいいのぉ」
慌てて、パンティを降ろすと、中から直立したそれが飛び出した。
ごくりと唾を飲み込むと、先端を掴む。先端の皮を剥ぐように指先を動かすと、そっと前後に擦りだした。敏感な粘膜が擦られて快感が溢れてくる。
「あはぁ、あは、あはぁ、あはぁ。いいぃ・・・・、いいいぃ・・・・・・・」
今までとは比較にならないほどの心地よさが伝わってくる。指先を動かすたびに体中を電流が駆けめぐる。目を快楽に染め、ひたすら指先の動きを続けた。
「す、凄いの。コ、コレ。気持いいぃ」
快楽に誘われるまま、ひたすらソレを擦り立てる。
やがて溜まったエネルギーが開放される。
「やあぁ!、イクぅ。出ちゃぅ!」
ビュクビュクと白濁液を放出する。
「あはぁうぅ。気持ちいい。気持いいのぉ」
朋美は放出を続けながらも指の動きを続ける。
「あは、あは、あは・・・気持いいぃ・・・・」
虚ろな表情でしごき続ける朋美のペ○スに香織と小夜が口づけて来た。
二人は舌を先端の皮の間や、溝を抉るようにして這わして来る。
「ひゃぁ、はあぅう・・・。おひゃあさん。小夜さん。気持いい・・・・」
続いて健一の連れて来た女の子達が、朋美の唇に口づけてきた。
「あ、むぅ。はぁ、あむぅ。はぁ」
誘われるままに三本の舌を絡み合わせ、お互いの唾液を交換し合う。
快感が無茶苦茶に駆け回り、頭の中が真っ白に染まった。
「ねえ。お姉ちゃん。僕のをなめてよ」
健一が股間を突き出して催促してくる。
「うん」
朋美は二人から唇を離すと、恍惚とした目でソレを見た。大きく口を開けると健一のモノを含んだ。
「う、ん、うぐぅ」
巨大なソレを口の中に受け入れる感覚に、苦しげな呻きが漏れたが、直ぐに平気になった。
舌を伸ばして全体を舐るように嘗めると、喉の奥まで飲み込んでいく。
「うん、うむ、うむ」
くちゃ、ぴちゅ、ちゅぷ。
唾を溢れさせ、口全体を使って弟のモノを頬張る。
「ああ・・・・・。お姉ちゃん気持ちいいよぉ」
健一が感極まった声を上げた。
朋美は、そんな弟の表情を上目遣いに見ながら奉仕を続ける。
口の中の粘膜を通して伝わってくる感触が朋美を高ぶらせる。溢れ出る唾液をまとわりつかせながら、口全体を使って刺激を加えた。
「ん。うむ、むん。あ、ううん、ん・・・」
「いいよ。お姉ちゃん。イキそうだよぅ」
健一は、股間を貫く快感に目をつぶって耐える。
その時だった。朋美が出せるだけの力を込めて、弟のモノに噛みついたのは。
許せなかったのだ、家族を、そして自分を狂わせた存在を。
心に巣くった憎しみの心が、朋美を意識していなかった行動に駆り立てていた。
「グギャァー・・・・・・・・・」
健一は恐ろしい叫びを漏らすと、口からブクブクと泡を出して痙攣する。
朋美は口の中に寄生虫の体液が流れ込むのもかまわずに噛みちぎった。
「ガ、ギャ、ガハァ」
健一は気味の悪い声を上げ、目を反転させると、その場に昏倒した。
朋美はゲホゲホと咳をしながら口の中のモノを吐き出す。
ピチャりとして音を立てたソレは、ただの肉の塊だった。
気が付くと、自分を含めた全員の股間から生えていたものが、次々と床に落ちていくのが見えた。
倒れた健一に顔を向けると、噛みきった寄生虫の身体の残りかすの中に年齢相当のモノが見えた。被さっていた皮の部分も朋美の目の前でずるりと滑って床の上に落ちる。
健一は、寄生虫に喰われたといっていたが、どうやら上に被さっていただけの様だった。
あれだけ自分を狂わせていた欲情も嘘のように消えていた。
床いっぱいに這っていた気持ち悪い生き物も、動かなくなっていた。
朋美の想像した通り、健一のペニスに寄生していた虫こそが寄生虫の本体だったのだ。残りの虫は狙った相手を性欲に狂わせたり、精液を集めたりする為の道具だったのだろう。
悪夢は終わったのだ。
緊張が解けて体から力が抜けた。朋美はその場に、崩れ落ちるようにして座ると、ふうっ~と安堵の息を吐いた。

秋も終わりに近づき、いよいよ寒くなり出した日の放課後、朋美は校舎の入り口の所で立っていた。両手に学生鞄をぶら下げ、足下には大きなスポーツバッグが置いてある。
朋美の視線の先には、家に帰る者、クラブに急ぐ者、各々の行き先に向かって足を向ける学生達の姿が映っていた。
「朋美ちゃん、おまたせ~」
七海が手を振りながら駆け寄って来た。
「遅いよ、何やっていたのよ」
朋美は頬を膨らませて、怒っているポーズをする。もちろん瞳は笑ったままで、本当は怒っていないという意志表明もしている。
「ごめん。ごめん、ちょっと野暮用で」
七海は手を合わせて、ごめんのポーズをする。こちらも冗談混じりだ。
「もうしょうがないなぁ」
「エヘヘ~。ごめんねぇ。実はね。下級生の子に呼び止められて手紙を貰っちゃったの」
「ええええぇ!・・・・・・女の子からぁ」
女子校では珍しいことでは無いのだが、朋美は大げさに声を上げて見せた。
「ど、どんな子?それに、返事はしたの」
いかにも興味津々という表情で七海の顔を見る。
「一年生の子でね。丸顔の女の子。妹にしたいと思うくらい、ちっちゃくてかわいい子だったよ」
「ね、ね。それで、どうしたのぉ」
「もちろん。丁重にお断りさせて頂きました」
七海は胸に手を当てるときっぱりと言い張った。
「ええぇ・・・・、もったいない」
おなじ女同士でもったいないも無いものだが、冗談100%というところだ。
「やだなぁ。私は萌ちゃん。一筋なんだからぁ」
そう言いながら大げさなポーズで朋美に抱きついた。
「わぁ。七海ちゃんてじょうずぅ」
校庭で、二人はキャアキャアと叫びながらじゃれ合った。
「で、今日はどこの部活を見学するのぉ」
萌美の背中にもたれ掛かり、両肩に腕を載せた七海が聞いた。
「うんとねぇ。バレー部か水泳部がいいなぁ」
「じゃあ。水泳部にしようよ。うちの学園は温水プールもあるし」
「うん」
朋美はスポーツバッグを拾い上げると、掛けだした七海の後を追った。

太陽がビルの影に隠れ、水泳部が部活を終える時間。
シャワー室の中から、甘い喘ぎ声が鳴り響いていた。
「あ、あうぅ。あはぁ。いいぃぃ・・・」
声の主は朋美と七海の二人だ。
シャワー室の中央で、朋美が七海の体に覆い被さっていた。
「朋ちゃん。ともちゃん。気持ちいいのぉ。もっと強く、もっと激しく突いてえぇ」
「七海ちゃんのココ、気持ちいいよぉ・・・・」
朋美の股間から突き出たモノが七海の膣の中を激しく抉る。二人は欲情に瞳を甘く染め、口々に歓喜の言葉を漏らしながら、恍惚な感覚に酔いしれる。二人の体の間は白く濁った液体と、透明でねっとりとした液体の混じり合ったもので濡れていた。
そんな二人の周りには、恍惚に頬を染めた水泳部の部員達が立っていた。彼女らの股間の部分。水着の狭い隙間からは朋美達と同じく、異形の物体が突き出ていた。彼女らの両腕は例外なく逸物に添えられており二人の体の動きに合わせて前後に動かされていた。
彼女らの胸は、いまにも水着を突き破りそうな大きさに膨れあがり、張りつめた乳首がその輪郭を露わにしていた。
水着の表面には、お互いの放った白濁液がこぶり付き、粘ついた光を放っていた。時々、彼女達の中から呻き声が響き渡り、放物線を描きながら白濁液が放出される。
その度に床の上で這いずり廻っている何十匹もの粘液質の塊が蠢き、床を汚した精液を吸い上げていく。
あの夜、健一に取り憑いていた寄生虫は間違いなく死んだ。
だが、寄生虫の体を噛み切った時に、口の中に溢れた体液の中には、寄生虫の卵が含まれていたのだ。
孵った寄生虫の幼虫は朋美に寄生した。
今度は、朋美が寄生虫との共生関係を始める番だった。
この世では味わえない程の快感と引き替えに、虫に精液を与える生活が始まった。
小夜、香織、健一の順に家族を堕とした朋美が次に選んだのは親友の七海だった。
それ以来、奴隷となった七海と一緒に見学を装って新しいクラブを訪問しては、餌と成る性奴隷を増やし続けている。
奴隷を増やすのは簡単なことだった。
部員が一人、又は二人になった時を見計らって、犯し、種を植えつける。
そうすれば、奴隷にした部員も仲間になり、新たな奴隷を作り上げる為の駒と成るのだ。後は、ねずみ算で増え続ける。
まるで、吸血鬼の様だと朋美は思った。
それとも、吸血鬼というのは寄生虫に取り憑かれた人の事を言うのかもしれない。
きっと、そうなのだ。細胞を自在に操ることが出来れば、年を取らない様にすることなど簡単に出来る。吸血鬼の力の一つである催眠術や凄い力を出すことだって可能なはずだった。
吸血鬼が昼間を苦手とするのは虫の性質そのものだ。
事実、自分の体は女として完璧な位に変化しているし、年を取らない可能性だってある。
吸血鬼の場合は完璧な体に作り替えて貰う代わりに、襲った相手の血を与える。自分は精液を集める。この二つにはなんの相違点もない。
「あああん」
七海が喘ぎ声を漏らし、ギュッと朋美のモノを締め付けてきた。
朋美の中で快感が爆発し、股間のモノが熱く震える。それに同調して、誰かの放った白濁液が朋美の背中を濡らした。
「あはぁ、ななみぃ。いいよぉ」
とろけるような声を上げながら、七海のモノに手を伸ばす。
「ひゃ!。と、朋ちゃん。だめぇ」
慌てて声を上げる七海のペ○スをぐいぐいと前後に擦る。
「いやぁ、やぁ。だめぇ。そ、そんなの、両方で、両方でイッちゃう」
「お願い。一緒に、いっしょにイッテぇ!」
噴き出た液体で七海の膣をいっぱいにしながら、寄生虫って本当に素晴らしいと朋美は感じていた。

祭囃子が鳴り響き、たくさんの人達が参道を行き来する。
その中に、きゃあ、きゃあと黄色い声を上げながら、屋台の店員と話している3姉妹の姿があった。
末娘に向かって彼は言う。
「お嬢ちゃん、気に入ったならこれをあげるよ」
彼は奥から出してきた箱の中から、さなぎの様なモノを取り出すと少女に見せる。
「さっき話をした、いい虫の一つがこれだ。育ててみるといいよ。こいつは、光が嫌いだから、それだけは気をつけてな」
「何ていう虫なの」
「それは秘密だよ。大きくなればわかるから」
「うん。おじちゃん。ありがとう」
少女はニッコリと笑いながら、さなぎの入った袋を受け取った。
「ああっ・・・・美樹ばっかりいいなぁ」
それを見ていた一つ上の姉が羨ましげに言う。
「大丈夫だよ。こいつは成長が早いし、餌さえきちんとあげれば、すぐに卵を産むから」
「そうなの」
「ああ」
「それじゃあ、たくさん餌をあげないとね」
長姉の言葉に二人の妹はコクリと頷いていた。
こうして新たな寄生虫が人の手に渡った。
それは何を餌とし、宿主にどんな利益をもたらすのか。
あとは、あなたの想像(妄想)のままに・・・・・・・

あとがき

 500万ヒットオーバーおめでとうございます。
 お祝いとしてこの作品を贈らせて頂きます。
 この作品のテーマは「虫」と「ふたなり」の二つ、こちらのサイトでは余り見られないテーマなので、中には拒否反応を示される方もおられるかもしれませんね。
 でも笑って許してやって下さい。
 なんといっても、今回のストーリーはこちらのチャットである「#抹茶オンライン」内で管理人の一人であるabigailさんと話している最中に思いついたからです。
 更に、投稿を考えていたこと。作品の内容共に全く明かしていなかったにもかかわらず、執筆中のチャットで、作品の内容(ネタ)を言い当てる様な発言をしたからです。(それも何度も)
 私と言えば、その度に悶え苦しんでいたのですが(笑)
 このことから、この作品の本当の作者が私ではなく、abigailさんのテレパシーによって伝えられた文章をただワープロで打っただけということがわかります。
 という訳で、この作品の全責任はabigailさんにあります。

 ざくそんさんとabigailさん。
 そして他の投稿者の皆様。
 1000万ヒットめざしてがんばってください。

 それでは・・・

 BY 麗・狼(BGM:PHILIP MORRISスーパーメンソールに付いてきたCD)

< 終わり >

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